ハイスクールD×D 桜物語   作:孤高の桜

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才能

「ふぅ、なんとかギリギリ間に合ったみたいだな」

 

 

巴はそう呟きながら灯花のいる方角を見る。

 

 

「やはりとは思ったがまさか本当に灯花が相手だったとはな」

 

 

巴は灯花を見ながらそうつぶやいた。

 

 

「へぇ、巴は動けるようになったんだ?確か巴は風見鶏の加護を受けていたはずだけど?私のレーザー化した状態と同じ威力の打撃なんて無理なはずだけど?」

 

 

灯花は不思議そうに巴に言った。

 

 

「まぁ、灯花にはわからないだろうな。成績だけの表面上な力しか見えていないガーディアン連中にはな」

 

 

そう言いながら自分の腕に巻きついている術式を見せる。

 

 

「術式魔法?どういう意味?」

 

 

「これは、こちらの超優秀な魔法使いの術式魔法を描いたものなのだよ。おかげで、私はこのとおり加護のある状態で暴れることができる」

 

 

その言葉に灯花は驚きを隠せなかった。

 

 

「そ、そんなの嘘よ!この作戦において静流ちゃん以外に薬品の成分とかは知らなかったはずよ。それにこの薬品をばら撒いてまだ1時間ちょっとしか経っていない。そんなの理屈上無理に決まってるじゃない!冗談はやめなさい!本当はどうやったのよ!」

 

 

灯花の必死の言葉に巴はため息を着いた。

 

 

灯花が必死になるのも不思議ではないのだった。

 

 

今、灯花が言ったとおり静流の薬品は全てがかなり複雑で1時間で成分が全て分かり術式を完成させるなどこんな何の機械もないところでは理屈上できないことだった。

 

 

「だから、私は、ガーディアンをやめたんだ。お前たちは、魔法が出来る出来ないでしか、才能があるないでしか区別しないから」

 

 

巴が拳を握り締めながら言った。

 

 

「お前らにはわからないだろうな。彼女の努力が、彼女の頑張りが!」

 

 

巴は怒りの形相で灯花を睨みつける。

 

 

「お前たちは私に魔法の才能がないことがわかればすぐに切り捨てた!私はもがき続けた!それでも、無理だった……。でも、リッカに拾われて、風見鶏に入って私は一生懸命勉強したよ」

 

 

「それでも、あなたに才能がないことは事実よ」

 

 

「そのとおりだ。私は風見鶏に入っても、どれだけ努力してもまともな魔法が使えるようになったわけでもない。そんな時、ある男と再会した」

 

 

「男?」

 

 

灯花は首をかしげた。

 

 

「そいつの周りには、才能あふれる子や私のように才能のない子がたくさん集まった。この術式を作った娘も私と同じ魔法の才能がない子だったんだ。でも、その子は努力し続けた。決して報われるはずのない努力を」

 

 

「だから、何?」

 

 

「私は辛かった。でも、その子は掴んだんだ。自分だけの取り柄を。それがこの術式だ!これはその子の才能の賜物だよ!そして、これがお前たちガーディアンに捨てられて、苦しんで!清隆に教えてもらった力だ!」

 

 

さらに体中から魔力を放出する。

 

 

「私は一生懸命考えた。魔法が使えなければどうすればいいかを!そして、清隆が答えてくれた!魔法は想いの力だと!そして、魔法が使えないなら魔力はどうしてるのかを!その時、灯花のレーザー化を思い出したよ。そして、考えついたのがこの力だ!行くぞ、灯花!風見鶏の力を受けてみろ!」

 

 

そう言い、巴は灯花の下へ駆け出した。

 

 

「所詮、才能のない子の猿真似ね」

 

 

灯花はため息を吐きながら体を光らせ、巴の方向に駆け出す。

 

 

両者はさらに中央でぶつかる。

 

 

魔力と魔力のぶつかり合いだった。

 

 

中央では魔力がぶつかり合い周りの被害は尋常ではなかった。

 

 

そして、魔力の中では二人が殴り合っていた。

 

 

「うぉぉぉ!お前にはわからないだろうな!この術式は私の仲間が作り上げた努力の結晶だ!」

 

 

「まさか!クリサリスの娘!?あの一族は既に落ちたはずよ!その娘も落ちこぼれのはず!?」

 

 

「私の大事な仲間を落ちこぼれ扱いするなぁぁ!!」

 

 

巴はさらに魔力を上げて灯花を攻撃していく。

 

 

その猛攻に灯花も焦りが見え始め、さらに魔力を高めている。

 

 

お互いの体が徐々に魔力に耐えられなくなり、傷も増えていく。

 

 

「私は猿真似何かに負けないわ!!」

 

 

「猿真似と呼んでも構わない!私はこの力でシャルルに!リッカに!そして、清隆に並ぶんだぁぁ!」

 

 

巴が吠えると共に徐々に巴が押し始める。

 

 

