交わした約束は砕けない   作:イロコイ文明

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短いけど早めに投稿できる……だけど物足りない。そんな感じに陥ってます。



ハコの魔女《H.N.Elly(Kirsten)》

 

 学校が終わり、放課後に私はマミさんちでほむらちゃんも交えて楽しくおしゃべりをしていた。キュゥべえがいなくなって寂しそうなマミさんだったが、私が帰り支度をする頃にはすっかりそんな様子もなくなって、一安心。今頃はほむらちゃんと共に対ワルプルギスの作戦会議でもしているのだろう。

 それにしても、今日マミさんが焼いたクッキーはマジに美味しかった。思わず「ンマぁぁ〜〜〜いッ!」と口に出るほどだ。このままじゃあ、通い続けて糖分過多でお腹がぽっこりになっちゃう。それだけは避けねばならない。

 もっとクッキーとケーキをいただきたい気持ちをグッと抑えて、私はあの場から退散した。晩御飯が食べられなくなっちゃうし、二日続けて帰りが遅いとなるとパパが心配する。

 巴マミと書かれた表札を一瞥し、マンションから出て少し。魔女に会いませんようにと祈りながら、駆け足で、たったったっ、と。その時、帰り路に見覚えのある立ち姿が見えて、反射的に呼び止めてしまった。

 

「ん……仁美ちゃん?おーいっ、どうしたのォおーっ?」

 

「あれえエエ、まどかさんじゃあないですかァ。お家に帰ったんじゃあなかったのですねえ〜〜〜っ」

 

 

 仁美ちゃんだ。今の時間を考えてみる。いつもだったら、彼女の家族のお眼鏡にかなうよう、この時間は彼女の自己研鑽のための厳しいレッスンが行われていて、彼女がそれに全力で打ち込んでいるころだ。こんなところで油を売っている暇なんて、そうそうないハズなのに、どうしてこんなところに?

 

「そういう仁美ちゃんこそ、こんなところで何してるの?今日はお稽古事とか、全部休み?だったら今日はゆったりしてたってわけか。あ、そうだ!聞いてよ仁美ちゃん、さっきまで先輩のお家でねェ」

 

「そんなことよりィィい。せっかくだからァ、ちょっとつき合ってもらえません?なんてことないですよ。そのヲ……すぐ、終わりますからァ」

 

 

 話を断切し、私の手を引こうとする仁美ちゃんの目は、ハイライトのない曇ったガラスのようだった。声色は一見、淑やかで落ち着いたいつもの彼女と変わらないように思えたが、どこか湿っぽさがあった。

 そして、どこか不思議に思いながらも私は手ぐすねする彼女に何も言い出せなかった。そして彼女の差し伸べた手を掴み、不安を感じながら、連れて行かれるのであった。

 カラスが夕日の光を背に、より深い黒さで羽ばたいている。連れていかれる私の前を、エイミーが横切った。 古くから。黒は良くないものの象徴とされている。カラスや黒猫はよりその中でも不吉なものだ。意外と信心深い私は、それを見てより不安を膨らませた。

 仁美ちゃんは一心不乱に歩き続ける。か細く震える私の呼びかけを無視して、どんどん人気の少ない方へ。私の不安は疑念と恐怖に変わっていく。今度は大声で名を呼ぶ。しかし、またも無視されて終わった。心臓がバクバクと動く。なんかヤバい雰囲気だ。どうしよう……誰か、誰か助けて!

 

 ………い、いや。私がやるんだ。仁美ちゃんなら、話せばわかってくれる!『私もう帰らなくちゃ』って、そう伝える! ゆゆ、勇気を出すんだ鹿目まどか、ここで引いてちゃ女がスタる!

 うおおおおおお、たっくん!お姉ちゃんに勇気を分けてくれェーッ!

