透き通るような世界で俺がやるべき唯一のこと 作:THE TOWER XVI
「これはどういう状況かしら?」
動揺も見せずに陸八魔が問いかける。
「漸く来ましたか。会談ですよ。ただ、皆様とも同様のお話をしたかったので、お待ちしておりました」
「見境がないね。そんなに人手不足なわけ?」
「ええ、そうですよ。それに貴方はこの話、受けてくれるでしょう?」
鬼方のほうに目をやった獣人は、足元の少女を杖で小突いて問いかける。
「……ほんと、面倒」
ニヤリと彼は口角を上げて、語り出した。
「近頃、企業間の抗争が活発でしてね。つい最近砂漠で起きた事故もありまして、この業界もなかなか人手不足なわけです。それで我がグループとしても人材の確保は必須でして……どうですか、我々の下に来ませんか? これでも見る目には自信がありますから、一目見た時から、貴方たちがただ者ではないと思っていたのです」
じっと、笑みを浮かべてこちらを見る彼に、陸八魔は少し考えるそぶりを見せて、口を開く。
「悪いけど、誰かの下につく気はないわ。それに、本当にその目は合っているのかしら?」
「……おや、何が言いたいのでしょうか?」
「はっ、力量を読み違えてるんじゃないかって、ボスは言ってんだよ節穴野郎。脅す気満々で引き連れている後ろの奴らじゃ役者不足だぜ」
九鬼正宗に手を掛けて、
「か、完璧……! じゃ、じゃなくて、そうよ! その通り! 一体、何時からあなた達が優位だと錯覚していたのかしら?」
見下すように言い放った陸八魔の言葉に、鼠の獣人は一瞬眉を顰めて、溜息を吐く。
「まったく、これだから子供は嫌いなんです。少し大人が優しくしてやれば、すぐつけあがる」
眉間を手で揉んで、先程の笑顔を消した彼は杖をこちらに向け、同時に後ろの兵士たちも銃をこちらに向ける。
「あまり手荒な真似はしたくありませんでしたが……仕方ありませんね。身の程知らずのガキには、その身に大人の恐ろしさを教えてあげましょう。なに、ご心配なく、捕まえた暁にはじっくりと教育して、従順な兵士に変えて差し上げますよ」
「その余裕いつまで持つかしら? 力量を見誤ったこと、地獄で後悔するといいわ! さあ、皆、行くわよ!」
「あははっ、やっちゃうよー!」
浅黄が手にしていたバッグを放り投げ、会場が爆炎と煙の混沌に包まれる。
「滅茶苦茶すぎる……」
「よ! さっきぶり! なんか人質取られていた風だったけど、これで解決?」
そっと、混乱の隙に回収してきた少女を手渡す。良く分からないままの鬼方に抱かせて、俺は満足げに頷く。
怖がられていたりしたみたいだが、ワンチャン、これ、起きた後に鬼方に助けてもらったと思ったら、一気に距離が近づくのでは。何なら、実は怖いと思っていた相手が優しかったなんて、新たな恋の始まりじゃないか!
