卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!   作:hikoyuki

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第435話 捏造設定

 長かった【サバイバル】が無事に終了し、元のマップへ自動的に転移する。

 

「お疲れ様でした……!なんとか勝ち残れましたね!」

 

「お疲れ様なのです!長い戦いだったのです」

 

 メグさんは大きく息を吐きながら『おつかれ』の感情表現(エモート)を発動する。そんな彼女にボクは【スーパーエモート】で『なでなで』の感情表現(エモート)を発動させて応じた。

 

「わわっ、この感情表現(エモート)って実体があるのです?びっくりしたのです」

 

 雨の感情表現(エモート)なんかは演出だけで、実際には水の感触がないのだが、『なでなで』の感情表現(エモート)は別らしい。なにか使い道があるかも、とは思ったが、本題ではないので今日のところは置いておく。

 

「卍さんおつかれさまー」

「……おつかれさま……」

 

「あっ、ابتسامةさんじゃないですか!それにぷにりんさんも!」

 

 ボクはابتسامةさんに駆け寄って『なでなで』の感情表現(エモート)を発動させる。彼のスライムみたいな身体がぷるぷると震えた。

 

「【サバイバル】では恐るべき強敵だったのです……!強かったのです!」

 

「でもまけちゃったからねー」

 

 ابتسامةさんもぷにりんさんもかなりの使い手ではあるが、やはりボク達と同じように『チーミング』で連携を取っていたのが、苦戦を強いられた理由だろう。同じように【黄金の才(ユニークスキル)】の使い手達も強敵だったが、あの時は実質的に帝王龍さんが味方だったから、数の上では優位だった。

 

 ぷにりんさんも感情表現(エモート)を発動してほしかったらしく、こちらへ頭を向けてきたので、ボクの手で直接なでなでしてあげる。するとابتسامةさんが「ずるい!ぼくも!」と擦り寄ってきた。

 

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>かわいい

 

>なでなで

 

>ぷにぷにしたい

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「ابتسامةさんは私がなでなでしてあげるのです!」

 

 そんな感じで二人の『異形』と戯れていると、背後から声がした。

 

「よォ、卍さん」

 

「帝王龍さんですか」

 

 彼も間違いなく強敵だった。時間を停止するという【黄金の才(ユニークスキル)】の影響力は計り知れない。まともに単独でやり合っていたら粉々に打ち砕かれていただろう。

 

 しかし、そうはならなかった。結果だけを見れば、恐るべき【黄金の才(ユニークスキル)】の力もプレイヤー二人分に匹敵するほどではなかったということか。

 

「本来なら反省会なんてガラじゃねェんだが、聞きたいことがあってな。どうやって【『クロノス』】の発動中に攻撃を避けた?」

 

 帝王龍さんの質問に、ボクはぷにりんさんをぷにぷにしながら答える。

 

「簡単な話ですよ。あれはただの〈感受誘導〉です。正確には〈魂の言葉(ソウルワード)〉なのですが――ボクがいる場所を誤認させることによって、帝王龍さんが自ら攻撃を逸らしたんです」

 

「なるほどな。止まった時間の中でも〈魂の言葉(ソウルワード)〉は使えるのか」

 

 基本的に、普通の〈感受誘導〉は動作によって思考を誘導する技術なので、時間が止まっているときには使えない。

 

 けれど〈魂の言葉(ソウルワード)〉なら〈呪い(まじない)〉の力により、直接相手の精神へ思考誘導を仕掛けることができる。

 

 と説明すると、帝王龍さんが首を傾げた。

 

「そもそも〈呪い(まじない)〉って情報がほぼ初耳なんだが……。お前が書いてるテクニックの一覧に載ってるのは見たが、配信内では初出だろ?」

 

「おや、初出であると断言できる程にボクの配信を見ているんですか。ありがたいことです」

 

「そ、そんなに見てねェ。主に切り抜きだ」

 

 間違いなく嘘だと〈ロールプレイング〉から判断できたが、深くは突っ込まない。

 

「どうやら〈魂の言葉(ソウルワード)〉の仕組みと深くつながっているエネルギーのようなものらしいんですよ。【モーションアシスト】が〈魂の言葉(ソウルワード)〉によって通常よりも深い最適解を導き出すのは、単純に指示の仕方だけによるものではなく、その〈呪い(まじない)〉のエネルギーを利用しているからということらしいです」

 

「……〈魂の言葉(ソウルワード)〉に関わりがあるってことはわかったが、〈呪い(まじない)〉ってのが何かっていう質問の答えにはなってねェな」

 

「うーん、ボクもそこはよく知らないんですよね。恐らくは精神力や言霊の力によって物理現象に介入できる?みたいなイメージです。あとは『異形』が持つ特殊な力の源でもあるようです」

 

「そんな力があるの?しらなかったー」

 

 『異形』の当事者であるابتسامةさんがほのぼのとした声色でそう話す。どちらかといえば〈呪い(まじない)〉についてはぷにりんさんの領域だろう。

 

「そんな力が……あるんだ……知らなかった……」

 

----

>誰も知らなくて草

 

>まーた卍さんの捏造設定か

 

>証明できない架空の謎エネルギーを新しく作り出すのやめろ

----

 

 架空じゃないですから!灑智があるって言ってましたから!灑智が本当の事を言ってたかは知らないですけど!

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