 

「ひ、仁美ちゃん!!」

 

「はァァ───ィい?」

 

「なん、なんか、変だよ今の仁美ちゃん。学校ではそんなんじゃあなかったのに……どうしたの。悩みがあるならこの場で言ってよ!周りに誰もいないしさァ」

 

「──ろす………」

 

「え?なんて?」

 

「うるっさいですわねこのタマナシ野郎がッ!まどかさんの主観だけで物事をくっちゃべってんじゃあない!いいから黙って着いてきなさい、さっさと終わるって言ってるんだからよォォオ〜〜〜ォっ」

 

「ひぃ!?」

 

 

 やばいやばいッ、明らかに『異様』だ!やっぱ私にゃ無理だったんだ!私女なんだからタマとかあるわけないしッ、仁美ちゃんはこんな下品なこと言わない!

 彼女が私に普段ならあり得ない怒声をあげた瞬間、彼女の目はこれまで見たことのないほど血走り、それでいてその口に『笑み』を浮かべていた。曇りきった目は私の目を見ているはずなのに、明後日の方を向いていると言われてもおかしくないように思えた。底知れぬ恐怖が彼女の首元から襲ってくる。この一瞬で冷や汗が止まらない。

 そして彼女は、途端に上擦った声で私に優しい声で語りかける。「いきなり怒鳴ってごめんなさいねェ、少し動転していましたわ」そう言って私にいつも通りの優しい微笑みを見せた。

 一層、私のを掴む力が増した。仁美ちゃん、『護身術』も稽古のうちのひとつと言っていたが、まるで男の人のような力強さだ。掴む力はどんどんと増していく。それは手首の角度を変えようとするとギリギリと痛むほどに。

 

「い、イタいよ仁美ちゃん!」

 

「私は痛くありませんわ」

 

 

 そっ、そうだ電話ッ!バッグに携帯電話があったことを思い出す。これは私だけじゃあなんとかできない。ほむらちゃんや仗助さんを呼んで助けてもらうしかない。今の仁美ちゃんはどうしてか確実におかしい!

 

「なにをしてるんですか?」

 

「あっ………」

 

 

 だが、片手しか使えない状況でバッグから携帯を取り出し電話をかけるのは難しかった。そのもたつきのせいで、仁美ちゃんにバレてしまった。掴まれている腕を引っ張るが、振り解けない。絶体絶命ッ、逃げられない!

 私の手首が嫌な方向に曲がっていく。私の手首を掴んだまま、仁美ちゃんが私のバッグに手を伸ばしてきているのだ。無理な体勢が私の手に悲鳴をあげさせる。

 

「いやっ、離してッ!やめてよ仁美ちゃん!!」

 

「抵抗するのをやめればよいのです」

 

 

 揉み合ううち、カバンからマーカーが地面に飛び出て転がる。脱臼するんじゃあないかというほど激しく肩を揺らしてみるも、彼女の掴む手は何ひとつ緩まない。幾ら護身術をやってるとはいえ、こんな力そうそう出るのか?私は疑問に思った。

 やがてバッグも地面に転がる。取り返そうとする前に、仁美ちゃんがそれを拾い上げてしまう。彼女はそれを肩にかけると、また優しい笑顔を顔に貼り付けた。恐ろしい。本当に仁美ちゃんなの?彼女の言動はもう『志筑仁美』とは思えない。もしかして、ま、魔女………

 

 ────さっきから私が感じる底知れない恐怖は、仁美ちゃんの首元から襲ってくる。その理由がやっとわかった。見つけたのだ……彼女の首元にある『謎の模様』。そいつはマミさんが説明してくれたのをよく覚えている。それは魔女が人間を操っている()()()。心の弱みにつけ入り、人間を意のままに操って弄んでいるというあかしなのだという。正式名称は……『魔女の口づけ』

 魅入られたのだ、彼女は。きっと私の手を掴む力は彼女の意に反して常に全力を込められているのだろう。彼女の肉体の疲労なんて魔女が知ったことないから。

 どうにかして目を覚まさせないといけない。じゃないと、仁美ちゃんも私も死んじゃうッ!でも、どうやって?電話も使えなくて、私に彼女を止められるパワーもない。

 大声で、というのはいささか都合が良すぎないか?一般人が来るのではダメなのだ。この元凶である魔女を倒せる人間、すなわち魔法少女がスタンド使いにこのことを伝えないといけないのだ。

