2年生の夏休みお昼ごろ
温水は小鞠家のキッチンに立っていた。
「進君、準備はいいかい?」
「はい!」
小鞠の弟の進君に対して料理を教えている温水の姿があった。
ことの発端はLINEにて、小鞠が「なんか調子が悪くてご飯作れそうにないからお金かかるけど出前とっていい?」
と温水宛にメッセージが飛んできた。
温水も最初、母親に送るのを間違えて送ったのかと思って「相手間違ってるぞ」とメッセージを返したが既読にならずさすがに心配になり佳樹とともに小鞠家にいったことにある。
家にいったら子供二人が泣いており、温水の姿を見たら「兄ちゃん」と言ってひっついてきた。
何とか落ち着かせながら話を聞くと小鞠が調子を崩して寝込んでいるという
小鞠の寝ている部屋に入った温水は容態を確認しようと手を額に乗せると結構熱があるようであった。
額に手があった感触で起きたのか
「ぬ、ぬくみず・・・なんでここに・・・」
ぼーっとした顔で小鞠が反応を返してきた。
「大丈夫か?病院いくか?」
「ね、寝てれば大丈夫だから・・」
「そうか、とりあえずご飯作るからキッチン借りるぞ」
「ぬ、ぬくみず?」
「いいからこういう時具合は頼っとけ」
そういうと温水はキッチンに向かっていった。
佳樹には負けるレベルだが温水の料理の腕は相応に高いため二人とも満足のいく料理を出すことができた。
佳樹には小鞠の看病をお願いした。
温水が料理をする光景を見ていて
「お兄ちゃん!僕に料理を教えてください!」
その言葉に温水は迷っていた。
教えるのはいいのだが、包丁や火等危険な事も相応にあるのを家族外の人間の一存で決めるわけにはいかないのだ。
ただ温水の中でも、小鞠に何かあった時のために料理くらいはできるようになりたいのだろうという想いも察することができた。
弟が姉の事を思ってのお願いに自分が兄で妹がいる以上、痛いほど気持ちがわかってしまい拒否をすることができなかったのである。
母親の許可を取ってから夏休み間で知花のお母さんがいない日だけということで料理を教えることになったのだ。
夜には小鞠の母親が帰ってきたため、入れ替わりで帰ろうとしたが
寝ている小鞠が温水の服の袖をつかんでなかなか離してくれない所を目撃されてしまった。
「知花の彼氏!?」と最初誤認されたが、同じ部活の友達という話をして何とか納得してもらった。
進君の料理の件もOKをもらった。
ここからほぼ毎日、佳樹とともに小鞠家に昼に来て進君に料理を教えるのであった。
課題もあるため小鞠と一緒にこなしというのを夏休みの間行っていたのである。
たまに温水が15時くらいに眠くなり居間のあたりで寝てしまう時もあったが、小鞠は隠れて引っ付いて寝たりしていた。
綾乃君は近くを通りかかった時に、温水が小鞠の家に入っていくのをみて
周囲のおじいさんとか彼氏ができてよかったと安心してるのを見てしまったのである。
夏休みが終わり料理を教えに行くのは終わったが小鞠の弟妹は二人とも初のお兄ちゃんに懐いてしまい、夏休みが終わる時には結構泣かれたため今後はちょくちょく遊びに来ることを約束された。
学校にて綾乃君より
「温水、お前彼女できたんだって?」
と教室にて質問されたのである。
その言葉に教室中が「えっ!?」となり
杏菜ついにつきあえたの!?と姫宮さんがいい
首をぶんぶんと横に振っている八奈見さんの姿があった。
ずーんとした顔をしたあと、怒りながら
「ぬ、温水君!な、夏休み間になにがあったのかな???」
「や、八奈見さん。な、何か誤解があるみたいだね」
「誤解~?温水のぬは抜け駆けのぬなんじゃないのー?」
「綾乃もなんでそんな風に認識したんだよ」
「だって温水、誰かの家に行ってただろ?偶然見かけてさ。そしたら周囲の人たちが彼氏ができてよかったねぇって話をしてるのが聞こえてきてさ」
「うな!?」
その発言とともに指をもじもじして顔を赤らめる小鞠の姿があった。
「小鞠ちゃん?」
と真顔になってみる八奈見の姿があった
「ひ、ひみつ」
「まだ私なにもいってないんだけど?」
この後、なんとか誤解は解いたが夏休みの間小鞠の家に通い夫状態だった事がクラス中に認識されることとなった。
二人とも、しばらくは昼の時間になると一目を避けて逃げ出すようになったが二人は非常階段にいるため。
ああ二人で食べてるんだろうなとクラス内にて認識されてしまったため逆効果であった。