「うん、やっぱり女の子は女の子同士で付き合えばいいと思うの。結婚式を挙げるときは呼んでくれ。こう見えて俺、神父役とかめっちゃ得意だから」
「は?」
「それじゃあ、俺達に任せて行ってくれ。是非とも、お二人で明るい百合の未来を水平線に刻んでくれよな!」
脳内で全てを完結させた俺はまくし立てると、その場を離れようとして、腕を掴まれる。
「あ、礼か? なら、その子が起きた時にお前が助けたってことにしてくれれば──」
「はぁ、説明が無さ過ぎでしょ。こっちとしては、面倒な状況になったと思ったら、横からハチャメチャにされたわけだけど」
「まあ、目指すは最恐のアウトローらしいからな、コレぐらいぶっ飛んでるぐらいが丁度いいだろ」
「アウトローって……」
「そういや、縛られるのが面倒とか言ってたか? 真似はせずとも、結構悪くないと思うだろ? こういうのも」
目を見開く鬼方に笑いかけると、俺は戦場に飛び込んでいった。
木片が中を舞い、横倒しになった金縁の机に弾丸で彫刻が施される。
大理石の床に薬莢が転がる音と硝煙の匂いに、改めて自分が物騒な世界に来たことを感じながら、浅黄の隣でしゃがみ込み、
「ねえねえ、さっき話してたの誰? 何してたの?」
「猫と戯れてた時に会った娘。たぶんきっといい百合を咲かせてくれるよ」
「ふーん。まあいいや、センパイも手伝ってよ、盾まで持ち出してきたみたいで堅いからさ」
銃声が鳴り響く只中で、緩く会話をしながら、
流石にあの獣人が過信するのも頷ける数だ。倒しても倒しても湧いてくるオートマタに、そろそろ突っ込んで近接戦に切り替えようかと思っていると、くいくいっと俺の服の端を引かれる。
「あ、あの! 私が全部片付けましょうか!」
興奮するように伊草が許可を求めてくる。
以前、猛烈な勢いでショットガンを浴びせていた姿と、それを止めた時のことを思い出した。
「そんな律儀に許可を求めなくたっていいんだぜ! お前の好きなようにぶっ飛ばせ!」
「は、はい……!」
嬉しそうに彼女は通信機のようなものを取り出して。
「ん? なにそ──」
聞く暇も無く、カチリと音が鳴る。
凄まじい轟音と共に、世界が純白に染まった。
「ごほっ、ごほっ、え? ……えっ?」
「うっわー、すごいねー」
瓦礫の上。
目を白黒させる陸八魔に、浅黄が辺りを見ながら零す。
シャンデリアが飾られ、絵画で彩られていた天井は無惨な残骸として地面に転がり、辺りは透き通った青空の下に曝されていた。
咄嗟の魔力壁と
しかし、待て。よくよく考えると、この世界なら、
「も、もしかして、私、またご迷惑を……!」
「いや、伊草のおかげで天才的なアイデアを得ることが出来た。ありがとう」
「そう、ですか……? えへ……ヒイロ様の、お役に立てたのなら……良かったです」
ショットガンを胸に抱いて、ふにゃりとはにかむ伊草に俺は微笑む。
陸八魔達に顔を向けると、親指で来た道を指して、声を掛ける。
「じゃあ、今のうちに撤収しようぜ」
「ちょっと! だ、大丈夫なの?!」
「世の中飲食店も爆破されているし、まあ建物一棟爆破した奴らって噂が流れるだけじゃないか?」
「問題じゃない!」
「クフフ、でも正にアウトローって感じだけど、違うの?」
「えっ、そ、それは……」
「あの……やっぱり、駄目でしたか……?」
「ぅ……も、問題ないわ! 目障りな物が消えて最高よ。よくやったわ! 流石我が私立探偵部の部員ね!」
不安そうにする伊草を前に、虚勢を張る陸八魔。
そこに丁度、瓦礫の下からオートマタが這い出てきて、顔を紅潮させ憤怒する鼠の獣人が救出される。
「き、貴様ぁぁぁああああ! なにが、よくやった、だと?! 一体、この建物を建てるために、我がグループがどれだけ注ぎ込んだと思っているのだぁぁぁああああ!」
「ひぃぃ!」
突然の怒鳴り声に陸八魔が驚いて悲鳴を上げる。
「絶対だ! 必ず、貴様らに生まれてきたことを後悔させて……」
「その前に自分の心配をしたほうが良いと思うよ」
獣人が折れ曲がった杖を振り回しながら、激昂していると、そこに鬼方が近づいてくる。
無感情な目で彼を見ながら、片手に持っていた書類のうちの数枚をペラペラと見せる。
「それは……!」
