言い訳ですが、体調崩したせいで文章がいつもより良くないかも
逆に良くなってるかも
どっちなんだい! ヤー! パワー!!
上条恭介が消えたのは、日本で十三年ぶり金環日食直前の日であった。
だからどうだというわけではないが、ちょうどこの日、海外へ超長期の取材へ赴いていた漫画家、岸辺露伴は久しぶりに日本に帰ってきていた。
T県の坂持という土地にある「サカモチレコード」という音楽店からの招待状を受け取ったのである。海外までわざわざ集英社を通して露伴の所まで。『この金環日食の日、それが起こる午後四時に会いましょう』と。
露伴は担当編集を連れてその坂持へと向かった。好奇心ゆえか何か思うところがあったのか……それは語り部の知ることではない。とにかく露伴は取材のためそこへ向かった。それが、上条恭介失踪と同時に起こった出来事である。
音楽とは、空気の波である。波というのは、壁に打ち消されるまで何度も何度も起こり、揺れがなくなるまでどこまでも広がる。
そして、その揺れが収まっていくことのない、『完璧な音色』があるならば、あるいは、音からうんと遠い場所でさえメロディを受けとれる者がいるかもしれない。
つまり何が言いたいのか。
坂持で露伴を待つものは、『完璧な音色』を求め、試行錯誤を続けていた。その『完璧な音色』のため、露伴を自分のもとへ呼んだのだ。そしてその熱と音は空気に乗って広がっていく。普通の人間ではそんなもの気に留めることなんてできないが……
しかし天才ならば──────あの日あの時の上条恭介の音楽への熱気は、音楽へ渇望していたにしても、明らかに暑すぎた。腕が治ったことを噛み締めるでも、美樹さやかと喜びを分かち合うこともなく、ただひたすらに音楽について語った。
それはきっと、どこか遠いところからの、生涯をかけた情熱を共鳴するかのように受け取れたからだ。着々と『完璧な音色』に近付いていくソレに心をどうしようもなく動かされたからだ。
今日、金環日食が起こる日。ひとりの人間の集大成が、坂持で響くとき。見滝原でもまた、天才が完璧を求めるのであった。
◆
あたしが気に食わないやつには特徴がある。ひとつ目、弱いやつ。力でも心でも、弱いやつは近くにいるだけでストレスがたまる。自分でなんとかする術を知らない馬鹿。うずくまれば誰かが助けてくれると勘違いしてる、大間抜けだ。
ふたつ目、金持ち。理由は明白、ケチで性格の悪いデブしかいないからだ。人の話も碌に聞けない。大抵そんな奴ばっかりだ。例外?そんなの外ヅラが良いだけだ。あたしは知っている。
「へェー。あれが、スタンド」
「いいのかい?東方仗助にみすみす魔女を倒させて」
みっつ目。これは特にあたしが嫌いなやつだ。正義ぶっているダボ野郎。『正義』だの『覚悟』だの、そんなカスみたいなこと言ってるのが癪に障る。
甘っちょろい考えしかない、本当の馬鹿しかそんなこと言わない。人助けなんて、もってのほかだ。人に何かをしてやっても、つけあがられるだけで損しかない。人間所詮は損得勘定で動かなきゃ、食い物にされて骨の髄から出汁までとられて搾られる。
金も食い物も大事なものも全部手のひらから溢れていく。余計な正義感でいさかいに首を突っ込む。メンドーを背負い込んで潰れる。全部正義のせいだ。考えるだけでイライライライラ。イラクサの棘が刺さったように、ムカっ腹が立つ。
「グリーフシードはあたしが回収すればいい。それよりもムカつくのはそのスタンド使いとかいうやつだよ。どーやらマミのやろうと組んで悪知恵働かせてるみたいだけど……
あいつらにはグリーフシードは要らないんだよねェ、だったらテメーらが戦う必要はねーじゃん。もしかして『街の人を守るため』とかで戦ってんならさァ、そいつはメチャ許せんよね──────ェェ」
「どうするつもりだい?」
「ツブす。特にあのリーゼントとチビは、懇切丁寧にぶち殺してやる。あいつらはあたしの中でもっともムカつく人間だって判断した。葬式にも出せないくらいボコボコにしてやるよ」
キュゥべえから『スタンド』とやらの話を聞いた。それをこの目で見るため、はるばるあたしは見滝原までやってきた。ある程度情報は掴んでいる。マミがくたばりかけたところを助けたとか、魔法少女と組んでちょこまか動いてるってこととか。
契約した覚えのない魔法少女がいることも聞いた。見滝原と隣町が合併したこともなんとなく耳にした。
あたしの視線の先にいるその男、東方仗助は魔女をぶっ倒したあと、暴れ回って仲間に気絶させられた。あたしはその様子を鼻で笑いながら、キュゥべえと会話していた。戦いぶりを見た感じ、タイマン張るには厳しそうだ。
