卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!   作:hikoyuki

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第319話 お約束

「ほう……ついに『ボク』も下剋上を考える時がやってきたようですね?」

 

 真っ向から宣戦布告する『ボク』に感心しつつも、上から目線で威圧していく。あえて本体とコピーという態度を取るのなら、こちらもそれに乗らなきゃいけませんからね!

 

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>うわっ卍さんが自分のコピーを見下してるー

 

>下剋上とか自分が上だと思ってなきゃできない考えだろ、最低だな

 

>でも卍さんよりは俺のほうが『上』だからなー

 

>そのお前より俺のほうが『上』なんだよなあ

 

>卍さんの魅力はなんというか凄い事をしてる筈なのに実力を感じさせずに視聴者にマウントを取らせてくれるところにあると思う

 

>今思うと転式学園の言う才能ってそういうことだったんだろうな

 

>卍さんでもできるなら俺でもって奴だね

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 やはり『ボク』ですから優勝まではいかなくてもいい感じに勝ち上がってきてくれるでしょう。それなら決勝戦で雌雄を決しましょうか。

 

 そう考えていたところでボクの第1回戦の対戦相手が決定したようだ。対戦相手は――キリトさんですか。キリトという名前を使っている人は少なくないので、いつものキリトさんなのかはわかりかねますが、まあボクが考えてる人と同じだとしたら初戦の相手としては上等ですね。

 

 前回戦った時は色々とイレギュラーな状況でしたが、今回は野次馬もいないしサポート役のうさぎさんもいない正真正銘のガチバトル。

 

 ついでに言えばあの時のボクに課せられていた縛りもない!

 

「――叩き潰してやりますよ!」

 

 そうして開始時間を迎え、試合会場に自動で転移するボクと対戦相手。やはりいつものキリトさんのようですね。

 

 黒い装束に身を包んだ【ナイト】。その手には二刀流使いの元ネタと相反する一本の刀が――。

 

 ――いや、違う。どうやら今回は本当に二刀流で来るらしい。

 

 【フォッダー】産の未鑑定の剣を携え、クールな笑みを浮かべるキリトさん。

 

「ずいぶん嬉しそうですね。何かあったのですか?」

 

 

 

「――アスナと復縁した」

 

 

 

「な、なるほど」

 

 随分と溜めた後に宣言した割には推測できる内容でしたね。きっかけはなんにせよ、彼の立ち姿を見る限りでは以前に抱えていた心理的な障壁を乗り越えたということのようだ。

 

 このタイミングでキリトとしての代名詞である二刀流を真の意味で解禁したのも主人公としての覚醒を示しているのだろう。

 

「いいでしょう。それなら舐めてかかりません。あなたの二刀流の力を見せてください!」

 

【START!!】

 

 開幕と同時に光の速度でボクに向かって迫りくるキリトさん。やはり光速の領域に達していましたか。

 

 ボクは即座に地面から家を召喚してこのゲームの定石テクニックである〈ホームタクティクス〉の準備を整える。

 

 瞬時にせり上がるボクの足場。本来なら、上を取ったボクを狙って跳躍するタイミングだろう。しかしキリトさんはボクには目もくれず、ボクの足元にある【ホーム】に向かって特攻する。

 

 それならそれで構わない。ボクの持つ【空神の加護】の補正を一方的に上乗せできる状態だ。

 

 ボクの持つ風属性の杖【フェアリーストームワンド】から妖精が飛び出し、【ゲールウィンド】を自動的に撃ち込む。

 

 それに合わせて〈流水誘導〉によって風の通り道を生じさせ、その射出速度を大幅に引き上げる!

 

 光の速度でキリトさんを目掛けて4連撃の突風が駆け抜ける。それに対して彼はピンポイントの無効化スキル【ガードジャスト】を発動させてその威力を完全に無効化し、ボクの家に肉薄する。

 

【ガードジャスト】

[アクティブ][自身][支援][ガード]

消費MP:12 詠唱時間:0s 再詠唱時間:75s 効果時間:0.75s

効果:[ダメージ]を[無効化]する。

 

 そしてキリトさんは剣を振り上げ、『ソードスキル』の発動を高らかに叫ぶ!

 

「スターバースト・ストリーム!」

 

 一瞬で16連撃の斬撃が撃ち込まれ、【ホーム】は圧倒的な物質干渉力によって大きく弾き飛ばされる。ボクは即座に跳躍し、家から飛び降りながらキリトさんを目掛けて上方から迫る。

 

「【【ソウルフレア】】!」

 

「【【【オフセット】】】!」

 

 ボクが杖を叩きつけようとした瞬間、キリトさんは2本の剣を斬り上げながらスキルの発動を宣言する。【オフセット】――攻撃を相殺する瞬間のみ威力が跳ね上がるガード系スキルだけど、その程度でボクの【ソウルフレア】が破られるはずがない!

 

【オフセット】

[アクティブ][近接][攻撃][物理][ガード][条件:盾]

消費MP:6 詠唱時間:0s 再詠唱時間:45s

効果:[キャラクター]に[ダメージ]を[与える]。[スキル][相殺判定時]に[出力]を[増加]させる。

 

 そして2本の剣とボクの杖が接触――

 

 ――しない。杖をするりとすり抜けて2本の剣がボクの身体を斬り刻む。

 

「武器だけを〈トンネル避け〉させましたか……っ!」

 

 【ソウルフレア】を通過させて相殺判定を生じさせ、威力を増加させたうえで減衰を可能な限り抑えた一撃……!

 

 キリトさんの一撃がボクに命中するのと同時に【ソウルフレア】が相手にヒットする。ボクのHPは全損するが、キリトさんは――

 

 

 ――全損しない。

 

 

 今の一撃、間違いない。【オフセット】が16回発動していた。

 

 ボクのHPを全損させたのは2回分の【オフセット】であり、残り14回分のスキルはすべてボクの【ソウルフレア】を減衰するために用いられていたんだ。

 

 さらに攻撃と同時にHPを回復させる何らかの装備効果が発動していたらしく、ボクの攻撃によるHPの減少を抑え込むようにゲージが不自然に動いていたのが見て取れた。

 

 それでもなお極められた炎属性によって生じたダメージは絶大で、キリトさんのHPゲージはごく僅か。

 

 【不死鳥の加護】による継続ダメージで即座に失われるような風前の灯火だけど……。ボクのほうが先に全損した以上、勝敗は確定した。

 

 ――ボクの負けだ。

 

【ゲームセット WIN:殺キリト戮 LOSE:卍荒罹崇卍】

 

 

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>ちょっと予想してた

 

>ラスボス……?

 

>ま、まあ練習だからなこれは

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