魔槍の使い手【魔法少女リリカルなのは】   作:紅い外套

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第4話:家族って凄く大事だと思うんだよね[前編]

 

アリサちゃんの誘拐未遂事件から1週間。

オレは現在一人の少女に懐かれていた。

いや、今思うと初めて出会ってから一時間くらいでで懐かれていたのかもしれない。

ちょっとした気まぐれで人に助言なんてするんじゃなかった・・・。

どうしようか。

助けたあの子のお父さん、見た感じかなり強い上に親馬鹿なんだよな。

どこの馬の骨かわからないオレなんかがあの子と遊んでたら、たぶん殺られるんだよな

つい最近まで重症だった人間とは思えん。

ホントどうしよう・・・。

 

「ソーくーーーん!あーそーぼーーーー!!」

 

おや?お姫さまのお呼びだ。

・・・早いな、まだ朝の6時だぞ。

ホントなんでこうなったんだっけか・・・。

 

 

**********************

 

 

アリサちゃんの誘拐未遂事件があった時の帰り。

俺は盛大に後悔していた。

 

「やべぇ、やっちまった・・・」

 

思わず本名で名乗ってしまった。

俺は、追われる人間だから俺の名前知ってい人がいたらその人も消そうとするかもしれない・・・。

幸いだったのが名乗ったのがマクレミッツで無いことだ。

アリサちゃんが俺の事を大々的に探さないかぎり大丈夫だとは思うが・・・。

今度会ったら、一応釘を刺しておくか。

だが戸籍が無いとはいえ、名前を名乗れないのも不便だな。

・・・偽名でも考えるか。

クー・フーリンを文字って風林寺(ふうりんじ) (そら)とかどうだろうか。

くー・ふー・りん→そら・かぜ・はやし→空・風・林→風林寺 空みたいな感じで。

正直『寺』は無理やりすぎる気がするが、風林(かぜばやし) (そら)だと語呂悪い気がするんだよな。

・・・すごい適当だな(汗)

まあ、これでいいか・・・・・ん?

 

「あれは・・・」

 

俺はいつも帰る時は大きな公園の中を通って帰る。

いや、通るっていうか<公園の裏にある山の方に帰る>の方が正しいかもしれないが。

公園では大小の子供たちが遊んでたり、大人たちが井戸端会議をしていたりしている。

だが隅っこのベンチに浮かない顔の少女を発見。

少女がただベンチに座っているのはいい。

だがあの顔はダメだ。あの顔をしている奴は、だいたい1年しないで心が壊れる。

これはあの家で学んだ事だ、俺が6歳の時母親があんな顔をしていた。

ましてや子供だ、もしかしたら一週間持たないかもしれない。

そう思った瞬間≪助けたい≫と思ってしまった。

これはアリサちゃんの時の様な怒りの感情ではなく、悲しみの感情・・・歳場のいかない女の子の心を壊したくないという思いだ。

 

「隣、いいか?」

 

気付くと俺は少女に歩みよって、そんな事を口走っていた。

 

 

俺 side out

 

 

 

なのは side in

 

 

わたし、高町なのはは良い子にしていないといけないの。

何故ならお姉ちゃんが「なのはが良い子にしていたらお父さん帰ってくるよ」と言ったからなの。

お父さんは大怪我をして、今は病院で寝ている。

お父さん早く帰ってこないかな・・・。

お父さんが入院してから、お母さんとお姉ちゃんはお店が忙しそうだし、お兄ちゃんはなんだがピリピリしながらいつも道場で木刀を振っている。

わたしはいつも、一人でお留守番。

もしかしてなのはは、いらない子なのかな・・・。

お手伝いをしようとすると「なのはは何もしなくていいのよ?」とお母さんが言ってきた。

誰もなのはに構ってくれない。

その寂しさを紛らわせる為に公園に来てみたけど、まったく治まらないの。

 

 

   「さみしいなぁ」

 

 

わたしは、誰にも聞こえないように呟く。

 

 

   「隣、いいか?」

 

 

声を掛けられた。

びっくりしたの。

聞かれたかと思ったの。

顔を上げてみると鮮やかな青い髪で、綺麗な紅い瞳をしたお兄さんが微笑みながらわたしを見ていた。

 