「魔法少女のことに首を突っ込んだことを後悔させてやる」
あたしが風見野でぶらついている間に、何かが動き始めている。スタンドを見た瞬間そう感じた。
この波に乗り遅れてるようじゃあ魔法少女は務まらない。儲けどきだ。マミの仲間を全員ぶっ潰して見滝原のナワバリを手に入れる。『仲間』なんてものは隙を生む。それを後輩自ら、マミに教えてやろうじゃねーの。
「まずは何をするにも観察。人数不利な分、不意打ちで仕留めなくちゃあね。東方仗助……テメーの行動、見張らせてもらうよ。厄介そうなのもテメーだからな」
見滝原の展望台から、双眼鏡を覗く。テキ屋でパクったもんにしちゃあ意外と遠くまで見通せる。硬貨で動く備え付けのは使わない。こんなんに金を使う馬鹿はそういない。
覗くのは病院の一室。上条何某とかいうやつが入院してる部屋だ。天才音楽家だったらしい。事故で身体が動かなくなったとか。気の毒にねェ。
「来た、東方だ」
昨日から東方仗助たちの監視を始めた。弱点のひとつでも見つけなきゃあ、いくらあたしでもノされて終いだ。学校近くで待ち伏せ、通行人のふりしたり、こうやって遠くから覗いて弱みを探った。
時折他の仲間のことも調べながらも、東方仗助を徹底的に観察する。放課後、マミのやろうと会っていたところも、仲間のスタンド使いらしき奴といるところも、全てあたしは知っている。
そして現在、奴が病院に入っていったところまでは見ていたが、流石に院内は見通せない。仕方なく奴が病院から出てくるのを、ンマい棒でも食べながらじっとここで待つ。病院入り口を眺めるのも飽きてきたころ、やっと出てきた東方は隣に女を連れていた。
「今日一日、執拗に仗助の周りをうろついていたけど……本気でやり合うつもりなのかい」
「当たり前でしょ。乗るしかねーよ、こんなビッグウェーブ」
その女、名前は確か『美樹さやか』。病院へ行った東方仗助を追いかけているとき、河原でダチと話していたところを覚えている。ふと聞き耳を立てたが、会話の内容からして、こいつらもマミの仲間一派だと推測した。
東方仗助はそいつを連れて、ファミレスに向かった。確かあの女、上条とかいう奴に熱のあるくだらねー考えを持ってたっけ。河川敷の会話で、そんな風なことを言ってた気がする。
ファミレスで奴らは窓際の席に座り、何か会話を始めた。その内容はなんとなく分かる。東方仗助のスタンドはものを『治せる』んだっけな?それと、暇つぶしの新聞で読んだことがある。上条って天才ヴァイオリニストが事故で入院したって。
点と点が絹糸のような細い線で繋がる。たぶん美樹さやかはそいつの怪我を東方に治してもらおうとしているわけか。限りなく根拠のない憶測でしかないが、もしそうだとしたら、面白いことができるかもしれない。
「ボクとしてはあまり事を荒立てては欲しくないんだけどね。彼らと君とじゃあ君に勝ち目は薄いと思うしさ」
「言ってろ!あたしにはあたしのやり方ってモンがあるんだよ」
そう考えつき、あたしは上条の病室を覗いている。一心に病院を眺めるあたしは、側から見たらド変人。地面には食べっカスを落とし、お菓子の包装やチョコの銀紙をポイと捨てて、咀嚼しながら望遠鏡を覗くさまは、果てしなく奇妙だろう。
しかし!神算鬼謀を潜り抜けたこのあたしならば、まさに智謀湧くがごとし。簡単なことである。人数不利ならば人数を減らせばいい。伊達に魔法少女として何年も生き残っていない。これくらいのこと簡単に思いついた。既に脳内では、簡単な筋書きと作戦が構築され始めていた。
相手の土俵で戦うなんてのは『試合』である。一方的な力で相手を擦り殺すことは戦いでなく『狩り』である。『戦い』とは、同程度の実力のものが互いに虚を突き合うことだ。
虚といっても、それなりに種類がある。フェイント、緩急、ねこだましのような奇襲。一番一般的なのは、不意打ちだろう。特別な技術を必要としない最も単純な、だからこそ強力な戦法だ。
「上条ってやつは使えるなァ、こりゃあ」
孫子の兵法には、敵軍の動きを能く読めて切り崩せるなら、寡兵でも大軍に勝つことは難しくないとあった。頭の中の軍師が多数の献策をし、取捨選択して作戦を考える。あたしは学はないが厳しい環境の中で鋭敏になった生存・思考センスが次の一手を導き出す。
美樹さやかが病室から消えるのを見届けた。その時、机上の策が成る。決行は明日。あたしは双眼鏡をポケットにしまい込んで、チョコレートを食べきった。
◇
