ありふれた降霊術師へ世界最凶の魔術師は贈る 作:sahala
扉をくぐると、まさに別世界の空間だった。
磨き上げられた大理石の床には上品なアンティーク調の椅子とシミひとつない真っ白なテーブルクロスが掛けられたテーブルがいくつも並び、天井から吊るされたシャンデリアに照らされていた。
隣のテーブルとの感覚は広く、そこをピシッとアイロン掛けされた制服を着た
客席に座って食事してる人間達もまた別格だ。彼らは明らかに庶民とは質が違う上等な服を着ており、ここでは金貨を懐に貯め込むのではなく、“財”として着飾れる者だけが客となれるのだと示していた。
(いやいや………場違いだろ?)
今、恵里が着ているのは普段着にしている簡素なワンピースだ。王宮でメイド達が洗濯してくれるので清潔さが保たれてるものの、この場では庶民的な格好をしてる自分が酷く浮いてる様に思えてきた。店全体から「庶民などお呼びでない」というオーラを感じる。
「キャスターだよ。今夜は個室を予約してる」
「かしこまりました。どうぞこちらへ」
だが、キャスターは格式高い店の雰囲気に動じる様子もなく、ウェイターに席を案内させた。普段は女誑しの態度も相まって道化の手品師の様だと恵里が思ってるスーツ姿も、この場ではネクタイを少し緩めて垢抜けしたファッションとして場の雰囲気に溶け込んでいた。それこそ庶民的な格好の恵里がいる事に訝しんでいた客も、こなれたスーツ姿のキャスターが同伴してるのを見て、「若い貴族が遊びで町娘を連れてるのだろう」と納得して自分の食事に戻っていた。
そうして案内されたのは店内の奥にある個室だ。ここならば周りの視線など気にしなくて良かった。王宮で見慣れたつもりではいたが、壁にかけられた絵画やテーブルに置かれた調度品など全て一級品で、自分には手の届かない値段なのだろうと恵里はなんとなく思った。
「そうだな………食前酒にアルコール少なめのものを貰おうか。あとはこれと、これを――――」
個室の豪華さにキョロキョロと周りを見回してしまう恵里と違い、キャスターは席に着いた後にこれまた慣れた様子でウェイターに色々と注文していた。それを見ながら何気なくメニューを開いた恵里だが、すぐに目玉が飛び出る程に驚いた。
(いや、桁を間違えてるだろっ!?)
トータスに来てからそれなりに時間が経っているのでこの世界での金銭感覚も身に付いてきたが、このメニューに書かれた料理はどれも非常に高価だ。ボトル一本で庶民の月収を軽く超える飲み物もあるし、『国産牛フィレ肉のポワレ 季節の温野菜とマスタードソース オレンジの香りを纏ったブールパチュー』や『テナガエビのサフランリゾット エリセンのを潮風を乗せて』とか、ただ食べる為の料理ではなく一級の芸術品なのだと、仰々しい名前とそれに合わせた値段が主張していた。
「遠慮しなくていいぞ。今夜は全て俺のオゴリだ」
注文が終わってウェイターが下がった後、メニュー表を見ながら固まってる恵里にキャスターは声を掛けた。
「そんな大金を持ってたなら、以前の食堂でもお前が払ってくれれば良かったけどな………」
「おや? 女将さんの好意分を超えて飲み食いしていたのはお前等三人だと記憶してるけど? それに勇者くんの問題解決料としては安い方だろう」
高級感漂う雰囲気に呑まれないように恨み言を言ってみるものの、しれっと返されると恵里は何も言えなかった。きっと今夜の食事代は、あの時よりも遙かに高価になるだろう。
「お待たせしました。食前酒のスパークリングワインとなります」
ウェイターが戻ってきて、銀の盆に載せた細長いグラスを恵里の前に置く。透き通った金色の液体が気泡を上げてグラスの中に満たされていた。