 

 ………私、鹿目まどか。数えで16歳。おそらく享年もそのくらい。現在、詰んでいます。神様がいるのならばきっと、私のこの粋がったリボンのことが気に食わなかったのでしょう。高校デビューとかで粋がった私のことが。

 

「だ、誰か助けてェェ─────ェエエッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 辞世の句を考えながら数分。絶望しきってうつらうつらだったせいか、気付けば古いコンクリートの建物の入り口に私たちは立っていた。その敷地に躊躇なく彼女は足を踏み入れていく。壁や床を見てみると、建材の劣化が激しく、ヒビやシミが至る所に見られた。地震が起こったら粉々に崩れてしまいそうだ。

 月明かりが出始めている。空は夜と夕方の狭間といったところか。冬よりマシとはいえ、そこまで日は長くなっていないし、今から全力で帰ったら夕食には間に合うだろう。それが叶うかは別として。

 

「もう、まどかさんが抵抗するから時間経っちゃったじゃあないですかア」

 

「ここで、何をするつもり?」

 

「急いては事を仕損じる、なんて言いますよ〜〜〜ぉ。短気は損気、という言葉も」

 

 

 仁美ちゃんが、一度パンと、手を合わせた。乾いた音が壁に吸い込まれていく。息をすることも許さない静寂。そこに壁からの返答がやってきた。ドタドタ荒々しい足音と、その振動が仁美ちゃんの拍手への返答だった。

 大量の人がやってくる。彼女からの合図、つまるところ魔女からの合図に、絶望を駆り立てられこの場に集ってくる。静寂は一瞬にしてグールのような者たちの行進とボヤキという行進歌でかき消された。

 大抵スーツや制服姿で、子供やお年寄りはいない。そして皆その目は虚ろで、顔が痩せこけスラム街のようなやつれ具合だった。彼らの首元には、仁美ちゃんと同じように『魔女の口づけ』があった。彼らもまた魅入られたのだ。

 

「ふふ、ふふひっ、ふひひひひほっ」

 

「ひ、仁美ちゃんッ?誰なのこの人たち、なんかおかしいよ………」

 

 

 彼女の狂った笑い声が人々のボヤキを吸い取り、やがてボヤキが狂った笑い声に変わってゆく。仁美ちゃんを中心に、この場は狂気の大合唱と泥を飲むような喝采に包まれた。完全にアウェーだ。そして群を抜いておかしいのは、やはりこの人たちを牽引する仁美ちゃんだった。

 

「ほほほ、のほ、のほほぉっ。皆々様がた!人は皆『天国』へ行かなくてはならないと思いますよねェエ!全ての人はそこに辿り着かなければならない!みんなで旅立ちましょう……仕事学業全てかなぐり捨てて、肉体からの解脱を………」

 

 

 仁美ちゃんが関節を上から糸で操られているようなギクシャクとした動きで、用意しておいたのであろうバケツを私たちの目の前に置いた。クスッとまたも笑い、二つのボトルを取り出した。塩素系洗剤と、酸性の………って、まさかッ!

 

「仁美ちゃんッ!そ、そいつから手を離してェェェェ────ッ!!」

 

 

 これは『自殺志願者』たちだ。人生への疲れを魔女に引き立てられこの場で『集団自殺』しようとしている……毒である塩素を浴びて。私もそれに巻き込まれている。皆が望まぬ自殺を望んでいる中でひとり、私は恐怖に手足を磔にされ、惨めに誰か助けてと願い続ける。

 逃げようにも人の壁が分厚くそびえて超えられそうにもない。何より仁美ちゃんやこの人たちを見捨てるなんて、後味が悪すぎる。私は仲間なんていないこの場所で、未練たらたらで死んでいくのか。

 仁美ちゃんがボトルのキャップを開ける。涙が私の視界を覆ってきた。半べそかいて、何もできずに私は………

 

 いいや、違う!私は………私はッ、やるしかない!ここで彼女を止められるのは私だけだッ! これは逆に幸運だったのだ、もし私が彼女に連れてこられていなかったのなら彼女らはここで既に死んでいるッ、私が抵抗したから、彼らはまだ生きている!

