ハイスクールD×D 桜物語   作:孤高の桜

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奇跡の桜

「本当にいいの?そのまま意識を手放しても?」

 

 

(誰だよ、俺はダメだったんだ。やっぱり、俺じゃ勝てないよ)

 

 

清隆は無意識に深層心理の世界に来てしまったようだ、自分自身の。

 

 

「じゃぁ、諦めるの?中津静流さんのことを」

 

 

(仕方ないじゃないか。俺には無理だったんだ)

 

 

「こんなにも強い想いがあるのに?」

 

 

(そんなのわかってる!それでも!俺には、力がないんだ……)

 

 

「力だけ?」

 

 

(え?)

 

 

「力だけなの?中津静流さんを助けるために必要なのは?」

 

 

清隆に深く突き刺さる言葉だった。

 

 

「清隆は誓ったはずよ?みんなを守るって。全てを受け入れるって」

 

 

突如、清隆の目の前に涼香の姿が現れる。

 

 

「か、母さん!」

 

 

清隆は涼香の登場に驚く。

 

 

清隆は走ろうとするが涼香は手で静止をかける。

 

 

「清隆はこんなところにいてもいいの?」

 

 

涼香はそっと手を上に上げる。

 

 

するとそこには、先ほど頭の中に流れてきた静流の記憶が映し出される。

 

 

清隆は静かに拳を握りしめる。

 

 

「もう一度聞くわ。本当にいいの?」

 

 

「……ないだろ」

 

 

「聞こえないわ!はっきり言いなさい!」

 

 

「いい訳ないだろ!こんなにも強い想いがあるのに!こんなにも悲しい想いがあるのに……。悔しい。無力な俺が……。何も出来ない俺自身がいることに!」

 

 

清隆は涙を流しながら涼香に問いかける。

 

 

「何が『芳乃』だよ!俺は、こんなにも近くにいる女の子一人救うこともできないじゃないか!……何も強くなってないじゃないか……。畜生ぅ……ぅう」

 

 

清隆は膝から崩れ落ちる。拳を握り締めたまま。まるで懺悔をするかのように謝り続ける。

 

 

すると、涼香はそっと清隆を抱きしめる。

 

 

「清隆。あなたは大事なことを忘れているわ。魔法とは何?」

 

 

涼香の言葉に清隆は自分が見えていなかった事に気づく。

 

 

「想いの、力?」

 

 

「そう。そして、『芳乃』のこの桜の力も魔法なの」

 

 

しかし、涼香の言いたいことが清隆には理解できていなかった。

 

 

「よく聞きなさい、清隆。人を傷つけるのも想いの力。されど、人を救うのも想いの力なの。単純な力も必要なのかもしれない。でも、中津静流さんを救うのに必要なのはそんな力なの?」

 

 

清隆は首を横に振る。

 

 

「理解したわね?『芳乃』の桜はね、奇跡の桜なの」

 

 

「奇跡の、桜?」

 

 

「そうよ、願いを叶える奇跡の桜」

 

 

涼香はじっと清隆を見つめる。

 

 

「もう、あなたには分かっているはずよ。この言葉の意味が。どんな人にも想いがあるの。たとえこの世界に生を持たなくてもね。私の意思が清隆に受け継がれているようにね」

 

 

そう言い、涼香は清隆から離れる。

 

 

「行きなさい、清隆。あなたは覚悟を決めたはずよ。全てを受け入れ、すべてを救うと。男なら約束ぐらい守りなさい」

 

 

清隆は涙を袖で拭き取る。

 

 

「この力は想いの力……」

 

 

清隆がそう呟く。

 

 

そして、清隆は涼香の顔をもう一度見る。

 

 

「行ってきます。母さん」

 

 

そう呟いて清隆はその世界から姿を消した。

 

 

残された涼香の横にひとりの女性が舞い降りる。

 

 

「もっと親子らしい会話もできたんじゃない?」

 

 

「私たちはあれでいいんですよ。それにこれは私への罰でもあるのですから、初代様」

 

 

涼香の横にさくらが歩いてくる。

 

 

「もぅ、そんなのいいんだよ。親子なんだから、こんな力に惑わされちゃダメだよ」

 

 

