卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる! 作:hikoyuki
「卍さんには【マグマカップラーメン】、めりぃさんには【きらきら納豆ご飯】ですわ。灑智さんには【黄昏のゆで卵】、とがみんさんには【とれたてにんじん】をどうぞ」
「相変わらずのラインナップですね……」
「わーい、にんじんだー♥」
猫姫さんににんじんを差し出されてカリカリと食べ始めるとがみん。かわいい。もはや料理ですらないように見えるのだが、効果面では全く問題ないらしい。
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>かわいい
>ぼくもとがみんに餌やり体験したい
>カップラーメンとか完全に既成品で草
>猫姫さんの料理センスはボロボロ
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ボクも頂いたカップラーメンを食べることにした。真っ赤なスープが特徴的で、見るからに辛そうだ。
「いただきまーす。もぐもぐ……えっ、なにこれ!辛い!?」
「そんなに辛いんですか?ちょっと気になりますっ」
灑智が興味深そうにボクの手元にあるカップラーメンを見つめるが、辛さの度合いは問題ではない。
「一般的にVRMMOは痛覚を感じることができないように設計されてるんです。もちろん痛覚を完全に否定するとリアリティが損なわれるので、最低限の痛みは感じ取ることができますが……」
「辛みなんて概念を認識できないくらいの、本当に最低限のものだよね♥」
とがみんの補足する通り、少なくとも明確に辛いと認識するほどの料理はVRMMOの中では再現し得ない。そう思っていたのだけど……。
「卍さん、知らなかったのー?【フォッダー】の料理にその制限はないよー?」
「えっ?」
「あたしも調べたんだけどねー。このゲームは料理に関して言えば法律なんて無視してるみたいー」
「え、だって普通はそんなことをしたら、是正命令とか来ますよね?そもそもソフトウェアではなくハードウェアに掛けられているはずの制限を突破するなんて……」
「でも、【フォッダー】だよー?」
めりぃさんは当たり前のことを言っているのに、と言わんばかりに小首を傾げる。確かにそうですね。人体が突然〈
「そうですね。考えるのはやめましょう。1つ言えるのは、グルメ好きのゲーマーさんは他のゲームより【フォッダー】の方が食事を楽しめるかもしれませんね」
安全性を確保するために制限された五感は一面だけを見れば単なる不快感にすぎなくても、別の側面では重要な体感要素になることがある。
そんなクッキングシミュレーターですら
さすが【フォッダー】、神ゲーですね!
猫姫さんのラーメンをずるずると啜りながらステータスを確認すると、
他のみんなも猫姫さんの料理を食べ終えたみたいだ。
「これで準備万端だよー!これだけHPがあれば耐えられるー……かも!」
めりぃさんは集中線の
既に食事を終えているボクやめりぃさんとは対照的に、とがみんは未だににんじんをかりかりと囓っている。めりぃさんもその愛らしい様子に目を留めて、優しくなでなでし始めた。
「ゆで卵ってこんなに美味しいんですねっ」
「【神竜の卵】には劣りますが、材料には拘っていますのよ」
こうして朗らかな食事タイムを終えて、準備完了!
「それじゃあ、早速アリンドさんのもとへ――」
ボクが出発の合図を出そうとしたその時、背後から声がした。
「おねえさまぁ♥こんな愉しそうな集まりに呼んで頂けないなんて、酷いです♥」
「おっ、明日香さんですか!確かにこの面子ならぴったりですね」
図らずもきゅーとな女の子だけで集まっていたアリンドさん討伐【パーティ】。確かに通常の構成最大人数である6人に満たないのは問題だった。クエストでもなんでもない集まりに、新規メンバーとして呼ぶのは迷惑だろうと控えていたのだが、自分から来てくれたのなら、当然大歓迎だ。
「明日香さんも参戦ですのね。それではもう一品用意しなければなりませんわね。何に致します?確か【サイキック】でしたわよね」
「それでは、
【アサシン】ですか。明日香さんにはぴったりですね。
【サイキック】は
ただし、
【デュアルスキル】
[パッシブ][パーミッション]
効果:[アクティブ][スキル]を[重複]して[習得]できる。ただし[ジョーカー]は[習得]できない。
「それでは明日香さんが食事を終えたら、アリンドさん討伐に出発しましょうか!」