 

「ァアああああああァ────ッ!!再び見せろド根性ッ」

 

「あ……」

 

 

 やった、取ったぞ!バケツを奪い取った! きっと仁美ちゃんは操られてて彼女自身の意識は気絶しているようなものだろう。聞いたことがある、ロボットというのは命令されたことが完璧に実行できなくなると、何をしていいか分からず固まってしまうという。仁美ちゃんは『バケツで洗剤を混ぜる』という命令をされているのだろう。だから床に洗剤をぶちまけて混ぜるなんてことは出来ない!

 

「あれえェエ、うまくいかなァァァアい」

 

「あっあァ!うおっ、おおおッ」

 

「やばッ!お、襲ってくる……!?」

 

 

 予想外だったのは、仁美ちゃん以外がバケツを取り返そうと襲ってきたことだ。こいつは捕まったらヤバい。私はバケツを窓へ投げ捨てる。バケツが窓ガラスを割り、外へと投げ出される。しかし、彼らが襲うのは依然として私だった。

 

「うわあああああっ、待て待て待てこんなのってないよォォ────ッ」

 

「う、うお、おっ!」

 

 

 必死で逃げていくうち、別の小部屋に辿り着いた。真っ暗な小部屋。彼らの足は速くなかったのでどこに隠れたか知らないはずだが、見つかるのも時間の問題だろう。どうしようどうしよう、私殺されちゃうのかな。

 無意識的に部屋の隅っこに向かう。こんな暗い部屋なら、端っこで小さくなってれば見つかることもないかも。淡い希望を抱いてトコトコと歩いていく。

 

「あれ、なんか目の前が歪んで……」

 

 

 あれ、こいつって。怪しく光り宙に浮かぶ模様。こんなのを見るのはこれで二度目か三度目だ。確か、魔女の結界じゃあ─────

 ガンっ、と後ろから叩かれる感覚がした。目の前の『結界』へ吸い込まれる。踏ん張ろうとしてみるが、グイグイと背中から押されていく。結界の主人は、この騒動の元凶の魔女だろう。よりにもよって魔女に遭遇するなんて。なんて運が悪いんだ。

 前はよろめきながら後ろを見ると、天使の羽を携えた球体関節人形が、ニッコリ私を蔑むように笑っていた。こいつは、魔女じゃない。だって何体もいるんだもの。こいつらは『使い魔』だ、魔女の手下。

 魔女は自殺を阻止した私を殺そうとしているのだろう。怒り心頭って感じかな。だから結界に引きずりこんで私を。痛いのかな。苦しいのかな。死にたいわけじゃあないが、結構諦めムードだ。せめて、苦しまずに死にたい。ちょっぴりそう考えた。

 

 景色が変化する。私は四肢を天使どもにロックされ、身動きが取れないまま宙に浮かんでいた。されるがまま、結界の奥へ奥へと運ばれる。私はまるで女王アリに捧げられるアブラムシのツユだ。

 結界の中は水の中のようだった。水族館の飼育員になった気分。気泡が下からゆらゆら昇っていく。奥行きがどこまでも感じられる、今まで見てきた結界とは毛色の異なる結界だ。

 古いテレビの画面が一面に敷き詰められた場所を通り過ぎ、やがて魔女の座す最深部へと至る。何やら楽しそうな雰囲気の場所だ。プラネタリウムを見ている感覚というのが分かりやすいのかな。360度様々な方向に巨大なフィルムが投影され、そこには不気味なメリーゴーランドが焼かれている。

 私の体がなんだかおかしい。身動きが取れないどころか、全く力が入らない。輪郭が消えたのだ、私の体から。絵の具を混ぜずにチューブから出したままものを描いた水彩画のように、私の輪郭が全く消え去った。

