機械少女と青春を   作:バグキャラ

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代表の判断

 ミレニアムの近郊に位置する立ち入り禁止の区域、通称廃墟。崩壊したビルや荒れ果てた施設が立ち並ぶ中、高くそびえたビルの一室にて5人のメイド服を着た人物が向き合っていた。

 

「……さて。とりあえず報告を聞きましょうか」

 

「「「はい」」」

 

 1人は椅子に座っており、もう1人はその後ろに控えている。代表と呼ばれる人物の前には3人のメイドが立っていた。メイド服をきた人物が集まっているだけでも異様な光景だが、それに意を唱えるものはいない。

 

「まずはあなたからですね」

 

 そういって代表と呼ばれるメイドは、彼女から見て右端にいる人物に目線を向けた。

 

「先日の依頼、ご苦労様でした。依頼主ではありませんでしたが、()()()()()()()と接触できたのは大きいですね。あの方は私たちと同様にキヴォトスへと訪れてから短いにも関わらず、非常に扱いづらい立ち位置にいるようです。シャーレ、超法的権限を持つ機関とは……。それに連邦生徒会の下に位置しているにも関わらず、ありとあらゆる場所にて先生の指揮下であれば無制限の戦闘が許可されているとは、恐ろしいものですね」

 

 代表に視線を向けられているメイドは何も言わず、直立したままである。

 

「あの方と敵対しようものなら非常に面倒なことになりそうです。()()()()()()()()でしょうが、必要ない損失は避けるべきですね。当社のカードをお渡しできたことを喜ぶとしましょう」

 

 報告を受けた代表はシャーレの先生との接触、及び繋がりが出来たことを確認する。

 

「さて、続いてあなたですが……」

 

 そういって視線を右端から中心にいる人物へと向ける。

 

「便利屋68…でしたか。連絡を受けたときにも聞きましたが、その社長と呼ばれる方はとても誠実なようですね。経費を含む依頼料を貰いませんでしたが、後程カードを用いた連絡では「()()()()()()()()()()()()()()()()()()」と……。とても素晴らしい人物との縁を持つことが出来ましたね。こちらから提案をしたにも関わらず最初に宣言した通り、依頼料を払うつもりのようです」

 

 アビドス高校の襲撃が終わったあと、彼女たちは再度カードを用いてAid Ladyへと連絡を取っていた。契約内容とはいえ、今回払わなかった依頼料を踏み倒すような真似はしない。必ず払うから待って欲しいと。

 

「今後とも長くお付き合いしていきたいですね、顧客リストに登録しておくとしましょう。あれほど誠実な方はとても珍しいです、()()()()として誇らしいというのでしょうか」

 

 便利屋68からの依頼を受け、経費を含む依頼料を貰わなかった彼女たちだが、そのような方たちと縁を結べたことで十分お釣りがくると代表は判断した。その表情は満足げである。

 

「依頼の後にアビドスの対策委員会と呼ばれる方たちとのいざこざはありましたが、まぁいいでしょう。お詫びとして()()()()()をお渡ししたようですし、後程私からあちらに出向くとしましょう」

 

 そうして報告をまとめた代表は、視線を中心にいるメイドから左端にいるものへと移す。

 

「そして、あなたですが……ずいぶんと派手に動かれたようですね」

 

「はい。社の基準に従って、適切な処理をしたと判断しております」

 

 どこか重い雰囲気を漂わせながらもそのメイドは代表と向き合う。

 

「あぁ、その点につきましては何の問題もないですよ。その基準を定めたのは私です、しかるべき対処が出来たのはむしろ褒めるべきですね。ご苦労さまです」

 

「ありがとうございます」

 

 代表が労うと、そのメイドは丁寧に頭を下げた。

 

「……ですが、機体専用装備を使ったことについてはどう思われていますか?私の雑務を手伝ってもらっていた者が突如としてビルを飛び出したものですから驚きましたよ。Butler(執事)からの連絡があったとはいえ、そこまでする必要はありましたか?」

