ハイスクールD×D 桜物語   作:孤高の桜

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静流の過去 静流の想い

灯花や愛紗達が戦っている頃、別の場所でも激闘が繰り広げられていた。

 

 

「ハァァ!!」

 

 

「クッ!」

 

 

静流の攻撃をリッカは杖で弾く。

 

 

「……まだだ!」

 

 

離れた静流はナイフに魔力を溜めてそれを斬撃としてリッカに放つ。

 

 

「その程度の斬撃!!」

 

 

リッカは障壁をつくりそれで斬撃を防ぐ。

 

 

二人は離れたところに着地する。

 

 

「なんであんたガーディアンなんかに手を貸すのよ!」

 

 

リッカが怒鳴る。

 

 

リッカと静流には過去に接点があった。

 

 

リッカと静流はカテゴリー5の同期なのだ。

 

 

そして、お互いがお互いを意識して強くなり、任務の時は協力を頼んだりしていた。

 

 

しかし、ある時を境に静流は変わってしまったのだ。

 

 

それ以前は静流はフリーの魔法使いだった。リッカも当然フリーの魔法使いだった。リッカがジルの死で悲しんでいるときにそばにいてくれたのも静流だった。

 

 

それだけ仲が良かったのだ。

 

 

ところが、静流は突如行方をくらました。半年ほどだ。だが、突然入ってきた情報はリッカを驚かせるに値したのだ。

 

 

その情報とは静流がガーディアンに所属したということだった。

 

 

リッカはガーディアンのやり方が気に入らず何ども勧誘を断ってきた。当然、静流もだ。

 

 

リッカは当然、ガーディアンに出向き静流に訳を聞きに行った。

 

 

しかし、返ってきたのは面会拒否だった。

 

 

リッカはそれから一生懸命考え、静流の情報を手に入れることと同時に自分の研究の手助けをしてくれるエリザベスの下へ出向いた。そして、風見鶏の一員として、静流の情報を手に入れようと頑張った。しかし、ガーディアンの情報は手に入るのに静流の情報はほとんど手に入らなかった。

 

 

そして、ズルズルとそのまま引きずり今に至るというわけだ。

 

 

「リッカには関係ない!」

 

 

静流はリッカの言葉に対し、すぐさまリッカの懐に潜り込む。

 

 

先ほどと同じようにリッカは杖で受け止める。

 

 

しかし、そのまま蹴りがリッカの腹部を襲う。

 

 

「グフッ!?」

 

 

鈍い音が聞こえ、リッカは後退させられる。

 

 

「何が関係ないなのよ!理由ぐらい話してくれたっていいじゃない!」

 

 

「……たんだ」

 

 

リッカが苛立ちのあまり怒鳴ると静流は静かに呟いた。

 

 

「何よ!はっきり言いなさい!」

 

 

「ルチアが殺されたんだ!」

 

 

「え?」

 

 

静流は涙を流しながら呟いた。

 

 

「ルチアが殺されたんだ!堕天使に!」

 

 

静流はもう止まらなかった。

 

 

「魔法とは違う強い力をルチアは持っていた!でも、ルチアはその力を決して使おうとはしなかった!だから、私が保護した!誰にもルチアは傷つけさせないように!ルチアは苦しんでいたんだ……。自分の能力に……」

 

 

「そのルチアって子が私に紹介したいって言ってた子なの?」

 

 

「そうだ。ルチアが一体何をしたと言うんだ。彼女はただ、皆と共に笑いたかっただけなんだ!それなのに!」

 

 

そこから静流はルチアの死について語る。

 

 

とある雨の日だった。その日、静流は長期任務に飛び立っていて帰るのに少しだけ遅れたそうだ。

 

 

そして、家から爆発が起こり、そこを見るとルチアが血まみれで倒れていた。

 

 

ルチアのそばには漆黒の羽を生やした種族が立っていた。

 

 

最初は何が起こっているかわからなかったがすぐに理解でき、静流は駆け出した。

 

 

そして、その男を静流は殺した。その後、静流は意識を失い目が覚めたときにはガーディアンの医務室にいたそうだ。

 

 

