「ブルアカって透き通った青春学園RPGだよね?」「え?」   作:ヘイホー

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20時になりました、『つづいたよ』をお知らせいたします。(ニュース風)

ちょっと昨日誤送信で投稿してしまったが……まぁ、すぐ消したからバレてへんやろ(小声)

それと最近ポケポケやってるんですが、全然欲しいキャラが出てこなくて困ってます。お陰でデッキが組めません。
もうさァッ!無理だよ!リザードンいてもリザードがいないんだからさァッ!!


「全キヴォトスのみんな!オラに全ての責任を預けてくれぇ!!」「「「はぁ……」」」

 

 

 

 

 

 「あ゛〜〜、気が重いィィィィィ……ついでに胃も痛いィィィィィィ……」

 

 

 まるで仕事終わりの中年のオッサンのような声をあげながら椅子を回す────が、普通に酔ったのですぐさまやめた。

 マジ危ねぇ……!これから()()()()()があるっていうのに、その前にリバースして最悪なコンディションで壇場に立つところだったぜ……!

 

 というのも、午前10時に開かれる連邦生徒会の緊急記者会見。コレが俺を悩ませる最大の要因だ。

 普段なら“緊急”なんて物騒な単語は使わずに会見を開いているが、内容が内容なだけに今回ばかりはそうもいかない。

 

 ちなみに基本的に連邦生徒会長───つまり幼馴染が受け答えをしてきた記者会見だが、一応各委員会の幹部も壇場の下に配置する形で参加することになっていた。

 ……まぁ、何故か俺はアイツに無理矢理壇場の上に引っ張り上げられて隣に立たせられたんだがな。

 

 だから、別に壇場の上に上がることがイヤだとか、ましてや人前で喋ることがイヤでナイーブになっているわけではないのだ。

 

 その理由はというと──────

 

 

 

 「やだ〜〜……誰がやりたくて幼馴染の失踪を記者会見で伝えなきゃいけないんだよぉ〜……」

 

 

 

 そう、珍しく俺がナイーブになっている理由はコレ。キヴォトスにお住まいの皆様方に幼馴染が失踪した事を広めなければならないという、ある種の罰ゲームの貧乏くじを引かされたのが俺です。

 いや、みんなと話し合った結果公表するって決めたのは俺だけどさ。なんなら『公表しようぜ!』ってガンガンに推してたの、俺だけどさ。

 

 いやぁ〜、色々理由があんですわ。

 

 今回の緊急記者会見は一見連邦生徒会の醜態を世間に晒す行為だと思われるかもしれないが、実はそうでもなかったりする。

 コレがもし幼馴染がいなくなったことでキヴォトスが混乱に陥った状況になっていたなら醜聞以外何物でもないが、実際はそこまで大きな問題として出てきていないのが現状だ。強いて言うならちょっとした違法武器の流出と問題児7人の矯正局脱走ぐらいだろうか。

 

 いや〜、まぁぶっちゃけ諸刃の剣とも言えるものだが、この逆風は()()()()でもある。

 

 

 

 ──────今回の会見の()()()の目的は、()()()()()()()()()()()()を集めること。

 

 

 

 

 『連邦生徒会長(アイツ)がいなくてもキヴォトスを治められるぞ』と……言い方は少し悪くなるが、幼馴染の失踪という醜聞を逆にアピールポイントに変えようというわけである。

 あとは“いずれバレるからこっちから言っちまおうぜ精神”だ。相手に言われてから批判されるより、自分たちから言ったほうがダメージ少ないもんな。

 

 そんで、ここからは個人的に俺が発表を推していた理由なんだが─────この会見で今後集まってくるだろう()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、という事だ。

 人っていうのはかなり現金なものでね。もし今もキヴォトスが混沌と混乱に満ちていたら『ざけんなよ連邦生徒会長!』となるが、別にそこまで影響なかったら『まぁ、安定してるなら良いんじゃない?』となるわけだ。少なくとも、あっちこっちからの誹謗中傷は起こらない……と思いたい。

 

 つまり()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だと思われる。

 

 ぶっちゃけ、華の女子高生が当たり前のように銃をぶら下げている事が混沌で混乱した状況だと思うけどな!俺の感覚がおかしいのかな、これ!