 

「はい。対象の排除を確実に行うと同時に、社の威厳を知らしめる必要があるとしてそう判断しました」

 

「そうですか……まぁいいでしょう。わかりました、そのように受け取っておくとします。そしてあなたが依頼を受けた人物ですが阿慈谷ヒフミ……でしたか。規則とはいえ、依頼料を()()前払いされるとは、とても金払いのいい方かと思われましたが、総合的に考えれば収支はマイナスでしたね。契約内容の最低限安全を確保するまでは依頼をお続けしなければいけませんでしたが、まさかあそこまで付き合う羽目になるとは……」

 

 代表は頭に手を当てながら、ヒフミの依頼を受けた者の報告をまとめていく。

 

「依頼料を一部ではなく、全額前払いされる時点で察するべきでしたね……。追加の依頼料を催促はしたようですが、契約内容ですのでやむを得ず続けるしかなかったですからね。シャーレの先生との再会によって、依頼を終了することが出来たのは僥倖でした。あのまま続いていたとしたら、そのままブラックマーケットの外へと向かうことになっていたと考えると、喜ばしい限りです」

 

 代表の後ろに控えている者からの報告によれば、その人物はアビドス高校の対策委員会と銀行強盗をしていたの言うのだから驚きだ。

 

「えぇ、本当に驚きですよ。視界の共有が無ければ、システムが破損したと判断していましたからね」

 

 機体専用装備を持ってビルを飛び出したかと思えば、当社へ依頼をした者が銀行強盗をしているとの報告が来るのだから、彼女が一時的に思考(演算)を止めたのも無理はないだろう。

 

「阿慈谷ヒフミ……いえ、ファウストと呼ぶべきなのでしょうか?紙袋を被るだけの変装で、ブラックマーケットの銀行を襲うとは。あなたが言うように、ヒトとは本当に見かけによらないものですね。今回の依頼料は全額前払いされていましたが、いずれは当社の依頼料を踏み倒されそうですね」

 

 そういって笑いながら視線を向けている者と後ろに控えているものからの報告をまとめた。

 

「さて、あなた方からの報告は以上ですね。あなた方3人に依頼を請け負ってもらっていますが、どうですか?なにか困りごとはないでしょうか?」

 

「であれば、当機から1つ」

 

「はい、なんでしょう?」

 

 中心に立つ者が声を上げる。

 

「なぜ、代表は機体の調整を行ったのでしょうか?換装後の状態のほうが戦闘、及び雑務において優れていると判断しますが」

 

「あぁ、これですか?」

 

 彼女たちの前に立つ代表は、換装後からサイズの調整を行っており、後ろに控えている者と比較しても少し小さいサイズとなっていた。一般的に見ても少女と思えるようなそれ(機体)は、以前のように効率的な作業が出来ず、雑務をこなすのにも他の機体によるサポートが必要であった。

 

「どうやらButler(執事)の報告では、ここキヴォトスの学園に通う生徒達は女性が非常に多いようでして、それに合わせて学生の平均的な身長へと変えてみました。いくつか依頼をこなして、問題がないようでしたら以降はこの状態でいこうかと思います」

 

「左様ですか」

 

「はい、雑務以外は特に問題ありませんのでお気になさらずに。他にはありませんか?」

 

 代表がそう言うと空間が沈黙に包まれる。

 

「…ないようですね。また何か報告があれば連絡をお願いします。業務に戻ってもらって結構ですよ」

 

 そう締めくくられると、各々が行っていた仕事へと戻る。

 

「さて、私はアビドス自治区へと向かうとしましょうか。便利屋68の方々やあの少女に渡したカードのこともありますし、なにやら()()()()()ですので早急に準備するとしましょう」

 

 そういって彼女は席を立ちあがった。

 

 




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登場するメイドさん達の名前ってあったほうがいい?

  • いる
  • いらない
  • そんなこといいからはよ続き書け
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