魔槍の使い手【魔法少女リリカルなのは】   作:紅い外套

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い、1年も空けてしまった!
楽しみにして頂いた皆様すいません。
仕事が忙しすぎて執筆が全然進みませんでした。

あれも、これも自○隊っていう国家○務員が悪いんだ!

いや、本当にすみませんでした。
これからも不定期更新が続くと思いますが、これからもよろしくお願いします。


第10話:誓約と新しい出会い

 

1月の始め。本格的に冬の寒さを実感してきた今日この頃。

 

「あと1ヶ月でバレンタインデーか・・・」

 

「なんや?貰えないからって私にチョコの催促か?」

 

オレは現在ある事を調べる為、海鳴大図書館へ来ている。

ニヤニヤと笑う関西弁の少女と並んで本を読んでいた。

 

「ははは、男の為にチョコ作りなんて10年早ぇよ小娘」

 

「な、なんやとぉ!私やて1人前のれでぃーなんやで!チョコを上げる男の1人や2人くらいおるわ!」

 

そういう事を言う奴に限って、チョコを上げる男がいないのだ。

ソースは前世のオレ。姉貴がそのタイプの人間だった。

毎年作っているのに、誰にも渡せなくて、結局オレに渡してくるのだ。

その時の姉の決め台詞はいつも「べ、別にあんたの為に作ったんじゃないんだからね!」だ。

ツンデレか

 

「しかし、チョコと言ったらやっぱりタケノコの里だよなぁ」

 

「何ゆうてんねん。山か里かゆうたら山やろ!」

 

「「・・・・・・あぁん?」」

 

オレ達は読んでいた本をゆっくりと降ろし、ガタガタと音を立てながら立ち上がって、お互いにファイティングポーズを構える。

傍から見れば、親子がちょっとした喧嘩をしているようにしか見えないだろう。

しかし、それはそんな微笑ましい光景ではない。

 

「「殺んのかゴラァ!!」」

 

第一次山里戦争の勃発である。

前世でもリア友の後藤君といつまでも言い争っていたのをよく覚えている。

因みに後藤君とは第二十七次山里戦争まで争った。

あのまま生きていたら、きっと第五十次くらいまで行ったに違いない。

 

話は逸れたが、この2人。

タケ○コの里とキ○コの山、どちらが美味しいかと言うくだらない事で言い争っているのは、バッテンの髪飾りが特徴的な茶髪の関西弁少女。八神 はやてと、青髪紅眼で片方だけ耳飾りをしている170㎝の身長を持つアロハシャツの男。

 

「上等だ!この耳年増(どしま)幼女!」

 

「なんやと?!この不良アロハ!」

 

なんとも大人げないオレである。

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

気絶したオレが次に目を覚ますと、もう既に朝になっていた。

しかし昨日の夜の事を思い出そうとすると・・・うっ、頭が・・・。

なんだこれは。思い出そうとすると身体が震える!何があったんだ昨日のオレ!

「最近気絶してばっかだなぁ」と内心思い出すことを諦めたオレは布団から起き上が―――れなかった。

僅かに膨らんでいる布団をめくると、オレの腕をコアラのごとく抱え込んだなのはが現れた。

ってか、力すげぇな。腕だけでなく足まで抱き着いてやがる。取れねぇ。

仕方がないのでコアラの親子の様になのはごとリビングへと向かうと、もうなのはを除いた高町家全員が起きていた。

 

「「「「おはよう」」」」

 

「・・・おはようございます」

 

親の事もあってお互いに『おはよう』と言うのは久しぶりだ。

・・・ふむ、やはり挨拶は良い物だ。

 

「空くん、朝食の前にちょっと良いかな?」

 

「・・・どうかしましたか?」

 

え?何?このマジな感じ。

なんでみんな真顔なんだよ。怖ぇよ。

今は平気な顔をしてるかもしれないけど、内心ビクビクだよ。

・・・説教じゃないよね?

