魔法科高校生の日日   作:千川 悠汰

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出来ました


第三話

 というわけで。

 2、3年生の風紀委員の人たちと顔合わせしたり、備品の確認などをして今日のところは開放してもらった。

 

 帰り際に一応言っておく。

 

「委員長、備品の整理した方が良いと思いますよ」

 

「それは理解しているんだが…何分人手が足りなくてな」

 

 まあ数日後には司波達也が全部片付けるとは思いますけど。アレ?なんか時系列的に早くね?まあいいや、何か委員長が言いそうだし。

 

「あぁ、それと。風紀委員のCAD所持は届出が必要だからな。使いたいものがあるなら明日朝イチに事務員の方に登録してもらった方がいいぞ」

 

「了解です。刃引きとかって必要ですかね?」

 

「いや?剣術部の奴らは真剣を持ってたりするから特にそういう制限はないぞ。まあ、あんまり殺傷力が高くても、という状況にしかならないがな」

 

 そりゃそうか。普通は高校に武装テロリストが入ってくるなんて有り得ないもんな。

 とはいえブランシュの拠点にカチコミかけるとしたら俺も参加したいし、2年以降のことも考えると常時持てるようにしといた方がいいな。

 

「それじゃ、お疲れ様です」

 

「ああ、明日からみっちり使ってやるからな」

 

 うっへ。CADちゃんと用意しとこ。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 帰宅して早々に自室でCADのチューニングと魔法の変換をやっていく。ほんとこういう時はこの()に感謝しなくちゃならない。

 術式のコードとかSB(スピリチュアル・ビーイング)って言われるものが直感的に読み解けるお陰で術式を弄る()()()()はそこまで苦にせず出来るのは中々にチートじゃなかろうか。

 ちなみに精霊の眼(エレメンタル・サイト)とは違うっぽい。うちの古文書に書いてあった話だと水晶眼とかそっち系統の一種?派生?かなんからしい。

 

 で、なんでここまであやふやなのか。

 簡単に言うと、現代魔法が登場した時に当時の当主とか側近が「これからは現代魔法の時代だー!」って今まで積み重ねてきた古式魔法をぶん投げて現代魔法一辺倒になったせいですね。

 先見の明に長けてたのは間違いないんだけど…他家だと古式魔法を現代魔法に流用したり反対に現代魔法の技術を古式魔法にフィードバックしてるところがあるから…もうちょいなんとかならなかったんですかね。

 お陰でうちの倉から古文書とか巻物とか果てには魔導書までをも俺が全部読み解いて書き起こして起動式にするっていうのを繰り返す羽目になっている。

 

「これ鬼火か?あ、実体あるんだへー…」

 

 てな感じで魔法を使うシチュエーションがだいぶ違うというのが大きな壁になっている。一つ一つアレンジされる前にまで術式を読み解いて、そこからまた現代魔法にアレンジし直すという…手出したの後悔してる。

 

「発火の工程は現代魔法にもある振動系統なのか…あー、そっから加速魔法でばら撒くと。撤退用、つうか狐火じゃね?」

 

「独り言うっさいよー」

 

「姉貴っ!?帰ってたのかよ」

 

「実家に帰ってきて何か問題でもあるの?相っ変わらず起動式が汚いわね」

 

「うるさいなー、後で仕上げるんだよ。つかどうやって鍵開けたの?」

 

「アンタが作ったやつよ?《電虫(でんちゅう)》」

 

 俺の馬鹿野郎…

 元々人間の神経系の電気信号を操る古式魔法だったので組み直した結果、電子機器を弄れるようになっちゃった魔法。起動式破棄するの忘れてたか。

 

「んで?魔法大学の近くに住むんじゃなかったの?」

 

「アパート借りてるのは変わらないわよ。忘れ物取りに来ただけ」

 

 はー…邪魔入ったけど気を取り直して。

 校内で魔法を行使するとしたら、範囲が広いと困る訳なのでこの狐火を組み替えていく。無秩序にばら撒くのではなく、指定した座標の変数に沿って射出され、無生物なんだから慣性を無視できる移動系統の工程に置き換えて…

 

「出来たっ!ちょっとエグめの術式だけどまあ、鎮圧用の術式は別にあるし」

 

「それじゃ私帰るからー!母さんによろしくねー!」

 

「親父はいいのかよ…」

 

 さてさて、帰って姉は無視して別の魔法にも取り掛かろう。

 あー、これなんか良さそうだな。風を起こしてぶつけるのは現代魔法だとポピュラーだし。

 名称は…鎌鼬(かまいたち)

 やべえ泣きそう。ここまでコードがシンプルで効果も想像しやすいの初めてだ。

 

 そんなこんなでこの日は《狐火》、《鎌鼬》、《氷獄》を現代魔法にアレンジ出来た。

 公開討論会で使うことになるだろうから殺傷力強めのやつを選んだけど…我ながら殺意高いな。




独自設定、というか裏事情の解説
途中で朔が気づきましたが、森崎がやらかすのがだいぶ前倒しになってます。特段なんかあったとかではなく、朔が魔法科高校に入学するまでに取った行動がバタフライエフェクト的に影響しただけです。
司波達也御一行のメンツは特に変わってません。もちろん幹比古もまだ達也とは面識がないです。
あと風紀委員入りさせたのは言っちゃえば達也たちと接触させるためですね。下手するとパラサイト来るまで深雪たち一科生以外とは面識すらないなんて事態になりそうだったので…
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