魔法科高校生の日日   作:千川 悠汰

13 / 26
間隔空きましたすみません!


第十三話

 今日はバトル・ボードとアイス・ピラーズ・ブレイクの予選だ。とはいえ今日の両競技は心配ない筈。原作通りにはなっていないので断言は出来ないが。

 やっぱ問題はバトル・ボード準決勝の委員長だよな。俺の()って《電子金蚕》を捉えられるのか?SB魔法に違いはないから理論的には行ける筈だけども…水面の方は普通に見えると思う。

 

「九十九、どうかしたか」

 

「ああ、いえ。なんでもありません。すみません副会長、俺から頼んだのにも関わらず上の空で」

 

「構わないが…何もお前が緊張する理由はないだろう」

 

 どうやら自分でも気づかないうちに緊張してたらしい。気を付けようと思う。それはそれとしてマルチ・キャストのいいお手本として参考にさせてもらいますよ副会長。

 結果として、副会長は準決勝進出、女子の方も委員長と小早川先輩が準決勝進出となった。またアイス・ピラーズ・ブレイクの方は何も言うことがない感じに終わった。会頭と千代田先輩強すぎ。

 

 ───んで翌日、女子バトル・ボードの準決勝直前です。電子金蚕の対策なんも思いつかなかったよ。いや、抜本的対策が思いつかなかっただけで対処療法的なのは思い付きはした。

 ノックして委員長のいる控え室に入る。

 

「どうした九十九。何かあったのか?」

 

「嫌な予感がしたんで一応注意した方がいいかも思いまして」

 

「ほう?不穏な話だな」

 

 当たって欲しくはないですけどね、と返し気を付けてくださいねと念押しして控え室を離れた。ほんと、こういう時は自分の家柄に感謝する。少なくとも現代魔法師の家系よりは古式魔法師の家系ですって方がそういう占術的な勘は信じられやすい。

 

「おーい朔!こっちだ!」

 

 レオのよく通るデカい声を頼りに移動する。椅子に座って()を全開にして周りを見回す。まあ、そう簡単には怪しい人物なんてのは見つからないわな。それこそ人探しの占いをするのもありか?

 なんて考えてたらスタートのブザーが鳴った。各選手が加速魔法、移動魔法で結構なスピードを出して滑り出す。ただ特筆すべきなのはやっぱり委員長のマルチ・キャストか。

 

「委員長の足元全然動かないけど、なんの魔法なんだ?」

 

「自身とボードの相対位置を固定する硬化魔法だな」

 

 収束系魔法はエリアに作用するものだから、この場合委員長は脚の一部分をボードと固定する事で離れないようにしているのか。同時に硬化魔法の効果でボードと人間が繋がったものとして認識されてるのはなんとも面白い話だ。もう1つは多分造波抵抗に関する魔法かな?

 

「恐らくな。上り坂の方は外部から受けたベクトルを変換する事で対応しているようだ」

 

 へー。達也の博識っぷりに全員声を上げる。涼しげな顔して3つも使ってんだから凄い…いや俺もあれと似たようなことやらなきゃダメだったわ。考えたくねー。

 なんてふざけた事を考えていた時、()が起こった。委員長の後ろを滑っていた選手がコーナーで減速せずに突っ込んで来たのだ。

 

「危ないっ!」

 

 誰かが叫んだが…ここで俺の魔法を使う。

 今俺の眼には委員長の足元の水面で活性化する精霊が視えている。眼の情報を頼りにSB用の捕縛魔法を発動してSBを捕え沈静化させる。これで委員長がバランスを崩すことはなくなるので、あとは上手く委員長が対応してくれることを祈ろう。まあ…バレる可能性があるんだけどね。

 

 結果としては委員長は結構な音を立てて壁にぶつかったが…すぐ歩けてたので原作よりも遥かに軽い怪我だろう。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

「失礼します」

 

 達也たちと共に委員長が安静にしている病室に入室する。先に会長や技術スタッフ数名がいた。

 

「ご無事で何よりです。渡辺委員長」

 

「心配をかけたな。ご覧の通り軽症さ、数日で完治するよ。とはいえ、ミラージ・バットの方は出場できないがね」

 

「当たり前よ!絶対安静にしてなさい」

 

 会長と委員長の会話を横目に胸を撫で下ろす。良かった〜。これで原作と変わらずそれなりの怪我ですとかだったら参ってたわ。

 

「ただ実は…些か不審な点があってな」

 

「不審な点?」

 

 嫌な予感がする。具体的には言えないけどやらかした事が後からバレる時の予感に似た悪寒がする!

 

「ああ、あのコーナーでの出来事もそうなんだが…私の足元で魔法の兆候があったんだ。結局は何も起こらなかったがな」

 

 あれぇバレてる!?これか予感は!どうして!?

 

 水面を陥没させるSB魔法+俺のSB捕縛用無系統魔法=原作より大きい魔法の兆候

 

 あ、はい完全に自業自得ですね。マズイどうしよう。てかそのSB、手元の人形(ひとがた)に封印してあるんだけど…

 ひとまず病室から出たのち、達也と幹比古を捕まえて俺の部屋に押し込む。幹比古には事の顛末を教えた上で俺は本題に入った。

 

「件の水面への干渉なんだが…SB魔法だ」

 

「言い切るな。と言っても、古式魔法なら水路に事前に細工を仕掛けるのは現代魔法より現実的か」

 

「それは僕も同意する。長期間の遅延発動は古式魔法の十八番だ。それはそれとして、朔はどうやって断定させたんだい?」

 

「いやその…水路に仕掛けられてたSBを捕まえたンデス…」

 

 語尾が小さくなってしまったが2人はちゃんと聞き取れたようだ。主に幹比古の顔が凄い事になっているが。




蛇足
朔はこの件達也にぶん投げる気満々です。直接無頭竜に繋がるような話は御免ですからね。
それはそれとして独立魔装大隊からは若干注目が行き始めてます。さあどうする
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。