魔法科高校生の日日   作:千川 悠汰

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5日連続投稿です
※11/7/21:38 誤字修正しました


横浜騒乱編
第二十四話


 皆さんいかがお過ごしでしょうか。俺は夏休み明けといういつまで経っても嫌な日を迎えました。学校行きたくねえよ〜!

 

「マジでなあ…横浜がなぁ…」

 

 なんてぼやいてても仕方ないのでさっさと身嗜みを整えることにした。

 

 ◇ ◇ ◇

 

 9月1日早朝。今日から国立魔法大学付属第一高校───魔法科高校の2学期が始まる。世間も下半期に向けて動き始める頃であり、夏前や夏中とは違った雰囲気が漂い始めている。

 

 そんな中、やはり魔法科高校の2学期の目玉と言えば全国高校生魔法学論文コンペティションだろう。通称論文コンペと呼ばれるこのイベントだが、その実態はとても高校生の発表の場とは思えないほど()()な雰囲気とレベルである。

 やれダークマターだの、熱核融合炉だの、精神干渉系魔法の原理だのと。まあテーマや内容からしてお遊びではないことはお分かりになるだろう。そもそも日本魔法協会が主催である点からして単なる研究発表で済まなさそうなのは想像に難くない。

 因みにだが日本魔法協会の本部が京都、支部が横浜にあるため年次で交互に開催場所を変更している。厄介なのが開催場所で評価基準が変わるという点である。今年の横浜開催では応用技術等の点が評価されやすいが、京都では術式の基本部分や純理論的な分野が評価されやすい傾向にある。

 

 とまあ、色々と高校生のやるものとは思えない行事ではあるものの、九校戦と並んで9つの魔法科高校が参加するので当然盛り上がる。九校戦を「武」とするならば論文コンペは「文」と言えるだろう。部活動も多数引っ張りだされ、関与する人数で言えば九校戦の時よりも多いかもしれないらしい。

 

「で、更に重要資料も使われるから色々と注意しなきゃいけないと」

 

「まあ大体そんな感じだ。それと発表者と補助が決まったら護衛をつけるのが慣わしでな。まあ、2年や3年の奴が付くから九十九(つくも)にはあんまり関係ないかもしれないけどよ」

 

「いえいえ、知っておくことに越したことはないですから」

 

 いつも通りの時間に来たら戸口(とぐち)先輩が居たので捕まえて幾つか聞いておいた。戸口先輩曰く機材の用意の手伝いはした事があるそうでその時の様子を事細かに教えてくれた。聞いた限りではどこも忙しくなりそうで、勿論風紀委員会もその忙しくなる集まりの1つのようだ。

 

 それは兎も角としてクラスに行かなければ。十分余裕を持って登校しているが、教室に入るのもそれなりに時間的余裕がある方がいいだろう。前世は割と気軽に遅刻してたからな…そこら辺ちゃんと反省してます。なんでまあ10〜15分ぐらい前には教室に入るようにしている。

 

「うーい久しぶり」

 

 クラスメイトたちに挨拶しながら席へ向かう。中には夏休みにどこに行った話やこれをやったという話が一緒に返ってくる。まあこれが結構面白くてそれなりに話が弾んで楽しい。情勢的に海外に行ったという話は全然出てこないが、太平洋側日本海側問わず海に行ったという話はやはり多い。

 

「へぇー!ワンダーランド行ったのか」

 

「そうそう。結構面白かったぜ?迷路がちゃんと難しくてさー、最終的に二手に別れて攻略したんだわ」

 

 九校戦にて特に仲良くなった男子2人と女子3人とワンダーランドに行った時の写真を見せる。最初女子3人から誘われた時は我が世の春が来たぁ!ってなったけど、流石に俺1人で女の子と遊ぶのは無理だったので連絡先を交換していた男子も呼んだ。3:3の比率だったけどちゃんと楽しかったし、秋の論文コンペでも会おうと約束を交わしたのでどうにか大亜連合の侵攻前には会いたい。

