あと20を廿か二十にしようか迷いました。
「あの!アイス・ピラーズ・ブレイク凄かったです!」
「バトルボードもカッコよかったって!ねね、夏休みだし予定合わせて遊ばない?」
「ならワンダーランドどうですか!?」
モテている。今猛烈にモテている。前日と同じく選手や技術スタッフが入り乱れて集まっているが、さっきから男女問わず色んな人が寄ってきて声をかけられている。凄いぞ、前世含めてこんなに女の子にちやほやされたのは初めてだ。気分いいなあこれ!
いやー夏休み遊びまくっちゃおっかなぁ!…まあ、どうやら前世の時より
「失礼。九十九、来てくれるか」
「んえ?会頭!?あ、大丈夫です全然!」
よくよく見ると横に達也もいる。こんな事あったようななかったような…
◇ ◇ ◇
「単刀直入に聞こう。司波、お前は十師族か?」
えっそれ俺がいる前で聞いちゃうの?辞めて会頭辞めてくださいお願いします最悪俺も消されかねないんです。分解に対抗出来る手段なんか持ってねーよばーか!!!
「いえ、
「えっそうなの」
2人がじろっとこっちを見てくる。いやだってほら、達也ってガーディアンだけど
そうだ、これあれだ。達也が一条を倒したことによる十文字会頭の確認と勧誘のところだ。そしたらなんで俺は呼ばれたんだ?
「…そうか。なら司波、お前は十師族になるべきだ。九十九もな」
「はあ!?」
記憶の掘り起こし兼お庭綺麗〜とか思って横向いてたら急に流れ弾が飛んできた。え、めんどい。だって十師族って結構責任多いじゃん。しかもここからだと
「正直嫌なんですけど…」
俺の抗議というか文句に会頭は首を横に振りながら
「しかしな、お前たちは一条を倒してしまった。司波はチーム戦で、九十九は戦闘ではないものの個人でだ。これが与える影響が分からない訳ではないだろう」
十師族は日本の魔法師の中で最も強くなくてはいけない。って話だっけ?まあ確かに国内外問わず誰が見ても分かりやすい括りが有るのは良いことだけども…傲慢に聞こえる。全然傲慢じゃないけど。強いのは事実だしね。
てか待てよ?結局達也は四葉の直系であることに変わりはないし、2年次の新年に深雪さんの婚約者として公式に発表されるからこの問題は自動的に解決される。だけど俺の場合何もしないと百家本流の子供が十師族の直系を倒したって事実が残るのか?
一応同じ
ど、どうしよう。頼れる家なんてないぞ
「お前たちと歳が近いとなると…七草に妹が2人いたな。あとは七草本人もだが」
「会長は婚約者がいらっしゃるんでそもそもノーカウントでおなしゃす」
突っ込みを入れつつ、歳が近そうな師族二十八家をどうにか思い出してみる。まずは会頭の言ってた3人。あとは一条に妹が居て、九島家の次女が未婚だったような…どうだったっけな。あと十文字アリサは…まだだったわ。でもそれぐらいか?あ、四葉家は入れません。向こうから接触してこない限り絶対にないからな!
と、ここまで1秒ちょっとかけて考えたは良いものの。取り敢えずこの場を逃れるには…あれがいいか。
「一応当主が見合い話を時々持ってきてはいるので…出来れば勘弁していただけると。百家とか旧家の方々との折り合いもあるので」
「む、それもそうか。ただ、さっきも言った通り一条の次期当主に勝ったことの意味は重いぞ。あまり悠長にしていられるとは思わない方がいい」
ふーなんとかなった。今日だけは感謝するぜ親父。それはそれとして見合い話持ってくるならちゃんと連絡くれ。
会頭が普通に戻ろうとするので慌ててついていく。そういやこの人天然だったっけ。もしかして今のってやっかみとか面倒ごとになりたくないなら、頼ったり保護してもらう相手見つけた方がいいよ的なアドバイスだったのか?
あれ、なんか達也がこっち寄ってきた。
「朔、助かった」
「ああ、いや。見合い話が来てるのは事実だしな。それに、二十八家が面倒ってのも本音」
達也は内心冷やっとしただろうな。四葉って部分バレたらダメだし。まー、こういうとこで恩を売っておけばいざって時になんとかなるでしょう。───待てよ?こうやって親しくなっておけば佳境を迎えた時に四葉家に保護してもらえるのでは?俺の家は一応古式魔法師の家だし、最近は古式魔法を使える奴がそれなりの割合を占めるようになってきた。俺の解析と指導で一流ないし二流ぐらいの力量を持った集団にはなってきてるしね。保護する価値ありな集団の頭目として俺が君臨出来るようにするのがこれからの目標なんじゃないか?
「なんとかなるかなー」
「何がだ?」
「ああいや、進路と就職」
随分と早いな、と達也からお言葉をいただく。出来れば四葉の関連企業に就職したいよね。面倒ごとに巻き込まれる確率は高いけど安心感もある。やっぱ司波兄妹に良い印象を持ってもらうのがこの高校生活の目標かね。
なんてことを考えながら会場に戻る。そしたらいきなり女の子に囲まれてダンスのお誘いが来た。気分最高だぜ!
という訳で今回はちょっと良い思いをしてもらいました。まあ夏休みと横浜では死ぬ思いをしてもらう予定なので。その前にね。
十文字会頭はかっこいいですね。頼りになるし、声が諏訪部さんだし。
ちなみに朔は現状十文字家の人には勝てません。対物障壁、情報強化、想子ウォールを突破する術がないので。仮に戦闘するなら逃げまくってゲリラ戦仕掛けるしかないと思います。