 ………マジ何なんだろうな、この感覚。もしかしたら、この妙にある()()()()()()は俺のカスほどしかない()()()()()なのかもしれない……なんて思ってみたり。

 

 話が脱線したけど、つまり今回の会見は連邦生徒会、そして幼馴染の名誉の為に成功させなければならないってわけですね。

 今回ばかりは俺自ら背負わせてもらったが、それでも“イヤだ”と思う気持ちまでは消えないのだよ。

 ………もう1回ナギサたちと紅茶でも飲みに行こうかな。

 

 

 

 ─────コンコンコン

 

 

 

 「失礼します」

 

 俺が改めて会見への意気込みを内心で語っていると、控えめながらによく通る声で入室してくる生徒が現れる。

 その声はよく聞き馴染んだもので────というか何なら毎日聞いているので、その声の持ち主も声を聞いて0,2秒ほどで分かってしまった。

 

 横開きのドアの奥から見えてくるのはスレンダーな少女だ。

 少し濃い青髪と左耳のピアスが特徴的で、その冷徹とも表せる雰囲気は彼女の生真面目さをそのまま表現したかのようにすら感じる。

 まぁ、とはいってもこの子は本当に可愛い後輩だという事も知っているんだよね〜。

 

 「おはよう、アオイ」

 「………おはようございます、副会長」

 

 『何か用か』────そう聞く前にまずは挨拶だろう、と思ってアオイに朝一番の挨拶をした。

 アオイはほんのり頬を赤らめて、垂れ下がった前髪をくるくると弄りながら挨拶を返してくれた。

 ───────かぁ〜いんだぁ……!

 

 「な、何よ。そんなにニコニコして……」

 「ん〜?今日もアオイがアオイらしくて良いなって思っただけだよ」

 「…………」

 

 ……純粋に褒めたらめちゃんこ睨まれているんですが?頬もりんごみたいになっちゃって……そんなにキレること?

 以前までなら“照れてるのかな〜”って思ったのかもしれないが、過去の失敗からしっかり学ぶ男こと神宮寺ハヤト────ここは浮かれもせずに反省する心境である。

 というのも、前に照れてるもんだと思って弄ったら、何と()()()()()()()()()()()()

 どうです?可愛いけど怖いでしょ、この子。だがな、俺は断じて言いたい────『ちょっと弄っただけやん!』って。『やりすぎじゃんね!!』って。まぁ言えないんですけど……

 

 「それで?アオイは俺を呼びにきてくれたのかな?」

 「っ、そ、そうよ。すでに幹部は会見場の入り口手前に集まっているから、あとは副会長が向かうだけね」

 「りょ〜〜かい、ありがとうね」

 

 ダル〜〜っとやる気のない猫のように立ち上がる。ちょっと立ちくらみがするが、そんな事では微動だにしないのが俺の頑丈な体だ。

 つーか、もう何徹目だ……?分からん……分からん事すらも怖くなってきた……

 

 ここでふと頭に思い浮かんだ事を聞いてみようと思った。

 

 「…………ん?だったらモモトークで連絡してくれれば良かったんじゃ────」

 「なに?私は来ちゃダメだったって言いたいわけ?」

 「い、いや!?そんな事微塵も思ってないよ!?」

 

 こわっ!?こわいよアオイさん!!

 さっきの睨みが子犬の眼差しと思えるほどに鋭利で棘のある目つきが俺を突き刺してくるんよ。ドスの効いた声が空気を一段と重くしてるんです誰か助けて……

 

 「でも、アオイって効率重視なところあるじゃん?あまりらしくないっていうか……」

 

 この子の癖は大体把握している。さっきの前髪を弄るのもそうだけど、次点で多いのが“時計を見ること”と挙げられる程に時間に厳しい。

 それはきっと財務室長という重要な役柄っていうのもあるのだろう。むしろ、そんな彼女()()()()()アイツはウチ(連邦生徒会)の金庫番長に就かせたのだろうな。

 だから、今の一連の効率も時間の短縮も一切ない行動に少し……ほんの少し気になっただけで、たまにはなにも考えずに行動しても俺は全然いいと思うよ?うん。

 

 「………本当に分からないの?私がわざわざこっちにまで来た理由」

 「うぇ?」

 

 思いがけない問いかけに、思わず間抜けな相槌で返してしまった。

 目を丸めながらアオイを見るが、特に訂正や冗談を付け加えるわけでもなく、ただ俺のことを上目遣いでじっと見ていた。

 

 

 ………………………

 

 

 「………さ、散歩のついで──────」

 「次ふざけた事を言ったらまたお小遣いを減らすわよ?」

 「────────スゥ」

 

 チクショウ!!お小遣いの事を言われたら俺に発言権はねぇよ!!

