『ライザー・フェニックス様の『騎士』一名『兵士』一名リタイア』
さて、どうしたもんかねぇ……。
馬鹿を敵ごとリタイアに追い込んだ後、追加とばかりに投入された相手をスネ毛で打ち据えながら欠伸を噛み殺す。
これで俺の撃破数は七人、戦力差を埋める為の助っ人としては十分役割を果たしたし、事前の条件で貴族相手には戦わないってなっているし、向こうでパイセン達が倒したのを含めれば残りは戦車だけ。
「お嬢様は参加してるだけって感じだったしな……」
軍師ポジションなのか、妹すらハーレムに入れるっていうアクセサリー要因なのかは知らねえが、これ以上は何もしないで良いだろうよ。
「さっさとリタイア……は嫌だしな」
便器の中に飛び込むのは形だけ便器と分かっててもなんか嫌だし、宣言しての退場は契約違反の言い掛かりを付けられる可能性も。
こんな楽な仕事で御破算に出来るんだ、後は適当に流すだけだが……。
「顔だけでも繋いでおくか……」
ぶっちゃけ幾らフェニックスが有力だろうが既に長男に子供が居る家の三男と末っ子、他所に出す対象なら権限もたかが知れてるんだろうけれど……。
「取引の切っ掛けにでもなりゃ御の字だろうさ」
まあ、向こうが人間を見下して歯牙にも掛けないってんなら即座に退散するんだが……。
「あら、思ったよりも早かったですわね。これなら白龍皇を退けたという噂も少しは信じられそうですわ」
便器の蓋の反対側である便座の端まで来てみればフェニックス兄妹が待ち構えてたんだが、ちゃんと話が通っているのか攻撃する素振りは無し、と。
フェニックス妹の方は何処か興味深そうに見えるんだが、あのアホとの戦いが伝わってんのね。
あー、ヤダヤダ。㊙︎奥義は隠していたいってのに、そっちまで伝わってないよな?
「退けたっつっても痛み分けみたいなもんさ。バラキエルが迎えに来たもんでお流れになったしな」
そもそも俺に戦う気は無かったし、殺しても無問題な下っ端とも違う訳だしな。
後ろ盾を持った戦闘好きの変態とかマジ災厄で最悪だわ。
「そうなのか? まあ、良いや。俺はもう少ししたらリアスの眷属共の相手をして来るし、レイヴェルの話し相手でもしておいてくれ」
「別の話題で良いのなら……」
俺としても大陸横断スネ毛ダービーについちゃ話題を逸らしたい所だし、評価はボチボチ程度が良いからな。
空中に手を翳して椅子とテーブルに紅茶と茶菓子にハニークッキーを取り出す。
「貴族様の口に合うとは思わねえが、自家栽培の紅茶と手製のクッキーでも摘みながら話をするかい?」
「ふぅん、香りは悪く無いし、クッキの方も……まぁまぁですわね。お菓子作りがお好きで?」
フェニックス妹の方はカップに注いだ紅茶の香りを嗅ぎ、クッキーを一枚齧る。
これで不味いと機嫌を損ねられたら足掛かりにする予定が台無しだったがギリギリセーフって所か。
「蜂蜜系以外の菓子が苦手でね。分量と手順を守って行うって所が薬の調合と同じだし、暇潰しになるのさ。ささっ、椅子を引いたんでどうぞっと」
「あら、これはご丁寧にどうも」
フェニックス妹と向かい合い俺も座る。こっちは貴族のお嬢様がお気に召す話なんざ心当たりが無いし、向こうに任せますかね。
……どうも兄貴の方の様子が妙なのが気になるんだがな。
「じゃあお兄様がゲームを終わらせる迄の間、ちょっとだけお話を致しましょうか。そもそもリアス様達とは仲がよろしいのですか?」
「いや、向こうは友達だと思ってる昔からの知人を含めて知り合い程度さ。あー、でも互いの親が親を殺した相手って少し気不味い人もいるんだがな」
「ヘビーですわね……」
「こりゃ失礼。茶を飲みながらする話でもなかったか。いやいや、俺は両親に洗脳されて道具扱いだったからな。感謝すらしてる程だけれど……話変えるかい?」
「え、ええ。どうせなら白龍皇……戦いではなくて彼、彼ですわよね? 噂では男でしたし、彼について教えて頂けますか? ……これが情報料の先払いという事で」
少しドン引きした様子のフェニックス妹が気を取り直して差し出したのは小瓶。
おうおう、フェニックスの涙の配布は今回無しだったってのにエグいねぇ。
