卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる! 作:hikoyuki
『【フォールダウン】――』
【START!!】
開始の合図とともに巨大なフィールドが形成され、5枚の【カード】が目の前に飛んでくる。
「【マナキャスト】して【軽量なダイナモファング】を召喚!」
「【マナキャスト】よ!」
【軽量なダイナモファング】
COST:0 HP:1 AT:1
効果:[自身]の[攻撃]が[成功]した[時]、[任意]の[キャラクター]に[1][ダメージ]を[与える]。
『卍荒罹崇卍 ライフ:30 マナ:0→1』
『ロック☆シュター ライフ:30 マナ:0→1』
「視聴者から集めた【ネームド】をさっそく出してきたわね……。汚い。さすが卍さん、汚い」
「人脈も実力のうちですからね!」
ボクが召喚した【軽量なダイナモファング】は通常の【ダイナモファング】と比べてコストが掛からない。コストのぶんステータスは落ちるが、ボクの【カード】の中でもトップクラスの初動を誇る。
「言っておくけれど、あたしは【ヒュマデサタン】構築だから。コストがたまる前に仕留めてみなさい?」
「なるほど、それはありがたい情報ですね! このデッキは【ヒュマデサタン】に対してはめっぽう強いですからね!」
この勝負も、キーカードになる2枚がそろった時点で勝ち筋は見えた。あとは戦術を披露するだけだ。
「【マナキャスト】して【軽量なダイナモファング】で攻撃!」
「【マナキャスト】するわ!」
『卍荒罹崇卍 ライフ:30 マナ:1→2』
『ロック☆シュター ライフ:30→28 マナ:1→2』
【軽量なダイナモファング】がロック☆シュターさんに体当たりを仕掛け、効果も合わせてライフを2ポイント削り取る。それを受けて彼女は怪訝な表情を見せた。
「偏った『アグロ』構築で来るのかと思ったけど、ためるのね? そんなに遅くて大丈夫?」
「大丈夫ですよ、次で動きます」
決め手は次のフェイズだ。ボクはとっておきの【カード】を選び取る。
「【マナキャスト】して【ジュエルラビット】を召喚! 【軽量なダイナモファング】で攻撃!」
「【マナキャスト】――って、【ジュエルラビット】!?」
【ジュエルラビット】
COST:3 HP:3 AT:1
効果:[自身]が[ダメージ]を[受けた][時]、[マナの欠片]を[手札]に[加える]。
『卍荒罹崇卍 ライフ:30 マナ:2→3→0 マナの欠片:1』
『ロック☆シュター ライフ:28→27 マナ:2→3』
召喚と同時に【軽量なダイナモファング】が攻撃を仕掛け、1ポイントのライフを削る。今回の効果の対象は相手プレイヤーではない。――【ジュエルラビット】だ。
「【軽量なダイナモファング】の効果により【ジュエルラビット】に1ダメージを与える! これによって【ジュエルラビット】の効果が発動し、手札に【マナの欠片】を加えますよ!」
「『マナ加速』ね……!」
【マナの欠片】は使えば1ポイントのマナを得られる。初めて見たときから、ずっと試してみたかった効果だ。
「でも、そんな悠長な加速で足りるのかしら? 【ジュエルラビット】のコストは3でHPも3。フェイズごとに【マナの欠片】を獲得できるとしても、HPを回復させない限りは3回まで。それとも【クラスチェンジ:ビショップ】でも使うのかしら?」
【クラスチェンジ:ビショップ】
COST:2
効果:[任意]の[モンスター]に[リジェネ][アクション:ヒール]を[付与]する。
「それもそうなんですよね。本当にうまくいきますかね? なんてね」
そう軽くおどけてみせると、ロック☆シュターさんの顔がかすかにこわばる。むしろ余計に警戒させてしまったようだが、相手が【ヒュマデサタン】デッキであるのなら、どちらにせよ同じ結果だ。盤面はすでに勝利への階段に変わっている。
「【マナキャスト】して【軽量なダイナモファング】と【ジュエルラビット】で攻撃!」
『卍荒罹崇卍 ライフ:30 マナ:0→1 マナの欠片:1→2』
『ロック☆シュター ライフ:27→25 マナ:3→4』
「……そうか!一見するとマナの差があるように見えて、卍さんのマナリソースはあたしと同じ。このまま8フェイズ目に【ヒュマデサタン】を召喚して、ライフのアドバンテージで優位に立つ気ね!」
確かにそれも悪くない。実質的にマナを消費せず、先行してダメージを与えられているのだから、【ヒュマデサタン】を同じタイミングで召喚すれば勝つのはボクだ。
「でも、残念ながら【ヒュマデサタン】は入手できていないんですよねー」
それでも勝てる。すでに勝ち筋は見えている。