「こちらはリンゴの名醸地にて知られるルクセンブルク侯爵の果樹園で造られたものでございまして、厳選された果実のみを使用し、地下室で五年もの歳月をかけて熟成させた逸品でございます。芳醇な香りときめ細かな泡立ちが特徴であり、口に含めば甘味と酸味によって生まれる複雑な風味が――――」
ウェイターが何やら説明していたものの、恵里は「これ一杯だけでも相当に高価だよな……」と、ついつい庶民的な事が気になって半分も聞いていなかった。
そっとキャスターが自分のグラスを差し出す。つられて恵里もグラスを見まねでグラスを出すと、チンと乾杯が行われた。
「お、美味しい……!」
グラスの液体を一口呷った恵里は思わず呟いてしまう。
清純にして風味豊か。
それは以前の女将の食堂で飲んだ酒など比較にならないぐらい美味であり、恵里のこれまでの人生の中で味わった事のない味覚であった。
「ありがとうございます。お代わりをお持ちしましょうか」
「いや、結構。アルコール度数が少なめとはいえ、メインが来る前に酔われたら困る」
キャスターが制して、ウェイターは「かしこまりました」と下がる。まさに高級店に場慣れした紳士の様だ。庶民感丸出しだった先程の振るまいに恵里は顔を赤くしながらグラスを置く。再びウェイターが戻ってきた時、料理がテーブルに置かれた。
「こちらは本日の前菜、ホタテとエビのムーステリーヌでございます。エリセンで獲れた魚介のすり身をムースにして層状を―――」
再びウェイターの長い説明が始まるが、恵里は目の前の料理に目を奪われて耳に入らなかった。
高級な皿を額縁として、ソースと食材が織りなす豊かな色彩。これはまさに料理の芸術品と呼ぶに相応しい一品だ。恵里とて“神の使徒”として王宮の滞在は許されてるものの、普段の食事にここまで豪華なものなど出ない。それこそオルクス迷宮での訓練日が多い為、塩漬けの干し肉や堅焼きしたパンといった保存食を食べる機会が多かったくらいだ。
芸術品の様な食事に手をつける事すら躊躇われ、テーブルに並んだ複数の銀食器の前でまごまごとしていると、キャスターが声を掛けてきた。
「こういう場合、食器は外側の物から使用するのが一般的だ。今度の舞踏会は立食式のディナーだが、テーブルマナーは覚えておいて損は無いだろう」
「う、うん………」
素直に頷き、恵里は皿の一番外側に置かれたフォークとナイフを手にして料理に手をつけ始めた。
そして、恵里とキャスターのディナーが始まった。スープ、魚料理、肉料理、メインディッシュ………どれも言葉に表せない程に美味で、料理のギャラリーとでも呼ぶべき品々だった。途中でキャスターが何度かテーブルマナーを指摘したものの、それは修行の時の厳しさはなく、父親が娘へ教える様に優しさが含んだものだった。
これ程に食事が美味しいと思えたのはいつ以来だろう。
父親が死んで家庭が崩壊してから、恵里にとって毎日の食事は味を楽しむものではなくなった。
母親がチンピラ男に熱を上げていた時は、彼に目をつけられない様に食事を流し込む様にしてすぐ自室に戻る様にしていた。
そのチンピラ男がいなくなり、光輝と一緒にいる為に外見上は母親と仲の良い振りを始めると、母親は恵里を避けて家に帰らなくなった。生活費は毎月に銀行に振り込まれるものの、金額は学生が生活するのに最低限に必要な程度だ。必然的に恵里の食生活はかなり質素になり、それが理由で歳の割に恵里の体は小柄で貧相なものになった程だ。
だからこそ、こんな風に食事を美味と思えたのは久しぶりだった。最高級の食材をふんだんに使い、一流の料理人が手間をかけて調理したものだからというのはもちろんだが―――こんな風に気の許せる誰かと食卓を囲む食事は、本当に久々だったのだ。
