卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる! 作:hikoyuki
それからボクは思いつく限りの【フォッダー】関連用語を次々と言葉にする。それらをハルカさんが解析して、いくつかの分類に分けることができた。
ゲーム内用語
・【フォッダー】
・【ブレイズスロアー】
・【マクロ】など
テクニック
・〈トンネル避け〉
・〈
〈
・《運命変転》
・《ロールプレイング》
・《
〈
・〘Multa〙
・〘リアルステーション〙など
【
・【『アイテール』】
・【『クロノス』】など
「同じカテゴリの単語からは同じ周波数が出るのでしょうか。あとはゲーム外の単語でも、別種の周波数が出ることがあるようですね。『転式学院』とか」
「どういうことなのです? 別にそんな周波数?を出そうなんて意識してないのです」
逆に、意識して抑え込もうと思えば抑え込めるのかという実験をしてみると、
「ブレイズスロアー!」
「今の【ブレイズスロアー】には周波数が発生してなかったわね。どうやったの?」
「ブレイズとスロアーに分けて考えただけですね。ゲームのスキルとは無関係だと思えばいいみたいです」
と、このように周波数とやらを出さずに単語を口にすることもできる。けれど、だから何?としか言いようがないですよね。今まで観測されなかったよくわからないものなので、それを抑制したところで何も変わらない。
わかったこととしては、この周波数は何らかのカテゴリに含まれる単語を発すると自動的に発生するらしく、主に該当する用語はゲームに関わる用語だということ。
ただ、疑問がある。〈
仮にカテゴリに沿って周波数が発生してるとしたら、その大元はボクにあるのでは……?
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>卍さん変な周波数を出して思考盗聴しないでください><
>ここまで進展無し
>機材がハルカさんの所にしかないから正直本当にそんなものがあるのかすら疑わしいという
>こういう時はエボルドしてその周波数とやらを観測するしかないな
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「ねーねー。周波数がかてごり分けなのなら、結局〈ロールプレイング〉はどっちなの?」
「えっとさっきは……〈ロールプレイング〉は個人の意思なんて関係なく使えるようになったんじゃないかなって思ったんですよね。だからテクニックの枠に入れたんです。元は〈
つまりは〈ロールプレイング〉はテクニック枠になったから周波数帯域が変化した――というわけでもない。
なぜならテクニックとしてカテゴライズした後も、検証中に何度も〈
つまりこの周波数は、何らかのシステムや法則がカテゴライズしているというより、発言者本人の意思に由来していると言える。
「そっかー。じゃあこういうことだよね――〈
瞬間、ابتسامةさんがその場から消え去る。この時点では【パスファインダー】を取得していないため、システムによって探ることはできなかったけど、風圧の僅かな変化から察し、後ろに振り返ると――当然のようにابتسامةさんがそこにいた。
「なるほど、カテゴリを意図的に矮小化させたわけですか」
本来なら凄いプレイヤーにしか使えない。あるいはそう他者に思わせるほどの絶大な効力を持つ〈
言ってみればさっきの《ロールプレイング》と同じことだ。周波数によるカテゴライズという概念に気づいたابتسامةさんは、それを意識的に単独で成し遂げただけ。
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>マジ?ディバインアクションさんこれからはテクニックになるの?
>神様があんなに強かったのに全員使えるようになるのか……(呆れ)
>神様のディバインアクションが強かったのは例のアイテムが原因だからあれを持ってないと意味ないけどな
>でもそのアイテムお店で普通に売ってますよね
>なお、効果を見た卍さんは使えない模様
>というかあのアイテム関わらなくても矛盾を操作するって地味に利便性高いよな
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図らずとも人類が矛盾を操作できるようになるという副産物を得た今回の調査。あとはこの周波数の正体さえわかればいいんだけど……。
むむむ……と目を凝らし、《『心眼』》で周波数を観測しようとするボク。視線の先にはメグさんがいて、さっきからぶつぶつと【フォッダー】関連用語を呟いているようだ。
どうやら今のボクの《『心眼』》ではその周波数を観測できる域に達していないらしい。しかし、できないならできるように〈
ちょっと前までの明確な理由もなく、ただ次元を引き上げるだけが目的だった〈
幾多もの未来分岐においてボクは〈
そして【モーションアシスト】はそれら全ての情報を集約・統合し、たった1つの最適解を導いた。
それによってボクの《『心眼』》はさらなる〈
――ボクは世界の次元、その『最果て』を認識した。
ボクの眼に映ったのは……ボクの思考・行動・その全てが記載されたメッセージウィンドウだった。
些末な思考や細かい癖などは省略されているけれど……これは間違いない。これこそが――世界の根源だ。
こうして思考している間にも次々とボクの眼前に文章が打ち出されていく。そしていくつかの【フォッダー】関連用語は括弧書きでその表記が区別されているのが見て取れる。
そうだったんだ。この括弧書きこそが――別次元の周波数。
周囲を見渡すと、ボク以外のプレイヤーにもそれぞれ文章のようなものが浮かび上がっている。半透明の黒いシステムウィンドウが彼らのすぐ近くに浮かんでいて、一挙一動の動作・思考が雪崩のように記載されていく。
|おなかすいたなー。ゲームのなかでたべても意味ないし、1回ろぐあうとしよっかな?でもまじめにみんなおはなししてるし、我慢しよっと!|