ジェリコの咎人   作:ミヤフジ1945

6 / 17


何なんだよもぉぉぉ!!

何でこんなに好評なんだよ可笑しいよ!?

皆ブルアカの性癖歪み過ぎだって(お前が言うな

という事でこれで最後にします。ええきっと、たぶん、恐らく最後です。



…………だってストーリーしらないし。
あと、感想にもっとGood押させてよ運営さん。みんなにGoodで返しきれないよ。


第2話  紡がれた奇跡の始発駅

 

 

【☆☆☆ STRIKER FRONT/タンク/アタッカー 小鳥遊ホシノ(咎人(フェイカー))】

 

新シナリオ記念期間限定ピックアップ 【最後の希望の物語】

 

 

 

 

 

───Yostar───

 

 

 

「奪ってしまったモノ…………失ってしまったモノ…………」

 

 

「例え何度巡ったとしても、私が守る!」

 

 

───Blue Archive───

 

 

「それが…………小鳥遊ホシノ()だから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第2話

紡がれた奇跡の始発駅

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆらゆらと、優しく揺れる揺り籠のように心地よい揺らめきが私を包む。

 

ふわふわと、暖かく照らす春の日のような心地よい温もりが私を癒していく。

 

微睡む意識の中で、深海の底のように冷たい私の体を愛おしい誰かに抱きしめられるように温かく解していく居心地のよさに、私は背中を丸めてもっと……もっと……と、どうしようもなくその温かさを求めてしまう。

 

これが死後の世界だとしたら、冥府の世界というのは存外にいいものなのかもしれない。数多の物語(世界)を巡り、失意のうちに死んでは繰り返す絶望のループの中ではついぞ得られなかったこの暖かさは、私にとってまさに天国だった。

 

 

 

誰かに手を引かれた…………気がする。

 

 

 

前後左右も、上下の感覚もないこの暗い世界で、微かにそんな気がした。同時に私の髪を…………ボサボサで満足に手入れもしてこなかった髪をそっと撫でる感覚も。

 

かつて確かに感じたことのある感覚。微かに私の鼻をくすぐるクチナシの香りとその撫でる手が気持ちよくて、でも少しずつ覚醒していく意識に抗うように私は思わず頭を横へと振る。

 

いやだ、いやだ…………もっとこの心地よい微睡みの世界へ居させてくれ…………もっと頭を撫でてくれと。そう願ってしまう。

 

だけど無情にも覚醒へと向かう私の意識はユメから覚めるように瞼を開かせていく。

 

ふわふわとしていた体は重力で下へと押し付けられ、じゃりじゃりとした砂が私の肌を刺激する。

 

ぼやけて焦点の合わない視界は一面茶色で、先ほどまで感じていた暖かな温もりも、クチナシの香りも、それがユメであるというように私から消え失せていた。

 

 

「こ……こは? 」

 

 

ゆっくりと、倒れていた体を起こす。乾ききった私の口から出た掠れた声が茶色い世界に吸い込まれた。

 

焦点が合ってくると、視界を支配していた茶色い物の正体が分かった。

 

砂だ。

 

それも大量の。

 

ボロボロの体に活を入れて立ち上がれば、遠くには砂の海に沈んだ多くのビルも見えた。

 

 

「な……んで? ここ…………アビドス? 」

 

 

間違えようもない何度も何度も踏みしめた慣れ親しんだ砂の感触が、肌を刺す日の刺激が…………確かに此処がアビドス自治区のアビドス砂漠だと、私の体がそう語り掛ける。はっとして空を見る。眩しいほどに雲一つない、死に際に見た真っ赤な空とは違う懐かしい青があった。

 

 

「空が……青い。私は確かに死んだはず…………まさかまた戻って来た?

 

 

絶望と言うほかない。私は()()()()()()()()()()()()()()()()と。体に力が入らなくなるなり砂の海に手を突いた。

 

呼吸が荒くなる。もしかして失敗してしまったのか? 奇跡は起きてくれなかったのか?

