ハイスクールD×D 桜物語   作:孤高の桜

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『芳乃』の意志と破滅の運命

清隆とリッカは涼香に中に入れてもらい、そのまま奥の方にある一つの和室に案内された。

 

 

「少し、待っていてもらえるかしら?」

 

 

「は、はい」

 

 

「……」

 

清隆は緊張した返事をし、リッカは無言だった。

 

 

5分ほど経ったとき、涼香はいくつかの古い文献を持って二人のもとへやってきた。

 

 

「清隆。あなたは本当に『芳乃』を受け入れるつもり?」

 

 

涼香の一言に緊張が走る。

 

 

しかし、すぐに清隆は頷く。

 

 

そして、涼香と清隆は少しの間見つめ合い、涼香はため息をこぼす。

 

 

「はぁ、あなたにはこんな家と関わる事なく自由な生活をして欲しかったのだけれど」

 

 

「ふざけないで!」

 

 

涼香の言葉にリッカがキレた。

 

 

「あなたは清隆がどれだけの苦しみを味わったか分かってるの!」

 

 

「それでも、乗り越えると信じるしかなかった」

 

 

「そんなn「リッカさん!」…清隆」

 

 

リッカが喧嘩腰になるのを清隆が止める。

 

 

「俺は大丈夫ですから。それで”芳乃”さん。『芳乃』を受け入れるってどういう意味だかわかりますよね?」

 

 

「えぇ。それとそこのお嬢さんはもしかしてグリーンウッドさん?」

 

 

「えぇ、私の名前はリッカ・グリーンウッドよ」

 

 

改めて、リッカが挨拶をし、そのまま会話が始まる。

 

 

「まず、グリーンウッドさんはどこまで知ってるのかしら?ここに来たってことはもう覚悟が決まってると受け取るわよ?」

 

 

「私が知っているのは、桜と二天龍の戦いとそれに関わった人は皆、破滅へ向かっていくということ。桜とはもともと、何かの武器だったということ。桜は神と同等の力を持つということ。そして、桜は絶対的な力を持ち、どの時代も全てから狙われ、戦い続けたということぐらいよ」

 

 

「えぇ。もう完璧と言えるぐらいね。さすが『孤高のカトレア』と呼ばれるだけあるわね。清隆も今の話で分かったのではないかしら?」

 

 

「えっと、なんとなくですが」

 

 

清隆はあまりわかってないようだった。

 

 

「まぁ、『芳乃』を訪ねてきたのだから、全てを話すわ。『芳乃』の全てと清隆の存在を」

 

 

すると、涼香は立ち上がり、二人に「ついてきて」といい、外に歩き出す。

 

 

清隆とリッカは涼香を追いかけるように外について行った。

 

 

涼香について行き、到着した場所は大きな桜の木がある場所だった。

 

 

「清隆、あなたはもう桜に目覚めてるのね」

 

 

涼香は桜の木と清隆を交互に見てそうつぶやいた。

 

 

「どうしてそう思うんですか?」

 

 

「この桜の木はね、次期桜の後継者が現れると、咲き乱れるのよ。ほんと、あなたにはこんなものに関わって欲しくなかったわ」

 

 

涼香は桜の方から清隆の方に振り返る。

 

 

「まずはあなたを捨てた理由からね」

 

 

その言葉に清隆とリッカは静かにつばを飲み込んだ。

 

 

「それは、芳乃から逃げて欲しかったからよ」

 

 

「芳乃から」

 

 

「逃げる?」

 

 

清隆とリッカは意味が分からないように繰り返した。

 

 

「そう。その理由こそ『芳乃』のことよ」

 

 

涼香はもう一度桜の木を見上げていった。

 

 

「かつて、初代芳乃はすごく強い力をもっていたの。それこそその時代でも最強に近い存在だった二天龍と呼ばれる二体の龍を相手にしても引けを取らないぐらいにね。後に初代芳乃は『桜の守護者』と呼ばれる程にまでその存在は広まったわ。でも……」

 

 

涼香は拳を握り締めた。

 

 

「強い力は皆に頼られ、強すぎる力は皆に蔑まされ、妬まれる。そして、様々な勢力から勧誘や脅迫、最後には命を狙われたそうよ。それで、初代芳乃は自らの力を自らの命を持って封印したのよ。もう、自分のような人を出したくないという願いの下ね。さらに、世界を守りたいという願いとともにね。そして、それから芳乃はその力を守る守護者として、桜を守り続けてきた。そして、芳乃の子供が生まれるとき、この桜が咲き乱れたとき、大きな戦いが起こり、桜の力が目覚めるという話があるのよ」

 

 

「「まさか……」」

 

 

涼香の最後の一言で二人は気づいた。

 

 

なぜ、逃がさなければいけなかったのかを。

 

 

「えぇ。清隆が生まれたとき、この桜が咲き乱れたのよ。確かに伝説かもしれないと思ったわ。でも、私の祖母と祖父は桜の力を持っていたと言われているの。そして、死んだ。なんで、こんな力があるんでしょうね。初代はこの力でたくさんの人の命を守った。だからこそ、私たちはその意志を受け継がなくちゃいけない。それでも、私はあなたにこんな力を使って欲しくなかった!だって、あなたは私の子供なのだから!誰が好き好んで我が子を戦いに行かせたいものですか!」

 

 

最後の涼香の目には涙が浮かんでいた。

 

 

「だから、清隆を捨てたの?」

 

 

「えぇ。でも、まさか魔法に関わると思わなかった。一度、桜が枯れてもう大丈夫と思っていたのに1年ほど前にこの桜が咲いたとき、私は悟ったわ。清隆が桜に目覚めたって。だからこそ、ここには来て欲しくないって毎日思ったわ。なぜなら……」

 

 

涼香は清隆を見つめながらつぶやいた。

 

 

「この話を聞きに来るってことはあなたが初代と出会い、覚悟を決めたということだもの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




『芳乃』を受け継ぐ意味を知った清隆達……


そして、清隆を捨てた理由……


しかし、言葉ではなんとでも言える。そう教えられた……


しかし、清隆達は知っていた……


本音を知る方法を……


そして、清隆は夢の世界へ落ちる……


次回「夢の真実」


これが涼香の真実だよ、清隆……



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