卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!   作:hikoyuki

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第555話 七色の巨大な巨大な巨大な勇者

 ゆうたさんから【バード】向けの装備を貰った桜餅プチさん。小型キャラクターの仕様として装備しても見た目に反映されることはないが、ぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。

 

「わーいぷち。いっぱいお歌を歌うぷちー!」

 

「ゴブー!」

 

「後で『コメット』に行ってレベル上げをしましょうか」

 

 そのためにも【牢獄】を脱出しなきゃですね。

 

「ゆうたさんはもう【牢獄】に用事はないんですか?」

 

「ああ。脱出して【『アイテール』】の試運転をするつもりだ」

 

「では、一緒に脱獄しましょうか」

 

 広場から出て、ボクたちは徒歩で脱獄用のダンジョンへ向かう。『ここから脱獄できます!』と書かれた看板を横目で見ながら、ダンジョンに入った。

 

「ゴブゴブ!」

 

 ダンジョンではゴブ蔵が先導していき、ゆうたさんがその後に続く。桜餅プチさんは覚えたての【追撃のカノン】を詠唱している。サポートは万全だ。

 

 しばらくは敵も出現せず、のんびりとした散策が続いたが、やがて進路を塞ぐようにモンスターが現れる。

 

 それは明らかに巨大なスライムだった。ぷにぷにとした身体で通路全体を封鎖しており、虹色に輝く体表は明らかに強力なモンスターであることを窺わせる。

 

「【ネームド】だな」

 

 スライムの頭上には天井にめり込むように【七色の】【巨大な】【巨大な】【巨大な】【勇者の】と表示されている。

 

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>強化が被ってて草

 

>フォールダウンで強そう

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「少なくともHPが高そうなことはわかります」

 

「そうだな。それと【勇者の】は一部の勇者スキルを解禁する特徴らしい。避けて通ることはできるが――」

 

 明らかに通路を占領しているように見えるが、ボクたちは〈トンネル避け〉でスライムを避けられるし、«テレポート»で通路の先に転移することもできる。能動(アクティブ)タイプではないようなので、こちらから攻撃しなければ戦いになることはないだろう。

 

 しかし【ネームド】は優秀な装備を落とすことがあるし、低確率とはいえ【カード】になることもある。総合的に考えて挑むべきであることは確定的に明らかだ。

 

「じゃあ、さっそく試してみましょうか。【フラワーマジシャン】――【ソウルフレア】!」

 

 本来なら杖先から生ずる銀色の炎が敵を焼き尽くす、いわば近接特化の魔法が、【フラワーマジシャン】の効果によって桃色の花びらとなって射出される。

 

 花びらはふよふよとした不規則な動きと光の速度を両立しながら突き進み、スライムの身体を貫いた。

 

「『投射』は〈トンネル避け〉で回避しやすいですが……この不規則な動きが効きそうですね。なかなかに便利そうです」

 

 炎のエフェクトは生じなかったが、それでも炎属性の攻撃としてELMの補正が適用され、破壊的な火力で相手のHPを大きく削る。

 

 しかし【巨大な】を3つも重ねているだけあってHPには自信があるようだ。ダメージを与えるとともに果てしなく長いHPゲージが表示された。

 

「ぷちも頑張ったぷち!」

 

 桜餅プチさんの【追撃のカノン】による追加ダメージは今回に限っては微々たるものだろうが、ここからは有効だ。

 

「ゴブゴブー!」

「よし、いくぞ!」

 

 ゴブ蔵とゆうたさんが前線に出て機関銃を構えて凄まじい速度で連射し始める。

 

 【追撃のカノン】とシナジーの大きい高速連続射撃だ。一発ごとの威力は低めだが、その判定のすべてに追加ダメージ判定がされていく。

 

「【アームズスイッチ】――【シャープウェポン】――【ハードアーマー】――【ハードアーマー】――【ニュートラルヴァリアント】――【ガードブレイク】」

 

 ゆうたさんは攻撃するたびに貯まる【タクティクスフラッグ】を次々と消費して、【ナイト】のスキルを詠唱時間(キャストタイム)や再詠唱時間(リキャストタイム)を破棄して次々と重ねていく。

 

 このまま一方的に削りきれるかとも思ったが、そこでスライムが動いた。

 

 ゆうたさんの直上から瞬間的に稲妻が落ちる。一撃でHPを1/3以下まで削り取られた彼は淡々と呟く。

 

「【天罰(ライトニングボルト)】か」

 

【天罰(ライトニングボルト)】

[アクティブ][キャラクター][聖属性][攻撃][妨害][魔法]

消費MP:16 詠唱時間:5s 再詠唱時間:30s 効果時間:3s

効果:[自身]が[形成]する[エリア]に[存在]する[任意]の[キャラクター]に[ダメージ]を[与える]。[命中時][支援]を[全て][解除]する。[麻痺][状態]にする。

 

 これまで重ねてきた数々の支援(バフ)をただの一撃で1つ残らず破壊する、勇者の得意技だ。

 

「【ファストリカバー】!」

 

 ゆうたさんに回復を送り、前線に躍り出る。銃の射線から右側に逸れながらも、〈トンネル避け〉で回避できる姿勢をとった。

 

 妖精さんはボクとは反対に左側からスライムに肉薄する。

 

「【フェアリーブレス】!」

 

 妖精さんから煌めく祝福の風が放たれ、同時に【フェアリーストームワンド】が【シルフストーム】を起動する。風は大きく炸裂するように緑の衝撃として広がり、連続的なダメージを与えていく。

 

 その範囲攻撃に巻き込まれたボクは【煈颷の刻印】の効果により炎属性ELMをさらに引き上げた。

 

 桜餅プチさんの【追撃のカノン】は風属性とは相性がいいですね。連続ダメージがどんどん重なってくれますよ!

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