涼香の言葉に少しだけさくらは怒る。

 

 

「まぁ、もう少し時間が経ったら考えますよ」

 

 

涼香とさくらはじっと清隆の去った方向を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清隆は意識を取り戻した。

 

 

自分の体に力が入らなかった。しかし、自分の状況は怖いほど冷静に判断できた。

 

 

先ほど飛ばされた途中だった。

 

 

このままいけば倒れてしまうだろう。しかし、

 

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

 

倒れる寸前で清隆は踏みとどまった。

 

 

「うぉりゃぁぁぁぁ!!」

 

 

震える足を叩き、静流の方を見る。清隆の姿を見て静流自身も驚きを隠せなかった。

 

 

「な、なぜだ」

 

 

静流の掠れた声が聞こえた。

 

 

「まだ、倒れられねぇ。救えてないからな」

 

 

そして、清隆は静流に一歩ずつ近づいていく。

 

 

清隆の気迫に押され、静流は動けなかった。

 

 

「知っちまった。だから、助ける!」

 

 

清隆は一歩ずつ歩き、静流の前に立つ。

 

 

「う、うぉぉぉぉ!」

 

 

静流は持っていたナイフを清隆の腹部に突き立てる。

 

 

「グハッ!」

 

 

しかし、その突き刺さるナイフごと静流の手を掴む。

 

 

「思い出しやがれぇぇぇぇ!!!」

 

 

清隆は静流の額に頭突きをぶつける。

 

 

静流はその一撃をよけることができず、そのまま後退する。

 

 

見た目はそれほどのダメージはなかった。

 

 

しかし、静流はよろめいた。

 

 

頭の中に先ほど清隆の見た映像がそのまま流れ込んできたのだ。

 

 

「う……ぁあ……」

 

 

静流の顔がどんどん青ざめていく。

 

 

「嫌だ……嫌だぁぁぁぁ!」

 

 

静流の声が清隆の頭にも響く。

 

 

「い、やだ…………うぅ?」

 

 

突如、静流の声が小さくなる。そして、涙を流し始める。

 

 

清隆は動かない身体に鞭を打ち、静流の前までたどり着く。

 

 

そして、静流は清隆を見上げる。

 

 

「わ、私は……」

 

 

「中津さん……」

 

 

清隆はまっすぐ静流の目を見続ける。

 

 

「私は……うぅ」

 

 

静流はうつむいてしまう。

 

 

清隆は静流をそっと抱きしめた。

 

 

「もう、取り返しがつかない……」

 

 

爆発音のする方向に向かって静流が言う。その方向はアザゼルたちの向かった方向だった。

 

 

「でも、中津さんは本気で頑張ってたじゃないですか?」

 

 

「それでも、私は!たくさんの笑顔を奪ってしまった。これでは!ルチアに会わす顔がない……ルチアを私は裏切ったんだ!」

 

 

静流は拳を思いっきり地面に叩きつける。

 

 

しかし、清隆は静流をじっと見て、答えた。

 

 

「それだけの強い想いがあるなら、いけるよな」

 

 

その一言を言って、清隆は周りに誰もいないところに歩いていく。

 

 

そして、そこで思いっきり魔力を放出する。

 

 

そう、金色ではないピンク色の綺麗な桜を。

 

 

「な、何を……」

 

 

「何をしているの!清隆!」

 

 

静流には清隆が何をしているか理解できず、リッカは何か嫌な予感がし、清隆を止めようとする。

 

 

しかし、清隆は止まらず自分の魔力を放出し続ける。

 

 

「答えてくれよ!奇跡の桜ぁぁぁぁぁ!!」

 

 

清隆の叫びと共に清隆の魔力は桜にかわり清隆を中心に咲き乱れる。

 

 

「……キレイだ」

 

 

静流は思わず呟いた。

 

 

そして、1本の桜の木が完成する。

 

 

リッカはすぐに清隆の下に走る。

 

 

清隆が倒れる瞬間にリッカが受け止める。

 

 

「清隆!あなた一体何してるのよ!」

 

 

「リッカさん?ハハッ、見てて下さい。今から、奇跡を起こしますから……」

 

 

清隆は桜の木の上部を見る。それに釣られ、リッカも上部を見た。

 