 

苦しくて、辛くて、泣きたくて。私じゃダメなのかと、何度も物語を巡っても必ず守ると誓った心が挫けそうになる。

 

無意識に両の手を首元に持って行った。

 

ぎゅっと、ソレを掴む。

 

私の手が確かに掴んだ……マフラーの感触。後輩(あの娘)に託された、この空と同じ青いマフラーを…………

 

ゴツゴツと、腕に当たる硬い防弾ベストに収められた先輩の拳銃の感触も、腰にある狐の銃剣の感触も…………

 

託され、渡され、紡がれた私の思い出たちが、早く気づけよといわんばかりに私に語り掛けるようその存在感を放つ。

 

そうしてやっと、私はこの絶望の中の違和感を感じることが出来た。

 

 

「そう言えば…………なんで私はまだこの恰好なんだろ?」

 

 

まじまじと確かめるように私の体を見る。血は止まっているけど生々しい傷だらけの体も、幾多の戦闘でボロボロになってしまったアビドスの制服も、愛用の防弾ベストもマフラーもフーデットケープも何もかもあの時、あの場所で死んだ時のままだ。

 

今までの経験から、本当に世界をループしたのなら私はこの託された思い出たち全てを失っていたはずなのだ。

 

そしてなにより場所が違う。もし本当にループしていたのなら、私が戻るのは()()()()()()()()()()()()()

 

僅かに、絶望の苦しみが薄れる。

 

今までの経験とは違う見た目も、場所も何もかもが違う明らかなイレギュラー。

 

少しだけ、私の胸に希望の灯がともる。

 

このイレギュラーの原因は分からない。()()が奇跡を起こしたのか、はたまた何か別の要因があるのか。

 

ゆっくりと私は立ち上がる。幸いなことに神秘も十全とはいかないが幾ばくか回復している。

 

私は暑い日差しを避けるようにフーデットケープのフードを被りながらふらふらと一歩を踏みしめた。少し離れた所に落ちていた愛銃と盾を拾い、どうしようもなく透き通ったこの青い空の下を歩き始めた。

 

目指すのは勿論、アビドス高校。

 

このイレギュラーの正体を確かめるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暑い、熱い砂漠を私はただひとりで歩く。正直、もう何時間歩いているのか分からなかった。

 

何度も世界を巡り過ごしたからアビドスの土地勘はあっても、距離の問題と言うのはどうしようもない。歩き続けて疲れたら休んで、回復したらまた歩く。その繰り返しを私はずっと続けていた。

 

既に太陽は頂点を回り、少しだけ西へと傾いている。あとどれほど歩いて行けば目的地へと着けるのか、ほんの少しだけ憂鬱になり溜息を吐く。

 

閑散とした、人どころか殆ど生き物すらいないこの砂漠で聞こえるのは乾いた砂と風の音。そして微かに聞こえるエンジンの音…………

 

 

「…………エンジンの音? 」

 

 

それまで聞こえなかった異物に、私は眉を顰める。

 

今私がいる時代がいつなのかは分からないが、少なくともこのアビドスでエンジン音を轟かせるのはアビドス市街区のローカルバスしかない。

 

車を持つ住人なんて殆ど居ない。となると、このエンジン音の正体はローカルバスかそれとも…………

 

 

「やっぱり…………ヘルメット団か」

 

 

近くの瓦礫に身を潜め体を休めていた私は、少しだけ瓦礫の隙間から顔を出す。

 

ドンドン近づいて来るエンジン音の方向へとよぉく目を凝らせば、遠くで見える砂煙を巻き上げて走る黒い影。アビドス高校を潰したいカイザーの支援で、ゲヘナやトリニティなど他の自治区のヘルメット団よりもそこそこ装備の質がいいアビドス自治区のヘルメット団が、その移動の際によく使っていた型落ちの軍用トラックだった。

 

二台のトラックが一列になり進むさまは、本当にかつてのアビドス戻ったんだという感情を湧き上がらせてほんの少し懐かしい反面、私はこの場所を通るヘルメット団のトラックにどうしようもなく既視感を感じた。

 

いや、既視感どころではない。私はこの光景を()()()()()

 

 

「まさか…………三年後なの?」

 

 

時間も場所も、そしてトラックの台数さえ一致するその光景に、私は思わず引き攣った声を出してしまった。

 

私は知っている。あのトラックの積み荷が何なのか。

 

私は知っている。あのトラックの行先が何処なのか。

 

だが、ソレが本当だとしたら…………本来のループとは三年もズレているという事になる。

 

ギチギチと銃を握る私の手に力が籠る。此処で下手に動けば、今後どんな事に巻き込まれるか分からない。正確な時間軸が分からない、イレギュラーの正体すら掴めていない現状、なるべく正体を隠していた方が今後の活動的には有利なはずだ。

 

 

「…………セリカ」

 

 

脳裏にフラッシュバックする。いつも勝気で献身にアビドスを思いつつも悪徳商法に引っ掛かりやすい。大事な大事な…………守りたかった後輩の笑顔が。

 