 

「はははっ、そんなに身構えなくていいよ?ちょっとした提案だからね」

 

「・・・提案?」

 

昨日の話を聞いての『提案』と言うことは、多少なりともオレに利益がある話だろう。

まぁ、内容によっては最悪の結果になったら町を出て行く事になるだろう。

そういう事を考慮すると、少しは覚悟を決めておいた方が良いかもしれんな。

理不尽とは思わない。あっちからしたらオレは密入国者だからな。立場が逆だったらオレは通報する。

 

「ウチの喫茶店でバイトしないかい?」

 

「What?」

 

・・・どゆこと?

思わず英語で返しちゃったよ。

どういう経緯があってそういう話になったんだ。

まったくもって奴さんの考えが解からない。

文字通り、わ け わ か め。

オレが困惑していると、士郎さんがそれを察したのか「ああ、すまない」と再び口を開いた。

 

「いきなりこんな事を言われても困るよね。昨日空くんを撲s「ンンッ」・・・ゴホン寝てしまった後で、家族会議をしたんだ」

 

「・・・そうなんですか」

 

今、士郎さん『撲殺』って言いかけたよね?!恭也もさりげなく咳払いしたし!え?オレ殺されかけたの?

アンタ等は昨日のオレに何をしたんだ!

家族会議よりそっちの方が気になるわ!

この側頭部の鈍痛と謎の記憶喪失に関係あるんじゃないだろな?!

と、言いたいのを我慢してスルー。

何故なら、話が進まなくなるから。

 

「家族会議の結果、『空くんをウチに住まわせよう』と言う話なった」

 

「ちょ、ちょっと待ってください」

 

「ん?なんだい?」

 

「話がすり替わってるんですが」

 

「まぁ、最後まで聞きたまえ空くん。しかし年頃の女の子が2人も居るのに一緒に住むなんて倫理的にどうなのだろうか。という意見が出たんだ」

 

年頃って・・・娘さん中学生と幼稚園児ですよ?

だが、却下された方がこっちとしても都合がいい。

これもスルーだ。いや、むしろ肯定しておいた方が良いか?

 

「その通りですよ。オレとしても恭也が居るとはいえさすがに同じ屋根の下はちょっと」

 

「うーん、しかし『どうしても』と言うなのはの希望も叶えてあげたいんだよ」

 

「娘の希望を叶えるのは良いですが、一緒に住むは性急過ぎるでしょう。残念ですが一緒に住む話は無かったことにしてください」

 

「そうかい?残念だな・・・濃い鍛錬が出来ると思ったんだが」ボソッ

 

最後の方小声のつもりでも聞こえてますからね?!

って言うかアンタそっちが本命だろ。

 

「まぁ、バイトの件はありがたく受けさせて頂きます。何をするにも先経つものが必要ですから」

 

「じゃあ、明後日からお願いしてもいいかな?シフトの調整もその日にやろうか」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

その後、なのはも起きて朝飯になった。

なのはに同居を断った話をすると剥れて不機嫌になったが、バイトの話をすると機嫌は直った。何故に?

士郎さんと恭也の朝練に付き合った後、昨日の激しい頭痛について調べる為に家へと帰らせてもらった。

そして帰っている途中で気付いた。

 

「あれってもしかして誓約(ゲッシュ)じゃね?」

 

誓約(ゲッシュ) それはケルト神話やアルスター伝説において、各人に課せられる「〇〇の場合は、けっして〇〇はしてならない」のような義務や誓いのことである。その誓約は1つに限らず、複数が課せられる事もある。

ゲッシュを厳守すれば神の祝福が得られるが、一度破れば禍が降りかかると考えられた。

また、誓約(ゲッシュ)が厳しいものであればあるほど受ける恩恵も強いと言われる。古来、英雄の破滅はその様なゲッシュに反する事で、多くは事故の形で訪れる。

例を挙げるとすれば、()のクーフーリン。彼は<クーリーの牛争い>と呼ばれる戦いの際、コノート国の女王メイヴの罠に掛かってしまい、誓約(ゲッシュ)を破ってしまった。

破ってしまった罪として半身が痺れたところを敵に奪われた刺し穿つ死翔の槍《ゲイ・ボルグ》に刺し貫かれて命を落としてしまう。

その際、こぼれ落ちた内臓を水で洗って腹におさめ、石柱に己の体を縛りつけ、最後まで倒れることがなかった。という逸話を持っている。

そのクーフーリンの誓約(ゲッシュ)の中に<食事の誘いを断らない>というのがあった気がする。

オレは意に添わない形ではあるとはいえ、クーフーリンの容姿と能力(スキル)を持っている。

ステータスや肉体については下級サーヴァントクラスだが、それでも強いと言える。

きっと修行を怠らずに成長すればクーフーリンに近い肉体やステータスにもなれるのではないだろうか。

・・・考えれば考える程そんな気がしてきた。

家に帰って来たばっかりだけどちょっと図書館行って来よう。

自分の弱点は知っておいて損は無い。

ケルト神話やアルスターに関する本があればいいんだが。

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

デカッ、風芽丘図書館デカッ!