マミさんのマンション。階段。エレベーター。窓。廊下。扉。張り倒すようなノック。名を名乗る。マミさんの声がした瞬間、目にした玄関。不用心なことに、施錠はしてなかった。あたしは声量も考えられなかった。気付いたら叫んでいた。
「美樹さん、どうしたのかしら?今日は用事があるとか……」
「マミさんッ!あたしの友達が!ああくそッ、どうすれば、突然だった!病院の人も部屋番の近い病室の奴も知らないってッ」
「ちょ、ちょっとォ美樹さん」
「いなくなった!絶対におかしい。恭介は逃げるような小物じゃあないんだ!何者かに攫われたんだ、絶対ッ!だから─────」
額につんざく痛みが走る。ぴしゃりと一発、デコに平手打ちを決められた。ヒリヒリとした痛みの余韻が、あたしのパニック思考を途切れさせ、一抹の平静を取り戻させた。
マミさんはあたしに座るように言った。あたしは顔を真っ赤に染め、ちょこんと縮こまり、言われるがままに正座した。そしてマミさんがお茶を取ってきてくれている間に、眉間に指圧を加えて、どうにか思考を明瞭にしようとする。運ばれてきたのは紅茶だった。
「落ち着いた?」
「はィ……すィません」
「それで、友達がどうしたの?逃げるってまた物騒なこと言って」
「そっ、そうなんです!あたしの友達、上条恭介っつーんですが、ちょっとまえ事故って入院生活を送ってたんですよ。そしてつい昨日、仗助さんの『クレイジー・D』の能力で怪我を治してもらって、直ぐにも退院できると思ってた矢先!突然にあいつが失踪したんですッ」
うっかり『なおす』能力のことも言ってしまったが、マミさんの反応は薄かった。今思えば、現在あたしの目の前にある新品同然のテーブルは、魔法少女の真実を知ったあの日にマミさんの手でぶち壊されてたっけ。スタンドの見えるマミさんなら、仗助さんの能力をそこで理解できてたのかもしれない。
あたしの話を聞いていたマミさんは、顔をしかめて、難しげな表情で考え込む。しかし深刻な考えは巡らせていないように見える。指をツンツン顎に当てて、「うゥーん」とこぼす。あたしの顔をチラと見て、陰のある雰囲気でマミさんは口を開いた。
「それは心配ねェ〜〜〜〜。でも、どうして美樹さんは私のところに?私がどうこうできる問題じゃあないと思うのだけど。もしや私たちに『探せ』ってことなら、頷けないわね」
「違うんですッ!これはあたしだけの問題じゃあない!何者かはわかりませんが、恭介は誰かに攫われたんだッ。それは
傍に置いていたあたしのカバンを、マミさんにも見えるようドザッと豪快に、机の上へ移動させる。教科書やノートを掻き分けて、急いでしまい込んだのがわかるシワついた一枚の紙をつまむ。
縦長の真っ白な紙。三つ折りになっていて、しかし端と端は綺麗に重なっておらず、折れ目は並行でなく歪んでいて、急拵えで作られたことが窺える。
そんなくしゃくしゃを、中身を見せつけるように開くと、そこには油性マジックで乱暴に書き殴られた荒々しい文があった。その内容を見たマミさんは、瞳孔を広げ言葉を失う。
『果たし状
今日の日没までに、巴マミとスタンド使いどもに死合いを申し込む。場所は病院に残された魔力を辿ってこい。これを貴様らは無視することはできない。
上条という男の身柄はこちらにある。日没までに貴様らが来ないのならば、こいつを断頭台に突き出す用意はできている。くれぐれも正しい選択を行うよう。』
「こいつはッ!?美樹さんなんでこんなものをッ」
「いやァ、情報ってのはキリフダですから……」
「何バカなこと言ってるの!これは紛れもなく『宣戦布告』よ。明らかな敵意と害意がある者からの敵対宣言!これをどこで?」
「そこは名探偵さやかちゃんといいますかァ、冴えわたる推理が真実をささやくゥゥ〜〜〜〜っ、といいますかァ? 恭介が消えたあとの病室を怪しく思って物色してみれば、こーんなものが。
これで無関係だとは言えないはずです。恭介を攫った奴は、あたしがマミさんの仲間だということも、スタンド使いのことも知っている。単なるあたしと恭介の間の諍いじゃあなくなったってことですよねッ」
マミさんに動揺が走る。あたしから果し状をひょいと奪って、何度も目で読み直す。そして何かに気付いたような表情と、なんとも言えない鬱屈な目をしながら、それを机に置いた。
恭介は道具にされているだけで、本命はこの街の魔法少女とスタンド使いだった。しかも、マミさんに至っては名指しである。
何のためにマミさんたちに敵意があるのかは、理解できない。魔女を倒して街の平和を守っている彼女を、感謝することはあっても、どうして敵対する必要があろうか。こんなものを送ってきた奴は、破滅主義のテロリストなのか?
