卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!   作:hikoyuki

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第373話 リザルト

 【メテオ】の一撃を受け、粒子となって溶けていくアリンドさん。同時に【パーティ】メンバーの【ストレージ】にドロップアイテムが格納される。

 

 早速自分の【ストレージ】を確認してみたが、どうやらアリンドさんの【カード】はないようだ。確率ドロップだとしたら、何度も倒さないと手に入らないかもしれない。

 

 しかしその心配は杞憂だったようで、猫姫さんが【ストレージ】から【カード】を取り出し、天高く掲げていた。

 

「ドロップしましたのー!」

 

 これでひと安心ですね。そう思ったボクは改めてドロップ品を確認する。【願いの石】が1つと【パインサラダ】が3つ。取り立てて注目するような内容ではないですね。

 

「私は【勇者の剣】をドロップしましたっ!」

 

 灑智が入手した武器の能力を見てみると、なかなかに優秀な装備だと分かる。

 

【勇気の旗印】

[パッシブ]

効果:この[スキル]を[自在指令][自己指令]として[扱う]。この[時]、[該当]する[スキル]の[適用条件]を[無視]する。

 

【自在指令】

[パッシブ][条件:神聖の力/オン]

効果:各[コマンド]の[再詠唱時間]を他の[コマンド]の[再詠唱時間]で[代替]する。

 

【自己指令】

[パッシブ][条件:暗黒の力/オン]

効果:[コマンド]の[対象]を[自身]に[変更]する。

 

「【ナイト】の指揮官(コマンダー)系統のスキルを、通常の効果適用条件を無視して両立させるスキルですね。本来【神聖の力】や【暗黒の力】は同時に起動する事は出来ないので、それが効果の適用条件となっている【自在指令】と【自己指令】を両立する事は出来ないのですが、このスキルなら組み合わせて使える、と」

 

 欠点としては、受動(パッシブ)スキルに[スイッチ]というキーワードが含まれていないため、装備中は自分以外に【指令】を出せなくなることですが……。【自己指令】を利用する(ビルド)で他のプレイヤーをサポートしたくなる場面はあまりないでしょうね。

 

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>指令って意外と強いんよな。乱獲するか?

 

>できるもんならやってみろ定期

 

>司令流と組み合わせたら連打できそう

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 灑智と猫姫さん以外にめぼしいアイテムをドロップした人はいないようで、ボク達は早速本題へと移る。

 

「それでは――【勇気の旗】を入手しに行きますか!」

 

 まずは【転生屋】に立ち寄り、猫姫さんにアリンドさんの【アバター】を追加してもらう。

 

「よし、早速切り替えてみますの。それっ」

 

 明日香さんがスライムの【アバター】を使うときのように、猫姫さんの姿も掛け声と同時に切り替わる。

 

「あら、完全にアリンドさんと同じではありませんのね♥」

 

 明日香さんの言う通り、アリンドさんの【アバター】を使用した猫姫さんの姿は、本物の彼とはかなり違う。従来のアバターを少しマイナーチェンジしたような姿だ。身長が少し高くなり、ゆるふわだったお顔がきりっとした顔立ちになった程度。外見だけでアリンドさんの【転生】を使っていると見抜くのは難しいかもしれない。

 

「わっはっはっはー!わたくしに任せとけ、ですの!帰ったら【パインサラダ】をご馳走しますわよ!」

 

 アリンドさん流の死亡フラグ建築芸を真似し、高らかに笑う猫姫さん。かわいい。

 

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>かわいい

 

>5秒で死にそう

 

>アリンドさんに謝れ

----

 

「まあ、【勇気の旗】の採取に危険は無いんだけどねー♥」

 

 とがみんが猫姫さんの頭にぴょんと飛び乗りながら、フラグの建築をサポートしだした。今日はこれだけ苦労したのに、ここからさらに戦いがあったら、さすがに疲れちゃいますよ。そうなったら【勇気の旗】の採取はまた後日ですね。

 

「【勇気の旗】は【トラシュ山】にあるんだっけー?」

 

「その通りですわ。わたくしがご案内いたします!なぁに、心配せずとも危険はありませんわよ。わっはっはっはー!」

 

 【アンネサリーの街】から南へ行ったところに【トラシュ山】はある。序盤に訪れるマップなので、出現する通常モンスターに危険はない。

 

 ボク達はゆっくりと山登りを始めた。時折やたら巨大なうり坊が通りがかることもあったが、基本的に『受動(パッシブ)』なので問題はない。遭遇するたびにじっくり構ってあげ、それからまた先を急ぐ。

 

 やがて何事もなく【トラシュ山】の山頂にたどり着いた。周囲を見渡すと、序盤のダンジョンにしてはやけにプレイヤーが多い。【勇気の旗】を入手するところを見に来たのだろうか。

 

「さて、【勇気の旗】はどこにあるんですか?その辺に刺さっていたりする訳では無いようですけど」

 

「どうやら入手の権利をもつわたくしにしか見えていないようですわね。ほら、ここに生えていますわ」

 

 そう言って猫姫さんはなんの変哲もない地面を指差す。けれどそこには何もない。《『心眼』》で捉えようとしても、やっぱり何も見えない。わざわざ見に来た人は残念でしたね。

 

 しかし猫姫さんがその見えない何かに両手を掛けたかと思うと、きらきらと煌めく旗が急にその場へ出現した。

 

 【ディスポサル王国】の国旗が風に揺れ、神聖な光を放っている。なんの変哲もない場所に生えているわりに、どことなく荘厳さを感じさせる。

 

「これが【勇気の旗】ですわ。どうかしら?」

 

「……これをオムライスの旗に使うんですか?」

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