 

なのは side out

 

 

 

俺 side in

 

 

少女がすこしだけスペースを空けてくれた。

俺はそれを肯定と受け取り少女の隣に座る。

他の子供たちは、もうみんな親に連れられて帰っている。

 

「嬢ちゃんは帰らないのか?」

 

話しかける。

理由がなんとなく分かってるのに、こんな事を聞く俺は相当良い性格をしている。

だけど、

 

「おにいさんには、かんけいないの」

 

「家でなんかあったのか?」

 

踏み込む。

これは俺の我儘だ。

だがこんな幼い子供が、あの母親のような目に合う必要はない。

そんな俺が唯一出来る事は、話を聞いてこの子の心を少しでも軽くしてあげる事だ。

 

「・・・・」

 

沈黙。

 

まあ、そうだよな。

知らない人がいきなり話しかけてきて、人の事情に首を突っ込んで来たのだ。

警戒しない方がおかしい。

むしろ逃げないのが奇跡だ。

さて、どうやって聞き出そうか・・・。

そう考えを、巡らせながら俺は一度席を立つ。

 

 

俺 side out

 

 

 

なのは side

 

 

謎のお兄さんは、すぐに立ち去って行った。

でもなぜお兄さんは、わたしが悩んでいる事に気づいていたのだろう?

もしかして噂に聞くロリコンという奴なのだろうか。

だったらあのお兄さんは危ない人なのかもしれないn

 

「にょっ?!」

 

色々な事を考えていると、首筋にヒヤッと言う感覚がわたしを襲う。

おそらく冷えた飲み物を首筋に当てられたのだろう。

変な声が出てしまった。

恥ずかしい。

わたしは熱くなった顔を伏せながら、飲み物を当ててきた人を睨む。

そこにはさっき立ち去ったと思っていたお兄さんがニヤニヤしながらベンチに座っていた。

 

 

なのは side out 

 

 

 

俺 side in

 

 

少女の首筋に冷えたジュースを当てた。

すると、予想以上に良い反応をしてくれたので思わず頬が緩む。

顔を真っ赤にして頬を「む~~~」と膨らませながらこっちを睨んでいる。

うん、可愛い。

因みに俺ロリコンでは無い。断じて

だが、一瞬この少女にしようとしていた事を忘れるくらい可愛かった。

本末転倒?上等だ!

 

カットカット。

 

すまない、邪念が入った。

仕切り直しだ。

頭の中が途端にクリアになる。

・・・は?

え、なにこれ。

急にゴチャゴチャだった頭の中が冷静になった!

いやいや、俺そんなに器用じゃないんだけど。

急に頭を切り替えるなんて・・・。

あ、もしかしてこれ≪仕切り直し≫のスキルか?!

あれって唯の≪逃げ足≫スキルじゃあ無かったのか!

ストップストップ。

落ち着け俺!今はそんな場合じゃないだろ!

それの調査は後だ。今は・・・。

見ると少女はそっぽを向いている。

とりあえず。

 

「飲むか?」

 

オレンジジュースを差し出す。

 

「・・・・・」

 

こちらをチラッと一瞥するとジュース缶を引っ手繰った(ひったくった)

 

こ・の・や・ろ・う。

 

いや、さっきのは俺が悪いからいいんだけどさ・・・ん?

 

「・・・・・」カンッカンッ

 

しかし引っ手繰ったはいいが握力が足りなくてプルタブを空けられないようだ。

・・・なんか和む。

 

「グズッ・・・う~!」

 

涙目になった所で、オレはプルタブを空けてやる。

 

「ほらよ」

 

「はぁ~・・・ッ!」プイッ

 

少女の顔が輝くがすぐにぶすっとした顔に戻った

そのまま飲まれるのも癪なのでちょっと悪戯をする。

 

「ありがとうは?」

 

「・・・・・」

 

また沈黙。

 

「さっき会った子はお礼言えたんだけどな~」

 

棒読みでそう言ってやる。

すると・・・

 

「・・・・・・・・がと」

 

声ちっさ!!