マミさんは複雑そうな顔を浮かべ、俯きながら、膝の上の手のひらをスカートの裾を掴むように、ぎゅっと拳に変える。机の上に置いた果し状を今一度拾い、蛇腹みたいに握りつぶす。顔を上げた彼女の目は、どこか決心めいていた。
「美樹さん、みんなを病院前に集めて頂戴。とくに、暁美さんは絶対。私も承太郎さんに連絡してから直ぐに向かうわ。日没までの時間は残り少ない」
「りょーかいですッ。この俊足のさやかちゃんも、韋駄天のごとくすぐに行きますからね!」
◇
「上条のやろォーが、攫われたとはな」
「仗助おめーいつの間にそんな約束……そいつ、びびって逃げたんじゃあねーのっ?」
「逃げただって……へへっ、確かに!」
「恭介はそんなことしません!あたしが保証します!」
「攫われたって言ってるじゃん、二人とももうちょっと心配してやればいいのに」
これからどうなるか分からないというのに、この緊張感の無さ。不安になると同時に、みんなの自信が伝わってきて逆に安心感もある。妙に気負っているなんかより、ずっといい。ひとりでないと実感する。
学校の終業からさほど時間は経っていないが、それでも時間はあまりない。時間にして大体午後三時ごろ。もうじき空には金環日食が現れる。陽が沈むのはそこから長くはないだろうし、早く捜索を開始しなければ。
「さやかちゃん!どうして上条くんのこと、なんにも言ってくれなかったの?身体を治してもらったって」
「ごめーん、サプライズで知らせるつもりだったんだけど、こんなことになるとは思ってなくて」
「そこは、この俺に感謝しろっつーことだな」
「仗助くんもさ、そんな凄い人と知り合ったんなら教えてくれよ!天才なんだろ?僕もその子の演奏、聴いてみたいしさあ〜〜〜」
「ふぅ……これで全員かしら、マミさん。承太郎さんは?」
「日没までに病院前に来られるか怪しいって。この七人でいくしかないわ」
一番戦力として期待できた承太郎さんだが、あいにく予定が混み合ってしまった。強力な『助っ人』を海外から呼び寄せているらしいが、それでも残念だ。
果し状にあった通り、病院の前には魔力の痕跡が残されていた。炎のような温かい魔力。古い記憶が蘇ってくる。懐かしい……私と袂を分けたあと、どうしていたのかしら。
魔力はヘンゼルとグレーテルがパンクズを道端に落として目印にしたように、等間隔で残されている。この跡をつけていけば、きっと上条君と彼女がいる。つけていけばいい。それだけなのだが。
「しかし、これは厄介なことをしてきたわね。暁美さんも分かるかしら」
「ええ。魔力が
分断作戦だろうか。魔力は全くの正反対にそれぞれ伸びていた。
流石に魔力がどの方向から残されたのかは探知できない。それ故に、この二方向の魔力、恐らくは来た道、行った道に伸びているものだろうが、それがどちらの物かの判別は直接行ってみるしかない。
「魔力が二方向?それならよォ、しらみツブすよーに片っ方ずつ行けば問題はないだろ」
「そんな時間、僕らには無いよ。せいぜい日没まで二時間あるかどうかだ。もしニコイチを外せば上条君はお陀仏だよ」
「3:4ね。魔力を辿らなければいけない以上、私とマミさんは別々。それと、まどかとさやかも分けないと」
そうやって話は進んでいく。暁美さんと鹿目さん、私と美樹さんでひとまずのグループを作り、私の希望で億泰さんを貰う。そして康一さんと仗助さんがそれぞれ暁美さん、私の方に持ってくる。と、おおかたの行動が決まって行く中で、腑に落ちない様子で立っている者がいた。
「……なあ待て。マミよォ、気になってたんだがな、どうして二人を連れて行く?言葉は悪いが役に立たないだろーが。俺のクレイジー・Dやザ・ハンドは近距離型。守ってやれる範囲にも限度があるしよ」
「それ……私も思ってました。ほんとに私、ついていってもいいのかなって」
それを言われて気付いた。そっか、相手が誰なのか勘付いているのは、私だけか。そう思うと私、すっごくバカなことしてる。一般人をわざわざ危険なところに連れていこうとするなんて。
私は不敵に笑う。仗助さんは首を傾げる一方だったが、それでも私は意味深に笑顔を浮かべ続ける。私の口から説明したって、彼女のことは分からない。実際に目で見て、戦って、それでやっと彼女の本質を見抜けるだろうから。
「それは……まあ、ふふふ!大丈夫。けして意味なく一般人を傷つける奴じゃあないって分かってるから」
「おい!それってどういう」
「仗助さんッ、もう時間がありません。私はこっちの魔力を追います。マミさんたちは、そちらを」
話を折って、暁美さんが先導していく。私たちも行かなくては。そっと目を閉じ、魔力の向かう方へ意識を集中させる。暖かな魔力を鮮明に感じる。こんな形での再会は、望んでいなかったけれど。
