感想に地文は漢字を入れた方が読みやすいというご指摘を頂きましたので第2話のアリサsideと第3話のなのはsideの地の文をを差し替えました。
気になった方は読み直して下さるとありがたいです。
前後編にしようと思ったら上手くまとまらなかった(涙)
(注)今回高町士郎さんが若干キャラ崩壊?します。気を付けてください。
現在時刻9時00分
「ここか?」
オレは今深夜の海鳴大学病院に忍び込み、ある病室の前にいる。
そこには、
『702号室 高町 士郎』
と、書かれている。
うん。なのはに聞いていた名前だ。
なぜオレがここに居るかと言うと、帰り際なのはにお父さんの名前を聞き今まで手当り次第に病院内を探していたからだ。
理由は、なのはのお父さんの容体を見るため。
ようやく見つけたオレは、朝になる前に見つけられた事による安堵のため息を吐きながら病室に侵入する。
4人1部屋のようだが、中には1人しか居なかった。
高町士郎さんはカーテンに仕切られた病室の1番奥で寝ていた。
「なっ!」
カーテンを音が出ないよう静かに開けた途端、オレは声を出して驚いてしまった。
毛布越しでも解る、怪我をしてからそれなりに月日が経っているのだろう。
外傷はほぼ塞がっているが中身がボロボロだ。
しかしオレは、この状態で生きている事に驚愕していた。
「すげぇ、なんつー生命力だ・・・」
オレから見れば、根性で命を繋いでいるようにしか見えない。それほどの重症だ
それはそうだろう、まだ歳場も行かない娘も居るし、開店したばかりの喫茶店がある。
それも妻と長女が切り盛りしているのだ。まだ死ねないだろう。
だがこのままだと目覚めるのに1~2年、リハビリに半年は掛かる。
なのはの問題が解決したとしても、過労などで家族が崩壊するのには十分な時間だ。
そうなるとオレの行動が限られてくる。
それは、なのはを助けることの延長線上。
オレの全力を持って高町士朗を治療することだ。
「明日は寝たきりかなぁ」
魔力枯渇で。
あ、でも明日なのはが来る可能性もあるんだよな・・・気合いだな、うん。
さて、始めようか。
「―――
オレは右腕の魔術刻印を起動させる。
魔術師は魔術刻印の起動スイッチを入れるのには、イメージが必要だ。
オレはAT拳銃に弾倉を装填するイメージ。
某正義の味方は銃の撃鉄を上げるイメージで、某あかいあくまが心臓にナイフを刺すイメージらしいからイメージ的には某正義の味方のそれに近い。
起動時にピリッと右腕が痛むがそれはもう慣れた。
魔術師として生きる上で必須条件だからな、これは。
「まずは・・
オレは手始めに情報のルーンで身体を解析する
しかしこのあらゆる方向からナイフで刺したような切り傷と打ち身はなんだ?
身体を見れば解るが、この人は武術をやっている人だ。しかも
そんな人が、めった刺しのボコボコにされている姿が想像できない。
と、言うことは・・・爆弾か?
相手を見余って被爆・・・は無さそうだな。爆発する前に避けれるだろうし。
誰かを庇って自分から被爆。ありそうだな
この人普段どんな生活してんだよ。
昼間は喫茶店で、夜は裏稼業?
そら怪我するわ。
えーと、四工程でいけるか?
俺は丁寧に一つずつルーンを刻んでいく。
「・・・
最後のルーンを呟き、詠唱を終了すると同時に高町士朗の体が淡い水色に光り出す。
生命力を上げ、細胞の成長を促進させ、違和感が残らないように結合し、最期に相乗のルーンで術を最適化する。
因みに相乗とは、ある要素が他の要素と合わさる事によって単体で得られる以上の結果を上げることを言う。
つまりこの相乗のルーンを詠唱の最後に置くと魔術の効果が上がるのだ!
例えるならホイミがベホマになったようなものだ。まあ、その分ちゃんと魔力は持って行かれるんだがな。
ついでに、ルーン魔術について少しだけ解説しよう。
ルーン魔術は知っての通り、対象にルーンを刻む事で発動する。
しかし、ただ魔力を込めて刻むだけでは意味を成さない。
きちんとルーンの意味を理解し、術のイメージが出来なければ発動しない。
結構、ルーン魔術は奥が深い。
中でも面白いのが、ルーンが一つにつき複数の意味を持つことだ。
先ほども使った
今回はルーン魔術を≪
これを≪
≪
その他にも≪
この様に捉える意味を変えるだけで、何通りもの魔術を使う事が出来るのだ!
ルーン魔術万能説ここに在りけり!
・・・何言ってんだオレ。
精神年齢28歳のおっさんが言うセリフじゃないぜorz
おっと、あと少しか。
うむ、このペースだと少しだけど魔力残るな。いいことだ
・・・やっとオワタ。さて
「なのはとの約束があるし、さっさと帰るか」
「・・ま・・・て」
「はい?!」
治した感じでは、あと一週間ほどで目を覚ますはずなんだが・・・。
・・・ますますもってすごいな。この人ホントに人間か?
オレ side out
士郎 side in
おかしい
僕は月村家を狙う敵に爆弾を使用されボディガード対象を庇って意識を失い、さっきまで真っ暗な空間でプカプカと浮いていたはずだ。
それなのに今はどうだ?
