リッカの提案により、エリザベスの作った空間に4人は飛ばされた。
「じゃぁ、私が星、清隆が愛紗という組み合わせでいいわね?」
皆がリッカの言葉に頷いた。
「じゃぁ、まずは私たちから始めましょうか。清隆と愛紗は下がっといてね」
リッカの言葉に清隆と愛紗は後ろに下がった。
そして、残されたのは星とリッカのみになった。
「いやいや、相手は噂に名高い『孤高のカトレア』とは武人としては嬉しい限りですなぁ」
「少し、口がすぎるんじゃない?そろそろ始めたいから、武器を構えてもらえるかしら?」
そうリッカが言うと、先ほどと同じように星は龍牙を取り出した。
「では、常山の昇り龍 趙子龍、いざ参る!」
星は持っている龍牙を構え、リッカに接近し突いた。
しかしそれをリッカは軽々と、持っていた杖で弾き飛ばした。
「本気で来なさい!その程度じゃ実力を見るまでもないわよ!」
「心配なさるな!」
星は龍牙に魔力を集める。
「行きますぞ!ハイー!」
先程よりも速い突きをするが、リッカは軽々それをよける。
「まだまだ!ハイハイハイハイハイハイー!!」
さらなる追撃を星は行う。
「それぐらいやってもらわないと困るわ」
しかし、リッカはその攻撃を全てよけきる。
そして、リッカは一度距離を空ける。
「じゃぁ、そろそろ、反撃に出るわよ!」
リッカは風を集め、それを星の方向に投げた。
「その程度!ハァーー!っぅお!?」
星はその攻撃を龍牙ではじき飛ばそうとするがあたった瞬間周りに突風を巻き起こし、それに驚き少し後退してしまう。
「それだけじゃないわよ!」
さらなる追撃に二つの魔力弾を星に向かって投げつける。
「もう、同じ手は食わん!」
星はリッカの魔力弾を切り裂いた。
先ほどと違うのは、龍牙の先が魔力によりコーティングされており、鋭く尖っているということだ。
切り裂いた魔力弾は後方で先ほどと同じように突風を巻き起こしていた。
「へぇ。それがあなたの戦い方なのね。槍の速さで圧倒しながら、槍の鋭さを上げる。でも」
「なっ!?」
突如、龍牙の先にあった魔力が粉砕された。
「私は魔法使いよ?魔法、魔力に関してはプロフェッショナル。見た感じ、まだ魔力に触れて1年も経っていないのでしょう。まだまだ荒削りだわ」
そのあとは、ひたすらリッカが魔法で星を吹き飛ばし続けた。なんとか頑張ったところもあったが、結局は手も足も出ずに負けた。
「これが、カテゴリー5の魔法使いの実力……」
「まぁ、私はかなり強い方に入るから自信をなくす必要はないわ。それにこれからの戦いは基本団体戦。だから、そこまで心配する必要はないわ。それよりも清隆!」
「はい!わかってます!行きましょう、愛紗さん」
「は、はい!」
リッカと星と入れ替わりに清隆と愛紗は先程まで戦っていた場所に向かう。
そして、二人が構える。
愛紗の手には青龍偃月刀が握られており、清隆の周りにはピンク色の桜が展開されていた。
「では、行きます!ハァァ!!」
愛紗は大きく青龍偃月刀を振りかぶって清隆に向かって振り下ろした。
しかし、それは桜によって阻まれる。
「では、俺も!」
桜で愛紗をそのまま弾き飛ばし、両手に桜で刀を形成する。
「ハァァ!!!」
「くっ!」
愛紗は清隆の連撃を何とか防ぐ。
清隆はもともと遠距離の桜の攻撃もしくは、近距離の拳闘が得意分野であるが、姫乃の相手をするために剣術もかなりの腕前があるのである。
そして、連撃を防ぎきる。
「さすがは、ご主人様ですね」
「ご主人さまぁ!?」
突然の爆弾発言に清隆が驚いた。
「な、ななな、なんでご主人様!?」
「ご主人様はご主人様です。これからは私たちの『王』なのですから」
「でも、さすがにご主人様は勘弁してもらえない?」
「ダメです!それにそろそろ行きますよ!」
すると、愛紗は青龍偃月刀を構え直し、先程よりも格段に速い動きで清隆に迫ってくる。
清隆も負けじと二刀流で応戦する。
そして、中央で火花が飛ぶ。
今回はお互いが攻撃防御を繰り返していく。
(愛紗さんの動き、さっきよりも速く、鋭くなってる。巴さんと同じ感じの能力なのか?)
お互い、つば競り合いになるが、徐々に清隆が押され始める。
「ハァァァ!」
「チッ!」
愛紗の渾身の一撃により、桜で作った日本の刀は砕け散り、清隆も後方に飛ばされてしまう。
追撃を見越して、桜を瞬時に両手に形成するが、追撃はこなかった。
「……て」
愛紗が何かを呟いた。。
「何か言った?」
「どうして、本気で来てくれないのですか?」
「え?」
その言葉に驚いた。たしかに金色桜を使っていないということでは本気を出していないということになる。
しかし、それを除いても清隆はかなりの本気を出していた。
「私にもプライドというものがあります。ご主人様の本気を私は見たい!」
愛紗が頭上で青龍偃月刀を回転させると、青白い光が青龍偃月刀を包み込んでいく。
清隆は咄嗟に思った。この一撃は今の俺では防げないと。
(なら、おれの取る行動はひとつだな)
清隆は右手を引き、左手を愛紗の方向に突き出す。
「分かったよ。なら、俺も本気で行こう。でも」
清隆は右手に桜を集め始める。そして徐々にピンク色の桜は金色に変わり出す。
「1撃だけだ。それ以上はダメだ」
「それで十分です!では行きます、ご主人様!青龍牙!」
愛紗が放つ魔力が龍の形をし、清隆の方に襲ってくる。
「たしかに、すごい力だ。でも、それじゃまだ弱いかな」
右手に溜めた桜全てが金色に変わる。
「いくよ、愛紗さん!
放たれたのは金色の炎の形をした暴食桜だった。
桜は愛紗の青龍牙とぶつかる。お互いの魔力が少しずつ削られていくが、暴食桜は徐々に青龍牙を包み込んでいく。
そして、そのまま愛紗をも包み込んだ。
桜が消えるとその場には愛紗が倒れていた。
すぐに清隆は近づいた。
「だ、大丈夫ですか?愛紗さん」
「心配には及びません。さすがですね、ご主人様は」
そう言いながら立ち上がるが転びそうになる。清隆はすぐに愛紗を支えた。
「それと、私のことは愛紗と呼び捨てで構いませんよ?」
「じゃぁ、俺もきy「ダメです」……分かりました」
その後、リッカに文句を言われたのはまた別の話であった。
二人の英雄との戦闘を終え、清隆とリッカは学園長室に戻る……
そこで、リッカは新たな戦力が欲しいことを伝える……
次回「新・魔法使いの駒」
清隆、新しい戦力がいるのよ。このままだと、私たちは負けるわ……