魔槍の使い手【魔法少女リリカルなのは】   作:紅い外套

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明けましておめでとうございます。
こんばんわ、赤い外套です。
またまた更新が遅れてすみません。
最近は、新作のFate/hollow ataraxiaを買って兄貴を学んでました。

では、第9話をどうぞ!




第9話:とある忌み子の番外原作

 

・・・ふむ、知らない天井だ。

なんて言ってみたはいいが、ぶっちゃけ見たことあるな。

板張りの天井に、(ほの)かな木の香り。

そして鳩尾の鈍痛(どんつう)。なんじゃこりゃ、ぶっちゃけ恭也にやられた背中より痛いんだが。辺りを見渡すと、倒れているオレの回りには桃子さん以外の高町家が揃っていた。しかもなのはは涙目。何故に?

 

「ソーくん!」

 

「目が覚めたかい?」

 

「・・・えーと、何がどうなったんですかね?」

 

「そ、それが・・・」

 

美由希ちゃんが若干ビクビクしながら事の顛末を話してくれた。オレなんか怖がらせる事したかね?

曰く、

 

ご飯が出来た→桃子さん「みんなを呼んできてくれる?」→なのは「わかったの!」→なのは道場にてみんなを発見→何故かオレ以外のみんなが号泣→なのは訳が分からずオロオロ→いきなりオレが棍を構え再戦要求→なのは驚愕→オレを止めるためにダッシュ!→しかし、なのはの保有スキル≪運動音痴≫を発動!→何も無い所で足が躓いた→なのはのロケットずつき!→こうかはばつぐんだ!→ソラの、めのまえは、まっくらになった。

 

と、言うことらしい。なのはぇ

 

「オレも悪かったとは思うが、他に止め方が在ったんじゃないですかねぇ?なのはさん?」

 

「ご、ごめんなsにょいんにょいんにょいん」

 

無性に腹が立ったのでとりあえず両頬を摘まんで上下に回してやった。

そしてやって後悔した。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「にょいんにょいんにょいんにょいんにょいんにょいんにょいん」

 

なんだ!この魅惑的な生物は!このプ二プ二の頬といい、上下するごとに出る効果音といい。なんかすっげぇほっこりする!見ろ!士郎さん達も、ほっこり和んでるぞ!・・・今なら何言ってもいける気がする!

 

「士郎さん」

 

「ん~?なんだい?」

 

「なのはをテイクアウトで!」

 

「許さないよ?」

 

即答。

士郎さんの後ろに、阿修羅が現れた。クッ、なんつー殺気だ!オレが普通の人間だったら、即気を失っているぜ。でも!オレはここで引くわけにはいかない!

 

「ちっ、こうなったら!」

 

「HAHAHA、僕と殺り合おうってのかい?」

 

俺達は互いに拳を構える。

 

「いざ!」

 

「尋常に!」

 

「「勝b「させませんよ?」・・・・・」」

 

・・・あはは~?お、おかしいなぁ。

ふ、震えが止まらないなぁ。何故だか、背中がビッショリだなぁ。

しかも、つい数時間前に味わった悪寒だなぁ。ガクガクブルブル

目の前の士郎さんを伺って見ると、オレと同じく冷汗を流していた。

そ、そういえばなのはは『ご飯が出来たから呼びに来た』と言っていた。

そして、なのはが此方に来てから大分時間が経っている。

つまり、そういうことなのだろう。

し、しかし怒られるのは皆も同じ――――

 

「まったく、子供達はとっくに来ているのに貴方達は何をしているのですか。」

 

何?!