空を見上げると、月と太陽が交わろうと近付いていた。
◇
椅子に男を縛りつけた。男は気絶している。窓からこいつの寝ている部屋に侵入し、首をキュッと締めてやったからだ。
場所はどこにでもある細道。魔女の結界が近いようで、この男を狙う一体の使い魔があたしの視線をウロチョロと遮る。鬱陶しいが、見るからに育った使い魔だ。何人か人を食って魔女に成長するのを待ったほうがいいなァ。
「クキキっ、日没まであと二時間ないくらいかなァ〜〜〜〜」
「再三言うが、ボクは君と彼らが争うことをあまり望んでいないんだ。上条恭介を解放してくれないかい?」
「なんか、ずっと妙だなテメー。魔法少女どうしの殺し合いなんて日常茶飯事なのにさ。どうしてあたしとマミ達がやり合うのを止めようとすんだよ」
「………」
「だんまりなら、あたしなりのやり方でいく」
良心に目覚めたか?クソッタレなケツ穴野郎のくせに、何を今更。聞く耳なんて持たない。マミどもを倒したら、次はこいつも殺してやる。あーあ、こいつのせいで更に嫌な気分。ムカっ腹はやって来た奴らで発散しよう。
懐からたい焼きを取り出し、顔からガブっとかじる。餡子と生地を奥歯で練るように噛み締め、舌ざわりまで味わう。侘び寂びのある甘みが鼻を抜け、生地の油がジュワッと包み込む。餡が唾液と混ざり合い、全てとろけきったところで、ゴクリ。この瞬間だけは、色んなことを忘れられる。
椅子の方から物音がした。椅子の脚が揺れた音だ。上条の様子を見ると、うっすら瞼が開いてきている。ようやくお目覚めか。ここに縛ってから結構経つと思ったが、上条は安眠タイプらしい。
「う、うう?あれ、どこだここは……」
「ようやくかよ。グッモーニィィィィング、上条ク〜〜ン」
「う、む? ぐっ!なんだこれッ、縛りつけられて動けないッ。どこだここはッ、僕は病院で寝ていたはずだぞ。─────おいそこのあんた、何か知らないのか。もしかしてあんたがやったのか!?」
「ま。ま。落ち着けよ。あたしはテメーがどうなろうが知ったことじゃないし。暴れずに、静かに、そこで座ってりゃあー何もしない」
「なっ、お前、僕に何をした!」
「誰が追加で喋っていいと言ったボケナスがッ!テメーの目ん玉ほじくり出してテメーのベロの上で転がしてやってもいいんだからなッ。分かったらそのクソウゼぇ口を閉じな、このモヤシ野郎ッ」
男ってのも大概な奴だ。女に対して威張ってはいるが、反撃されると何もできない小物ばかり。腕っぷしだけで、ストレスに対しては、てんで弱い。
上条は項垂れる。あたしが持っている槍を見て、逆らってはいけないと判断したのだろう。利口な奴だ。あたしとしては、ストレス発散のために一回くらい切り刻みたかったがね。
「それでいい……それなら、あたしはあんたを傷つけることはない。約束する。『ゆびきりげんまん』でもしてやろーかい?ほれ、ゆーびきーり────」
そんな軽口を叩いていると、リィィンと、鈴の音が聞こえた。これはあたしが張った罠だ。この細道に来るための道は数えるほど。病院側から辿ってくる道は、当然ながら一本のみ。
その道、地面スレスレに幾つか糸を張り巡らせた。つまづかせるためではない。全ての糸は、ここにある鈴の大群に繋がっていて、何か振動が有れば鈴が鳴る。その周辺の使い魔は一掃しておいた。一般人や動物がここを通るわけもない。
「不意打ちで二人は仕留めたいなァ〜〜〜〜っ」
マミたちか、それとも別の仲間か。何にせよあたしの敵には違いない。歯噛みをしてこちらを睨む上条を尻目に、あたしは関節を伸ばす。「食うかい?」とンまい棒を、手足の縛られている上条の膝元に置き、きたる戦いに笑みをこぼした。
◇
リィィンと、遠くで鈴の音が聞こえる。感じる魔力は次第に強く熱くなる。人はほとんど訪れないような裏路地。お菓子の欠片が地面にポロポロ落ちていて、アリたちがせっせこ巣へ運んでいる。
あのころと同じシャンプーの匂い。在りし日の思い出がふつふつと蘇ってくる。
ビンゴなのは私たちのほうだった。この魔力の先には、彼女がいる。
「どうしたマミ、突然足を止めて」
「ごめんなさい……どうやら相手に来ていることがバレたみたい」
足に引っ掛かる何かを感じた。糸だ。辺りと同系色の細い糸が、地面スレスレに張り巡らされていた。魔力を感じることに集中していた私はそれに気付かず、つま先でピンッと撥ねてしまった。
鈴の音はそれから一瞬時間差があってから聞こえてくる。彼女が位置を知るために仕掛けた罠だろう。それにまんまとハマった。これでこちらは状況不利を背負うこととなったわけだ。