 

「…………セリカッ」

 

 

脳裏にフラッシュバックする。腕は折曲がり、下衆な大人たちの慰み者にされた挙句、塵のように捨てられた。大事な大事な…………守りたかった後輩の物言わぬ瞳が。

 

 

「…………セリカッ!」

 

 

無意識に、私はあのトラックの前へと飛び出していた。今後のことなど、自分自身のことなど知ったことかと吐き捨てるように。

 

猛スピードで迫りくるヘルメット団のトラック。間違いなく、セリカを誘拐していたヘルメット団だ。

 

確証を得るほどに、嫌と言うほど繰り返し見た事のあるトラックに私は盾を突き出す。

 

 

「セリカァァァァァァァァァ!!!」

 

 

回復した神秘を解放する。全力で、ありったけを込めて。

 

私はニセモノの紛い物だ。ホンモノの小鳥遊ホシノ()に比べれば、原作においてキヴォトス最高の神秘と呼ばれたその神秘量になど勝てるはずもない。

 

だが、かつてこのことを黒服へと話した時、彼は頭のひび割れを明滅させながら私へとこう言った。

 

 

『確かに……貴女の神秘量はネルさんやアルさん、ヒナさんよりやや多い位でしょう。ですが私は確信を持って言えます』

 

 

『貴女は……小鳥遊ホシノ(貴女)は間違いなくキヴォトス()()()()()である……と』

 

 

「ハァァァァァァァァァアアアアア!!!」

 

 

私の叫びと共に、先頭のヘルメット団のトラックが勢いよくぶつかった。普通なら、吹き飛ばされ怪我をするのは私の方だ。

 

だが、私はキヴォトス最硬の神秘(小鳥遊ホシノ)だ。

 

けたたましい金属音がこのアビドス砂漠に木霊する。ギシギシと全身の骨が軋み、筋肉が悲鳴をあげる。だがこの程度、かつてアビドスの蛇の一撃を防いだ時に比べれば!

 

極限の集中力によって世界がスローに見えるが、それもほんの一瞬だけ。すぐに元に戻った時間の流れは戻りそして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

まるでアルミホイルをグシャグシャに丸めたように、エンジンブロックごとグチャグチャになったトラックは、さりとてその止めきれない慣性の逃げ場を上へと定めた。

 

逆立ちのように後部を持ち上げるトラック。運転手や荷台に乗っていたヘルメット団は、トラックのフロントガラスをぶち破り、外へと投げ出されていた。

 

そして、衝突の衝撃で数メートルほど後ろへと押し出された私は、エンジンブロックが損傷し漏れ出た燃料に引火し爆発したトラックの爆炎に包まれた。

 

だが、私はまだ戦える。

 

爆炎によって所々焦げたけど、体に傷はない。神秘の消費も大丈夫。

 

先頭のトラックがいきなり逆立ちし、更に続いて爆発したことで、後続のトラックは急停止して巻き込まれることはなかった。

 

 

「てめ何もんだ!よくも俺たちカタカタヘルメット団の邪魔をしやがったな! 」

 

 

降りて来たヘルメット団の、多分リーダー格らしき生徒が怒鳴る。同じくして荷台から降りて来たり、一台目から放り出されて無事だった生徒も私を取り囲み、銃を構えている。

 

 

「大事なトラックを壊しやがって! お前ただじゃヘブッ!?」

 

 

怒りからか叫びまくるリーダー格の生徒を、私は思いっきり盾で殴った。

 

吹き飛ばされるリーダー格の生徒。一瞬の出来事に何が何だか分からない他のヘルメット団に、私は告げる。

 

 

「ごめんけど、私の大事な後輩を返して貰うよ」

 

 

殺しはしない。例え大事な後輩を攫ったヘルメット団だとしても、彼女たちもまた守るべきキヴォトスの生徒だから。私が守れなかった(殺して来た)敵じゃないから。

 

…………でも。

 

 

「腕の一本くらいは覚悟して貰うよ」

 

 

そう告げると同時に私は愛銃の引き金をヘルメット団目掛けて引き切った。

 

ズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドン

 

12ゲージの暴風がヘルメット団を襲う。ヘルメット団も慌てて手に持っていた銃で私を撃って来るけど、その全てを盾で正面から受け止める。

 

ズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドン

 

新たなドラム式の弾倉が、愛銃に火を入れる。

 

ズドン!