オレは、さっきまで恭也達が居た場所を見る。

 

「い、いない・・・だと・・・」

 

オレは愕然した。

ち、ちくしょう!裏切られた!せめて一言くらい、声をかけてくれたっていいじゃないか!そ、そうだ!オレの最後の希望、士郎さんが居るじゃないか!いくら立場的に弱くても、口添えぐらいはしてくれるはず!オレは僅かな希望に(すが)る為、振り返りながら叫ぶ。

 

「士郎さん!」

 

「・・・・・・」

 

が、遅かったようだ。既に士郎さんは、桃子さんに土下座を決め込んでいる。オレはこれから起こる地獄と、使えない希望に絶望しながら士郎さんの隣に並ぶように正座して、両手を床に着き頭を下げた。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

道場で桃子さんにこってり絞られたオレは高町家本家でご相伴に預かっていた。因みにメニューは、窯焼きパンとシチューにサラダ。めっちゃ美味い。弟子入りしたいくらい。

 

「空くん、おかわりは?」

 

「いただきます」

 

そしてなのはが、何故かオレの膝の上で一緒に食事を摂っている。美由希ちゃん曰く『ウチは5人家族だから椅子が5つしか無いんだよ!』とのことだ。いや、だからってオレの膝の上に乗る意味が解らん。『士郎さんでもよくね?』と言って渋ってみたが、なのはに『うりゅりゅ』という効果音が出そうな顔で、目に涙を浮かべられたからこっちが折れてしまった。

 

「ソーくん」

 

「ん?どした?」

 

「あ~ん」

 

「「?!」」

 

なのはがシチューの入ったスプーンを差し出してきた。それはさすがに恥ずいんだが・・・。ほら見ろよ、恭也と士郎さんが下唇を噛み切らんばかりに歯を食いしばってこっちを睨んでるぞ。おい、やめろ。そんな純粋な目で上目使いをするな!オレの良心がががががが

 

「おいしい?」

 

「ああ、美味い」

 

うめぇ。あ?何?結局『あ~ん』されたのかって?ちゃんと食ったよ。そのかわり、オレの羞恥心がガリガリ削られたがな!しかも、あれ以上渋ったらまた泣くかもしれないだろ?だから食った。男は女の涙には勝てん。これテストに出るからな、ちゃんとノートにメモっとけよ~?

 

「えへへ♪」

 

「?」

 

何故そこで嬉しそうに照れる?

 

「うふふ、空くん。そのシチューとサラダは、なのはが手伝ってくれたのよ?」

 

「お、そうなのか。今これだけ美味ければ、将来いい嫁さんになれるな。」

 

「にゃっ!おっ、およめさん?!」

 

「いやぁ、なのはの旦那になる奴は羨ましいねぇ。ここまでしっかりした子だったら、オレみたいなろくでなしに引っかかる事も無いだろうしな」

 

いや~、マジで羨ましい。唯でさえ美少女な上、料理が上手いんだから将来は有望だろう。まさに引く手数多だな。あ~、オレもそんな彼女欲しいなぁ。

 

「む~」

 

「え?何?どうした?」

 

なんか急に、なのはがむくれ出した。ほっぺがパンパンだ。そして女性陣からの非難の目と、男性陣による殺意の籠った眼力がオレに集中する。え?オレなんかした?

 

「む~~~~~!!」

 

「って痛い痛い痛い痛い!!そこっ!内股っ!(つね)っちゃダメだ!!」

 

しかしなのはが膝に乗っているので、オレはなのはを落とさない様に身をよじる事しかできない。ダメだと言っているのになのはは指の力を緩める気配が無い。

 

「ソーくんの・・・・・バカァァァァァァァァァ!」ギリィ

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!痛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「そりゃあ、気になる男の子に他の旦那さんを薦められたら怒るよ~」

 

と苦笑いで呟く美由希の言葉は、空の耳に届くことは無かった。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

早めの夕食を終えたオレと高町家は、リビングでゆっくりしていた。因みにリビングに移動しても、なのははオレの膝の上で両頬を風船の様に膨らませながらむくれている。可愛い、ぽっぺ(つつ)きたい

 

「・・・うぅ、酷い目に合った」

 

「自業自得だ。バカ」

 

畜生、恭也め!絶対お前も、なんでオレが怒られたか分かって無いだろう!オレ見てたかんな!抓られてる時に、オレを睨みながら首を(かし)げてたの!いつかお前の有る事無い事を、ご近所さんに触れ回ってやる!