「じゃあ俺たちの方に敵がいるっつーことか!へへっ、そりゃあ燃えるなァ。あたりクジだぜ」
「バレたって、どうしてですか?」
「ここ……糸が張ってある。細すぎて気付かなかったわ。これに触れた時、鈴の音が聞こえたの。もう敵はこちらに向かって来ているわね」
私がそう判断を下したと同時に、二体のスタンドが肩を合わせて飛び出す。私もソウルジェムを手でそっと包み込んで変身する。ここ数日、体を動かしてなかったから、鈍ってないか心配ね。
マスケット銃を数本作り出して、ファランクスのように展開する。殺すつもりはないけれど、痛い目くらいは見てもらわなくちゃあね。
「不意打ちに警戒しろ億泰。さやかは俺たちの方へ寄れッ!ここは寂れた細道、人影が見えたならそいつは敵だッ」
「二人とも私の背後を見張ってッ!私は二人の後ろよ!」
物音の全くしないこの空間で、聞こえてくるのは心音と呼吸音のみ。しかしやがて靴が地面を弾く音がそこに入ってくる。着実に近付いてきている。
魔力での探知はできない。この細道に入った時点で、魔力の痕跡はいたるところに散りばめられていて、彼女がどこにいるか、大まかな見当しかつけられない。
「どっから来る……!!」
「油断すんなよ仗助ッ。ここで構えてればよぉ〜〜〜必ず敵は姿を現すんだからな」
足音が耳を澄ます必要がなくなるほど鮮明に聞こえてくる。それが壁に反響して、どっちから聞こえてくるのかが分からない。クレシェンド的に音は大きくなっていく。いつしか心音と呼吸音は気にならなくなっていた。
途端に鳴った、火花の散る金属音。彼女の槍が地面とぶつかり合った音。彼女が槍を構えた証拠だ。しかし私の方には彼女が現れる気配はない。
「見えたぞ、赤い女だ!」
仗助さんが叫んだ。
再会───。嫉妬してしまうほど艶やかでサラサラな紅髪を雄大に揺らし、吊り上がった眼は、あの時よりもずっと憎しみ深くなって私たちを睨んでいる。
口に咥えているのはポッキー。得物は槍だが、人間が使うにはあまりにデッサンが狂ったもの。刃が分厚く広く、ボウリング玉直径ほどの大きさであり、魔法少女の膂力でなければ扱えない怪槍である。
彼女はそんなものを片手で軽々しく持ちながら、余裕たっぷりの表情でこちらへ走ってくる。その身のこなしから、以前より格段に実力が増していることは容易に想像できた。
「そいつが敵よ!ティロ・ボレーッ………って!?」
展開していた銃を一点に動かし集中射撃を行う。魔法の弾丸が鮨詰めに、風を裂いて行進していく。直撃すれば一発一発が肉体を抉り、致命傷を与えるであろう威力だが、なんてことないように槍で弾かれた。
「先手必勝!死に晒せよッこのブタ野郎どもォォ─────ッ!!」
いや、弾かれたというよりも
巨大な槍───ゾウやキリンなんかよりずっと大きい───が、彼女の背後から生えてきた。地面から身をよじり捻り出てきたソレは、彼女の前に覆い被さるように躍り出て、私の射撃を全てその刃で受けきった。
「
荒々しい言葉とは裏腹に、彼女は祈りを捧げていた。安楽な面持ちと罪を咎めるシスターのような瞳を私たちに向けていた。そうやって、かの大蛇を操っているのだ。
頭は矛先。身体は柄。彼女の槍は、柄が一定の地点ごとに折れてヌンチャクのように扱えるが、その『折れ』が関節の機能を果たして、生物的な動きを可能としている。
「む、向かって来ますよおおおおおお」
「クレイジー・ダイヤモンドッ」
そんな質量の塊が鋭利な刃を向けて降ってきたら、ひとたまりもない。煎餅になるか輪切りになるかのどちらかだ。こんな大技、彼女にも負担が大きいだろう。ソウルジェムにも大量の穢れを溜め込むことになるだろうに。
不意打ちは警戒していたが、ここまでやるとは思っていなかった。美樹さんがいるのにこんな大技。どうやら彼女の『覚悟』を甘く見ていたらしい。
私はリボンを作り出し、美樹さんの方に走らせる。彼女をここから離れさせなくては。だが、その槍は虚しく降り注いでくる。逃すのに間に合うか怪しい─────そんな中で、二人は真っ向から向かう姿勢をみせていた。
「ドオオオオオオォ─────ラララララ!!」
「と、止まった……仗助さんのスタンドですか!」
魔法少女は、スタンド使いの紛い物という真実を、つい最近知ったが。この光景を見れば一目瞭然だと思う。
仗助さんのクレイジー・Dは止めてみせた。怪獣映画に出てくるような怪物を、人型のソレで、さしも全力を出している雰囲気なしで。
「な、やるねぇアンタ」
「マミはさやかを守ってろよ。荒っぽい事は俺たちがやるッ!」
彼女の動揺を隙と捉え、億泰さんが身を乗り出す。ザ・ハンドとともに巨槍の奥をくぐり、彼女の元まで先走る。