 

ひとりのヘルメット団の生徒は彼女の持っている銃を盾でパリィし、そのがら空きの胴体へと引き金を引いた。

 

ズドン!

 

別のヘルメット団の生徒はそのアイデンティティであるヘルメットごと盾で地面へと叩きつけ、空いた背中へ引き金を引いた。

 

十人かそこらのヘルメット団如きで、私を止められる訳がない。

 

私の後ろから銃のストックで殴りかかろうとしていたヘルメット団の生徒へ私は、盾で衝撃を逃がしつつ振り向いた遠心力をそのまま乗せて彼女の鳩尾を蹴りぬいた。

 

殺しはしていない。けど、同時にこれ以上アビドス高校へちょっかいを掛けられないように私は容赦しなかった。

 

私の周りには倒れ伏し、息も絶え絶えとなったヘルメット団の面々。残った最後のひとりとなったヘルメット団の生徒は、その光景に怯えたように後ずさりして…………倒れ伏す仲間を見捨てて私に背中を見せた。

 

 

「逃げるんだ…………まあそうだよね」

 

ズドン!

 

そんな彼女の背中を冷めた目で見ていた私は、()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「…………状況終了」

 

 

周囲を見渡し、他に脅威が居ないことを確認して。私は小さく息を吐きながらそう呟いた。

 

あとに残るのは倒れ伏すヘルメット団の面々と、燃え盛る一台のトラックだけ。

 

赤く赤熱化した愛銃の銃身を冷ましながら、私は二台目のトラックへと歩いて行く。歩く度にサクッ、サクッと砂の鳴く音を砂漠に響かせ、私は荷台へとたどり着いた。

 

ゆっくりと、荷台へと昇ればやはり…………私の後輩、黒見セリカがいた。

 

両腕を縛られ、目隠しと猿轡をかまされた懐かしい後輩は、ヴゥゥゥ、ヴゥゥゥと声にならない声を虚空へとあげている。

 

 

「今外に出してあげる。慌てないで、私は味方だから」

 

 

冷静に、乱れそうになる心に蓋をして私は優しくゆっくりと彼女へと告げた。

 

暫しの間固まっていたセリカは小さく頷くと、大人しく私になされるがままになった。

 

私は銃剣を引き抜いて、セリカの両腕を縛っていたロープを切った。これが手錠だったらいちいちチェーンを引きちぎらなければいけないから助かった。

 

体を縛っているロープも同じ様に銃剣で切った。脅かさない様に銃剣を戻してから、光で目が眩まないようにゆっくりと目隠しと猿轡を外す。

 

 

「大丈夫かい? 怪我とかしてない?」

 

 

「えっと……」

 

 

私の言葉に戸惑ったように返答を詰まらせるセリカに、私は優しく彼女の頭を撫でた。ゆっくりと安心させるように、かつて私が先輩にそうして貰ったように。

 

 

「本当に……君が無事で良かった。」

 

 

もし、あのエンジン音に気づいていなかったら…………

 

もし、気づいても保身からトラックを見逃していたら…………

 

 

私の背中に冷たいナニカが流れる。それはただの冷や汗か悪い予感だったのか。とにかくこの物語(世界)はゲームの中の箱庭じゃない。ほんの少し、ほんの一手、選ぶ選択を間違えるだけで大切な場所を、守りたい誰かを失ってしまう現実なんだ。

 

 

「あ…………ありがと……ございます」

 

 

小さく、そうお礼を言ってくれるセリカに私は本当に…………本当に久しぶりに、心の底から安堵の笑みを浮かべた。

 

 

「…………さて、心配だから一応送って行こう」

 

 

無理な体勢だったのだろう。未だ脚が痺れて動けないセリカを私はお姫様だっこで抱えながら、私はトラックから降りた。

 

 

「い、いえ! 流石にそこまでして貰うのは」

 

 

「そう? でも一応叩き潰したとはいえまだヘルメット団の残党が居るかもしれない。銃もなく帰るのは危険だよ。」

 

 

遠慮してか私の申し出を断る彼女に、私が念の為にとそう告げた瞬間だった。

 

 

「そうだねぇ~でも私たちがいるからその娘を離して貰えると()()()()的には嬉しいかなぁ」

 

 

背中に冷たい物が押し付けられる感覚と共に聞きなれた声が私の後ろから語り掛けられた。

 

咄嗟に、防弾ベストの拳銃を引き抜いて声のした方向へと構えた。

 

