「……来ました」
反対側を由良達に任せて進んだ先に居るのは棍使いの子を先頭にした兵士四人。
丁度互いの陣地の中間地点だし、戦況次第でプロモーションで女王になられちまう。
「二人共、ゲームの様子を見る限りじゃ棍使いは俺が相手すべきだと思う。……残り三人は頼めるか?」
悔しいがこっちで一番弱いのは俺で、向こうはあの子だ。
兎に角倍加を繰り返してあの子を倒した後で二人の加勢に……そこまで考えた時だ。
便座と便器の間からヌルッとお茶漬け星人が出て来たのは。
「お茶漬けビーム!!」
「アババババッ!?」
お茶漬け星人が放ったビームは小猫ちゃんを直撃、年頃の女の子が出しちゃ駄目な声と表情を見せた所でビームが途切れるけれど……傷が無い?
「そうか! 小猫ちゃんは頑丈さが売りの戦車だった。それにあの光線がショボクって……」
「フェフェフェ、どうやらご存知で無い様子。オレのお茶漬けビームの恐ろしさをっ!」
効かなかった、そう言おうとした俺の声をお茶漬け星人の得意そうな声が遮り、相手側の子達は何処か疲れた顔だ。
「イッセー君! 小猫ちゃんの様子が変だ!」
「お…お……」
なっ!? 小猫ちゃんに一体何がっ!?
膝を折って便座に突っ伏しながら震える小猫ちゃんから漏れる声に俺は慌てて手を伸ばす。
この子に一体何が起きて……。
「お茶漬け食べたい!!」
「はっ?」
えっと、お腹減ったの? 開始前にお菓子を食べまくってたのに?
「フェフェフェ、教えてあげましょう! お茶漬けビームを食らった者は死ぬ程お茶漬けが食べたくなるのです!」
「なっ!?」
なんてどーでも良い攻撃なんだっ!?
このお茶漬け星人、こんな見た目と名前だけれど若手の眷属としては注目株らしいし、実際映像を見る限りじゃ強かった。
伸縮自在な多数の腕での物理に加え、水の魔力を広範囲に展開して得意の水中戦に持ち込むとか、この映像の時に知ったけれど泳げない小猫ちゃんにとって厄介な敵……だったのに!
「お茶漬け食べたいお茶漬け食べたいお茶漬け食べたいお茶漬け食べたい!」
「終わったら食べさせてもらえるからちょっと落ち着こうねっ!」
なのに実際に戦ったらこんなんだよ、馬鹿じゃねぇの?
馬鹿だろ、絶対っ!!
「そんなに食べたいなら…。ほら、此処に」
「お茶漬けっ!」
お茶漬け星人の手にはホカホカご飯、一番上に梅干しが乗せられて刻み海苔がパラパラと振り掛けられたところに注がれる熱々の緑茶。
「いや、そんなの何処から出したんだよ……」
いや、そんな事を気にしている場合じゃない! 小猫ちゃん何目の色変えてお茶漬け星人に飛び掛かってるんだ。
「ほら、どうぞ」
「お茶漬けっ!」
あと三歩でお茶漬け星人に届くという距離まで接近した瞬間、お茶漬けが便器の中央に向かって投げられる。
小猫ちゃんはそれを追って飛び出して、木場も止めようと肩を掴んだけれど止まらない。
二人揃って便器の中へと向かい、羽を広げて飛ぼうとした所にお茶漬け星人の魔力が放たれる。
『リアス・グレモリー様の『騎士』一名『戦車』一名リタイア』
無情に流れる脱落のアナウンス。お茶漬けを追って便器の底って……。
「流石にこれはないだろっ!」
「ええ、その通りですわ」
空を稲光が照らし、それを背景にした朱乃さんが羽を広げ右手を上空に向けて飛んでいる。
微笑んでいるんだけれど眼差しは鋭く、お茶漬け星人達を眼差しが貫いていた。
「囮だったか。小癪な真似を」
「あらあらうふふ。洗脳なんて使った方が何を言っていますのやら。随分と下衆ですわ」
「フェフェフェ。悪魔なんだ、洗脳なんて当然だろう。それにそっちだって恋愛系の依頼などで洗脳での解決を提案した事が無いとでも? お茶漬けビーム!」
「雷よっ!」
雷が真上から放たれる寸前、勢い良く伸びたお茶漬け星人の手からお茶漬けビームが放たれて朱乃さんを直撃する。
「不味い! これじゃあ朱乃さんまでお茶漬けが死ぬ程食べたくなって……」
「ピラフ食べたいっ!!」
「なんでっ!?」
「成る程、ピラフはコンソメ系の出汁で炊いた洋風の炊き込みご飯。出汁茶漬けの発展系との解釈で効果を減衰させたんだな」
減衰……なのか?
「うん? このままじゃ俺も巻き込まれ……ぎゃああああああああっ!?」
そのまま制御の狂った雷は朱乃さんを巻き込んでお茶漬け星人達を飲み込んで、俺も尻に少し食らった。
『ライザー・フェニックス様の『兵士』四名リタイア』
よ、よし! 取り敢えずよし! だって朱乃さんはリタイアしてないし!
威力が凄いから便座が少し砕けてもうもうと煙が上がっている。その中で立ち上がる人影。
但しアフロである。
「くっ! こんな屈辱、知らない人に声を掛けられて思わず返事をしたら背後の人に声を掛けていた時ぶりですわね」
「えっと、朱乃さん……」
チリッチリのアフロ姿で煙を吐く朱乃さん、そしてリタイアのアナウンスが流れていない以上はお茶漬け星人も。
案の定、お茶漬け星人は煙が晴れた向こうにいた。
「姫ー!」
「お茶漬け姫ー!」
なんか花を敷き詰めた棺桶の中でドレス姿になって小人達に囲まれてだ。
「あっ! 王子!」
「練り消し王子!」
「練り消し王子っ!? 俺が!?」
俺が王子って一体何がどうなって……って、そもそも 達は何処から来たんだよっ!?
「ちょっ!? 引っ張るなってっ!」
「アンタはさっさと姫にキスすりゃ良いんだよ。白雪姫知らない?」
「知ってるけれど……これって白雪姫か! 名作を侮辱するなxty!」
抵抗するけれど小人達の力が強くてグイグイ引っ張られて行く。あっという間にお茶漬け星人の前まで連れてこられたけれど、近くで見ると凄い不細工な見た目してんな、この宇宙人。
「さあ! 口付けでお茶漬け姫を起こして下さい!」
「出来るかっ!! てか、近くで見たら薄目でこっち見てんじゃねぇか、この異星人!」
チラチラ見てるし、何なら花に隠れて台本まで用意してんじゃねぇか!
今になって理解したぜ。ライザーの野郎が胃痛に苦しめられていた理由がよ!
「……もうどうでも良いや」
俺はお茶漬け星人の棺桶の前で膝を折り、そっと前に体を傾ける。
「一回死んでろっ! マジでっ!!」
そしてそのまま小人達ごと便器の底に蹴り落とした。
『ライザー・フェニックス様の『女王』一名リタイア』
「じゃあ、次に行きましょう。犠牲になった二人の為にも勝ちませんと」
尚、朱乃さんはアフロのままだった
「……あれを犠牲って言って良いんだろうか」
なんかヴァーリがキャラ崩壊する予感
何も聞かずに
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疾風のゲハ
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宇治金TOKIO
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マコちゃん
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地獄のイルカの
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コンバットブルース