卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!   作:hikoyuki

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9.5章 BreakTime 嵐の前の休日!
第353話 お詫び


「ごめんなさい、めりぃさん!うちの妹がすいません!いや、そもそも戦いに巻き込んでしまって申し訳ありません!」

 

「ごめんなさい……ゲーム機を壊してしまって……」

 

 次の日、【フォッダー】にログインしてきためりぃさんのもとへ向かい、灑智と2人でぺこぺこと謝る。

 

「んー?いいんだよー。『VRステーション2』が壊れたって言ったらすぐにメーカー対応してもらえたからー」

 

 めりぃさんは快く許してくれた。星の感情表現(エモート)を発動させ、太陽のような笑顔で「楽しかったよー」とフォローまでしてくれる。

 

 しかしめりぃさんが許してくれてもボクは申し訳なさでいっぱいだ。お詫びをしなければ……!

 

「今日はめりぃさんの要望になんでも応えちゃいますよ!どこか行きたい場所とか、やりたいコンテンツとかありません?」

 

 そう問いかけると、めりぃさんは顎に手を当てながら考え込み、やがて電球の感情表現(エモート)を光らせて答えた。

 

「そうだ。じゃあ今日はみんなでクエストを攻略していこうー!もちろん配信をしながら、ね?」

 

「わかりました!それではよさそうなクエストを探してみましょうか。あかりちゃんさんのサイトに載ってないかな?」

 

 ボクはあかりちゃんさんの攻略サイトを見ながら配信を開始し、今日はめりぃさんと一緒にクエストを攻略すると伝えた。

 

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>お詫び配信枠で草

 

>クエストなんて普通のプレイヤーはみんなクリアしてるんだよなぁ

 

>あかりちゃんさんの攻略サイトが最強すぎるからな

 

>クエスト攻略楽しみ

 

>ユニーククエストとか隠しクエストみたいなのってないの?

 

>あるわけねーだろぶち殺すぞ

 

>マジレスすると1億円の課金プレイヤーはユニーククエストがあるぞ

 

>メインクエストの時点で隠しルートみたいな感じだったからそういう隠し要素たくさんありそう

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「隠しクエストですか。確かにそういうのを見つけるのって楽しいですよね」

 

「あかりちゃんのサイトに載ってるクエストは攻略方法も報酬も載ってるしねー。今日はサイトに載ってないクエストを探してみよう!」

 

「私たちが新しいクエストを見つけるんですねっ。楽しみです!」

 

 めりぃさんと灑智が2人で盛り上がっているが、他の人がまだ見つけていないクエストを探すのは一苦労だ。今日のお詫びも空振りに終わるかもだけど――いや、そんな弱気な考えではダメだ。

 

「わかりました!それでは今日の目標は『攻略サイトに載っていないクエストを見つける』こととします!見つけるまで今日という日は終わりませんからね!」

 

 考えてみれば、それほど分の悪い賭けではない。あかりちゃんさんの攻略サイトは確かに情報が充実しているが、【フォッダー】のプレイヤーは自分の見つけたアドバンテージを隠したり、偽の情報で他のプレイヤーを撹乱するのが大好きだ。あかりちゃんさんのサイトでも網羅できなかったクエストがいくつか存在していてもおかしくはない。

 

「お姉様、どうやって探しますか?手当たり次第で歩き回りますっ?」

 

 見つかっていないクエストを探す以上、手がかりはどこにもない。ボクはうーんと考え込んでから意見を述べる。

 

「そうですねー、まずは【ディスポサル城下町】から回ってみましょうか?サービス開始時点から存在している街ですが、最近のアップデートで新しいクエストが増えているかもしれません」

 

 あかりちゃんさんの攻略情報を見るに、アップデート後に新たに発見されたクエストはないようだけど――だからこそ調べてみる価値はある。

 

「それじゃあ早速、【ディスポサル城下町】に行ってみよー!」

 

「おー!!」

 

 というわけで【ギルドハウス】を経由して【ディスポサル城下町】へひとっ飛び。昔はこういう時にも【コールグループ】が必要でしたから、便利な世の中になりましたね。

 

 せっかく【ディスポサル城下町】に来たので、まずはレジーナさんの様子を見に行きましょう。ログインボーナスの【パインサラダ】をもらうための行列に並ぶ。

 

「レジーナちゃんが新しいクエストを依頼してきたりしないかなー?」

 

「どうですかね?毎日この辺りにはプレイヤーがたむろしていますし、新しいクエストがあったら見つかっていそうですが……」

 

「勇者関係のクエストは【魔族の街】の件で解決した節がありますからね。でも、【パインサラダ】は貰っていきます。日課ですからねっ」

 

 やがてボクたちの番がやってきた。灑智がレジーナさんに元気よく挨拶する。

 

「こんにちは!【パインサラダ】を貰いに来ましたっ!」

 

「来てくれてありがとう、灑智お姉ちゃん!どうぞ、レジーナの【パインサラダ】だよ!」

 

「えへへ、お姉ちゃんですよーっ!」

 

 灑智はにへらと笑みを浮かべながら【パインサラダ】を受け取る。とがみんのこともそうだけど、灑智はお姉ちゃんと呼ばれたいお年頃らしい。我が妹ながらきゅーとですね。

 

「あたしにも【パインサラダ】ちょーだいー!」

 

「はい、めりぃお姉ちゃん。愛情を込めたよ!」

 

「ボクも【パインサラダ】くださいな」

 

「はい、卍さんにはこれね」

 

「レジーナさん???」

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