 

「・・・そういえばさ、あの試合って結局どっちの勝ちなの?」

 

美由希ちゃんが、忘れていた事を思い出したかのようにオレ達に聞いてきた。

ぶっちゃけ、あの後の衝撃映像(物理)でスッカリ忘れてたわ。

えぇーっと、

 

「あれだろ?オレが勝ったら、恭也が腹踊りをするって奴だろ?」

 

「あらあら、はしたないわよ恭也?」

 

「何の話だ?!俺はそんな血迷った賭けをした覚えは無いぞ!母さんも本気にしないでくれ!!」

 

「あり?違ったか?えーと、じゃあアレか!恭也のモノマネ100選!」

 

「おにいちゃんのモノマネ?!みたいの!!」

 

なのはが予想以上に食いついた。もう、いっそやってしまえばいいと思う。オレがビデオに撮ってやるよwww

 

「じゃあ?!じゃあって言ったか今!適当な事を言うんじゃない!ええい、これでは埒が明かない!誓約書はどこだ!」

 

「はい、恭ちゃん」

 

美由希ちゃんが恭也にルールなどが書かれた誓約書を渡していた。

その時にオレはあの試合の1つ1つの動作を丁寧に、思い出していた。

 

「まぁ、良くて引き分け。悪くてオレの負けだろうなぁ。最終的に気絶したのってオレだし。」

 

「阿呆、何を言っている。どう見ても、終始押されたいた俺の負けだろう。」

 

「いやいや、あれはオレの肉体スペックが上回っていただけだ。スペックが同等だったら分からなかったぜ?」

 

「しかし、どっちにしろ最後の一撃は俺の物ではないし。やはりお前の勝ちだろう?」

 

え~、何コイツ。すごい頑固。『高校生にとって1万はデカいだろうな』と思って遠回しに遠慮したのに。もういいよ、男同士で譲り合いなんて気持ち悪い。潔く、審判に決めて貰おう。

 

「士郎さんは、どう思います?」

 

「空くんだね」

 

即答?!

この人は、息子を擁護しないのか?!

そして恭也、お前はその『そら見ろ』ってドヤ顔をやめろ。スゲェ腹立つ

 

「だから言ったでしょ?僕は身内贔屓なんてしないって」

 

「・・・理由を聞いても?」

 

「審判の判断に理由が必要かい?」

 

この人、全部分かってて言うんだから質が悪い。

 

「はぁ、もういいですよ。大人しく受け入れます。勝利と恭也の諭吉はありがたく頂きますよ」

 

「うん、素直でよろしい」

 

素直ってか、審判の命令みたいなもんだろ今の。あ、恭也が床に崩れ去った。ブツブツと「忘れてた忘れてた忘れてた」なんて呪詛を呟いているあたり自腹な事を今まで忘れていたみたいだ。

 

「いや、お前さっき誓約書見てたろ。何見てたんだよ。・・・あ」

 

とテーブルの上に乗っている誓約書を見て、オレは恭也に聞きたかった事を思い出す。

 

「なぁ、恭也」

 

「・・・なんだ」

 

「返事が鈍い、ただの頑固汚れのようだ」

 

「誰が頑固汚れだ!」

 

誰ってお前だよ。無駄に頑固だし。

まぁ、オレも人のこと言えないが。

 

「でさぁ、恭也」

 

「話を聞け!」

 

恭也がオレの隣でなんか喚いているが知らん。こっちのターンだ。

 

「なんでオレの正体なんて知りたいんだ?」

 

「・・・・・」

 

オレの言葉に、士郎さんと恭也それに美由希ちゃんの表情が引き締まった。

やっぱりか。

 

「・・・いや。大事な妹がまったく知らない男に声を掛けられて、あまつさえ『友達になった』だなんて言うからな。ちょっと心配になったんだ」

 

「・・・ふ~ん」

 