「自治区内での無許可の土地の占拠や、違法な資金繰り、生徒の誘拐の記録。これは写しで、オリジナルはあの子に持っていってもらったから。時間の問題だね」
「な、な、な」
「ドンパチに夢中になってくれたおかげで、証拠の確保も楽だったよ。……流石に、更地になるとは思ってなかったけど」
口をパクパクさせる獣人を鬼方はじっと見て。
「く、くそが……!」
鼠の獣人は手も足も出なくなったのか、辛うじて一言捨て台詞を残すと、その場から逃げ出した。
オートマタ達が慌てて追いかけ去っていくのを見送って、彼女は溜息をつく。
端末を取り出して何処かに連絡を入れると、俺たちのほうを向く。
「最初から私の目的はコレだったし、後は譲って。勿論、必要なら後で協力のお礼を送ることもできるけど……」
「その必要ないわ。私たちが受け取るのは、依頼に対する報酬だけだから」
陸八魔はニヤリと口端を曲げる。
「ただ、そうね、周りに噂を流してもらえると助かるわ、カネさえ払えば何でもやる、アウトロー集団がいるとね」
かっこよくキメる彼女に、俺は満面の笑みで拍手を送り、伊草もそれに追従する。
「ホント、アルちゃんってば調子良いんだから。
あ! そういえば名前聞いてなかったね。私はムツキだよ〜」
「陸八魔アル、この私立探偵部の部長にして、真のアウトローを目指す者よ!」
「わ、私は、伊草ハルカ、です!」
「……鬼方カヨコ。それじゃあ、また今度、縁があればね」
最後に俺に目をやって、踵を返す彼女に浅黄が声を掛ける。
「カヨコちゃんカヨコちゃん、何かあったら私たちに言ってねー。基本暇してるから」
「ちょっと何言ってるのよ!」
「今更隠さなくても大丈夫でしょ。連携プレーもこなして、もう仲間みたいな感じじゃん?」
「まあ……それもそうね! 部員の枠も開いているわ。興味があれば、私立探偵部はいつでも歓迎するわよ!」
陸八魔が大きな声で呼びかけて、俺が勘で強化投影を施しておいた内耳は、その声を正確に聞き取る。
「ふふ、なにそれ」
少し軽くなったような言葉を口から落として、彼女は去っていった。
顔は隠れて見えなかったが、きっと、彼女は無自覚に優しく微笑んでいるに違いない。他ならぬ、陸八魔や浅黄の言葉が彼女の琴線に触れたのだ!
その情景を思い浮かべ、俺は感極まる。
「じゃあ、私たちも帰りま……えっ、なんで泣いてるの……!?」
「ひ、ヒイロ様!?」
「うぐぅ……す、すまねぇ……うぅ……ようやく……水をやって、丁寧に整えた畑に……百合の芽が、顔を見せたんだ……。俺は……俺はぁ! ここが、好きだ! 百合の可能性がある、ここが……大好きだぁ!」
「わぁ、センパイがいつにもまして情熱的になってる」
「す、好き……でも、ええ、私もそうね。だから……きっとこれからも……ヒイロさんの好きという言葉に恥ずかしくない、真のアウトローを目指すわ!」
志を再宣言し、強い意志を瞳に灯す陸八魔の隣で、俺は空を仰いで、おいおいと涙を流す。
漸く、手をかけることが叶った、百合の気配に、歓喜に打ち震えながら、ただ泣いた。
「まったく、それなりのイベントは有ったが、今回は大して君の歪んだ顔は拝めなかったな」
アルスハリヤが玩具の煙草を片手に、そう零して。
紫煙を吐きながら呟いたその言葉は、夕暮れの空へと吸い込まれて行った。
結局、あれから数か月が経ち、陸八魔達はそれなりに有名になっていた。
流石にその頃にはゲヘナの寮を追い出されており、風紀委員にマークされているのもあって、大変そうだったが、同時に充実もしていそうだった。
最近、鬼方も加わり、改めて『便利屋68』として起業したらしい。その時に、皆で陸八魔に財布をプレゼントした話は、今思い出しても素晴らしい話である。
浅黄に誘われて俺も協力させられたが、そのことは陸八魔には黙っておくよう口止めしたしな。貰った本人に知られていない以上、男に汚された百合は無かったのだ。
しかし……やはり、良い。苦難を共にする仲間は、掛け替えないものだからね……お互いへの信頼とか、そういうのが視えるのが、なんというか、最高だ……。これからも、傍でねっとり嘗め回すように、織りなす百合を見届けるからねぇ……。
ニチャリと湿っぽい笑みを浮かべて。
回転する室外機のファンを眺めながら、俺は鉄製の階段に腰掛け、陸八魔達のおかげで拝めた百合とその未来に思いを馳せる。
