卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる! 作:hikoyuki
पापम्さんはひとまずログアウトして、警察に相談すると言った。『転式学院』は国家の意思が少なからず絡む闇の匂いがする組織なので、公的機関でもそこまで安心はできないけれど、泣き寝入りするよりはマシだろう。
「困ったときはいつでも連絡してくださいね」と、ゲーム外でも連絡が取れるようにアドレスを渡しておいた。しばらくはこまめにこちらからもメールを送っておこう。
पापम्さんがログアウトを選択して、その場からいなくなったことを確認し、ボクはみんなに顔を向けた。
「さて、一段落ついたことですし、お米を集めますか!……いや、あきなさんのメインクエストのお手伝いが先かな?」
「いやいや、この流れで探索を続行なんてできませんの!」
「気持ちの整理が必要ですわ!」と叫ぶ猫姫さんに、メグさんも頷いた。どちらかといえばメグさんは一瞬で気持ちの整理がつくタイプだけど、猫姫さんとあきなさんに配慮した形だろう。
「そうだね。今日はちょっと疲れちゃったかも」
あきなさんができるだけ明るい声色でそう言ったが、〈ロールプレイング〉を使うまでもなく心にしこりが残っているのが見て取れた。それでも冷や汗の
「」はおこめあつめには加わらないよー。ちょっとおせっかいをやきにきただけだしー」
「なるほど、それなら今日は解散ですね」
とがみんは気にせず遊んでていいとは言っていたが、こうなると一人でお米を集め続けるのもつまらない。ボクもログアウトしようかな。
視聴者さんにお別れの挨拶をして、ログアウトを選択する。あっという間に景色が変わり、『VRステーション2』の中で目を覚ました。
「とがみん、いるー?」
『VRステーション2』からひょっこりと顔を出して辺りを見回すが、やはり留守のようだ。それどころか、灑智もいない。
部屋の真ん中には拡張現実の黄色い付箋がふわふわと浮いていて、「しばらく家を空けます!!」と書かれていた。灑智も今回の件に首を突っ込んでいるらしい。
書き置きの文面まで元気いっぱいなのはいいことだ、と軽く苦笑しながら、外の景色を見やる。雲1つない青空だ。少なくともグャギゼウスさんが再び世界を滅ぼそうとしているといった形跡は感じられない。
「ひさびさに攻略サイトでも読み込んでみましょうかね」
などと独り言をつぶやきながら、思念入力であかりちゃんさんのサイトを開く。以前はボクの配信も攻略情報の窓口になっていたけれど、今じゃ完全に敵わないね。
とはいえ、あかりちゃんさんのサイトは数値情報やクエストの詳細など、表層のデータに特化した構成だ。新しいテクニックの開発ならボクもまだまだ負けませんよ?
あかりちゃんさんの側もそういう棲み分けを図っているのか、【マクロ】の利便性だとか〈
「へー、いつの間にか新スキルが増えたんですね。ステルスアップデート?もう大会が始まってるのに」
ページを次々と切り替えながら閲覧していると、【シャーマン】のスキルに見覚えがないものがあることに気づいた。
【ネクロリペア】
[アクティブ][アイテム][闇属性][召喚][魔法]
消費MP:12 詠唱時間:10s 再詠唱待機時間:30s 効果時間:10m
効果:[死体]を[消費]し、[アンデッド]を[召喚]する。
[アンデッド]は[自身]を[起点]として[形成]した[エリア]でのみ活動を行う。
[効果時間]の[終了時]に[確率]で[消費]した[死体]を[獲得]する。
[パッシブ]
効果:[キャラクター]を[死亡]させた[時]に[確率]で[死体]を[獲得]できる。
【コントラクトカード】を使用した『憑依』
逆に【コントラクトカード】の方は関連
【多重契約】
[パッシブ][スイッチ]
効果:[以下]の[効果]を持つ。
1.[コントラクトカード]を[名称]もしくは[効果]に含む[スキル]を[重複]して[取得]できる。
2.[コントラクトカード]を[名称]に含む[支援]を[重複]して[適用]する。
3.[重複]して[取得]した[パッシブ]の[出力]を[増加]させる。
【長期契約】
[パッシブ][スイッチ]
効果:[コントラクトカード]の[効果時間]を[増加]させる。
【上位契約】
[パッシブ][スイッチ]
効果:[コントラクトカード]で[獲得]した[スキル]の[出力]を[増加]させる。
【継続契約】
[パッシブ][スイッチ]
効果:[コントラクトカード]による[支援]は[解除]されない。
確かに【シャーマン】って他の
念のため、【メイジ】の新スキルも確認したが、炎属性どころか、他にスキルが増えている様子もない。不思議ですね。【シャーマン】が弱いと判断された?そんなことはないと思うし、【ネクロリペア】は従来の
まあ調整意図なんてものはユーザーが気にすることではない。他のゲームならまだしも、【フォッダー】では特にね。
ボクはゲーミングチェアに腰を下ろし、ふと手を挙げて後方へ思念を送る。冷蔵庫が開き、炭酸入りの缶ジュースが滑るように飛んできた。ボクはそれをがっしりとつかみ、プルタブを開けて口をつける。
なんだか静かで落ち着かないですね。
「ひさびさに公園にでも行ってみましょうかね?」