「片手間で用意出来るもんじゃないでしょうに話が分かるな。あー、あんまし詳しくは教えられねぇぜ? 戦いの癖とかの情報でなけりゃ取引可能だ」
「ええ、今回助っ人になるとお聞きして集めた情報通りなので構いませんわ。可能な限り関係は薄く、敵対行為に繋がる取引は避けるのでしょう?」
「こりゃ話が早くて結構で。あの男を一言で表すのなら戦闘狂の変態だね。年齢は俺と大きく変わらない。そうそう、一応は銀髪の美形だ。色々と台無しになってるけれどな」
可能なら一生関わりたくない相手だったが、まさか隠された遺跡の調査でかち合うなんてな。
取り合った遺物も手に入れたらショボい物だったし、俺からすれば大損さ。
「才能があって殺し合いが好きな変態だ。貴族のお嬢様は関わらない方が良いぜ?」
「噂では相当強いとの話でしたが、そこまで言われる程ですの? そもそも変態って……悪魔も戦いは好みますのに」
「気分を悪くしたら悪かったよ。でも、あの変態は方向性の問題だからさ。名誉とか勝ちの末の利益なんて度外視で自分の欲求に忠実な獣を思わせる変態なのさ。あっ、名前はヴァーリね、ヴァーリす……ちょっとこの辺で本音で話さないかい?」
指を鳴らして軽い結界を張る。特に難しい内容でも無く、ただ単に観客に届く会話が変換されるだけ。
「これで何を言ってもお偉いさんには伝わらないよ。それで疑問に思ったんだけれど、君達って勝つ気が無いんじゃないかい?」
どうも駒の動かし方が単純っつーか、どうも不自然だ。知ったからってどうにかなる訳じゃないけれど、どうも茶番を茶番だと察しながら知らない振りをするのもむず痒い気がしてね。
「あら、分かりまして? お兄様ももう少し腹芸を身に付けて頂きたいですわね」
あっさり認めるもんだ。これで少しは腹を割って話せるか?
このフェニックス妹、ちょっと話してみりゃ覇っつーか、野心みたいなもんを感じたのよ。
結構美少女だし、普通にお茶してだべるだけでも良かったんだが、今後取引する関係に持ち込む価値はちょっと上がっているのさ。
「お茶漬け星人を眷属にして散々苦労したお兄様は思ったのですよ。自分も周囲からの評価を考えないと、そんな風に」
そこからは単純な話で、今回の婚約も最初は格上の家に婿入りしてリアス先輩みたいなのをハーレムに入れられると浮かれていたんだが……。
「どうも本人には嫌われていて、兄である魔王は助っ人を参戦させる始末。遺恨を無くすために差を縮めたとの建前ですが、どう考えても結婚に反対しているって事でしょう?」
「実家より上の婿入り先で妻と王である義兄に疎まれて暮らすと考えりゃ今まで通りに好き勝手も無理って事で嫌にもなるわな」
「だからって自分から破棄を申し出れば公爵家に喧嘩を売ったと周囲の貴族や商人達に思われかねない。まあ、このまま王同士の一騎打ちで適当に負けて終わりでしょうね」
貴族ってのはマジで大変だ。下は下で上に振り回されるけれど、上に行けばしがらみも増えるもんな。
「そういうのを聞いてると組織に属するのが嫌になって来るぜ。じゃあ、残りは適当にだべってるとして、ちょっとした取引をする気になったら連絡してくれるかい? あとで連絡先を渡すからさ」
そうして話す内にパイセンと姫島先輩がリタイア、最後に王同士の一騎打ちの末にライザーが投了してゲームは終わった。
「では、真拳についてお教え出来ません?」
「うちの一族に入った奴以外には会得不可能だけれど、それで良いのなら」
……なんでアフロになってたんだろう、姫島先輩。
何も聞かずに
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疾風のゲハ
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宇治金TOKIO
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マコちゃん
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地獄のイルカの
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コンバットブルース