その後、堕天使などの存在を知り、それから堕天使への復讐を決意したそうだ。

 

 

リッカは静流のその話を静かに聞いていた。

 

 

「そんなの……。ほかの堕天使は関係ないじゃない!」

 

 

「それでも!ガーディアンの情報で堕天使はたくさんの人間を殺しているのが分かった!人間を守るのがガーディアンの使命だ!」

 

 

「それでも、堕天使の命を奪うのは間違ってるとは思わないの!?」

 

 

リッカのその言葉に静流は持っていたナイフを握りしめる。

 

 

「それでも!私はルチアを奪った堕天使が許せないんだ!」

 

 

静流が魔力弾を数個飛ばしてくる。

 

 

それをリッカは風で弾くが突如弾き飛ばした魔力弾が爆発した。

 

 

そして、そこから魔力で出来た煙が辺りに霧散した。

 

 

「しまった!」

 

 

リッカはすぐに気づいた。しかし、時既に遅しだった。

 

 

リッカは膝をついてしまう。

 

 

「まさか、ここまで上手くなってるなんて。魔力弾の中に薬品をしのばせるなんて芸当が出来るなんて」

 

 

静流はリッカの言うとおり薬品を自分の魔力弾に忍ばせ、放ったのだ。そしてその薬品を直にかぶってしまったリッカは膝をついたというわけだ。

 

 

「感覚を奪う薬品ってところかしら?」

 

 

目の前まで歩いてきた静流にリッカが言った。

 

 

「たしかに通常の戦いでは私はリッカに劣る。でも、この結界という密閉空間の中では私がリッカに負けることはまずありえない。ましてや、力の落ちている今のリッカに負けるなんてことはまずありえない。私もリッカを殺したくはない。降ってはくれないだろうか?」

 

 

リッカに静流は問いかけた。

 

 

「……ないでよ」

 

 

リッカはゆっくりと顔を上げ静流を見据えた。

 

 

「ふざけないでよ!静流、あなたは間違ってる。ルチアさんがあなたの復讐なんかに望んでいるわけないじゃない!なんで、わからないのよ!ルチアさんが望んだことを!」

 

 

リッカは必死に静流に問いかける。

 

 

静流はゆっくりとナイフをリッカに近づけるがあとほんの少しのところで止まる。

 

 

「リッカ。もう勝ち目なんてない。諦めてくれ、頼む」

 

 

静流はナイフを当てようとしなかった。

 

 

「嫌よ。それに、たしかに私はあなたに勝てないわ。あなたを追い詰めるなんてことも絶対に出来ないわ。でもね―――――」

 

 

その瞬間、リッカのポケットから桜の花びらが落ちる。

 

 

その瞬間、静流はリッカからすぐに離れた。

 

 

そして、徐々に桜はリッカの周りを包み込んでいく。

 

 

「風見鶏を舐めないでよね。たとえ、私が勝てなくても勝つ方法ならあるのよ」

 

 

「強がりを!」

 

 

静流は先程の魔力弾を桜の集まっている方向に放つ。

 

 

しかし、それは桜に飲み込まれる。そして、飲み込んだ桜は変色しその場に崩れ落ちた。しかしすぐさま先ほどと同じ輝きを見せ、復活した。

 

 

その光景に静流自身が一番驚いていた。

 

 

「だ、誰なんだ!」

 

 

静流が叫ぶ。それに答えたのはリッカだった。

 

 

「そう言えば、静流とは初対面だったわね。ならここで、紹介してあげるわ」

 

 

桜が集まり、そしてその中から現れたのは清隆だった。

 

 

そして、徐々に桜が金色に変わっていく。

 

 

「葛木清隆。『芳乃』を受け継ぐ最高の魔法使いよ!」

 

 

 

 

 

 




清隆はついに戦場へと姿を現す……


対峙するのはカテゴリー5の魔法使い……


清隆は戦うことを否定する……


それでも彼女は止まらなかった……


そして、戦闘の中で清隆は静流の記憶を覗き込んでしまう……


その中にあったのは優しい彼女と……


ルチアの想いだった……


次回「ルチアの想い」


こんなにも強い想いがあるんだ!諦めるわけにはいかない!
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