 

すると、桜の花びらが一点に向けて落ちてくる。それは静流の目の前に、向かってだった。

 

 

そして、リッカと静流は驚くべき光景を見てしまった。

 

 

紫色の一人の女性がそこから現れたのだ。

 

 

「……ルチア?」

 

 

彼女こそが、静流の親友の此花ルチアだった。

 

 

「あぁ、静流か。大きくなったな。私は一体?」

 

 

ルチアは目の前で泣いている静流の頭をゆっくりと撫で周りを見渡す。

 

 

そして、桜の下に清隆がいることに気づき、全てが分かった。

 

 

「あぁ、あなたが私を。静流の中に残った私の想いを具現化してくれたんだな」

 

 

「本物、なのか?」

 

 

静流はルチアに問いかける。

 

 

「そうだな、私は静流の中に残ったお前を縛り続けてきた思念かな?でも、大丈夫だ。もう、静流を縛りはしないさ」

 

 

「縛るなんて!そんなことあるもんか!ルチアは私のはじめての親友だ!それなのに私は……」

 

 

さらに、静流は涙を流す。

 

 

「分かっている。それでも、私のせいで静流は自由がなかった。私が弱かったから……」

 

 

静流とルチアが抱き合う。

 

 

しかし、徐々にルチアの体がなくなっていく。

 

 

「ッ!?ルチア、体が!」

 

 

「私はもともと死んだ人間だ。こんなところにいられることが奇跡のようなものなんだ。そうだろ?『桜の守護者』さん?」

 

 

ルチアが清隆の方向を向いて言う。

 

 

「すみません、此花さん。どうしても、あなたの想いを伝えたかったので」

 

 

「私のことはルチアで構わない。それに、君のおかげで私の想いも伝わったと思う。それに、君になら静流を任せられるよ」

 

 

そして、ルチアはもう一度静流の方に向く。

 

 

「いいか、静流。堕天使を恨むのは止めるんだ」

 

 

「だ、だが!」

 

 

「そんな暇があるなら、もっとたくさんの人を笑わせるといい。そう今の私や静流のようにね」

 

 

その言葉に静流は気づく。自分の涙が止まっていることに。そして、笑っていることに。

 

 

「えぇっと」

 

 

「あっ、俺、葛木清隆って言います。清隆で構いません」

 

 

「そうか、清隆。静流のことを任せても良いか?」

 

 

ルチアは真剣な眼差しで清隆を見つめる。

 

 

「あぁ。任せてください!もう、二度と間違いなんて起こさせません!」

 

 

「結構。なら、静流。そろそろタイムリミットみたいだ。頑張れよ」

 

 

その言葉を残し、ルチアは姿を消した。

 

 

ルチアがいなくなった瞬間、桜も全てが消えた。

 

 

静流はゆっくりと立ち上がり、清隆とリッカのもとに歩く。

 

 

「ありがとう、葛木清隆。私は、救われたみたいだ。だから」

 

 

静流はそっとしゃがみ清隆にキスをした。

 

 

「次は私が清隆を幸せにしよう」

 

 

静流は満面の笑みで微笑んだ。清隆は何がなんだか分からずオドオドしている。

 

 

「ちょっ!静流何してるのよぉぉ!!」

 

 

リッカの言葉に静流は全てから解放されたみたいに笑顔になった。




駒王学園で戦闘が行われている頃、違う場所でも戦闘が行われていた……


敵の基地に乗り込む風見鶏……


そこで、姫乃達は敵の大将である江坂と相対する……


江坂の卑劣な行為に耕助は怒りを覚える……


次回「人形使いとして」


『江戸川家次期当主』の俺だけは絶対に許さない!お前を見つけて、お前も潰してガーディアンを潰す!






ここで、アンケートです。えっとですね、リアスとソーナ、清隆でレーティングゲームをしようと思ってます。なので〇〇と〇〇を戦わせて欲しいや〇〇のようなルールのレーティングゲームはどうだろうなどのような意見があれば、感想や個人のメッセージで送ってください。ちなみに期限は3日ぐらいを考えています。ちなみに、ソーナ・リアスVS清隆などもいけるかも?と考えています。あと、小猫はどっちにつくか考え中です。
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