彼女は不意打ちの失敗を悟ったか、祈るのを辞めて、よく見たことのある赤い槍を手に取る。自身を鼓舞するために、槍の柄をステッキのようにグルグルと頭上で回し、ソレを脇に添えて余裕ありげに構えた。
「それがテメーの『スタンド』かッ! 来いよアホヅラ、テメーの脳みそブチまけて鯉の餌にしてやる」
「シャァアアっ、おちょくってんじゃあねーぞ!」
「おちょくるゥ? アホにアホつって何が悪いってんだアホッ!!締まりのねェそのハナタレ顔に書いてあんのよ、『ジブンはマヌケです』ってねえ〜〜〜〜っ」
億泰さんと彼女の距離は十数メートル。ザ・ハンドの射程距離には少し遠い。それを悟っているのか、彼女は構えを崩さずじっと待ちの姿勢を見せる。
ザ・ハンドが右手を振りかぶる。その予備動作を見て、彼女は横っ飛びで軌道の直線上から逃れる。
彼女の戦闘センスの成長ぶりに嬉しくなるが、あの言動はいただけないわね。億泰さんはハナタレ顔でもアホでもない。ちょーっとだけ、抜けてるだけだ。
「スカ振りかよ、驚かせやがって」
「どーやら俺の能力は、クソアマ、知らなかったみてーだなァ」
「億泰!あんまり先に行くなよッ」
鼻で笑って見下す彼女の様子を見て、億泰さんもまたカッコいい余裕な表情を見せる。
重低音とともに億泰さんと彼女の距離が、突然五メートルほどになった。空間を削りとったことによる瞬間移動である。
「え!そんなのアリかよおお〜〜ッ」
「とり消しはよお〜〜〜〜できねーぜェ、ダボが!俺をおちょくったことはなあああ」
「億泰さん!あんまり先走らないでッ!」
彼女のあんぐり口は塞がらない。億泰さんはさらに身をより出す。すでに二人の距離はスタンドの射程距離内に入っていた。先に動けたのは、先手を打った億泰さんだった。
振り抜いた右手の隣から、左手の拳を彼女の鼻骨めがけて飛ばす。ザ・ハンドはスタープラチナやクレイジー・Dほどのパワーはないが、それでも魔法少女にダメージを与えるくらいのパワーはある。
そんな事は彼女も理解しているだろうが、拳が目の前ギリギリになろうとも余裕綽々だった。当たらないことをはじめから知っていたように。
彼女の足元に、魔力がほとばしった。
「いーやテメーはマヌケだよ。とり消しはしない」
「ぐ! ウガッ!?オワァァァァァッ!」
「ほんとは東方仗助にやるつもりだったんだけど……結果オーライっと」
彼女の足元がほのかに赤く光ったと思えば、瞬きのうちに、槍が炎を纏って地面からひり出した。穂先が彼女の顎を掠めようとした瞬間に、彼女はのけぞってソレを回避する。
明らかに全てわかっている反応。これは彼女が仕掛けたトラップである。
射出された槍は突き出された二本の腕を切断し、遠く彼方で魔力の粒子となって消え去った。スタンドのダメージは本体へとフィードバックする。ドチャリと血が跳ねる音。億泰さんは嗚咽の声をあげ、その場にうずくまる。
「き、きゃあああああああああ!!」
「おっ億泰────────ッ!!」
「来いよ東方仗助!テメーは治しにくるだろ、このアホヅラをッ」
「く、待ってろ億泰……! いま治してやっからよ……!!」
真っ先に仗助さんが駆け出した。抑えていた大槍を横に放り捨てて、億泰さんの方に走っていく。彼女も前に飛び出して、億泰さんと仗助さんの壁になるように立ちはだかる。
「こうなったらもう、やるしかないわねッ。ティロ・ボレー!」
「ドララララララ─────ァ!!」
クレイジー・Dはラッシュをしながら彼女に近付いていく。しかし、彼の目はハナっから彼女をブチのめすことより、億泰さんを治す方を優先していた。
その意図を感じ取った私は、援護するように、彼女の動きを制限する射撃をする。確実に防がれるだろうが、あえて間隔をあけて銃を撃つことで防がせるための時間をとらせる。
「でも、テメーの相手は、今はあたしじゃあねェー」
彼女が服のどこかに手を突っ込んで、モゾモゾと何かを探す。その間にも仗助さんとクレイジー・D、私の弾丸は彼女へ向かって突き進む。
彼女は片手で槍を捌いて弾丸をいなしながら、もう片手で懐をいじり倒す。仗助さんとの間は現在七メートルといったところ。そこでやっと、彼女は「見つけた!」という顔をした。
彼女が握っていたのは、グリーフシード。そしてこの期に及んで、相手が近付いてきているというのに、不意打ちの大技で使った分の穢れを浄化し始めたのである。
「邪魔だッ、どいてろッ!」
「あたしさあー思うのよ。『不意』ってのはさ、意外と簡単に作り出せんのよ。例えば、ここであたしが真っ裸になれば、『何してんだ』って当然テメーらは驚く。これも不意だろ?