本心の様で、嘘付いてんなこれ。恭也の眉がピクピクしてるし。それ見た、士朗さんが溜め息ついてるし。しかしこんな急ごしらえで、よくこんな言い訳が思いつくもんだ。恭也がポーカーフェイスを習得していたら、ただのシスコン野郎で納得したかもしれん。しかしオレは、皆で夕飯を食べている時に脳内グーグル先生(武術限定)を使って<御神流>について調べたんだよ。そしたら恭也の使っている御神流は、正式名称『永全不動八門一派・御神真刀流・小太刀二刀術』、二振りの小太刀をメインとするも、飛針(とばり)鋼糸(こうし)などの暗器、さらには体術なども用いた総合殺人術で、御神家は表立った要人警護を主とする御神流を、そして不破家は要人暗殺を主とする御神流・裏の二つを伝え続けているらしい。要は、この世界の裏について知っている流派だと言うことだ。だから、オレみたいな正体不明で素性のわからない怪しい輩は疑わないといけないんだろう。まったく、難儀な流派だな。今のオレにとっての懸念はその裏が魔術教会や聖堂教会と繋がっている可能性だ。まだ存在するかどうか確認をしていないが、警戒するに越したことはないだろう。ぶっちゃけ、オレが生きている事が実家に知れたら即処刑だ。折角の二度目の生を10年足らずで散らせてたまるか!基本的に魔術とは秘匿するものだ。関係者以外に情報を漏らす阿呆が居ないと信じたい。・・・まぁ、言ってもいいか。別に本名を言う訳でも無いし。転生云々や魔術云々についても言えないが、経歴程度じゃ身バレなんてしないだろうし構わないだろう。もし繋がりが在って、ばれたら御神の一族に殺された事にしてもらおう。うん、そうしよう。

 

「そうなのか。じゃあ、正体は明かせないがオレの出身や経歴だったら話してもいいぜ?」

 

「・・・いいのか?」

 

「こっちは、なし崩し的に勝利を貰ったんだ。少しは返さなとな。あぁ、心配すんな。嘘は言わねぇよ」

 

多少、誤魔化しは入れるけどな。

 

「・・・別に、そんな心配はしていないが。まぁ、教えて貰えるなら聞かせて貰おう」

 

よしよし。じゃあ、取り敢えず人払いだな。子供に聞かせる話じゃないし。

 

「なのは。ちょっと、君のお父さん達に用事があるからそこら辺で遊んでな」

 

「や!」

 

・・・拒否られた。(汗)

 

「いや、ちょっとだけだか「や!!」・・・。なの「なのはだけ、なかまはずれなんてそうはいかないの!」・・・。」

 

・・・ヘルプ!(涙)

恭也&士郎さんヘルプ!!いや、目ぇ逸らすなや!どんだけ身内の女性に弱いんだよ!くそっ、まったくもってこの親子は使えない!オレが内心悪態を付いていると、桃子さんがこっちを見ている事に気が付いたので目を合わせると。

 

<手伝いましょうか♪>

 

<こ、こいつ!直接脳内に!!>

 

いやまぁ、唯のアイコンタクトなのだが。

 

<?>

 

<いえ、何でもないです。お願いします>

 

<ええ、まかせて。あと、なのはを動かすのに空くんの名前使ってもいいいかしら?>

 

< ? えぇ、それで子供たちに話が聞かれないなら構いませんが・・・>

 

桃子さんは、何をするつもりだ?今更オレの名前を使った位じゃなのはは動かないと思うのだが・・・。

 

「なのは?」

 

「つーん」

 

なんて擬音を呟きながら、なのはは桃子さんから顔を背けている。可愛い。いやいや、そうじゃなくて。やはり、高町家ヒエラルキーのトップである桃子さんでも、今のなのはは手ごわいか?

 

「今日は空くんが泊まって行くみたいだからお風呂入っちゃいなさい?」

 

「はぁ?!いや、桃子さん!そんな話初耳「入って来るの!」えぇ!!」

 

ちょ、待て!なのは!ってか、足速っ!≪運動音痴≫の設定は何処に行った!

