ただ平穏な生活を送りたいだけなんです   作:桜大河

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他の方の作品に憧れて書いてみました。いずれ直します


カードは創った

前世の俺は有名なTCGのカード効果やルールをオマージュし融合させれば面白いカードゲームが出来ると信じていた。

頑張って世に出した結果はまあ、『パクリ』『ゴミ』『産廃』『カス』『クソゲー』などと世間から叩かれ炎上。

始めはゲームだけだったが次第に製作者である俺自身の人格まで否定され初めた。

それを目にしたとき怒りを通り越して思考が真っ白になったし、その時から目に映るもの全てが敵に思えたね。外に出るのが怖い。人の視線が怖い。他人の会話が怖い。何もかもが怖かった。

だから、その恐怖から逃げる様に俺は首を吊っていた。

そうして、俺の人生は終わった。

終わった筈なのだが、気付けば赤ん坊になっており、しかも俺が製作したゲームが流行もとい、至上主義な世界に転生していた。

そのことを知ったとき滅茶苦茶辛かった。普通なら喜ぶべきところなのもしれない。この世界では自分のゲームは肯定されているのだと。

けれど、死ぬ原因になったとはいえ遊ぶ目的で作った、たかがカードゲームが日常の一部になっているなんて信じられなかった。

しかもゲームの勝敗で物事を決定するなんて異常だ。そういうことはアニメなどの創作物で充分。

だが、この世界ではそれが常識。俺の価値観がズレており、俺の思考は世界から見れば異物だ。

そして、今も尚この世界に適応していないことに後悔している。

 

 

***

 

 

今、現在。俺は自身の退学を賭けて決闘を行っていた。

対戦相手である担任がターンを終えて、俺のターンが回ってくる。後攻なので俺のターンが終われば勝敗が決まる。

状況は俺の場には何もなく、担任の場にはデコイ持ちのスピリットと高コストスピリットの2体。

相手のエナにスタンドしてあるカードが5枚あり、手札が2枚もある。あの余裕な態度からして恐らく無効化スペルを握っている可能性が高い。

自分が使うデッキの特性上、初動の行動を潰されたら詰む。これは負けたな。

 

「無能なりによく頑張りましたね」

 

「そらどうも」

 

この状況から巻き返せるカードは俺のデッキには入ってない。そもそも配布されたスタートデッキ+1パックで出来上がったのが今のデッキだ。

担任は俺のデッキを知っている、だから余裕なのだろう。

 

「本当に勿体ない」

 

「……何がです?」

 

「無能を入学させるのに支払ったお金ですよ」

 

確かにそうかもな。

過程はどうあれ、爺ちゃん婆ちゃんがお金を出してくれたおかげで折角入学出来たのに俺の個人的な感情で無駄にしようとしている。

ここを卒業出来ないのは就職活動に大きく響くが死ぬ気でこれから頑張るしかない。

 

「こんな無能を入学させるためにお金を出した人間もさぞかし無能なんでしょう」

 

「は?」

 

その言葉を聴いた時、俺の中で何かがキレた。

別に俺を馬鹿にするのはいい。事実だから。

だけど、俺を棚に上げて他の人間を侮辱することは赦せない。その対象が家族なら尚更。

 

「……先生、一ついいですか?」

 

「はい。なんでしょう?お別れの挨拶がしたいのですか?」

 

「いいや、違うね。……アンタを潰したら卒業までの単位を免除出来るか聴いてるんだ」

 

「ここから?私に?勝つ?面白い冗談です」

 

「で、出来るか出来ないかどうなんだ」

 

「私に勝てたらいいでしょう。出来るものならね」

 

「そうか、ならそうさせてもらう。俺のターン!ドロー!!」

 

引いた5枚を確認する。ちゃんと来てくれたな。

 

「俺は4枚チャージして、創造(クリエイション)をプレイ」

 

創造(クリエイション)/無/コスト2/スペル

このカードのプレイを無効化出来ない

①カード名を一つ宣言する。その後、プレイされたこのカードは宣言したカードとなり手札に加える。

 

好きなカードをサーチ出来るがコストが重すぎる難点がある。これを採用するなら元カードを3積みかドロー補助を増やしたほうがいい。

だが、このカードの本来の用途は違うはず。

 

「俺が宣言するのは……コスト10、X(クロス)ゲートサモン!!」

 

X(クロス)ゲートサモン/無(エナ参照)/コスト10/スペル

このカードはカードの効果を受けず、プレイを無効化出来ない。

手札がこのカードのみの場合でエナが足りない場合、不足分はDPを加算させることによってプレイ出来る。

プレイ条件:自身のDP20以上

①Xゾーンから自身のエナと同じ色のXスピリットを一体場に出す。

 

創造だったカードが輝き俺が望む……前世で俺が手掛けたカードへと変化していく。

 

「何だそのカードは……っ!?」

 

「気付いたか?だがもう遅い!そのままプレイ!Xゲートから来い!逆天竜!!」

 

虚無から現れたのは赤き竜。世界と世界を繋ぐカードによって、俺が思い描いた切り札は顕現した。

 

逆天火竜ガルガンチュア/火/コスト11/Xスピリット/H8/A15

このカードの攻撃は無効化されない。

①場に出た時、このカードよりコストが低い場のカードを全て無効化しその後、破壊する。破壊したカードの総コスト分を相手のDPに加算させる。

 

「コスト11……あり得ない」

 

「全てを焼き払えガルガンチュア!!」

 

相手の場を更地にする。これで邪魔な壁はいなくなった。

 

「バトルだ!行け!ガルガンチュア!」

 

「っ!ゴッドデス……」

 

「無駄だ、このカードの攻撃は無効化出来ない。粉砕しろ!」

 

炎を纏いし大剣を振り下ろし、担任のDPを加速させる。俺は勝利した。

 

 

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