「才能がないことなんて初めから分かってたんだ!それでも私は認めてもらいたかったんだ!それを望んで何が悪い!私自身の存在を認めて欲しくて何が悪い!ガーディアンには私の居場所はなかった!でも、風見鶏にはあった!私が心から笑えて、存在する価値のある場所だったんだ!だから、みんなを傷つけるお前たちは絶対に許さない!」

 

 

「これが、巴の実力だっていうの!?あの何も才能のかけらもなかった落ちこぼれのッ!?」

 

 

ついに巴の拳が巴にクリーンヒットし、灯花は吹き飛ばされる。

 

 

「ハァハァ、どうだ?風見鶏の力は?」

 

 

巴は灯花の倒れている方角にむいてそういった。

 

 

煙が晴れて見えた光景は皆が驚くものだった。

 

 

たしかに見た目は瀕死状態だった。

 

 

しかし、瞳は巴を見据えており、魔力を纏ったままだったからだ。

 

 

「今のをくらってまだ立ち上がるのか!?」

 

 

愛紗を驚きの声が響く。ほかの2人も驚いていた。

 

 

しかし、巴はそれほど驚いていなかった。

 

 

「ハァハァ、さすがに今のはかなりやばかったわね」

 

 

灯花も体からひねり出すようにそう言った。

 

 

「やはり、まだ力が足りなかったか……」

 

 

巴自身もやはりか、と言いたいような顔でそう言った。

 

 

ゆっくりと、巴は歩き出す。足を引きずりながら。

 

 

灯花も同じように足を引きずりながら巴の方に歩き出す。

 

 

お互い、ゆっくりと。本当にゆっくりと。その場に緊張が走る。

 

 

二人の気迫に押されて誰も動けなかった。

 

 

どんどん、距離は縮まっていく。

 

 

そして、二人の距離はなくなり、お互いの頭と頭をぶつけ合う。

 

 

「もう、私も限界が近いようだ……」

 

 

「奇遇ね。私も久しぶりに限界が近いようよ……」

 

 

しかし、その言葉とは裏腹に少しずつ魔力が高まっていく。

 

 

周りの魔力が二人にに吸い寄せられていく。

 

 

「限界が近くとも―――――!」

 

 

「限界じゃない―――――!」

 

 

二人の体は動きはしなかった。しかし、見ていた3人には分かった。これから始まる激闘が。

 

 

「私は風見鶏の為に―――――!」

 

 

「私はガーディアンの為に―――――!」

 

 

「お前を―――――!」

 

 

「あなたを―――――!」

 

 

「「倒す―――――!!」」

 

 

二人は動かないであろう体に鞭を打つように先程の打撃戦をもう一度繰り広げる。

 

 

そう、お互いの想いと想いの戦いだった。

 

 

二人の体力と魔力は既に限界を迎えていた。

 

 

しかし、お互いの想いが邪魔をして倒れることを許さなかった。

 

 

「私は風見鶏の金将だ!私は負けるわけにはいかないんだ!」

 

 

「私だってカテゴリー4の魔法使いよ!負けることは許されないの!」

 

 

しかし、二人とも限界が近くなったのか少しずつ魔力が弱まっていく。

 

 

そして、その均衡が崩れた。

 

 

巴の膝が崩れたのだ。

 

 

灯花はその隙を見逃さなかった。

 

 

「これで、終わりよ!」

 

 

一瞬の隙に灯花は大振りに振り上げ、魔力を溜める。

 

 

「ハァァ!!」

 

 

その一撃は巴の腹部に直撃して地面に叩きつける。

 

 

「やっと、終わったわn「まだだ!!」えっ!?」

 

 

巴は右手に灯花と同じ色の魔力を溜めていた。

 

 

「ま、まさか!?そんなことが!?」

 

 

灯花は直ぐに悟った。この魔力は自分の魔力だということに。

 

 

「これが本当の私の力だ!その身で受けて吹っ飛べ!オーガ・バスター!!」

 

 

緑色の魔力と黄色の魔力が混ざり合う拳を灯花の腹部に突き上げるように打ち込む。

 

 

その一撃は凄まじいものだった。

 

 

灯花は巴の横で崩れ落ちるように倒れる。

 

 

巴は這いずりながら灯花に言った。

 

 

「西九条灯花。あなたを捕縛する……」

 

 

巴が術式の書かれている紙を灯花の両手に巻きつける。

 

 

「ゴハッ!」

 

 

「「「巴!」」」

 

 

巴が吐血する。3人はすぐさま緊張が解け、巴に近づく。

 

 

「……やったぞ。ついに、灯花を超えた。少しは強くなれたかな……」

 

 

そうつぶやいて、巴も意識を失ってしまった。

 

 

その後、巴と灯花を安全なところに3人が運んだ。

 

 

 




巴達が戦う中、リッカと静流の戦いも始まる……


両者は魔法使いの中でも最強の代名詞である『カテゴリー5』の魔法使い……


二人は過去に接点を持っていた……


静流は語る……


もう過去には帰れない……


静流を襲った過去の事件……


その事件を知ったリッカは静流を止める……


次回「静流の過去 静流の想い」


ルチアが一体何をしたと言うんだ!彼女はただ、皆と共に笑いたかっただけなんだ……

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