 

「うふふ、私も行って来るわね?あ、逃げちゃダメよ?」

 

「・・・はい」

 

詰んだ。オワタ

桃子さん、笑顔が怖いです。そんな脅すように微笑まないでください。なのはと桃子さん以外の三人が何とも言えない顔をしている。同情するなら帰らせてくれ。

 

「ま、まあ。空くんさえ良ければ泊まって行きなさい。親御さんの許可も取ってね」

 

「そう・・・ですね。そこら辺もお話しましょうか」

 

狙って言ったかは分からんが都合がいいな。ノらせて貰おう。

 

「これから話す話は、今のオレにとってもう笑い話だからな。まぁ、気楽に聞いてくれや」

 

 

さぁ、少しだけ語ろうか。アイルランドに産まれた忌み子の話を・・・。

 

 

オレ side out

 

 

 

恭也 side in

 

 

「オレは忌み子だったんだよ」

 

そんな重い一言からアイツ・・・風林寺の昔語りが始まった。

 

「い、忌み子・・・?」

 

思わず呟いてしまった言葉。いつも飄々とした雰囲気を持つ目の前の少年には似合わない言葉だった。

 

「そう、忌み子。あ、忌み子って意味分かる?」

 

「言葉の上でなら」

 

始めに重い一言を放っておきながらも、やはりその言動は軽い。自分の聞き間違いなのではないかと思うほどに。そうかもしれない。もしかしたら伊美子さんって言う人物の話かもしれないじゃないか。

 

「よしよし、話を続けよう。オレが元居た家はある事における大家なんだよ。そうだな、あんた等が使う<御神流>のように代々技術を継承していく家系なんだ」

 

俺達三人は驚愕した。

何故コイツは<御神流>について知っているのか。

<御神流>は一族の者にしか、その情報は伝えられないはず。一瞬なのはが話したのかと思ったが、なのはは<御神流>について何も知らないので、その思考を打ち消した。

 

「何故・・・?」

 

「何故?あぁ、<御神流>の話か?アレは唯の推測だよ。アレは人を殺す為の剣術だ。だが昔なら兎も角、現代において人を殺すことに意味なんて無いし、オレが継承している物にも似ているからな。だからオレと同じで<御神流>と言う技術を継承する一族なんだろうと考えたんだよ」

 

そんな風林寺の言葉に美由希は呆然としていて、父さんは『やはりか』と苦笑いをしていた。

まさか俺との戦闘だけでここまで看破してくるとは思わなかった。

 

「・・・話がずれたな。続けて良いか?」

 

「あ、あぁ」

 

その言葉に俺達は我に返る。

風林寺は10歳の少年とは思えない程の思考で話を進める。

思わず、俺達を驚かすのが目的なのではと勘ぐってしまった。

最初のは冗談で、唯々面白がっているだけなのではないかと。

 

「その技術においては問題なかった。ちゃんと適正と才能があったからな。だがその家系は技術とは別でも代々継承している呪いがあるんだ」

 

「呪い?」

 

「あぁ、呪い。もしくは病原体だな。オレんとこの人間は基本的に深赤色の髪と鳶色の瞳で産まれて来る特殊体質なんだよ。オレはそんな中、青い髪に紅い眼で産まれた一族の異物(イレギュラー)だ」

 

異物(イレギュラー)風林寺は自分の事をそう評した。

しかし、

 

「で、でも髪や眼の色が違う人なんていっぱい居るよ?」

 

美由希が俺が言いたい事を代弁してくれた。

そうなのだ。現に俺の知り合いに紫髪の女性がいるし、町にも金髪や赤髪など色々な人がいる。

何故、風林寺が自身のことを異物(イレギュラー)なんて言ったのか理解できない。

そんな事を考えながらチラリと父さんの事を見ると父さんは険しい顔をしながら口を開いた。

 

「美由希、他に居る居ないが問題なんじゃないんだ。外国で町に認知されている大家や貴族にとって血の繋がりや遺伝は重要な物だ。たかが髪や眼の色が違うだけでも迫害の対象になるんだよ」

 