いきなり青い光に包まれたと思いきや、意識が回復していた。
長く眠っていた影響だろうか、人が居るのは分かるが目がぼやけている。声も出ない
僕が四苦八苦していると、青い光が収まっていく。
するとさっきから動かなかった人が動き出した。
「・のは・・約そ・・・・、・・・・帰る・」
これも寝続けていた影響だろう。耳もうまく聞こえない。
しかし僕は、僅かな音情報と少しだけできる読唇術で唇を読む。
えっと・・・。
『なのはとの約束があるし、さっさと帰るか』
ふむふむ、なるほど。なのはの友達なのかな?男だけど。
それに約束、約束ね。
・・・約束?!
あのなのはに男友達が、居ただけでも驚きなのにこんなどこの馬の骨とも知れない男と約束?!
あぁダメだ!我慢ならん!コイツに約束の詳細を聞かなければ気がすまん!!
もしかしたらなのはに対していやらしい約束をしているかもしれん!
うおぉぉぉぉぉぉ!娘を嫁にはやらんぞぉぉぉぉぉぉ!!(錯乱)
「・・ま・・・て」
「はい?!」
少しだけ声が出た!
何故か相手が驚いているが知らん!
気合いだぁぁぁぁぁ!
気合いで声を出せぇぇぇぇぇぇぇぇ!
「なの・・はに、何をする・・・気だ?」
「え?いや、ちょっと(からかって)遊ぶだけだけど?」
ちょっと(身体で)遊ぶ?!貴様ぁぁぁ!
なのはの清い身体に何をする気だぁぁぁぁぁぁ!
こうしてはいられない!
早くなのはを守らなければ、なのはが汚されてしまう!
待っていろぉぉぉぉぉ!なのはぁぁぁぁぁぁぁ!
「まあ、そんな事どうでもいいけどさ」
どうでもいい?!
なのはに魅力が無いとでも言うつもりか!
たしかに今は子供だから魅力は少ないかもしれないが、十分可愛いだろうがぁぁぁ!!
どこに文句があると言うんだ――――
「退院したら、なのはの事構ってやってくれ」
貴様ぁぁぁぁ・・・あ?
なのはを?
「どう・・いう・・・」
「あぁ、あんたはずっとここに居たんだからわからんよな。・・・まぁいいや、明日なのはに聞けや」
いや、よくない!
絶対途中で面倒臭くなって、説明端折っただろ!!
「んじゃな!あ、ナースコールはサービスしとくぜ!」ポチッ
待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
「あばよ~~!とっつぁ~~~ん!」
と、謎の男はルパン風に窓から去って行った。
士郎 side out
オレ side in
痛ぇ、足の強化だけで7階から降りるのはさすがに拙かったか?
まあ、無傷なんだがな。クーフーリンクオリティすげぇ。
あの人起きてからすごい形相でこっちを睨んで来たから、速攻で逃げて来てしまった。
オレ何かしてしまっただろうか?
あの人が起きてしまったのは、完全に予想外だ。
しかしこれで明日はなのはが来ない事が確定したな。
寝たきりだったお父さんが目を覚ましたんだから、しばらくは傍を離れまい。
あ~、寝れる!寝れるぞ!
最後の足の強化で魔力がスッカラカンな上に、色々ありすぎてホント疲れた。
飯いらんなこれ。
おやすみ~
オレ side out
少し前の高町家
恭也 side in
怪しい男との邂逅を終えた俺が家に帰って来ると、なのはに「お兄ちゃんたちに話があるの」と言われた。
母さんと美由希が店から帰って来たら、なのはの悩みを打ち明けられた。
まさか自分たちの事とは思わなかったが、ここまで思い詰めていたとは・・・。
なんと不甲斐ない兄なんだ俺は!
「なのはぁぁぁぁぁぁ!ごめんねぇぇぇぇぇぇぇ!」
「ごめんなさい、なのは。私はなのはのお母さんなのに、あなたに寂しい思いをさせてしまったわ。母親失格ね」
「そんなことないの、お母さんはお母さんだけだからそんな顔しないで?」
美由希と母さんはなのはと抱き合いながら謝罪している。
・・・あれに加わるのは精神的に無理だな。あとでなのはに謝ろう。
父さん早く起きてくれ、報告しなきゃいけないことが増えたんだ。
プルルルル、プルルルル
みんなで散々泣いて謝った後、電話が鳴った。
「あら、誰かしらこんな時間に・・・はい、もしもし高町ですが」
「だれだろうね?」
「わからんな」
「お父さんの浮気相手だったりして!」
「「・・・・・」」
美由希、それはシャレにならない。
それがばれた瞬間、母さんの後ろに般若が誕生するんだぞ。
見ろ。なのはもジト目でお前を見てるぞ。
「えぇ?!・・・はい・・・はい・・・わかりました。明日伺います。はい、失礼致します」
「「?」」
伺う?って事はまさか!
「母さん!父さんに何かあったのか!」
「「えぇぇ!!」」
俺の発言に二人が驚いている。
しかしそんなのに反応している場合では無い。
俺は母さんに詰め寄ると、母さんが崩れ落ちて泣いた。
「?!どうした母さん!」
「うぅ・・・し、士郎さんが目を覚ましたって」
「お父さんが?!」
「ほんとなの?!おかあさん!」
「えぇ、みんなに会いたがってるって」
そう言って母さんは笑った。
その後みんなで話し合って、明日は喫茶翠屋を臨時休業にしてみんなで会いに行くことになった。
なんてタイミングだ、さすがだな父さんは。
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