ほとんど聞こえなかったので、

 

「え?なに?」

 

聞き返す。

 

「~~~~~ッ!ありがとうなの!!」

 

「おう、どういたしまして」

 

そう返して少し乱暴に頭を撫でる。

 

「にゃぁぁぁぁぁ!あたまぐちゃぐちゃになるの!」

 

うむ。

 

「やっとマシな顔になったな」

 

「・・・え?」

 

幼女が不思議そうな顔でこちらを見る。

 

「ん?気づいて無かったのか?さっきの嬢ちゃんこの世の終りみたいな顔してたんだぜ?」

 

 

俺 side out

 

 

 

なのは side in

 

 

「やっとマシな顔になったな」

 

「・・・え?」

 

なんのこと?

 

「ん?気づいて無かったのか?さっきの嬢ちゃんこの世の終わりみたいな顔してたんだぜ?」

 

え?・・・ああ、だからか。

 

「このよの・・・おわり・・・」

 

「このままじゃあ、嬢ちゃんがどっかに消えちまいそうで心配になった」

 

だから・・・。

 

「だから、なのはにこえをかけたんだね」

 

「ああ、こんな知らない兄ちゃんに事情を話すのは嫌かもしれないけど・・・少しだけでいいんだ」

 

お兄さんがわたしの顔を見る。

その顔はさっきのニヤニヤした顔とは打って変わって、

 

「話してくんねぇか?きっと今よりは気持ちが楽になると思うぜ?」

 

すごく真面目で格好いい顔をしていた。

さっきまでの危ない人扱いが、嘘のように無くなった。

だってこの顔をみればわかってしまう。

 

わたしを、本気で助けようとしてくれるのが。

 

涙がっ・・でて・・きたっ・・・。

 

「・・・・グズッ」

 

「ご、ごめんなっ。無理して話さなくてもいいんだぞ?」

 

お兄さんがなにか焦っている。

わたしは首を振る。

 

「ううん、だいじょうぶ。ありがとうおにいさん」

 

「そ、そうか?」

 

わたしが笑顔で、そう返すと。

お兄さんがホッとした顔をした。

 

「おとうさんがおおケガをしたんだ・・・・」

 

わたしは話した。

 

お父さんのこと、

 

お母さんのこと、

 

お兄ちゃんのこと、

 

お姉ちゃんのこと。

 

全部話し終わると一時間くらい経ってた。

お兄さん、最初はちゃんと返事もしてくれたのに最期の方は相槌もしてくれなかった。

どうしたんだろう?

 

「っ!!」

 

わたしはお兄さんを見て、びっくりした。

 

 

 

 

お兄さんは・・・泣いていた。

 

 

 

 

なのは side out

 

 

 

俺 side in

 

 

結論。

 

この子ええ子や!

 

「お、おにいさん?」

 

「ん?、どうした?」

 

幼女が動揺した声で話かけてきた。

 

「いやどうしたって、なみだが・・・」

 

「え?」

 

涙?・・・ホントだ。

知らんうちに、俺は泣いていた。

だって子供が考える事じゃないぜ?

親の迷惑になりたくないから甘えるの我慢するとか・・・。

この子、本当に子供か?

俺みたいに転生者で精神年齢20歳以上とかのほうがまだ納得出来るんだけど。

 

「おにいさん・・・」

 

幼女がこちらを心配している目で見ている。

いかんいかん、しゃんとしろ俺!逆に不安にさせてどうすんだ!

 

「悪い悪い、ありがとうな話してくれて」

 

「あっ」

 

俺は少女を優しく抱きしめる。

 

「つらかったろう?寂しかったろう?もう、我慢しなくていいぜ?」

 

「お、おにい・・さん・・・ぅう・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!さみしかったよぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

「よしよし」

 

俺は少女を優しく撫でる。あやすように、安心するように。

 

 

「うわああああああああああああああああああああああああん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく泣いたあと少女は落ち着いた。

 

「ぐずっ、ご、ごめんなさい」

 

「ははは、別にいいよ。我慢するなって言ったのは俺だしな」

 

シャツが涙と鼻水でぐしゃぐしゃになってしまったが、まあいいだろう。

 

「でも・・・」

 

「そんな事より時間大丈夫なのか?」

 

もうだいぶ日が傾いているが・・・。

 

「え?・・・うにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!おかあさんにしかられる!」

 

「今日はもう帰ろう。送っていくから」

 