「えぇ、流石は士郎さん大当たりです。しかもオレの場合、浮気や愛人などの非公式な子供ではなく正妻との正式な子供ですから質が悪い。受け継がれるべき呪いが受け継がれていない。これだけでオレは家に軟禁されました」

 

「ッ!!」

 

前言撤回。

少し前の冗談半分で話を聞いていた俺をブン殴りたい。

俺が下唇を噛み締めている中、風林寺は言葉を繋げる。

 

「始めの頃はよかったよ。母親が迫害や暴力から守ってくれたからな。でも・・・疲れちまったんだろうなぁ。7歳になる頃には守ってくれなくなったよ。飯も最低限死なない程度にしか与えられなくなったし、それと同時に迫害や暴力が増えたから自分でなんとかしなくちゃいけなくなった。因みにオレが槍術や剣術を始めるキッカケになったのがこれだ。いやぁ、あの時は大変だったなぁ。家の中歩くのも一苦労でさぁ。あの時なんて―――」

 

と自分の過去をまるで自慢話のように話す風林寺。

美由希は目に涙を浮かべているし、父さんは真剣に話を聞いている。

そして俺は、自分のトラウマとも言える話を軽い態度で話す風林寺に対して無性に腹が立った。

しかしそれ以上に腹が立つのが風林寺からそんな話を出させてしまった自分自身に腹が立つ!!

きっと、握りこんだ拳の内側は血がにじんでしまっているだろう。

自分の行動を後悔していると風林寺の話が終わったようだ。

・・・これはまた謝らないといけないな。

 

 

恭也 side out

 

 

 

オレ side in

 

 

「―――で10歳になる前日に、誕生日旅行と言う名目で日本に連れて来られて公園に捨てられて、この町に辿り着いたっつー訳だ!うん!以上!!ってなんつー顔してんだよアンタ等。笑い話だって言ってるのに」

 

「「「・・・・・・」」」

 

あー、やっちまったか?

流石に高校生や中学生には重すぎたみたいだな。悪い事をした。そして士郎さん、なんでそんな自分の事の様に険しい表情してんスか。怖ぇよ。まぁ、この話を聞いてオレを遠ざける可能性もあるかもしれないから覚悟しておかないとな。・・・さて、この沈んだ空気どうするか。このままにするのは拙い気がするし。

 

「ソーーーーーーくーーーーーーーん!!出たよーーーーーーーーー!!」

 

救世主キタ━━━(゚∀゚)━━━!!

シリアスブレイカ―なのは様が君臨なされた!これで我が軍の勝利だ!姫!今、私も行きますぞ!

オレが廊下に出るとなのは様と桃子さんは現在バスタオル姿で爆走中だ!

・・・ん?バスタオル姿?

 

「いっしょにねるのーーーーーーーーーーーー!!」

 

「ちょっと待ちなさいなのは。まだ頭が――――――――」

 

なのは+モモコさんの とっしん こうげき。

バスタオルが はだけそうだ。っていうかはだけた。

そしてはだけると同時にオレの頭を襲う衝撃。

割れる窓ガラス、そこから飛び出す肉塊。

その肉塊はアニメで見るお色気シーンでのスローモーションをリアルに体験したオレだった。ああ、これはまた来るな。

 

 

意識を手放す前に一言。

 

 

ご馳走様でしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

翌日

 

 

 

 

「と言う訳でウチでバイトしない?」

 

「What?!」

 

起きたら士郎さんにスカウトされた。何故に?!

 




自分の文才と時間では、一週間更新は難しいみたいです。
なので、書けたら二週間、難航したら一ヶ月での更新にしたいと思います。
二週間でサイトに上がったら「あぁ、作者頑張ったんだなぁ」と思い、一ヶ月で上がったら「また、期限破りやがったな駄作者め」と思っていて下さい。
楽しみにして頂いている皆様には申し訳ありませんが、諸事情ということでご容赦ください。

あとhollowによるとバゼットさんの家系はマクレミッツ家ではなくフラガ家らしいので空の元の名前も訂正したいと思います。混乱させて申し訳ございません。

今年もよろしくお願いします!
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