「どうだ。旨かったか?」
「その………ごちそうさま」
デザートが終わり、食後の紅茶が運ばれてウェイターが下がる。紅茶を上品に飲みながら聞いてきたキャスターに、恵里は素直にお礼を言った。そうして、ずっと気になっていた事を聞いた。
「なあ。今日はなんで、ここまでボクに色々とやってくれたんだ?」
「そりゃあ弟子がワンステップ成長したなら、師匠としてねぎらいくらいするとも。当然だろ」
「それは………そうだろうけど」
きっとダンスの特訓で成果が出てきた事に対してだろう。しかし、ここまでして貰えるとは思っていなかった。それこそ自分が光輝に熱を上げてる事に苦言を呈していた事を考えれば、ダンスの特訓自体やってくれる事が意外だった。
「なあ………ボクが光輝くんが好きな事、それはもうどうでも良いのか?」
「いや反対だよ、それは今でも」
きっぱりとキャスターは言った。
「正直、俺はあの勇者くんの良さというのが全く分からん。拉致同然に異世界に召喚されたのに、顔も知らない奴等を救いたいと言えるのはなるほど善人ではあるだろうよ。だが、自分の都合でしか物事を見てないから考え無しで突っ走るし、不都合な事が起きても直視しようとしない。はっきり言ってガキの“勇者ごっこ”に付き合わされてるのと変わらん」
「………随分な言い草だね、仮にもボクが好きな相手に」
そうは言うものの、恵里の返答に力は無かった。以前なら光輝への侮辱に声を荒げて反論しただろうが、オルクス迷宮で魔人族を殺せなかった姿を見た後では、キャスターの指摘に真っ向から言い返せなかった。
「正直、付き合っても良い結果など見えない気はするが………それでもお前は真剣に奴が好きなんだろう?」
俯きかけた恵里に、紅茶のカップを置きながらキャスターは言った。
「まあ、どんな相手だろうと好きになるのは仕方がない。他人から見れば不釣り合いなカップルだろうと、本人達が幸せなら口を出す方が野暮だしな。それなら、せめて上手くいく事を願って手を貸すのが大人というやつだろ?」
「キャスター………」
「大体、自分が年上だからと頭ごなしに子供の意志を抑えつける奴とか嫌いなんでね。娘が生まれた時も、そんな親には絶対にならないと誓ったんだよ」
どこか嫌悪感を滲ませた言葉に恵里は少し気まずい思いになる。夢でキャスターの過去を知ってるが為に、それが彼の実体験に基づいたものだと知っているからだ。それこそ母親から虐待じみた教育を受けて、今朝がた見た夢では愛娘にそんな教育はしないと誓ったのは本当だろう。だが………。
「なあ、一つ聞いていいか?」
気まずさを誤魔化す為に啜っていた紅茶のカップを置く。恵里は元来、他人というものに興味が無い少女だ。彼女にとって一番関心を惹きたい相手は愛する光輝であり、その他の人間関係などオマケに過ぎない。表面的な付き合いをするだけなら相手に踏み込む必要など感じていなかった。
だからこそ、声に出してみても自分自身ですらまだ疑問だった。一方的とはいえ相手の過去を知っただけで、相手は自分に色々と世話を焼いてくれた
「どうして………そんなに娘の事が大事だったのに、魔術師を辞めなかったんだよ?」
それはかなり踏み込んだ質問だっただろう。恵里自身、言ってから自分の発言に後悔した程だ。だが、口に出した事はもう取り消せない。
キャスターの過去や時折する“時計塔”の話から察するに、トータスみたいに生活に魔法が根付いている文化社会ならともかく、現代の地球で魔術が必要とされる時代はとっくに終わってるのだ、と感じてしまう。
