サムライ少女のヒーローアカデミア   作:crack

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難産です。
やっつけ感あっても見逃してくだせえ。

誤字報告助かってまっする。


20話 騎馬戦-2

 

 

 

凛たちの作戦は簡単、とにかく『待ち』に徹することだった。最終的に持っているハチマキの点数で順位が確定するのであれば、序盤から動き出す必要もない。そしてまた、ヒーロー科の面々に全く知られていないだろう心操の個性を終盤まで隠し通すため。

どっちみち、制限時間は15分と結構長めだ。最初から動き回って体力を消耗するより、終盤に畳み掛けるのが利口だ。

 

そういったコンセプトのもと、端の方でこじんまりと固まる事と相なった。

 

「……ひまー」

「お前が考えた作戦だろ……」

「そうだけど……むー」

 

試合が始まって1分と経っていないが、すでに中央では出久の1000万ptのハチマキをかけた争奪戦が行われている。

 

それを見ながら凛は。まぁ、仕方ないので挑まれたら返り討ちにするスタンスでいこうか、と決めた。

フィールドの端の方で周囲を警戒しながら待機する。基本正面の警戒は凛で、背後は尾白に任せるという形だ。

 

「誰か……来ないかな……」

「なんでソワソワしてんだ……?」

 

そんな凛の願いは、奇しくも天に届いたと言っていいだろう。

 

「そこの君。確かA組だったよね?そんな端っこでポツーンと突っ立ってどうしたんだい?騎馬を組んでいるお仲間も普通科とうちのクラスのやつが混じってるみたいだし……もしかしてボッチかい??」

「……うわ」

「うわってなんだい酷いなぁ!?」

「物間、俺もその煽りはどうかと思う……」

 

なんだか、愉快な人が来たようだった。物間、と呼ばれていたのが騎手の男子生徒だろう。やりとりからしてB組の生徒か。

ふむ、そういうことなら構わない。せいぜい試合終盤まで他の騎馬の視線を逸らす意味も兼ねて、お望み通りあそん……戦ってあげよう。

 

「……なんか、用?」

「いいや?ただ、寂しそうにしてたからお友達になってあげようと思ってさ……料金は、ハチマキでいいよ?」

「レンタル友達という発想が既にカス」(円場)

「ヒーロー科ってこんなやつばっかなのか……?」(心操)

「勝己の方が……まし……」(凛)

「揃いも揃ってヒドイねぇ!!?」

 

その言葉と共に、物間は凛に対し戦いを仕掛けてきた。それに対し、凛は木刀を構えて消極的な応戦を繰り返すことにした。

 

「おら!」

「……ん……鉄?」

「ああ、そうだね。これは確かに(スティール)の個性さ!」

 

ふむ、彼の個性は体が鉄になる、とかそんなあたりだろうか。なんだか鋭児郎と似たような個性であるし、彼の見た目に似合わずアグレッシヴな個性のようだった。……なんだか少し違和感があるが、ひとまず納得しておこう。

しかしそういうことなら対処は易い。相手が鉄であるのなら木刀の破壊にだけ注意しておけばいいし、凛の腕前があればそんなミスは万が一にも起こらないだろう。

 

「……」

「間合いが広いせいで触れられないな……見た目に似合わず随分と戦いが巧いようだけどさ、なんだい、そっちからは来ないのかい?」

「ん……まぁ、気が向いたら」

「……まぁ、舐められっぱなしってのも気に食わないし、こっちももう少し積極的に行かせてもらうよ!」

 

その言葉と共に、物間はまた突撃を仕掛けてくる。

先ほどと変わらない、腕に鉄を纏っての簡素かつ一辺倒の攻撃であった……と、凛が落胆しかけたとき、物間の鉄に纏われていたはずの手が一なぜか引っ込んだかと思えば、今度は一気に巨大化して凛に襲いかかった。

 

「わ……」

 

咄嗟に刀で受け止めはしたものの、何倍ものサイズに膨らんだ巨大な手にギリギリと押され続けている。

なんだ、個性は鉄を纏うようなものではなかったのか。手の巨大化と皮膚の鉄化は全く関連性がない。どういうことだろうか……

 

「ははは!どうしたんだいいきなり苦しそうな表情を浮かべ……てはないけど!どうだい、驚いただろう!」

「……ん……すごい、なんの”個性”?」

「い、意外と余裕があるね……ふ、自分から個性を明かすわけないだろう!」

 

まぁ、それもそうかと凛は考える。未だ木刀で巨大な手を押さえている状況ではあるが、これがやはり重い。その重さに耐えながら、ちらりと残り時間を確認した。6分と少し。まぁ、ちょっと早いかも知れないけれどいいだろう。

小声で心操に呼びかける。

 

「……人使……」

「ああ。なぁアンタ、あんたの”個性”、本当は多分”コピー”とかだろ?すげえな、羨ましい個性だ」

「はっはぁ!そうだ……」

「……?おい、物間どうした?」

 

足元の男子が物間に対して問いかけるが、すでに彼は真相の術中の中だ。

力の抜けた鉄の巨手を払いのけて、物間の首元のハチマキへ刀を伸ばす。そのまま絡め取って持っていった。

 

