ハイスクールD×D 桜物語   作:孤高の桜

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母として……

清隆が夢から目覚めると心配そうに清隆をのぞき込んでいるリッカの顔が見えた。

 

 

「リッカさん……?」

 

 

「清隆!」

 

 

清隆が目覚めた瞬間に清隆に抱きついた。

 

 

その時、清隆はリッカの顔を見て驚いた。涙が浮かんでいたからだ。

 

 

リッカを少し離し、上半身を上げようとすると体に力が入りにくいことに違和感を感じた。

 

 

その違和感を無視して、ゆっくりと上半身を上げた。

 

 

「リッカさん?どうしたんですか?」

 

 

「どうしたんですか?じゃないわよ!目が覚めて、清隆を起こしに来たら、清隆の魔力がほとんど感じられないし、うなされてるしで心配したんだから!」

 

 

その言葉に清隆はさっきの異変がなんなのか理解することができた。

 

 

自分の魔力がほとんどないのだ。

 

 

消耗したというよりは、魔力の最大量がほとんどないような感じ。

 

 

「な、なんなんだこれ?」

 

 

自分でも意味が分からなかった。

 

 

リッカですら驚きを隠せない状況だったのだ。

 

 

「大丈夫。そうなるのは当たり前なのだから」

 

 

第三者の声に清隆とリッカは驚いた。

 

 

しかし、リッカはすぐに冷静さを取り戻し、涼香を睨みつけた。

 

 

「当たり前?どういう意味よ?もしかして、最初からこうなることが分かっていたの?」

 

 

「いえ、何かあるとは思っていました」

 

 

その言葉にリッカはキレて涼香の胸ぐらを掴み押し倒した。

 

 

「なんでそんな大事なことを言わないのよ!これで、もし清隆の魔力が戻らなかったら「私を殺してくれても構わないわ」……え?」

 

 

リッカの言葉にかぶせられた涼香の言葉にリッカ自身が驚いた。

 

 

まさか、自分が言おうとしていたセリフを言われるとは思わなかったのだろう。

 

 

「たしかに、言わなかったのは悪かったわ。でも、このような現象が起こることは私は知らなかった。それに、あの桜は術者の魔力から咲き続けているんです」

 

 

「つまり、清隆の魔力は……」

 

 

「えぇ。多分あの桜にあると思うわ」

 

 

涼香の言葉にリッカは希望が生まれたような顔をした。

 

 

「清隆?一人で大丈夫?」

 

 

「ちょっと、あなたn「グリーンウッドさんは黙ってて!」っ!?」

 

 

涼香の問いにリッカが反論しようとすると、涼香に止められる。

 

 

その時の涼香の顔は母親の顔をしていた。我が子の心配と期待の入り交じった顔を。

 

 

「えぇ。今は難しいですが、もう少し、この状態になれたら行こうと思います。桜の木へ」

 

 

「分かったわ。まずは朝食にしましょう。二人とも来てくれる?」

 

 

リッカは清隆を支え、反対側を涼香が支えるような感じでリビングの方向に歩いていった。

 

 

朝食を食べ終わった後、清隆は自分の部屋に戻らせ、リビングに残ったのは涼香とリッカの二人のみだった。

 

 

「で、私が言いたいこと分かってるわよね?」

 

 

「えぇ。成功確率のことね?」

 

 

涼香の答えにリッカは頷いた。

 

 

そう、どんなものにも魔法が関われば危険がつきものであり、それなりの対価も必要なのだ。

 

 

「朝の清隆の目は覚悟を決めた目だったわ。だから、成功確率は100%にかなり近いと言えるわね。でも、対価は……」

 

 

涼香は自分の手をそっとリッカに見せる。

 

 

「な、にを?まさか!?あなた!」

 

 

「えぇ。グリーンウッドさんが思っているとおりよ。あなたにだけ教えてあげるわ。私は―――――」

 

 

そこで涼香は自らの秘密と想いをリッカに話した。

 

 

その言葉はリッカの思っていたこと以上のことだった。

 

 

その言葉を聞いたあと、リッカは思いつめた顔をした。

 

 

「ごめんなさい。朝の件、私は……」

 

 

「いいのよ。私のことはね。それよりも、今後も清隆のことをお願いね。見た感じ、夫と同じでかなり思いつめたり、無茶したりしそうだから」

 

 

「もちろんよ!あなたの想いは受け取ったわ。さぁ、桜の木に清隆を連れていきましょう」

 

 

席を立ち、リビングを出ようとするとき、一度振り向いた。

 

 

「それとあなた。今、すっごく母親の顔をしているわよ。”お母さん”」

 

 

「えっ……」

 

 

その言葉を言った後、リッカは清隆を呼びに行った。

 

 

リッカが出ていって、残された涼香の目からは自然と涙があふれてきた。

 

 

「ほんとに、これからって時に……そんな言葉を言われたら涙が止まらないじゃない……」

 

 

涙を流しながら涼香はつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清隆とリッカ、それに涼香は桜公園の入口についた。

 

 

「では、リッカさん。芳乃さん。行ってきます」

 

 

「きちんと帰ってきなさいよね」

 

 

「行ってらっしゃい、清隆」

 

 

リッカと涼香はそう送り出した。

 

 

清隆を送り出したあと、また二人きりとなった。

 

 

今日だからなのか人の気配が何もなかった。そう、ここには誰も近寄って来れなかった。

 

 

「行くのね?」

 

 

「えぇ。これが最後の私の役目ですから」

 

 

「清隆は望んでないのに?」

 

 

リッカは悲しい目で涼香を見つめる。

 

 

「えぇ。たとえ望まなくても変えることはできない。たとえ私にだって」

 

 

「でも、清隆ならどうにかするかもしれないわよ?」

 

 

「フフッ。そうかもしれないわね。じゃぁ、行くわね」

 

 

そう言って、清隆の後を追う前に涼香はもう一度リッカへ振り返る。

 

 

「もしもの時は、頼みますよ?”リッカ”」

 

 

「えぇ。あとは任せなさい。それと、きちんと清隆にも真実を伝えなさいよ。”涼香”!」

 

 

お互いの名前を呼び合い別れた。

 

 

とうとう、リッカは一人になってしまった。

 

 

「待つって、辛いわね。自らの力のなさが身にしみるわ」

 

 

リッカはそのまま桜の木の方向を見続けた。




覚悟を決め、清隆は桜の木の下にやってきた……


そして、清隆は語る。自分の想いと覚悟を……


そして、明かされるすべての真実……


涼香の真実も……


すべてのピースが埋まり、パズルは完成する……


全てを受け入れることができない清隆……


しかし、無常にも桜は少しずつ枯れていく……


そして、涼香と清隆は『芳乃』としての選択を迫られる……


次回「『桜の守護者』として」


ふざけんじゃねぇ!何だよそれ!せっかく、あんたと向き合えるって思ってたのに!そんなの、そんなの、ねぇよ……



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