だからこそ、恵里は聞かずにいられなかった。過去の夢で、あんなに子供の誕生を喜んでいたキャスターが、なぜ“魔術師”という職業を辞めなかったのか。器用な彼ならば、それこそ普通の仕事でもそれなりに上手くやれたはずだ。
「………ごめん、言い過ぎた。忘れて」
すぐに恵里は頭を下げる。さすがにこれは言って良い事の範疇を超えてるだろう。相手は“魔術師”の英霊であり、魔術に半生を費やした相手にそれを聞くのは「お前の人生でその功績に意味があったか?」と言ってるのに等しい。
「いや別にいいよ、そんなの生きてた頃から周りによく言われてたし」
だが、キャスターは特に気に障った様子も無かった。そうしてカップの紅茶に再び口をつける。
「まあ、最初の娘が生まれた時、真剣に足を洗う事も考えたさ………人並みの幸せは手に入ったんだ。じゃあ、もうそれで良いじゃないか。後は女房と娘の為に平凡だが満ち足りた人生を歩もう、ってな」
でも、とキャスターは言葉を切る。その目は、ここでないどこかを見る様に遠くを見ていた。
「どうしても………かつて見た“
そう言われて、恵里は以前の夢の光景を思い出す。あの山の光景こそ、キャスターの心の原風景となったのだろう。それはあの夢を通して、恵里にも共感できた。
「まあ、結局あの時も山頂には登れなかったんだけどな。だからこそ、きっと更に上に登れば最高の景色が見られる。その光景を俺以外にも共有したい………そう思ったら、妻子を置いて魔術の探求の旅行を始めてたんだよなぁ」
「うわ、最低。家庭を持ったのに自分の事が最優先かよ」
「最優先しちゃったんだよな、それが。そしてそんな“人でなし”だからこそ、“魔術師”の英霊にまで昇り詰めたわけだが」
思わず批難したものの、恵里にはキャスターの気持ちが少しだけ分かっていた。それこそ恵里も光輝の事を早く諦めていれば、きっと平凡な高校生として生活していただろう。
母親との不仲は致し方ないが、退屈そうに授業を受け、休み時間にクラスメイトとたわいの無い話をして、下校時間になったら寄り道しながら家路につく。それはありきたりだが、確かな幸せがそこにあるだろう。
だが、きっとその自分は何の希望も見出せていないだろう。
狂おしい程に好きな光輝はおらず、何の情熱も持てず、光輝の為に近づく必要も無いのでおそらくは鈴とも友達にはならなかった。そんな生きてるだけの草の様な生活を送るくらいなら、まだ死と隣り合わせな異世界生活の方がマシだとすら思っていた。
「“
かつてオルクス迷宮に初めて案内された時に言われた言葉を恵里は再び聞いた。あの時とは違い、その言葉の真意も恵里は理解できた。
「獣の様に本能のままに生きる存在じゃない。意思を持って生まれた人間だからこそ、自らの
父親が娘へ大事な事を教える様に、キャスターは恵里を見ながら静かに言った。
「だからこそ、恵里が勇者くんを手に入れたいと意志をはっきりさせてるなら、俺はそれを肯定する。それで恵里自身が前へ進む道になるなら、その
「………」
その言葉を―――恵里は静かに受け止めた。
自分を肯定してくれる存在など亡くなった父親以外、今までいなかった。本当の自分など誰の目にも留まらない。それこそ光輝が“そうして欲しい”とお願いしたから話しかけてきただけの同級生達の時みたいに、光輝の“特別”になれなければ価値は無いと思っていたのだ。
だからこそ―――こんな風に、自分が誰かから肯定して貰えるなど思った事はなかった。
「なんだよ………いつも適当な事を言ってる遊び人のくせに」
目頭が熱くなるのを感じる。だが、涙を見せるなどなけなしのプライドが許さず、代わりにいつもの様な憎まれ口が出てしまった。