 

 「─────はぁ。まぁ、そうよね。貴方が察せられるわけもない……か」

 「察せられない先輩でごめんね……?そんで、そんな無知で愚かな俺にどうかご教授を……!」

 「ダメね。ちゃんと自分で考えて、ちゃんと答えを出しなさい?()()()()()()()()()、ね?」

 

 さっきの雰囲気と打って変わり、何処か嬉しそうな彼女の心境に俺は理解出来なかった。

 いや、ぶっちゃけ誰にも分からんと思うがな。さっきまで不機嫌そうだったのに、何でか次の瞬間にはコロッとご機嫌になっているなんてよ……誰が分かる?マジで。

 ─────あぁ!理解したわ、我が幼馴染よ!『女の子は常に気分屋』っていうのはこういう事を言うんだな!

 

 「ほら、副会長のせいで時間が圧してるわ。早く行きましょう?」

 「えっ、ほぼほぼアオイが変な事を言ったせいじゃ─────」

 「なに?」

 「…………」

 

 男はね、女の子に凄まれるとすぐさま身を引いてしまう生き物なの……。それが(推定)男1人しかいないこのキヴォトスであれば尚更な?

 というかこの感じ……なんかすごい既視感(デジャブ)を感じるんですが……?もっと詳しく言えば、ナギサの部屋で感じたリンちゃんからの圧力にすっっっごい似ている気がするんですが……?

 リンのことを尊敬しているのは知ってるけど、そんなところまで真似なくていいんだよ……?

 

 「そ、それより早く行こうぜ!いや〜、あんまり壇場で話すことないから緊張────」

 「あっ、ちょっと待ってちょうだい」

 

 何かに気づいたのか、アオイは俺の前までやってきて手を俺の首元まで持っていく。まさか……首絞め!?

 

 「んっ」

 「ほら……ネクタイが弛んでいたわよ」

 

 首元が一気にキツくなる。しかし、首絞めなんかよりも全然緩く、“気遣い”という優しさのあるものであった。

 『首絞めか』と思ってごめんと言いたい。アオイはそんな事しないのに、何故か『首絞めてる姿がちょっと似合いそう』なんて思ってしまった俺をぶん殴ってくれ……

 

 「えっと……ありがとう」

 「この部屋にいるときは弛めているのね」

 「んっ、まぁね。いつもコレだと息苦しくて……」

 「もう……しっかりしなさい。今は貴方がキヴォトスの顔なんだから」

 「分かってるよ〜」

 

 アオイからの小言を受けながらドアを開ける。

 すまないねぇ……こんな緩んでいるトップで。でも、たまにはこんな風に緩んでいないとやっていけないんだよぉ〜……

 

 

 

 「─────頑張って、ハヤト先輩」

 

 

 

 さりげなく応援の言葉を背後で受ける。

 ……ふっ、後輩に応援されちゃあ頑張るしかないよね。

 

 

 

 

 

 「うん、ありがとう」

 

 

 

 

 

 俺は今日!緊急記者会見で無双しま〜〜す!!

 

 

 

 

 

─────

───

 

 

 

 

 

 『簡潔に申しますと、連邦生徒会長(幼馴染)が失踪しました』

 

 

 

 

 ─────その日、キヴォトス全土に衝撃が奔った。

 

 

 

 

 キヴォトスの住民及び生徒にとって、連邦生徒会が発信する会見は“()()”と言えるほどに重要なものであった。

 善良なる市民たちにとっては、この学園都市を治める者たちからの情報提供の場である為、政情やキヴォトスの情勢の情報を得るために。

 対して生徒たちは、情勢等興味があるない関係なく、本来連邦生徒会長にしか立つことが許されていない壇場で、()()連邦生徒会長の隣に立つことを許された金髪碧眼の少年を見るために。

 

 各々思惑はあれど、結果的にその会見の視聴率は例年以上に高く、彼らの生活に欠かせないものであるのには変わりなかった。

 

 

 

 さて、そんな数多くの人々に視聴されている会見にて、初っ端から連邦生徒会副会長こと神宮寺ハヤトが爆弾を放り投げた。

 

