「ちくわっ!!」
「あべしっ!?」
ところてんが鬼気迫る勢いで振り抜かれた竹輪がガードの上から俺を打ち据えた。ガードのつもりで間に挟んだ腕を貫通して顔面に響く衝撃。赤龍帝の籠手にも大きなヒビが入り、踏ん張ろうとしたけれど無駄に終わって俺の体は大きくグラついた。
そして、そんな俺に降り注ぐ連打。
「ちくわチクワちくわチクワちくわチクワちくわチクワちくわ……竹輪っ!!!」
「あばばばばばばばばばっ!」
ペチペチペチペチと軽い音なのに俺が受けるダメージは凄まじい。
なんでただの竹輪で俺はこんなにダメージ受けてるの!?
「てか、竹輪で戦うなっ!!」
「じゃあ、この魔剣で……」
「大根じゃねぇかっ!」
「あれは魔剣大根ブレードですね。三大勢力の戦争の時に活躍した伝説の戦士ガルベルが振い、神の放った攻撃さえも切り裂いたという……」
「マジかよ、小猫ちゃんっ!? どう見ても食品だよ!」
山の中、食品を振るう食品に圧倒されながら叫んだけれど、俺の言葉に誰も何も言ってくれやしない。
現在学校休んでレーティング・ゲームの為の訓練合宿中、そもそも俺はどうしてこうなっているのか。
「プルプル真拳奥義・ちくわ大乱舞! ガードが甘いぞ、イッセー。俺に黒蜜をタップリとかけたみたいにな」
真下から顎を竹輪で打ち抜かれて宙を舞いながら思い出していた。
「あれが大根ブレード。エクスカリバーを正面から砕いたとされる最強の魔剣か……」
え? 木場、なんでマジトーンで話して……。
はい! もう回想行ってみよう!
レーティング・ゲームに参加する由良との打ち合わせ、部長はその時に山での合宿に誘ったんだけれど……。
「俺は研究があるから拒否で。アーシアも契約外だから同上で頼むからさ。まっ、助っ人である以上は治療しに昼夕顔見せるから存分に怪我をしなって」
「なんか俺に協力しろってよ。代わりに三食絶対ところてん出すからな!」
こんな感じでとりつく島も無い感じで拒否られて、そして迎えた一日目の昼間、由良が連れて来たのが悪夢に出て来た謎の生物、ところ天の助だった。
「マジで実在したのかよっ!!!」
「イッセー、どうかしたの?」
「いや、ちょっと今更ながらですけれど驚いて……」
部長達、あの宇治金時を知ってるからか天の助にそんなに驚いてねぇな。
聞いた話じゃ鎧みたいなのや半魚人みたいなのも悪魔にはいるらしいけれど動いて喋る食品なんてのは他には居るはずが……無いよな?
やべぇ! 短期間に宇治金時やら宇宙人やらと遭遇したせいで不安になって来やがったっ!
この時、知る由も無かった。ウ◯コかチョコソフトか曖昧な奴や巨大エヘン虫、CMクイーンの魚雷と会うだなんて……。
「流石にそれは無いだろっ!」
「あらあら、イッセー君は元気ですわね。ほら、ご飯の準備が出来ましたわよ?」
うっ! また叫んじまったよ。それはもう忘れるとして、動き回ったから腹減ったよな。
うん? ご飯の準備ってまさか……。
「朱乃さんの手料理っすか?」
「いや、俺が作ったところてんのフルコース」
「お前かよっ!? って言うか料理出来たのかっ!?」
いや、そもそもところてんのフルコースって何?
「そりゃ最初っから三食共にところてん出すって言ってただろよ。あの宇治金時は?」
「だからってところてんの上にカレー粉混ぜたところてん乗せたところてんカレーにところてんサラダにところてんの冷製スープにデザートの黒蜜がけのところてんとは思わねぇだろっ!」
お昼、俺の目の前では由良が呆れた視線でサンドイッチを食ってるけれど、まさか此処迄とは思わねぇからな!
宇治金時なら部長に頼まれて飯の調達だよ。宇治金時ばっかり持ってくるなって釘刺されていたけれど、この昼飯見てたら天の助に釘刺したくなって来たぜ。
「因みに俺の脇腹な」
「なんてもんを食わせてんだっ!」
って言うか、そのサンドイッチって誰作? え? アーシアが料理の勉強として作ったって? 爆発しろっ!
「俺は昼休みの間しか居ないけれど、ライザー相手にどうやって戦う気で?」
「そうね、普通に戦っても経験と人数差で苦戦するでしょう。でも、こっちにはイッセーという切り札があるわ」
「え? 俺っすか?」
「まっ、勝ちの目はそれ位でしょうや。不死を突破するならグレモリー先輩と姫島先輩だけじゃ手数が足りないでしょうしね。問題は譲渡の方だけれど、ライザー戦まで倍加をどれだけ節約出来るか……まあ、妹と女王以外は俺が受け持つ方向で良いから」
へ? 俺? それに譲渡って何?
「妹ってどういう事なの?」
部長達も知らないみたいだし、どういう事なのかと視線が集まった事に由良は少し戸惑うと合点が行った様子で呆れたみたいな顔を向けて来た。
「はぁあああああああああああああああ~。いや、マジで勝つ気有りました? 敵どころか自分の所の切り札すら詳しく調べてないとか」
な、長い溜め息っ! こりゃマジで心底呆れてやがるじゃねぇか!?
「……もう帰るんで。やる気があるならちゃんと調べといて下さいや。取り敢えず反抗するアピールしたいだけならテキトーに流すんで」
そう言って由良は脱力した様子で肩を落としながら転移して消える。く、空気悪くして消えやがった!
「うぃーす! 昼飯持って来たでー! お汁粉に小豆飯にイトコ煮やで。うん? 何か妙な雰囲気やないか。よっしゃ! ここはわいが一発芸で盛り上げたるで!」
そして戻って来た宇治金TOKIOは空気読めねぇし……。
「なんとデザートは宇治金時や! どうや、凄いやろ!」
「もうアンタ何優勝で良いよ……」
あー、精神的にドッと疲れたよ、マジで。
「ねぇ、宇治金TOKIO。赤龍帝の籠手について知らないかしら? 倍加以外にも能力があるみたいなんだけれど……」
「知っとるで? わい、実際に二代前と戦ったあるさかいな」
マジでっ!? こんなのと戦ったのかよっ!
「強かったが十分で決着や」
「勝ったの?」
「いや、負けた」
でしょうね……。
「まあ、基本的に能力はこんなもんや。覇龍ちゅうわいをボコボコにした技もあるけれど小僧じゃ使えへんから忘れておこうか。わいも公爵側の立場やさかいそんなにアドバイスは出来へんけれど、小僧がどれだけ強くなって、どう扱うかが勝敗の鍵やろうな」
なんか予想と違って凄く真面目な内容だったな。正直疑ってたし悪いと思う……。
「そんな訳で宇治金時こそが最も優れた食べ物ってこっちゃな」
「何だとゴラァ! ところてんが最高に決まってるだろうがっ!」
思う必要無かった!
何も聞かずに
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疾風のゲハ
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宇治金TOKIO
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マコちゃん
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地獄のイルカの
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コンバットブルース