そんな恵里の気持ちを知ってか知らずか、キャスターは紳士然とした態度を崩していつものニヤニヤとした笑い方になっていた。
「まあ、勇者くんと付き合っても三ヶ月くらいで別れ話を切り出したくなるとは思うけど? これも若い時の苦い経験という事で、その時は新しい恋でも探しなさいな」
「ふん。仮にそうなっても、ボクはお前みたいにあちこちの男にフラフラしたりしないからな」
「そりゃ勿体無い。男も女も星の数ほどいるんだぜ? それなら選り取り見取りした方が楽しいだろうに」
「黙れ、性欲魔神。あ〜あ、どうせ英霊が協力してくれるならパルケラススみたいにボクでも知ってる様な凄い魔術師が良かったよ。きっとそいつなら女の子を口説き回ったりとかしないだろうしぃ?」
「そんな有名どころと比べられたら、さすがに立つ瀬が無いなぁ………」
そんな風に憎まれ口を叩きながらも、恵里とキャスターの二人きりの晩餐会は楽しく過ごせた。それは師弟というより、まるで反抗期で素直になれない娘に手を焼きながら苦笑する父親という様子だった。
こんな日も悪くない。恵里は心からそう思えていた。
それこそ、こんな日がずっと続けば良いのにと思えるくらいに。
***
「ほ、本当に言う通りにやったら、白崎を俺の物にしてくれるんだよな?」
「ええ。首尾良く王都壊滅がなれば、私の“魅了”でその少女をあなたの傀儡とする事を約束しましょう」
王宮内にある礼拝堂。夜中に訪れる者などいない場所で、檜山はノイントと密談を交わしていた。
「魔人族達は一ヶ月後に王都へ襲撃を行います。あなたは魔人族達の手引きを行いなさい」
建国祭の式典と共に“聖戦遠征軍”の宣言を行い、魔人国領へ大規模な侵攻を行う気でいるハイリヒ王国。しかし、秘密裏に魔人族と内通している貴族達により、その計画は魔人族側に筒抜けとなっていた。
大軍が国内へ侵攻してくるのをわざわざ待ち構える必要などない。そこで魔人国軍はフリードの空間魔法を使い、精鋭部隊と共に王都を急襲して“聖戦遠征軍”の出鼻を挫く作戦を立案していたのだ。もっとも、その計画自体はエヒトルジュエの配下である魔王アルブヘイトが打ち出したもので、実態はエヒトルジュエがハイリヒ王国滅亡という“ショー”が見たい為に行うわけだが………。
何はともあれ、フリードが空間魔法で送り込める兵力だけでは王都を守護する結界を突破するのは厳しい。その為にどうやって結界を打ち破るかが問題だったのだが………。
「ひ、ひひっ、もちろんだっ! 俺が結界をどうにかしてやるから、魔人族達を上手く誘導してくれよな!」
下卑た笑みで檜山は頷く。彼の心の中に魔人族と内通する後ろめたさなど無い。自分の欲望の為にハイリヒ王国の人間はおろか、苦楽を共にした地球のクラスメイト達をも裏切る気でいた。
「………」
そんな檜山をノイントは冷たい目で見下す。人形の様な無表情だが、その目は身勝手で矮小な目の前の男をどう思っているか、雄弁に物語っていた。
「では、当日に手筈通りに」
「おい、待てよ」
「………まだ何か?」
横柄に呼び止めた檜山にノイントは振り返る。檜山は先程から侮蔑の目線に全く気付く様子もなく、まるで自分が本当に神に選ばれた存在であるかの様に尊大に話し出した。
「神様は天之河じゃなくて、俺を直々に選んだ。ということは俺が神に選ばれた勇者という事だよなあ?」
ノイントは返答も首肯もせず、沈黙で返した。しかし、その沈黙を肯定と捉えた檜山は「だったらよぉ」と続ける。
その顔は、悪魔の様に邪悪な笑みを浮かべていた。
「神に選ばれた勇者様をコケにした奴等にも神罰を下すべきだよなぁ?」
そういう彼の脳裏に思い浮かぶのは、
そして―――自分に屈辱を与えた恵里やキャスターへの復讐心で心が漲っていた。