 それは彼の唯一無二である幼馴染こと連邦生徒会長の失踪を報せる旨だ。会見場も響めきが広がり、やがて伝播するように挙手が上がっていく。

 彼女たちもウケの良い意見を得ようと必死なのだ。あと単純に副会長と話せる機会は滅多にない為、質問を通して何かしら会話をしたかったのだ。

 

 

 善良なキヴォトスの市民たちは一瞬不安を覚えるも、副会長としての彼の働きや活躍を知っている為、そう事を荒立てず会見の成り行きを見守ろうと身構えた。

 

 対して生徒たちはというと──────()()()()()()()()()()()

 嵐の前の静けさ、もしくは虫の知らせともいうべきか。ただ、ゆっくりとキヴォトスを飲み込まんとするように、泥のように粘り気のある空気がキヴォトス中に伝播している事だけは確かだった。

 

 

 そして、生徒たちが考える事はただ1つ。

 

 

 

 

 

 

 

 ────────チャンスじゃん

 

 

 

 

 

 

 

 ここはキヴォトス。透き通った青春と、混沌とした色が混ざり合いすぎていっそ清々しい程に()()()()()と表現できるほどの甘い甘い愛慕・恋慕が渦巻く都市。

 今日も今日とて恋する少女たちはすこぶる元気であった。

 

 

 

 

 

─────

───

 

 

 

 

 

 『わ〜!ハヤトくんがテレビに出ていますよ、先生!』

 「うん、そうだね」

 

 いつもなら彼の執務室で一緒に作業をしている筈の時間だけど、今日は少しお休みを出された。

 まぁ、その理由は今テレビでやっている通り、彼が会見で忙しくなりそうだからって事だ。

 

 アロナが画面に張り付く勢いでテレビを近くで見ている。メインOSって視界が悪くなることってあるのかな……?一応注意したほうがいいのかもしれない。

 あと純粋に私も見えにくいんだよね……

 

 「アロナ、私の隣においで。そんなに近くに寄ってテレビを見たらいけないよ?」

 『は〜〜い……』

 

 少しシュンとなりながらトボトボと隣に座る彼女に悪い事をしてしまったと考えてしまう。

 いや、でもなぁ。テレビは近くで見たらいけないし、こういうのを放置していたら後々大変なことになるって誰かが言ってたような……?まぁいいか。

 

 

 

 その後は2人で仲良くテレビに映るハヤトくんを眺めていた。

 

 ………こうやって見ると、改めて彼はこのキヴォトスのトップなのだと実感する。

 いつも私の隣でにっこりと笑う彼とは別人の、画面内のように冷笑にも似た微笑みをする彼。これだけで1つの巨大な都市を治める人間なのだと、今日で改めてちゃんと認識できた。

 

 ……何だか急に遠くに行ってしまったような寂しさも私の心に渦を巻きながら。

 

 

 

 ハヤトくんは記者からの質問には全て答えていた。

 

 連邦生徒会長の行方と捜査状況。

 連邦生徒会長がいなくなった事によるこれまでの影響と今後の予測。

 行政機関への影響。

 エデン条約について。

 SRT特殊学園の責任の所在について。

 ハヤトくんがこのまま繰り上がって連邦生徒会長になるのかどうか等々……

 

 最後は苦笑いしながら『()は彼女を支えるために副会長になったので、彼女のために席を空けておきます』って言ってたっけ。

 ………想われてるなぁ、連邦生徒会長(幼馴染)さんは。リンちゃんが小言を言うのも分かる気がする。

 

 

 

 『それでは時間の関係上最後のご質問とさせて頂きます』

 

 

 ……もうそんな時間か。

 ハヤトくんは『多分荒れる』と言っていたけど、特にそういった場面は見られなかったし、内心凄く安堵してそうだな。

 

 

 

 『最後のご質問です。先日外の世界から来た大人────“先生”なる存在と、ありとあらゆるキヴォトスの法を無視できる連邦捜査部『シャーレ』。この2つは連邦生徒会長が失踪前に残したものだとされていますが、副会長はどのような印象をお受けですか?』

 

 

 

 ─────心臓が跳ね上がる。

 

 最後の最後に尋ねられた質問は、1から100まで全て私が関わってくるもので………私としても彼の考え(気持ち)を知りたいがために前のめりになって聞いてしまう。

 

 