 何が起こっているのか分からないが、力が入らない「謎」の答え……爪も肉も骨も「コンドーム」みたいにベロベロになっている…くつとか髪留めのリボンまでも………。

 

「…………」

 

 

 魔女が近付いてくる。私を取り押さえる天使よりも一回り大きい使い魔にその身体を持ち上げさせ、聞き取れない謎の言語を話しながら。

 見た目はまさに『ハコ』だった。古めのパソコンの画面のような体に影塗りの少女がステージに立っている。ツインテールで、腰まで伸びてる超ロング。それを再現するかのように、ハコにも影塗りの『何か』が両端から垂れ下がっている。

 

HALL.MEINNAMEISTELLY

 

 

 腕が引き伸ばされていく。脚も引き伸ばされていく。ゴム人形を子供が千切れる心配もせずにいじり回すように、遠慮なく私のベロベロの肉体が伸長させられる。痛みはない。現実世界なら皮膚が張り裂け、想像を絶する痛みが私に降りかかるのだろうが、どうやら痛みなく死ねるようでまだ安心した。このままブチっと、身体中が千切られておしまいなんだ。

 もう私の体も限界。四方に伸ばされ、ピパピパのように真っ平ら。数秒後、ブチっといかれるのだろうブチっと。流石にそうなると痛いのかな………

 そう思った瞬間。私の頭にコツンとマーカーが落ちてくる。蛍光ピンクの……これ、私のだ。仁美ちゃんと揉みあったとき落としたやつ。

 

「あれっ、私……元に戻ってる!?」

 

 

 その数秒後、私の体が元に戻った。グー、パー。手を動かす。問題ない、至って普通に動く。体の輪郭も戻っている。でも、一体なぜ?

 

「─────ララララ〜〜〜〜ッ」

 

「上から何か……聞こえる?」

 

 

 気になって上を見上げると、異質そのものな光景が広がっていた。いくつかの拳の形のシールがこの不思議空間の宙に貼られている、そう例えるしかない光景だ。

 それに、辺りを見渡すとあれだけいた天使の姿が激減している。不思議に思っていると、大量の破片が降り注いだ。使い魔の体の一部だ。粉々にされている。奴らはどこへ行ったんだ?

 

「マジに……ギリギリだったみてーだな〜〜〜〜ッ」

 

「えっ、だ、誰の声………」

 

「ドラララララララァァア──────ッ!!」

 

 

 使い魔が見えない何かに粉砕されていく。首が砕かれ腕が吹き飛び、小蝿を散らすように。その度に空中に拳のシールがまた貼られる。貼られるたびに使い魔がぶち壊される。

 驚いていると、ある男がどこからか漂ってきて私の近くに降り立つ。手櫛で髪を整えながら、やっぱり気に入らなかったのか胸ポケットから櫛を取り出し入念に手入れする。彼の髪が完璧な流線型を描いたところで、彼は私の方へ向き直った。

 

「あっ、あなたは………」

 

「よく耐えた!あとはこの仗助先輩に任せとけよ。安心しろ、外のやつは康一がなんとかしてっからな」

 

 

 そう言うと、彼は右手を魔女に突きつけ、途端に険しい表情となる。使い魔を蹴散らし終えた彼は魔女に向かって走り出すと、魔女は危険を感じて空中に浮かび回避した。彼が『スタンド』で魔女を殴ったんだろう。

 彼の頭には青筋がはっきり見えた。わなわなと拳を震わせ、改めて握り返す。一息おいて、彼は魔女に向かって叫んだ。

 

「人を操って殺して遊ぶってよ〜〜〜、俺が一番ムカっ腹が立つことをする野郎だぜッ。正々堂々とやる気もねえグズがやることだ……

 てめーの境遇には正直言って同情する。だがッ、一線を越えちまったんだ………いいかッ!てめーはこの東方仗助がじきじきにブチのめす!」

 

 

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次回はお久しぶりのバトル回です
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