暖かくそれでいて爽やかな風に送り出された2人は隣街を目指し道を歩いていた。
「隣街まではどのくらいかかるんだ?」とプラナスが私にふと問いかけてきた。なので私は「2時間くらい歩いたから後1時間くらいだと思う」と返した。そしてプラナスに「どうしたの?」と問いかけると「お腹が空いた」と
少し不貞腐れながら返ってきた。
朝方から歩き始め順調に進んでいたがそれでもまだ隣街までは距離がある、さらに時間はもうすぐお昼時ということで私はプラナスに「それじゃあお昼にしようか」と言い休憩を取ることにした。
2人が寝転がれる程度の大きさの布を野原に敷き2人はそこに荷物を下ろして座った。
そして荷物の中から準備してきたご飯を取り出し2人はそれを頬張った。
お昼ご飯は今朝旅に出る前に街で買ってきたサンドイッチである。
ふわふわとした柔らかいパンに少し厚めの獣肉と新鮮な野菜が挟まっていて塩で味が付けてあるだけの少し質素なものだった。
お昼を食べながら2人は色々な話をして休憩を楽しんでいた。
他愛もない話をしていた時ふとプラナスに「そういえばこの旅の目的は何なのか」と聞かれた。
確かに話すのを忘れていたなと思った私はいい機会だし話しておくかと思いプラナスに「私はとある魔法を探しているんだ」と返した。
そして話せば長くなるけれどと言い私はプラナスに私が魔法を探す旅をするきっかけになった話をすることにした。
私は昔孤児だった。街のいろいろなところをさまよいながら日々を生きるのに必死になっていた。その日もいつも通りいろいろな所をさまよいながら食べる物を探していた。日が段々と落ち始め夜が近づいて来た時私は、魔族に襲われた。幼かった私に為す術などあるはずもなくこのまま殺されてしまうと思った時目の前から魔族の姿が消えた。代わりに目の前には茶髪の女性が立っていた。彼女は魔法使いだった。ボロボロの私を見て彼女は私を彼女の家へと連れていき温かいご飯とお風呂を私に与えてくれた。食事と入浴が終わり一息ついた時彼女は私に「私の目にはお前には今はまだ使えないだけで魔法の才能があるように見える、だから私の弟子にならないか」と提案してくれた。私はこれから魔族に襲われた時生き残るために太刀打ちできる力が欲しかったので彼女に弟子入りすることにした。
弟子入りしてからは魔法の一から十まで全てを叩き込まれた。
その中でふと気になったので修行の合間に私は師匠のことについて調べてみる事にした。
調べて見て分かったことは師匠は歴史に名を残すほどの大魔法使いであるということだった。
そんなこんなで5年ほどたちいつしか私は師匠と肩を並べれるほどに魔法を扱うのが上手くなっていた。
そんなある日事件は起こった。
魔物討伐中に師匠が急に吐血し倒れたのだ…
魔物の攻撃を受けた訳でも魔力が枯渇した訳でもない。
なので急いで残りの魔物を片付け師匠を家へと運びベッドで寝かせた。
そして吐血した原因を魔法で探ってみて分かったのは、
師匠は一般回復魔法じゃ治せず治す為には神話の時代に存在したとされる伝説級の回復魔法が必要な難病にかかっているということだった。
そしてこの難病を治せる魔法の魔導書を私は持っていなかった。
師匠には拾ってもらったり育てて貰った恩があるなので何としてでもその回復魔法を見つけて師匠に恩返しをしようと思い、師匠が目を覚ました時に心配しないよう書き置きを残して魔法探しの旅に出て今に至るのだ。
この話を聞いたプラナスは私に「それなら早くその回復魔法を見つけて師匠に持って行ってやらないとな」と言った。
私は、「そうだね」とプラナスに返し「それじゃあお昼も済ませたし街に向かおうか」と言った。
こうして2人は街までの道をまた歩き始めたのだった。