卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる! 作:hikoyuki
SYSTEM >偉大なる【『テミス』】により新たなる[法律]が制定されました。現在時刻より1時間、[フォールダウン]の[開始][宣言]を行った[キャラクター]は[死亡]します。
「は?」
あまりに衝撃的なシステムメッセージに呆然としている間に
「なっ――」
弾丸が命中すると、禍々しい力がボクの身体を侵食していく。ダメージはないが――。
「観測による行動の抑制、ですか」
「そう、『ゼノン効果』と言ってね。量子は恥ずかしがり屋だから、何度も見られると動きを止めてしまうんだ」
動きを止められた理屈はわかる。だが、禍々しい弾丸の効果まではわからない。【フォールダウン】の開始宣言を禁止されてしまった以上、このまま戦うしかない。
「まったく――カードゲームを暴力で解決するなんて、不届き者ですよ!」
ボクは【ストレージ】から【ルビーロッド】と【ストームワンド】を引き抜き、自身に
「イグニッション!――あれ?」
――スキルが発動しない。
「この弾丸〈ディスコネクター〉の効果だよ。〈
「……長々と説明していますが、勝利を確信しているのでしょうか?」
多くのゲームでは会話中にスキルは暴発しない――その原理に着目した技術、か。プレイヤーの明確な発動宣言を、日常会話へと貶める仕組みということですか。
つまり、【モーションアシスト】への指示機能は完全に封じられた――。
ボクは杖を
「〚ライトニングボルト-0〛!」
灑智の〈魔導〉を模し、通常を凌ぐ〚ライトニングボルト〛を放つ。ひとまず〈魔導〉は使えそうだ。あとはアシストに頼らない小手先の技で対応するしかない。
鋭く伸びる雷の槍に対し、
「【秘孔】【車輪】【一掃】――」
「結局、
武器に頼るより、自らの身体を直接ぶつけるほうがアバターの操作性に優れるのは自明の理だ。アシストがないこともあり〈トンネル避け〉を実行するのは不可能だろう。ボクはバックステッポで距離を取りつつ【パインサラダ】を手づかみでかき込む。
しかしアシストなしの速度でアシストありの前衛
物質干渉力に弾き飛ばされ、観客席を貫いてはるか後方へ吹き飛ぶ。しかしいい感じに距離を取れた。今のうちに身体に打ち込まれた〈
軽く足を踏み鳴らすと体内の〈
「なるほど、こういう使い方もあるんですね」
【モーションアシスト】が解禁されたことで、〈
特定の単語を込めたエネルギーを射出することで、〈
分析の刹那、どす黒い弾が目前へ迫る。また〈
「《ガゼルフット》!」
回避の意思を込めた〈
「【フェアリーブレス】!」
【ストームワンド】から輝く風を撃ち出し、光の速さで走り抜けながらそれをその身に受け、AGIを増加させつつ【煈颷の刻印】を適用した。
【フェアリーブレス】
[アクティブ][投射][風属性][攻撃][支援][魔法]
消費MP:6 詠唱時間:0.625s 再詠唱時間:10s 効果時間:20s
効果:[キャラクター]に[ダメージ]を[与える]。[命中時]、[自身]の[AGI]を[増加]させる。この[効果]は[5回]まで[重複]し、[効果時間]は[リセット]される。
【煈颷の刻印】
[パッシブ][オート][スイッチ] 再詠唱時間:0s 効果時間:30s
効果:[風属性]を[受けた][場合]は[炎属性][ELM]を[増加]させる。
[炎属性]を[受けた][場合]は[風属性][ELM]を[増加]させる。
それぞれ[1回]まで[適用]され、[発動]の[度]に[効果時間]は[リセット]される。
追い風を受け、刹那で
「――躱されっ」
「アクションに無駄が多すぎるね」
杖は空を切る。隙を突いて銃弾が走る――。
テクニックその135『ゼノンストッパー』
全能によって量子に対して連続的に観測を実行することで、オブジェクトの動作を停止させるテクニックです。〈観察破壊〉の派生ですね。とはいえ自在に動き回る量子を戦闘中に観測し続けることは困難を極めるため、不意打ちでの使用がメインだと思われます。
テクニックその136『魂の強制』
意思を込めた〈呪い〉を放つ事で、その意思に準ずる制約を付与するテクニックです。ネガティブな〈
テクニックその137『ディスコネクター』
〈魂の強制〉によって感情を鎮静化させることにより、思念入力の強度を大幅に低下させ【モーションアシスト】への指示を実質的に無効化するテクニックです。【モーションアシスト】が封じられてしまう事から受けてしまうと復旧が非常に困難……恐ろしいテクニックです。