「じゃ、もらってく……」

「え、おい、ちょ待て!物間?おい物間!?」

 

後ろで切羽詰まった声が聞こえてきて少しかわいそうだが、これも仕方ない。

 

「あれ、叩けば解けるんだよね……?」

「ああ」

 

そんなわけで物間たちのポイントを奪い取った凛の騎馬は次の獲物を探す。

次は、そうだな。そこにいるB組の人がいいだろうか。

 

「人使、用意……」

「できてら」

「ん……勝負!」

「っしゃぁ、かかってこいやぁ!」

「アンタもしかしてさっきの物間とか言うやつのコピー元か?地味な個性だな……」

「っるっせー俺が一番気にして……」

「鉄哲ー!!?」

 

と言うわけで、二組目も容易くゲットできたわけであった。

残り時間は後4分かそこらだし、挑めても1,2組が限界か。とはいえ、あの中心地点の焦凍が作った氷のフィールドの中でドンパチやってる出久の周りにはあまり近づきたくないし……んー。

 

「あ」

「あ”?……ぶっ殺す!!」

「あちゃー、よりによって霧崎かぁ……」

「ヒーロー科ってこんなやつしかいねぇの……?」

 

どうか勘違いしないでほしいと切に願うが、奇人変人が多いことは否めない事実である。

というわけで、悲しいことにエンカウントしてしまったのは勝己だった。残り時間4分……まぁ、ポイントには十分余裕があるし戦ってもいいだろうか。

 

「……人使、私に任せてもらっていーい?」

「負けねえならな」

「ん、大丈夫」

「あ”あ”!?」

 

というわけで、ここでの戦闘は任せてもらえることとなった。

改めて凛は勝己に向き直って言う。

 

「ん……いーよ、かかってきて」

「潰す!!」

 

ボォンという音と共に、凛の木刀と交錯した勝己の手のひらから爆発が生じる。

木刀が晴れた時……凛の木刀は多少は焦げているものの、おおむねの形を保ってまだそこにあった。とはいえ先ほど木刀を一本使い捨ててしまったので予備はない。できれば壊したくない一本ではあるが……

 

「よそ見してんじゃねえ!」

「して、ない!」

 

大振りになったその隙を狙って、木刀の一撃を胴に叩き込む。だがその剣戟は、勝己が咄嗟に出した左手で防がれてしまった。そしてそのまま木刀を固定されて動かせなくなってしまった。

 

「む……」

「ハッ!木刀じゃそんなもんかよボンヤリィ!」

 

それとともに、勝己が再び右の大振りを再開させる。

まぁ、背に腹はかえられない。動かせなくなった木刀から手を離し、すぐさま左腕から打刀……『葉霆』を取り出しその峰で防ぐ。

 

「チッ……」

 

なんとか防いだものの、峰しか使えない真剣では戦うのは不利だ。さらに勝己は凛から奪った木刀を遠くへ放り投げた。……何か、状況を打開する一手はなかろうか……

 

「待ぁちなよA組ぃぃぃ!!」

「……おー……」

「チッ、復活しやがった」

「あ”?んだテメェ」

 

勝己とやり合っていたら、背後から先ほどの物間チームが迫ってきていた。これで前後を挟まれる形だ。

絶体絶命……?いや、これこそ打開への一手かも知れない。

 

「人使、後ろにお願い……」

「さっきやったしもう見破られてんだろ」

「ん……だからこそ」

「あー、おっけ」

 

凛の騎馬は半身になって、勝己の騎馬と物間の騎馬両方に対処できるような体勢をとった。そのまま心操が先ほどのように物間に声をかける。

 

「おい、アンタ。さっきは無様だったじゃねえか、どんな気分だ?」

「……」

「チッ……っぱだめだ」

「誰だか知らねえが……殺す!」

 

得意気に笑った物間はそのまま勢いを上げて凛の騎馬に突き進む。それと同時に勝己も凛へと襲いかかる。それを見た凛は、少し口角を上げた。

二人の攻撃が凛に襲いかかる瞬間……そっと、刀の峰で勝己の攻撃の先を逸らして避ける。

 

「なっ」

「ぐはっ!」

 

そのまま勝己の爆発が物間に直撃した。勝己が体勢を崩したものの、そして爆発の直撃した物間はさらに体勢を崩す。

 

その隙に凛たちの騎馬は二組の間から離脱していった。

 

「じゃぁね……」

「待てやコラァ!!」

「おい爆豪もう時間ねえって!あいつらのハチマキとんのが先だ!」

「く……クソが!!」

 

 

とまぁ、そう言うわけで。

 

 

 

『Time Up!!!』

 

 

本戦第一種目、騎馬戦は終了した。






物間くんには拳藤さんと鉄哲君の個性を勝手にコピーしてもらってます。そんくらいの準備はしてるでしょう、ってことで。


一位:轟チーム
二位:霧崎チーム
三位:爆豪チーム
四位:緑谷チーム

やっつけです(気が向いたら多分書き直す)
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