最近、漸く借りることが出来たという事務所、その近くの路地裏。
再び事務所を手に入れた記念のパーティに呼び出された俺は、差し入れを置いて一人抜け出していた。
「僕の見立てとしては、なかなか厳しそうだがな。近くに百合の破壊者とでかでかと背中に書かれた男がうろついていては、咲く百合も咲かないだろう」
「おうおう、喧嘩なら言い値で買うよ? この現状を見て、一体どこに問題があるんだよ。すべては俺の百合IQ180の頭脳の計算通りだ。これだから、魔人の僻みは見苦しいな」
紫煙と共に、ゆらゆらと空中で足を組んで漂うアルスハリヤといつも通り貶し合っていると、俺と同様に抜け出してきたのか、鬼方がやってくる。
「何してるの?」
「悪霊とお喋り」
鬼方は周囲を見渡すと、口を開く。
「そういえばヒイロと初めて会った時も、こうやって静かな場所に抜け出していた時だったね」
「ああ、猫のやつね」
「や……その、あれは……いつも猫語で話しかけているわけじゃないからね……?」
「俺はかわいくて良いと思うけどね」
「もう……」
鬼方は僅かに頬を染めると、俺の隣に腰を下ろす。
俺は距離を取るように、端に詰めて──追従する様に彼女も詰めてきて、驚愕の面持ちでその横顔に視線を送る。
「なんで距離詰めたの?」
「……」
「なんで距離詰めたの……?」
「……別に。ただ、初対面で、まさか山田タロウだなんて、嘘を吐いていたのはびっくりしたね」
勝手にもう会わないからと偽名を名乗ったことを思い出し、俺は黙り込む。
「ふふ、でも、あの後、私が慎重に動いていたら、皆で突然戦闘を始めて、ヒイロはこういうのも悪くないだろ、って言ってたよね」
「……そんなこと言ったか?」
「うん。ヒイロからすれば、何でも無い言葉なんだろうけど、私にとっては印象深い言葉だったから……覚えてるよ。
あの時……縛られるのは面倒だって言ってたけど、今、便利屋のみんなと居るのは、むしろ心地がいいから……そう、悪くない」
彼女は微笑んで、俺も同じように笑みを浮かべる。
「やっぱり、女の子は笑顔が一番だ。俺としても、皆が仲良くしているのを見るのが一番だからな。そしてヒイロ君的には、仲間を超えたその先のステップへ行くのも一向に構わないし、むしろウェルカム」
「その先って……時々良く分からないこと言うよね」
鬼方はクスクスと笑う。
暫く穏やかな時間が過ぎて。
「……こうやって誰かと落ち着いた時間を過ごすなんて、初めてかも。いつも一人だったし。それで良いと思ってたし」
「まぁ、今なら便利屋のみんなが居るだろ?」
「ふふ、そうだね。でもヒイロは少し……違うかも。
あ……別にみんながイヤってわけじゃないよ。ただ……そうだね、やっぱり今まで、なんだかんだ助けてくれて、頼れるからかな」
密着した上に、俺の肩に頭を乗せ、体重を預けてきた鬼方に、百合IQ180の頭脳がエマージェンシーコールを発令する。
「お、鬼方、本来の目的を思い出そう。あの時庭にいたのも、色々煩わしくて、一人になりたかったからだよな……? 勿論、今回この人気のない場所に来たのも、それが目的だよな……?」
「そうだったけど……むしろ気に入ってるんだ。誰かと一緒に雑談するの。だから、本当は、ヒイロを追いかけて来たわけだし」
「……(動悸)」
「あと、上の名前じゃなくていいから」
「……(過呼吸)」
脂汗が全身から吹き出る。この場から立ち上がろうにも、寄り掛かられて、動くことが出来ない。
そのまま短いのか長いのかも分からない時が過ぎて。
「少しだけ……。もう少しだけ……このままで」
「……(瀕死)」
流石にこの空気で無理に逃げ出すわけにもいかず。
意識の混濁を経て、いつの間にか、十分ほど時が過ぎていた。
「その……付き合ってくれてありがとう。久しぶりに、ゆったりできた」
「まぁ、俺も休めてよかったよ」
「それで、一応今日のことは……」
「当然、二人だけの秘密な」
「ふふっ……。うん。じゃあ、またね」
自然な笑みと共に立ち去る鬼方を見送って、俺は独り、二人だけの秘密に収めたことに満足する。
これで百合が汚された事実は無かったことに出来たな……! そうだ、それに問題ない、便利屋68、彼女達には百合の可能性がいくらでもあるのだから……!