それでさ、一度びっくりしたら、焦ってまた『不意』が生まれやすくなるよなァ。驚いた事柄に対応してるうちに相手はまたテメーを驚かせる策を練られる……焦るせいで判断力も鈍る。
つまり、テメーらは一度あたしに『不意打ち』を喰らった時点で、どれだけ防ごうとも、いつかは『不意打ち』喰らってたのさ」
彼女は浄化しきったグリーフシードを仗助さんの方へ投げる。ポイっと、ゴミ箱にティッシュをシュートするように。クレイジー・Dはソレを簡単に跳ね除ける。
その勢いで、壁に弾かれて、グリーフシードは仗助さんの目の前にカラコロと音を立てて転がった。しかし、何か様子がおかしい。見た目でわかるほど、ドス黒い『気』を放って、小刻みに振動している。まるで内側から雛が殻を破ろうとしている卵のように。
「何のために初っ端からトバして大技使ったのかは、消耗するためだ。グリーフシードに穢れを吸わせるため。『卵』には栄養が必要だからなああ」
「……まさかッ。仗助さん!それから離れてッ、今すぐに!」
「くっ! こいつは!!テメーの浄化でグリーフシードにエネルギーを溜めきったっつーことかよッ。う、産まれる……クレイジー・D、そいつを蹴り捨てろッ」
「もう遅いよ。グリーフシードは今……」
指パッチン。私はソレに銃口を向けて速射するも、届かない。
「目を覚ます!」
ドス黒い気の嵐。吹き荒れる穢れ。泣き叫ぶ声が聞こえてくる感覚。グリーフシードを中心にそれがドーム状に広がり、仗助さんとスタンドを包み隠す。
闇が晴れた後には、彼の姿は消えて、またひとつ新たに生まれた絶望のみがゆらゆらと佇んでいた。
彼女は彼が完全に結界へ飲み込まれたところを確認すると、自身の作戦の成功に満足げに頷いた。まさか魔女すらも作戦に組み込むとは、考えられたものだ。
私は銃口を彼女の眉間に合わせる。同時に、彼女も今度こそ構えをとって臨戦体制へ入った。
「……ウソはつかない。あたしの作戦はここまでさ。つまり、こっから先は一対一のぶつかり合い。
そうなった場合……どっちだ?あんたの最優先は?あたしか?それとも魔女を仕留める方が先か?」
仗助さんがニュービー程度に遅れをとるなんて想像つかない。しかし魔女退治に慣れていないぶん、戦線に復帰するまで時間はかかってしまうだろう。
弱気なことを考えるが、私は一度彼女に敗北している。一対一で彼女に勝つには相応の覚悟が必要だ。時間稼ぎするならできるが、それは『逃げ』の戦法。
私の最優先?そんなの決まってる。いつまでも弱い私じゃあいられない。過去を超える。それでやっと、私はチームの一員として胸を張って言えるようになる。
「無論、戦うのみ。やるなら徹底的に、二度と私たちに手を出さないようになるまで────ね。」
「今度は加減しねーぞマミ。死んだって……文句言うなよッ!」
リボンを伸ばし、美樹さんの前に結界として織り合わせる。ついてきてもらってアレだが、ここから先は能力者同士の戦い。美樹さんを巻き込むわけにはいかない。
それに、ちょっぴりグロいところも見せちゃうかもしれないしね。しょうがないものだけど、可愛い後輩にモツが出てしまうところなんて見られるわけにはいかない。
「だ、誰なんですかあいつは!たったこれだけの時間で、仗助さんと億泰さんを……」
彼女は何者なのか?美樹さんのその問いに、なんと答えようか思案する。
あの頃のことを思い出した。彼女が、私にコンビを持ちかけたとき、私は孤独じゃないという感情を覚えた。私が彼女の家へ遊びに行った日、あのときの嬉しさで溢れる感情は、私に後悔と勇気を与えてくれている。
『人の幸せを守りたい』と言ってみせた彼女は、もう私の前にはいない。本当に変わってしまったの? それが今でも信じられないでいる。
「そうね……彼女の名前は『佐倉杏子』。簡単に言えば、出来のいい後輩よ」
to be continued
4/27 加筆
11/30 微修正
杜王町回を挟みたいです。新たなスタンド使いとして接触して欲しいのは?(一番得票が高かったやつのみ出るって訳じゃないです。)
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噴上裕也
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トニオ・トラサルディー
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小林玉美
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間田敏和
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山岸由花子
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大柳賢(ジャンケン小僧)
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ミキタカ