文芸部部室にて温水がソファーに座ってラノベを読んでいる所
部室には珍しく、八奈見と焼塩もおり小鞠だけがいなかった。
文芸部の部室の扉ががらっと開くと
「和彦!!!」
小鞠がいきなり部室に突入してきた。
温水は小鞠の方を見て
(和彦????)
それは確かに自分の名前だが、ここいる人の中で自分のことを名前で呼ぶ人はいないのである。
小鞠の方を困惑した顔で見ている3人の中、温水の方に駆け寄り前から抱き着いた。
「こ、小鞠いきなりどうしたんだ?」
「よかった、和彦だ。生きてる生きてる」
小鞠の瞳には涙が流れており温水も強引に引き離せず、八奈見と焼塩の方を見ていた。
目でこれなんとかして・・・と語りかけていた
呆然としていた二人もはっ!?となり
「こ、小鞠ちゃん!?小鞠ちゃん!?」
八奈見珍しく大パニック
目の前でいきなり抱き着き生きてる事を喜んでるとかいう光景が理解できなかったのである。
「小鞠ちゃん大胆~・・・・生きてる??」
異性に対して前から完全に密着するような抱き着き方をしている小鞠に対して呆けていたが、生きてるの部分で疑問が生じていた
「小鞠ちゃん、ぬっくん生きてるよ?」
「和彦温かい」
小鞠は引っ付いたまま何も聞こえていないようであった。
「こ、小鞠?いきなりどうしたんだ?俺は生きてるぞ?」
「夢だとしてもまた会えるなんて嬉しい」
小鞠の顔が温水の顔に近づいていく所で
焼塩は小鞠が正気ではないと判断して温水に体当たりをしかけ、八奈見が小鞠の後ろから抱き着いて強引に剥がした。
小鞠と温水の距離を離した所で座らせ、間に八奈見と焼塩が入るような形での尋問が開始した
温水はこほんと咳払いをした音がした。
「小鞠、何があったんだ?何か心配事でもあるのか?俺たちでよかったら話てみないか?」
「ここは夢だと思うんだけど・・・わかった・・・。」
小鞠は温水の方をジーっと見ながらぽつぽつと言い始めた
温水が4年後に病気にかかり死亡する。
2年後くらいに初期症状が出るからそのころなら問題なく治療ができる。
「こ、小鞠・・・冗談は・・・」
「はぁ、温水君そういうとこだよ~」
八奈見と焼塩はため息をついて温水を見ていた。
「ぬっくん、この小鞠ちゃんの顔を見て冗談だと思うの?」
小鞠の顔を見ると、夢でも温水と再び会えた事の喜び。
これが夢だと思っての悲しみという二つの感情が現れていた。
その顔を見てとても嘘を言っているようには見えなかったのである。
温水は目をつむり
「小鞠、俺はどうすればいい?」
小鞠はみんなが信用してくれたことを思うと具体的な病気やどういった病院なら問題なく治療できるという話をしていった。
「和彦は抜けてる所があるから、佳樹ちゃんにもちゃんと言うんだぞ?」
「わ、わかった。でも小鞠、今とずいぶん雰囲気が違うな?」
「わ、私だって努力したんだ。和彦が死んでからは引きこもって小説をずっと書いてたけど」
そういうと小鞠は沈みこんでいった。
「ねぇ小鞠ちゃん?なんで温水君を下の名前で呼んでるの?」
八奈見は小鞠をジトーとした目で見ていた。
「そ、それは…秘密」
そういうと少し顔を赤くしていた。
「あ、あれなんか少し眠くなってきた・・・・」
だんだんとうつらうつらとし始めた小鞠は温水の方に近づいて行った。
「小鞠ちゃん大丈夫?」
焼塩は小鞠が眠そうにしながら温水の方に歩いて行くのをとめなかった。
小鞠は温水の前にたち抱き着き
「夢の中だけでもせめて・・・」
というと温水の唇にキスをしていた。
「ちょっ小鞠ちゃん!?」
八奈見と焼塩はびっくりしながらその光景を見つめていた
唇が離れた所で
「私との約束、ずっと一緒にいるのを忘れるなよ?」
その言葉とともに目をつむったら目を開き
「うな!?!?!?ぬ、温水なんで顔がち、ちかい」
そういうと小鞠はソファの反対側に突っ込むようにして丸まっていた。
八奈見と焼塩はキスをしたシーンを見てしまい固まっていた。
温水もキスをされたことで固まっており。
文芸部部室は混沌の中に落ちているのであった。
あれから2年後、温水の病気は発覚した。
早期発見のため問題なく治療もでき無事完治をした。
その後から、温水が小鞠に対して猛アタックをかけるようになった。
憑依物というべきか歴史改編物というべきか、悪夢から目覚めて混乱していただけなのか・・・。