 

「てかお前…ワンダーランド行って数日後に海行ったのかよ」

 

「楽しけりゃ多少の疲れは無視できるもんよ。それに、海の方は運動したけどワンダーランドはそんな動いてないしな」

 

 実際は生垣挟んだ反対側で《魔弾タスラム》関係のバトルが発生してたから心労という面では結構疲れたんだが。ただまあ、ちゃんと原作の範囲で済んで良かった。他の5人にも誤魔化せたのは我ながらファインプレーだと思う。

 その後エイミィたちにも遭遇したが、こっちがすぐ近くに居たことはバレてなかったと思う。多分。…スバルにはバレてたかもしれない。

 

 あと、森崎がなんか逞しくなっていた。無事?無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)の新リーダーである女の子を守るために大立ち回りをしたようだ。内情の方々には申し訳ないが、今後のことを考えるとちょっとでもボコボコにされててくれと願うばかりだ。

 

 ◇ ◇ ◇

 

 少し日が飛び、新生徒会の発足から既に1週間が経っていた。時間もちょうど正午あたりということで食堂は非常に賑わっている。

 

「学食って迷うよな。日によってピッタリハマる時と妥協する時があるし」

 

「そうか?どれも美味そうに見えたけどよ」

 

「でもなんか違う時ない?これでもないあれでもないみたいな。なんか微妙に欲しい物と噛み合わないっていうか」

 

 学食って何故か迷うんだよな…

 

 達也たちと同じテーブルの座席に座りながらレオと駄弁る。最初は生徒会の仕事とかで遅れる深雪(みゆき)さんたちを待つための暇つぶしだったのだが、すっかり白熱して仕舞いにはエリカや幹比古を巻き込んで食の話になっている。

 

「すみません、お待たせしました。…あの、お兄様?この状況は一体…?」

 

「ああ、食事の拘りについて随分と盛り上がっていてね。確かに考えさせられる点も多いと感じるな」

 

「あ、深雪さんたち来たのか。まあこの話はまた今度するか」

 

「そうだね。あ、でもそんなにストイックな食生活をしてるのは古式の人間でもごく一部だからね?」

 

 マジか…指南書に基本のき!ぐらいの勢いで記述してあったから当たり前なのかと思ったわ…ん?もしかして俺の家は何かおかしいのか?ただちょっと昔内裏勤めをしていた地元の名士の家系って訳ではないのか…?

 

「すみません、達也さん。私の所為で遅くなっちゃって」

 

 深雪さんのフォロー曰く、なんでも急に職員室から仕事を振られたそうで。深雪さんたちは授業を切り上げてまで探すためにデータベースを使っていたらしい。ただ、そこでほのかさんはあまり早く見つけられなかった為に手際が悪かったと思い詰めているようだ。

 

 まあこの手の話は達也が上手く収めてくれるのでレオやエリカに追随してほのかさんには気にしないで貰おう。時間内にご飯を食べられるのならば目くじら立てる理由なんてないしね。

 雫の亀発言は達也と同じくノーコメントで…強いていうなら前世のペットの亀が少し気になったぐらいかな。元気だと良いけど。

 

 と、そんな感じでほのかさんは新たに生徒会役員任命された。その他の話だと達也が副会長就任を打診されたらしい。因みにそこで()()()あったらしく、達也は今年度中は風紀委員会、来年度から生徒会という流れになったそうだ。

 

「達也にとっては随分と濃い1週間だったみたいだな」

 

 達也の気配と動作を見て確信した。大方千代田先輩と中条会長で達也を取り合ったのだろう。事務能力と、深雪さんの制御役というどちらも譲れない熾烈なものだったのかもしれない。原作を読んだことがある上での想像に過ぎないが。




蛇足なし!
朔はワンダーランドをちゃんと楽しめたようです。
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