様々本があるが、全てジャンル別に分れてる。

 

「これは期待できるな」

 

オレは受付のお姉さんに一言断って、プレートに『神話』と書かれた本棚に向かう。

 

「・・・多いな」

 

なんでケルト神話の本だけで本棚2列分あるんだよ。

アルスターを含めると、本棚3列分だ。

なんで有名なギリシャ神話や北欧神話よりケルト神話の方が多いんだ。

どんだけここの人はケルトが好きなんだ。

クーフーリンの部分だけ抜粋してもかなり時間がかかるぞ。

オレは内心溜め息をつきながら、列の一番端の本を手に取って手ごろな席を探して歩き回る。

日当たりのいい場所を見つけ、椅子に腰かけ本を開く。

 

「・・・んあ?」

 

3時間ほど経っただろうか。

ようやく一冊目を読み終わった所で、顔を上げると視界の隅に妙なものが映った。

車椅子に乗った・・・

 

「子狸?」

 

「誰が子狸や!」

 

「痛っぇ!」

 

目の前で起こっている事に呆然としていると子狸が車椅子ごとかなりの勢いで突っ込んできた。

しかも、車椅子の足を乗せる部分が弁慶の泣き所に直撃した。

やべぇ、地味に痛い。涙ちょちょ切れてきた。

なんだよコイツ訳わからん。

 

「アンタが失礼なことをゆうからやろ!」

 

「え?マジ?声に出てた?」

 

コクコク青筋を浮かべながらと頷く子狸。

テヘペロをするオレ。

痛っ、今度はハードカバーの本で殴ってきた。

こらっ、本を粗末に扱ったちゃいけません!

 

「まぁ、ええわ。(あん)ちゃんに頼みたい事あんねん」

 

「え?やだ」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

あっ、本の角は!角はダメ!ヤメテ!わかったから!

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「これか?」

 

「そうや」

 

連れて来られたのは『ミステリー』と書かれたプレートの本棚。

そう指先で指す先には厚めのハードカバー。

確かに車椅子では取れない位置にある。

これならオレを読んだ理由にも納得だ。

しかし

 

「嬢ちゃんミステリーなんてわかんのか?」

 

「かあちゃんに読んで貰うんよ。ええから、速よ取ってぇな」

 

大変だなお母さん。こんな厚い本読まされるなんて。

初めて聞いたわ、読み聞かせで読んでもらう本にハードカバーのミステリーって。

せいぜい絵本か童話だろ。

 

「ったく、しゃあねぇな」

 

オレは指された本を手に取り。

キラキラと目を輝かせている子狸を尻目に――――

 

 

 

本を元あった棚の一段上に入れた。

 

 

 

「・・・・」

 

「オーケー悪かった。悪かったからその振りかぶったハードカバーを下すんだ」

 

「次やったらどうなるか・・・わかる?」

 

「アンダスタン」

 

「わかればいいんよ」

 

やだ、最近の若い子怖い!

 

 

 

その後八神はやて嬢としばらく漫才を繰り広げたあと、はやて嬢の母を名乗る人物が迎えに来て、はやて嬢は帰って行った。

はやて母が帰り際に、はやての手荷物を見た瞬間に頬を引き攣らせたのを見たオレは暫らくはその顔を忘れる事は出来ないだろう。

頑張れ!お母さん!

 




風林寺 空のメモ帳より抜粋

以下の記述は簡易的に封印処理されています。

<犬■■■食■■■>
<■人■■■■■逆■■■■>
<■■■フェ■■■■■戦■■■負■■>
<■分■■身分■■■■■■■食■■■■■断■■■>
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