卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる! 作:hikoyuki
最大HPを大量に確保し、準備が完了したところでابتسامةさんが動く。
「〈その名は『ヒュマデサタン』、混沌たる化身の名の下に、今ここに契約を交わさん〉【コントラクトカード】!」
【コントラクトカード】
[アクティブ][自身][支援][魔法][専用]
消費MP:6 詠唱時間:10s 再詠唱時間:1m 効果時間:1m
効果:[カード]に[記載]された[モンスター]の[限定][スキル]を[1つ][選択]して[獲得]する。[選択]できない[スキル]も[存在]する。
【カード】を利用してモンスターのスキルを取得する【シャーマン】のスキルだ。【魔王】のカードが出回っていることは前々から噂に聞いていたが、ここで出てくるか……!
何のスキルを獲得したのかはわからないが、魔法の攻撃回数を増やす【トリプル】や怒涛の連続攻撃で最大HPを刈り取る【サミダレ】などの強力なスキルがあったと記憶している。
「【アームズスイッチ】【剥奪】――」
武器を装備していないときにのみ使用できる
メグさんが【〈パウダーホーム〉】をばらまき、【キネシス】によって次々と矢を撃ち落としていく。
「【アブソーブ】!」
『投射』ではなく、『座標』でもない。『キャラクター』そのものをターゲットに選ぶこのスキルは、射程内であれば確実に命中する。
HPを吸収する通常の効果に加え、【剥奪】によって追加された
「効いていない、無効化された?」
【ガードジャスト】ではダメージを無効化できても
それらのパターンとは異なる事象が生じた。ダメージは与えられ、HPもまともな量を吸収できている。にもかかわらず、HPゲージが全く動いていない。
状況を分析する暇もなく、ابتسامةさんが目の前まで迫ってくる。
「【剥奪】【連撃】【圧倒】【浸透】――」
【モンク】の
即座にメグさんが割り込もうとして、
「《『動かないで』》」
「――ッ!」
ぷにりんさんの『権能』により一瞬だけ足を止められる。
「«テレポート»!」
「«テレポート»だよー」
大きく後方へ«テレポート»で退避するが完全に動きを読まれていた。ابتسامةさんは合わせるようにボクの正面へ«テレポート»し、そのまま勢いよく衝突してくる。
「くっ……」
苦し紛れに【タブレット】を噛んで
即座に【オートユーザー】を起動してHPを最大まで回復させるが、この火力であればどちらにせよ一撃で削り取られる。
ボクは再び【アームズスイッチ】を発動させて杖を呼び戻し、ابتسامةさんを見据えながら【エレウテリア】を発動させる。しかしやはりHPの減少はない。そこで彼が【魔王】から取得したスキルに気づく。
「『障壁』のスキルを取得しましたね!」
【魔王】が戦いの開始時点から展開し続けている、ダメージを無効化する『障壁』だ。一定のダメージを与えると壊すことができるのだが、それまでは全くダメージが通らなかったことを記憶している。
結果的には【剥奪】を使わずに【フルバーニング】で弾き飛ばしたほうがマシだった。完全な戦術ミスだ。
メグさんはなんとか身体を動かし、ぷにりんさんに接近戦を仕掛けているようだが、動きはまだ鈍い。完全には解除されていないようだ。
メグさんと合流するか、ここでابتسامةさんと相対するか――ほんの一瞬の逡巡の後に、
「【フルバーニング】!」
ابتسامةさんを焼き払うことを選択した。瞬間的に大爆発が生じ、並のプレイヤーなら一撃のダメージを与えたはずだが、やはり無傷。おそらくは『障壁』すら破れていない。
「【ヒーリングエリア】〈癒やしの領域にて、長きに渡る祝福を〉」
ابتسامةさんは追撃よりもまず先に布陣を整えることを優先した。『
『エリア』によって向上したステータスも踏まえれば、【ソウルフレア】や【フルバーニング】だけでは『障壁』を割ることはできない。【イグニッション】による強化が必要だ。
そうなると、わざわざ勝負に付き合って『障壁』をぶち壊すより、【コントラクトカード】の
ただし【コントラクトカード】は
ここまで思考を巡らせ、答えは決まった。最大火力でぶち破る。それが最適解であり、ボクの流儀だ。