卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!   作:hikoyuki

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第452話 ✛さん

 チャットを送ってから少し待っていると、」さんが【訓練場】に入ってくる。

 

「新たな生贄が来ましたよ!囲んでください!」

 

「りょうかいー!」

 

「ゴブー!」

 

「いけにえってなんのことー!?こわいー!」

 

「はい、イヤリングだよー。着けて着けてー!」

 

「う、うん。わかった。そうびを変更してっと」

 

「よし!装備変更を確認ー!全力で最大HPを削っていこー!」

 

「きゃー!たすけてー!」

 

 めりぃさんとゴブ蔵から【ライフコラプス】の連続攻撃を受けて、瞬く間に最大HPを削り取られていく」さん。傍目には完全にPKだ。

 

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>【悲報】卍さん、悪質なPK行為に手を染める

 

>仲間に指示して自分は観てるだけとか最低のPKだな。卍さんのチャンネル登録外します

 

>これ半分犯罪だろ

 

>全部犯罪だぞ

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 懸念していた通り、コメント欄ではすでに悪質な『プレイヤーキラー』扱いの誹謗中傷が飛び交っていた。まあいつものことだと軽く流し、」さんの最大HPが0になったのを確認してから【フィーニクス】を召喚する。それから【連爆の杖】を使用してアンデッドの」さんたちを一掃した。

 

「よし、」さんの【カード】も入手できましたよ!」

 

【カッコトジスケルトン】

COST:1 HP:1 AT:1

効果:[アクション:テレポート]を[持つ]。[自身]が[場]に[存在]する[限り]、[アクション:テレポート]の[コスト]を[1][ポイント][低下]させる。

 

【カッコトジゾンビ】

COST:1 HP:1 AT:1

効果:[アクション:テレポート]を[持つ]。[アクション:テレポート]が[発動]した[時]、[自身]は[デッキ]から[カード]を[1][枚][選択]する。[デッキ]を[シャッフル]して[選択]した[カード]を[デッキ]の[トップ]に[配置]する。

 

【アクション:テレポート】

COST:1

効果:[味方][モンスター]を[1][体]まで[手札]に[戻す]。この[効果]は[1][フェイズ]に[1][回]まで[発動]できる。

 

「モンスターを手札に戻す効果があるんですね。【『オネイロス』】の独特な挙動を再現できていますよ」

 

「でもモンスターを手札に戻すのって意味があるのー?相手のモンスターならともかく、自分のモンスターでしょー?」

 

「ゴブ蔵の【カード】のように場から離れた時に発動する効果を能動的に使用したい時やHPの減ったモンスターを逃がす時などに使う感じでしょうかね」

 

 手札に戻したモンスターを再召喚するには改めてコストが必要になるため、かなり玄人向けの効果だ。とはいえ、うまく噛み合う他の【カード】と組み合わせられれば、そのシナジーは計り知れない。

 

「これが」の【カード】かー。ねぇねぇ、」にもちょうだい!」

 

「良いですよ。7枚も入手できましたからね。3枚ずつプレゼントします」

 

「わーい!」

 

 というわけで」さんとついでにめりぃさんにも本人の【カード】を渡す。改めて【カード】を見ると、骨だけになった『スケルトン』は身長以外では見た目の区別がつきませんね。『ゾンビ』の方はまだ面影が残っているのですが。

 

 なにはともあれ新たな【カード】を手に入れる手段は確立した。ゲームのプレイ歴に応じて効果が変わるのだとしたら、能力のパターンは青天井だ。【ヒュマデサタン】に対抗できる効果を持つ【カード】も集められるかもしれない。

 

「よーし。お友達に協力してもらって、いろんな【カード】を集めましょう!」

 

 それからボクは【フレンドリスト】から友人を片っ端から呼び出して【カード】化していく。『スケルトン』や『ゾンビ』になることに難色を示す人や、ボクのお願いを聞きたくないというツンデレな人もいたが、最終的には様々な【カード】を入手できた。

 

 結局【訓練場】の外へ【カード】を持ち出す手法を発見できなかったが、今回の手順であれば【訓練場】の外であっても簡単に【カード】を集められる。

 

 もしかするとなにかしらの手段があるのではないかと疑っているが、量産できるならどこで生成しても同じだ。

 

 もちろん並行して【ネームド】の【カード】も集めていく。元になった【カード】に追加で能力が付与されるという性質上、【ネームド】は通常よりもコスパの良い性能になりやすい。

 

 こうして豊富な人脈を活用し、交換条件の依頼もこなしつつ【カード】を順調に集めていった。

 

 

「おはこんばんにちはー!卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねるにようこそー!」

 

「あしすたんとの明日香です♥」

 

「賑やかしのめりぃだよー!」

 

 というわけでついにやってきた【カード】杯の当日。会場を明日香さんやめりぃさんと一緒に訪れたのだが……。

 

「やっぱり過疎ってますね……」

 

 以前にボクが参加した【ダブル】杯や【サバイバル】杯と同格の大会のはずなのだけど、残念ながら会場には指折り数えられるほどのプレイヤーしかいない。以前にランクマッチで対戦していたえんどう豆さんやロック☆シュターさんもすぐに見つけることができた。

 

 他にめぼしいプレイヤーと言えば、あちらに見えるのは……。

 

「あんなところに『ボク』がいますね。声を掛けてみましょう」

 

 もしかすると『転式学園』の騒動で増えてしまった『ボク』かもしれない。たまに普通の『ロールプレイヤー』としてボクを真似している人もいるのだけど、あの感じは間違いなさそうだ。

 

「こんにちはー!」

 

「おや、ご主人様ですか。奇遇ですね」

 

 眼の前の『ボク』はおしゃれなフリルが特徴的なメイド服を可憐に着こなしていた。どうやらメイドに関心を持ったボクらしい。

 

「あなたも大会に――」

 

「わー!卍さんかわいいー!」

 

 ボクが質問をしようとした矢先、めりぃさんがメイド服の『ボク』に勢いよく抱きついた。

 

「ちょっとちょっとご主人様、ボクは卍さんじゃありませんよ。まあ命名法則に基づくなら――『✛さん』といったところでしょうか」

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