 

 『そうですね……シャーレに関しては正直()()()()()()()()()。そもそも設立理由が不明なのですから、ソレがキヴォトスにどのような影響を与えるのか、その影響が好影響なのか悪影響なのか────そして、()()()()()()()()()も全く分かりませんでした』

 

 

 

 “それもそうだろう”と彼の言葉に納得する。

 ありとあらゆる規約や法律による規制や罰則を逃れられる超法規的機関───それがシャーレだ。怪しいにも程がある。

 そしてシャーレを縛るものは少なく、何をしようとシャーレに責任を問われることもなく、その行動の責任は上位存在の連邦生徒会────ひいては、現トップであるハヤトくんに向かうのだろう。

 

 ……私がこの世界に上手く馴染めていなかった理由はコレなんだと思う。

 

 私にはどうしても()()()()()()()()()()を当然のように是とするこの世界がひどく()に見えてしまって仕方がなかった。

 そして────こんな考えを持つ私自身が、この世界の()()なのだろうと認識してしまって息がしづらかった。この世界の常識と私のいた世界の常識の乖離に戸惑い続けてきた。

 だけど、最近ようやく落ち着ける場所を見つける事が出来た。それがハヤトくんの隣。あの子の隣にいると、無条件に心が絆されるような気持ちになっちゃうんだよね。どうしてだろう?

 

 ……それに、きっと今の質問をした子も私を“異物”だと認識したことを()()にハヤトくんに聞いたのだろう。()()()()()()()()()()()()()()()()()───それが今の私とシャーレだ。

 それに関しても納得せざるを得ない。だから思うことはない……といえば嘘になる。やっぱり子どもたちからそういった認識をされているのは辛い。でも、自身でも異物だと認識していた私に否定出来る材料は残っていなかった────あの日までは。

 

 

 

 

 ───────はい。“みんな”の部分に先生が加わったので、先生とみんなが青春を過ごせるキヴォトスが好きです

 

 

 

 

 ……この一言が、私にとってどれだけ救いだったのかを彼は理解していないのだろう。

 

 

 

 『………しかし、そのような考えも“先生”に出会ったことで()()()()()()

 

 

 

 そう区切ってとても穏やかな顔をする彼は、質問者の方ではなくカメラの画面を見た。

 

 

 

 

 

 『正体不明の組織シャーレ……確かに意図が不明な物ほど怖いものはない。しかし、それを治めるのが“先生”であれば()()()()()()()と思ったのです』

 

 

 

 『“先生”であれば────()()()()で誰よりも生徒を考えてくれるだろう()()であれば、この組織を任せても良いと考えました。そこには“大人だから”とか“連邦生徒会長(幼馴染)が任命していたから”という()()()()()()()()()でもなければ、ましてや裏も打算もありません』

 

 

 

 ()()()()()私は改めてシャーレの存在を認めました』

 

 

 

 『副会長()としても、生徒()としても……そして、このキヴォトスを守る()()としても彼女を()()していますから』

 

 

 

 『だから─────()はシャーレを支持します』

 

 

 

 

 

 あまりに真っ直ぐな信頼。

 あまりに優しくも眩い笑顔が私の涙腺を殴りにかかる。

 

 彼の視線がカメラにずっと向けられている。それは会見場にいる人だけにではなくキヴォトスにいるみんなに伝えたいから……そういう意味合いにも捉えられるけど、私は“()()()()()()()()()()()()()()()()”だと感じた。

 自意識過剰なのかもしれない、私の今の乱れに乱れた感情が見せる幻覚なのかもしれない。だけど、それでも─────

 

 

 

 

 

 「────嬉しいなぁっ……」

 

 

 

 

 

 ……彼が私を“仲間”と言ってくれる事が、どれだけ嬉しいのかも彼は知らないのだろう。

 

 

 

 

 『連邦生徒会長の不在を不安に思う人もいるでしょう。しかし、どうかご安心ください』

 

 

 『何故なら─────この()()()()()()()

 

 

 

 

 彼が会見の締めの言葉を発する。

 その言霊は節々に自信が湧き出ていて……いっそ傲慢と表現できる程に力強いものがあって──────

 

 

 

 「────カッコいいなぁ……」

 

 

 

 あまりに強かで美しいその姿に、時間を忘れて魅入ってしまった。

 

 





モモトーク通知99+

( ゚д゚)
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