そう言って俺は歩き出す。

少女がトテトテと俺の後を追って来るが、名残惜しそうな顔をしている。

 

「・・・またあえる?」

 

「おう。寂しくなったら、朝ここに来て俺の事を大声で呼ぶといい」

 

「ほんと?あそんでくれる?」

 

「俺は暇人だからな。すぐ来てやるよ」

 

「やた!」

 

うん、やはりこの子は笑顔が似合う。

どうかこのまま健やかに育ってほしいものだ。

 

「そうだ!おにいさんおなまえは?わたしは、なのは!たかまち なのは、5さいなの!」

 

手をパーにしながら自己紹介をしてくれる。うん、可愛い!(確信)

 

「俺の名前は空。風林寺 空だ。よろしくな、なのはちゃん」

 

正直あそこまで話してくれた相手に偽名を使うのは気が引けるが、こればっかりは仕方がない。

 

「そらさん?」

 

「さん付けじゃなくていいぞ?」

 

「でもとしうえだし・・・」

 

「俺はそういう固いのは、好きじゃあないんだ。なのはちゃんの好きに呼ぶといい」

 

「じゃあ、そらくんだからそーくんで!それと、わたしはなのはでいいよ?」

 

「わかったよなのは」

 

「あと///・・その///・・・」

 

少女・・いやなのはちゃんが行き成りモジモジしだした。

 

「・・・わ、わたしと、ともだちになってくれる///?」

 

恥ずかしいんだろうな顔が赤い。

 

「少なくとも俺はもう友達のつもりだったんだが・・・」

 

「にゃ!そうなの?!」

 

「・・・そうか。なのはは俺の事、友達だと思って無かったのか・・・ちょっと悲しいぜ」

 

「そ、そんなことないの!なのはもだいぶまえからともだちだとおもってたの!」

 

「いや、初対面の人にそこまで心許すのはどうかと思う」

 

「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

訳がわからないと言った感じでなのはが絶叫した。

いやぁ、5歳でここまでイジり甲斐があるとは将来有望だな!

 

「ははは、冗談だよ」

 

「むぅー、そーくんのいじわる!」

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんな話をしてる内になのはの家に着いた。

()は《・》まだ誰も帰って来ていないようだ。

たぶんなのはが言っていた通りお店とやらが忙しいのだろう。

 

「なのは最後にいいか?」

 

「なぁに?そーくん」

 

「今日俺に話した話、お母さん達に話すんだ」

 

「え、でも・・・」

 

不安なんだろうな。

言ったら迷惑になるんじゃないかと。

受け入れて貰えないんじゃないかと。

ホントこの子ええ子や。

お兄さんまた泣けてきたよ。

 

「いいんだよ、子供は甘えるのが仕事なんだから。思いっきり甘えてこい」

 

安心させるように笑いながら言ってやる。

 

「・・・うん!わかったの!」

 

なのはは少し考える仕草をしてから元気に返事してくれた。

 

「よし!いい返事だ!じゃあな、なのはまた会おうぜ」

 

「ばいばい、そーくん!」

 

そう挨拶してなのはは家に入って行った。

 

「ま、そういうこった。今日は話を聞いてやってくれ」

 

「・・・気づいていたのか」

 

近くの木から男性が下りてきた。

高校生くらいかな?

 

「いや気づくだろ普通。それに殺気がぜんぜん隠せてないぞ?」

 

「なっ!」

 

「んじゃな」

 

「おい待て!」

 

ははは、待てと言われて待つ馬鹿はいねぇよ!

さて、今日は色々あったから疲れた。

さっさっと飯食って寝よう。

 

 

「おおっと、その前にやることやらないとな」

 

 

そう言いながら俺はその足で海鳴大学病院へ向かう。

 

 




NEW! ステータスが更新されました

【仕切り直し】:C
 不利になった戦闘から離脱する能力。
 ようは逃げ足が速い
 速攻で相手を撒く
 思考の初期化
 冷静になる
 一日一回きり

と、言うわけでオリ設定です
皆さんもわかっているとは思いますが、ネタです
今後使うかもわかりません
これからもよろしくお願いします

10月31日:感想に地文は漢字を入れた方が読みやすいというご指摘を頂きましたので差し替えました
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