卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる! 作:hikoyuki
」さんの鋭い指摘を受けて、ボクは思わず考え込む。
そもそもボクが『確信』という力を受け入れられないのは、〈
強い信念があれば、【モーションアシスト】のフォローも合わせて、多少の道理は押し込める。《
しかし帝王龍さんや猫姫さんにそういった確固たる信念は存在しない。
不可能を可能にしてやるという意思ではなく「いや、普通にできるでしょ、常識だよ?」という冷静さのままに超常を引き起こしているのだ。
〈
「まあ〈ロールプレイング〉の理屈は私も確かにおかしいと思うのですけど……実際にできるから仕方ないのです」
」さんの主張に賛同したメグさんも、できるものはできるのだと認めている。
これはまさに『確信』によってもたらされた力ではないだろうか?
「そもそも〈ロールプレイング〉って最初は〈
ボクは世界の時間を停止するという常識外れの事象に対して、勝手に線を引いていただけだ。けれど、当たり前だと思ったことを当たり前のように引き起こせるというのは、すでに証明済みであり、既知の概念だったのだ。
それを踏まえた上で、じゃあ世界の時間を止めるということまで当たり前だと思い込めるかは別の話ではあるが――。
「逆に猫姫さんのやっていたことは別にそうおかしなことではありませんね。ただ勘違いしてるだけでしょ、あれ」
世界の時間は止められないが、栽培を料理の一部として定義するくらいなら、今のボクにとっては容易いことだ。そのことを理解した瞬間に、世界への視点がかちりと切り替わった気がした。
この仕組みのことはこれから〈コンフィデンス〉と呼称することにしよう。
「まあそんなことはどうでもいいのです。猫姫さんとあきなさんはどうなったのです?またすぐにログインしてくるのです?」
メグさんが話を軌道修正する。そうでしたね。すぐに考察へ意識が偏るのがボクの悪い癖だ。
「うん、かいせんをかいふくさせたからすぐにもどってくると思うよー」
」さんがそう言うや否や、猫姫さんがログインしてきた。
「急に回線が切れてびっくりしましたの。みなさんは大丈夫ですの?」
「まぁ、大丈夫ですよ。ある意味でこのゲームにおける最強の存在を目の当たりにしてしまいましたが……」
」さんが本気を出したらどんなプレイヤーも勝ち目はないだろう。うちの灑智も圧倒的なエネルギーで『VRステーション2』を破壊していたが、無動作で自由に他者をログアウトさせられるこの力は他の追随を許さない。ちょっと強いだけの全能使いなんて、彼女の前ではまさに
「あら、あきなさんはいらっしゃいませんのね?」
「猫姫さんと同じタイミングで回線が切れたのです。……けど、戻ってこなくてもおかしくないのです」
確かにメグさんの言うとおりですね。猫姫さんは今ものほほんとしているが、あきなさんは自身へ向けられた殺意を自覚していた。普通ならすぐにログインしてこようとは思わないだろう。
しかしそんな予想とは裏腹に、次の瞬間にはあきなさんがログインしてきた。
「……」
ボクは『異形』の表情を読み取ることができないが、それでも明らかにしょんぼりと落ち込んでいる様子がうかがえる。触手が地面に垂れ下がり、
下手な慰めは意味をなさないだろう。
「それにしても先程の相手は強敵でしたの。あんな【
「いえ、あれは【
「……なんでそんなことをするんですの?」
「〈
【
「……卍さんならわかるのかな?あの人は――どうしてあたしを――」
あきなさんがボクに向けて疑問を投げかけた。
〈ロールプレイング〉で彼の人となりを把握したボクならば、その質問に答えられる。
「……まあ、月並みな話ですよ。つい最近、世間を騒がせていたあなたのお父さん――いえ、それも正しくありませんね。あれは『異形』に対する純粋な殺意でしょう」
言葉を濁すことも考えたが、彼女自身も察していたことだ。あえて正直に話すことにした。
「そっか……」
ボクは【フレンドリスト】を確認して――明日香さんはログインしていない、か。
それでも彼女に連絡を取る必要がある。これは『異形』の今後を左右する分水嶺だ。
テクニックその145『コンフィデンス』
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