声の主である少女の銃を私が向けた拳銃が交差する。お互いが、お互いの頭へとその銃口を向け、何時でも撃てるように引き金に指を掛けている。

 

 

…………やはり、今回のループはイレギュラーだらけだ。

 

 

私の目の前の少女の頭上で桃色に光るヘイローと、そのヘイローと同じ色合いの、私とは違ってきちんと手入れのされた長い髪。青と黄色のオッドアイの双眸はけだるげに、だけどその瞳の内に潜む警戒感はしっかりと感じられた。

 

かつて、自身の相棒でもあったショットガンを私へと構え、私の拳銃越しに私を見定めようとする彼女はかつて私が憧れ、そして奪ってしまった人。

 

 

小鳥遊…………ホシノ………

 

 

「うっへぇ~私のこと知ってるんだ。じゃあ、そんなキミは誰? ヘルメット団じゃないみたいだけど、その盾はどこで手に入れたの?」

 

 

いや…………この場に居るのは小鳥遊ホシノだけじゃない。

 

彼女の後ろには、セリカと同じく私がかつて守りたかった場所(後輩たち)が居た。

 

狼の耳が特徴の、銀髪を砂風になびかせるシロコは私に銃を向け、ネフティスのご令嬢で少しだけ先輩に面影を重ねたノノミは何時でもセリカを助けられるように構えている。何時も私たちをサポートしてくれていたアヤネのドローンが私の上で飛び回り、そして…………

 

 

”君はいったい? ”

 

 

アビドスの砂に汚れ、ヨレヨレのくたびれたスーツを着込んだ。何度物語(世界)を巡っても終ぞ出会うことなく、私がどうしようもなく待ち望み、そして()()に託した先生(奇跡)がいた。

 

 

あぁ……そうか…………私は漸く…………漸くたどり着いたんだね。

 

 

ありがとう、会長さん。確かに私は奇跡を見たよ。

 

皆……私たちの作戦は、確かに成功していたよ。だから、安心して。

 

黒服、たどり着いたよ。お前との最後の契約、ちゃんと果たすよ。

 

 

心の中で私はそう告げた。流すべき涙は私にはない。共に涙を流す仲間たちは、遠く遠い、一光年の星の先よりも遠くてもう二度と会うことが出来ないのだから。

 

ゆっくりと、目の前のホシノが警戒しない範囲で私は彼女へと向けていた銃を降ろし、同様に拳銃を抜く際にお姫様抱っこから肩で抱えるよう移動させていたセリカを優しく地面へと降ろした。

 

 

「違うのホシノ先輩! この人は確かにフード被ってて怪しいけど、私を助けてくれたのよ!」

 

 

降ろすと同時にセリカは私を庇うように前へと出て、必死にホシノへと弁護してくれている。けど大丈夫だよセリカ。

 

 

「そうだね。自己紹介は大切だよね」

 

 

安心させるように、もう一度だけセリカの頭を撫でて、私はそう口を開いた。ついでだ、もう失って久しい私の肩書も一緒に名乗ろう。

 

 

「元アビドス高校三年」

 

 

ゆっくりと、私は自身の頭を覆っていたフードを捲る。フードから解放され砂漠の風にたなびく、目の前のホシノとは真逆のボロボロでくたびれた私の髪。

 

「アビドス高校生徒会、元生徒会長」

 

 

フードをとった私の素顔を見て、シロコとノノミ、そして私の側にいるセリカが息を吞む。日の光に照らされる、目の前のホシノとは違ってカサカサで傷だらけの肌。

 

 

「兼、アビドス廃校対策委員会、元委員長」

 

 

ホシノが向けている警戒の目が困惑へと変わる。当たり前か…………どんなに私がニセモノの紛い物だとしても、私は目の前のホシノと同じ、小鳥遊ホシノ()だから。

 

 

「私の名前はニセモノ(小鳥遊ホシノ)。よろしく、ホンモノ(小鳥遊ホシノ)

 

 

 

日は既に沈み始め、紫の空には綺麗な星の野原が広がっていた。

 

 




はてさて、ホシノさんを呼んだのは誰なんでしょうねぇ

ぶっちゃけ正直本当に何で伸び過ぎてんのかわかんなくてソコん所考える余裕なんてないです。
………ウマ娘より書きやすかったけど

あと、この作品を読む前か後にGreenのキセキを聞くことをおススメします。

ようつべにホシノのAIcoverがあるのでそれだとなお良いですね。

旧版と改修版……どっちが読みやすい?

  • 旧版
  • 改修版
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。