卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!   作:hikoyuki

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第440話 クラスチェンジ

 逆転の一手はないかと考えたが、すぐに思い直した。初めてのバトルで最適な一手なんて出てくるはずもない。今できるのは、出せる【カード】を出すことだけだ。

 

「【マナキャスト】――【レッドゴブリン】、召喚!」

 

「【マナキャスト】して【ナイトツリー】を召喚し、【弾丸うさぎ】で攻撃……。厄介ですね、【カウンター】持ちですか♥」 

 

『卍荒罹崇卍 ライフ:18→15 マナ:3→4→1』

『屠神 明日香 ライフ:30 マナ:2→3→1』

 

【レッドゴブリン】

COST:3 HP:5 AT:2

効果:[カウンター]を[持つ]。

 

【ナイトツリー】

COST:2 HP:4 AT:1

効果:[リジェネ]を[持つ]。

 

 なるほど、攻撃対象に選ばれた時、反撃できる能力ですか。

 

 HP的にはこのフェイズで総攻撃を受けても【レッドゴブリン】が破壊されることはない。逆に【カウンター】の効果で【弾丸うさぎ】を破壊することすらできる。となれば次のフェイズでの行動は……。

 

「【マナキャスト】して【ナイトツリー】に攻撃!」

 

「【マナキャスト】――【クラスチェンジ:アーチャー】を【ナイトツリー】に付与して【レッドゴブリン】に攻撃!【弾丸うさぎ】はプレイヤーに攻撃です♥」

 

『卍荒罹崇卍 ライフ:15→12 マナ:1→2』

『屠神 明日香 ライフ:30 マナ:1→2→0』

 

「強化系の【カード】ですか!?」

 

【クラスチェンジ:アーチャー】

COST:2

効果:[任意]の[モンスター]に[カウンターブレイク][トランスポーター]を[付与]する。

 

 【カウンターブレイク】の効果により【レッドゴブリン】の【カウンター】は適用されず、【レッドゴブリン】はHPを1点削られる。一方こちらも【ナイトツリー】のHPを2ポイント削ることには成功したが――。

 

「【リジェネ】の効果によりフェイズ終了時に【ナイトツリー】のHPを1ポイント回復……♥」

 

「やっぱりそういう効果ですか……」

 

 現在の状況は最悪だ。ライフ面のアドバンテージを大きく失ってしまっている。【弾丸うさぎ】は【カウンター】で倒せるからと今回のフェイズでは狙わなかったが、このまま順当にボクのライフを削られれば敗北は必至だ。

 

 だが逆にこの盤面を返す手段も見えてきた。【フォッダー】に存在する【カード】はゲーム中に登場するモンスターのみのはずであり、【クラスチェンジ:アーチャー】のような特殊能力の【カード】は存在しないはずだ。つまりこの手の能力は、システムとして使用できるということ。

 

 ヘルプでシステムの説明を確認し、即座に使う。

 

「【マナキャスト】して【クラスチェンジ:ナイト】を【レッドゴブリン】に付与!【アクション:ディフェンス】を発動させて【ナイトツリー】に攻撃!」

 

「【マナキャスト】して【弾丸うさぎ】と【ナイトツリー】で【レッドゴブリン】に攻撃……おっと♥」

 

『卍荒罹崇卍 ライフ:12 マナ:2→3→1→0』

『屠神 明日香 ライフ:30 マナ:0→1』

 

【クラスチェンジ:ナイト】

COST:2

効果:[任意]の[モンスター]に[タウント][アクション:ディフェンス]を[付与]する。

 

【アクション:ディフェンス】

COST:1

効果:[次]の[フェイズ][終了時]まで、[この][アクション]を[発動]した[モンスター]が[ダメージ]を[受ける][時]にその[ダメージ]を[1][ポイント][減少]させる。

 

 本来なら2体のモンスターの総攻撃で【レッドゴブリン】は倒されるはずだった。しかし【アクション:ディフェンス】の効果によってそれぞれの攻撃によるダメージが軽減され、HPを2ポイント残してその場に踏みとどまる。逆に【弾丸うさぎ】は【レッドゴブリン】の【カウンター】を受けて破壊された。

 

「【リジェネ】の効果で【ナイトツリー】のHPを回復します……♥」

 

 現在の盤面はこちらにHPが2の【レッドゴブリン】が1体、明日香さんの盤面にHPが2の【ナイトツリー】が1体だ。

 

 このままなら次のフェイズで【ナイトツリー】も撃破できるが――明日香さんのマナは次のフェイズで2に達する。新たなモンスターを召喚することもできるし、【クラスチェンジ】を使うこともできるということだ。

 

「【マナキャスト】して【レッドゴブリン】で【ナイトツリー】に攻撃!」

 

「――【マナキャスト】して【レッドゴブリン】に攻撃です♥」

 

『卍荒罹崇卍 ライフ:12 マナ:0→1』

『屠神 明日香 ライフ:30 マナ:1→2』

 

 明日香さんはマナを温存した――いや、今の盤面を【クラスチェンジ】で切り返すことはできなかったのだろう。こちらの盤面には【レッドゴブリン】が残り、明日香さんの盤面は空になった。ライフ差こそあるが、形勢は変わってきた。

 

「【マナキャスト】して【レッドゴブリン】で明日香さんを攻撃!」

 

「【マナキャスト】しますわ♥」

 

『卍荒罹崇卍 ライフ:12 マナ:1→2』

『屠神 明日香 ライフ:30→28 マナ:2→3』

 

 次のフェイズも明日香さんは何もしなかった。手札に使える【カード】がない? いや、そんなはずはない。フェイズごとに新たな【カード】をドローしていることもあって、お互いの手札は潤沢に余っている。

 

 その上で気になるのは――ボクの手札にはコスト4以上の【カード】が山のように存在しているが、ここまでの削り合いでは一度たりとも使用されていないということ。

 

 マナが1フェイズにつき1ポイントしかチャージされない仕様上、高コストの【カード】を使いづらいのは当たり前のことではあるが――そのぶん強力な効果を持つ【カード】が飛び出してきてもまったくおかしくない。

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