でも、何故だろう……何処か、この言葉が虚しいのは、一体……?
「自己欺瞞でしかないからだろう」
バッと顔を上げて。
夕日を背負って嘲るような笑みを浮かべるアルスハリヤを、俺は唖然と仰ぎ見る。
「これで何度目だ? あのアウトローを目指す娘の為に財布を買うからと、君をセンパイと呼ぶ少女に連れ出されたと思えば、実質デートのように連れまわされて、二人だけの秘密その一。
あの紫髪の娘からは、君が普段から口にしている単語を勘違いしたのか、丹精込めて育てられたユリ科の雑草を鉢植えで貰いつつ、秘密の場所を共有して、二人だけの秘密その二。
そして、今日、長年連れ添った恋人のような空気を演出して肩をくっつけ合って、二人だけの秘密その三というわけだ。
なんだ? 二人だけの秘密でバーゲンセールでもしたいのか君は?」
大振りに手を広げ、首を傾げるアルスハリヤの前。
俺は恐怖に両目を見開いて、後退る。
「違う違う違う! 違う……!」
自分を騙し、嘘を吐いていた記憶をこじ開けられ、俺は胸元を掴みながら、苦しむ。
不気味に、空中で倒立した魔人は両膝をついた俺の顔を覗き込んで、三日月に口を曲げた。
「違わないさ。これは客観的な事実だ」
「……」
「とはいえ、僕としても、運命のパートナーであるヒイロ君が苦しんでいる姿を見るのは、心が痛んでしょうがない。ここは一つ、哀れなヒイロ君に、この天才たる僕が救いの手を差し伸べようじゃないか」
「いや、申し訳ないけど、流石にそれは……お前の前科を踏まえて、騙されないよ?」
先程まで苦しんでいた俺は、スンと真顔になってアルスハリヤを見つめる。
「おいおい、僕の謙虚さ故に、君にはまだ明かしていなかったが、僕のカップル破局成功率は100%だ。僕の手に掛かれば、たちまち好感度を反転させることができる」
「……アルスハリヤ先生?」
「そうクリスマスツリーの下にプレゼントを見つけた子供のようにキラキラした目で見るな。安心したまえ、僕の灰色の脳細胞が導き出した、とっておきの策を君に授けようじゃないか」
「アルスハリヤ先生……!」
「はっはっはっ、まだ喜ぶには──「これはテメェに壊された百合の分、そしてこれは俺の鬱憤の分だァァァアアアアア!」
アルスハリヤをボコボコにして顔面を変形させた俺は、改めて、こいつの策を聞くことにした。
「君の凶暴性にも困ったものだが、仕方ない。僕の器の広さに感謝したまえよ」
「御託はいいから、さっさとお前の策を示せ」
「せっかちな男はモテないぞ、と言いたいところだが、君はモテないほうが喜ぶからな。
なに、僕の策は簡単さ。他人に扮して、相手が好意を抱いている対象をすり替える。ちょうど、
怪しく翡翠の瞳を輝かせ、人差し指をピンと立てる魔人に、俺はゴクリと唾を呑み込んだ。
この後、百合仮面V3として暴れまわり、第二章冒頭の慈愛の怪盗にマスクスワップされる場面に辿り着きます。
さて、ゆりはさ漫画連載開始、おめ謝謝……正直この日の為に無理矢理、間に合わせたところはあります。次はアニメ化か……?
次回は現実の立て込み具合や、新章なのもあり時間がかかりそうなので先に謝っておきます。
ちなみに、原作や二次創作等で
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ゆりはさもブルアカも履修済み
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ゆりはさのみ知っている
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ブルアカのみ知っている
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どっちも知らない
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……おい、デュエルしろよ