ハイスクールD×D 桜物語   作:孤高の桜

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小猫の決断

小猫side

 

 

私は迷っていました。自分の力をどうすれば制御できるか。この力は使いたくなかった。

 

 

清隆先輩の下で修行するのはとても効率のいいことだと思います。

 

 

”心配しなくてもいいよ、俺たちの望む対価は少しでも黒歌の事を信じてやって欲しい。ほんの少しでもいいんだ。黒歌はいつだって小猫のことを想っていると信じてやって欲しい”

 

 

清隆先輩のその言葉が私の頭から離れませんでした。

 

 

私はどうしたらいいのかわからないまま数日が経過していきました。

 

 

すると、私たちグレモリー眷属とシトリー眷属、そして清隆先輩達の風見鶏のレーティングゲームを行うことがアザゼル先生から告げられた。

 

 

翌日にトレーニングメニューを発表すると言っていた。

 

 

私は迷ってしまっている。清隆先輩に付いていくか、ここで修行をするかを……。

 

 

すると、清隆先輩から渡されたシェルと呼ばれている通信機器に連絡が入った。すぐに名前を見ると、清隆先輩からだった。

 

 

私はすぐに周りに誰もいないことを確認し出た。

 

 

「もしもし」

 

 

「あぁ、清隆だけど。えぇっと、レーティングゲームの事ってもう聞いてる?」

 

 

やはり、そのことでしたか。

 

 

「はい。一応」

 

 

「そっか。それで修行のことなんだけど」

 

 

修行のことでなにかあったのでしょうか。

 

 

「俺、風見鶏の方で修行するんだ。だから、ついてくるなら、悪魔としてじゃなくて『塔城小猫』として見て、修行するけど。修行が終わるまで、冥界に帰って来れないだろうからそのことを言いたかったんだ」

 

 

清隆先輩の言葉に絶句してしまった。

 

 

先程まで行っては帰ってくるというのを繰り返すと思っていたのにそんなことになるなんて。

 

 

でも少し考えれば分かることでもあった。清隆先輩達も修行をしなければならないから。

 

 

「まぁ、まだ明日は滞在しておこうと思ってるから、明日の夜にでも返事してな」

 

 

「……はい」

 

 

私はどうすればいいんでしょう……

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソーナside

 

 

私は悔しかった。

 

 

冥界にレーティングゲームの学校を作るのは私の小さい頃からの夢だった。

 

 

そして、上級悪魔になりその夢に一歩近づいたと思った。

 

 

上級悪魔の皆さんが私の夢を聞いた瞬間に笑った事はとても悔しくて泣き出しそうになった。

 

 

すごく悔しかった。

 

 

なぜあそこまで言われなくてはいけないのか、私には分からなかった。

 

 

匙も反論してくれたが、それでも悔しいものは悔しかった。

 

 

そのとき、清隆君が私の夢を応援してくれると言ってくれた。

 

 

あの場では誰も逆らう事ができるはずもないのに、彼だけは私の味方でいてくれた。

 

 

本当に嬉しかった。

 

 

翌日、清隆君の泊まっているリアスの家に赴き、清隆君の部屋に向かった。

 

 

「失礼します」

 

 

「ん?あぁ、ソーナさんか。どうしました?」

 

 

いつもと変わらない清隆君がそこにはいました。いろいろな資料を見ているのです。

 

 

「あ、す、すみません。いろいろ散らかしちゃって。すぐに片付けるんでそっちのソファーにでも座っておいてください」

 

 

私の視線に気付いた清隆君は直ぐに資料を片付けに入りました。

 

 

私は、清隆君の言うとおりソファーに座り、清隆君が片付けるのを待ちました。

 

 

数分で清隆君は資料を片付け、封筒に入れて術式をかけているようでした。

 

 

風見鶏の機密事項か何かなのでしょう。

 

 

「すみません。色々ゴタゴタしてて」

 

 

「いえ、こちらこそ。突然の訪問すみませんでした」

 

 

「あ、それはいいんですよ。で、俺に何か用ですか?」

 

 

「昨日の件でお礼が言いたかったので。昨日はあのままお互い色々あって話せなかったので」

 

 

昨日、あれから清隆はほかの上級悪魔にいろいろ聞かれることがあったため、ソーナとはあまり話せなかったのだ。

 

 

「そ、そんなのはいいですよ。別に、お礼をされるようなことはしてないし」

 

 

「それでもです。清隆君の言葉のおかげで私はとても救われました」

 

 

「そんな、俺はただ、友達が悲しんでるのを見ておくことができなかっただけですよ」

 

 

本当にあなたは……

 

 

「そう言えば、先程からリッカさん達の姿が見えないのだけれどどうしたのかしら?」

 

 

「あぁ。そういえば。そろそろ帰ってくると思いますよ。って噂をすれば帰ってきたみたいです」

 

 

すると、ドアが開かれ、リッカ、静流、巴が現れた。

 

 

「ただいまぁ!って、ソーナ来てたんだ。ちょうどいいわ」

 

 

リッカさんが私を見つけたとたん、私の方に早足で近づいてきました。

 

 

「あなた、レーティングゲームの学校が作りたいんでしょ?」

 

 

私はその言葉に頷いた。

 

 

「なら、次に行われるレーティングゲームの出来次第ではあなた達に風見鶏に来て欲しいのよ?」

 

 

「え?」

 

 

私は、リッカさんが何を言っているのか分からなかった。

 

 

「これを見て頂戴」

 

 

リッカさんから数枚の資料が渡された。

 

 

そして、私はその資料に目を通した。

 

 

内容を見ると思わずリッカさん達の顔を見た。

 

 

みんなは笑っていた。

 

 

その内容とは、風見鶏で行われるレーティングゲームの教師の募集だった。

 

 

「これを私たちがしてもいいのですか?」

 

 

私の問いに清隆君が答えました。

 

 

「えぇ。昨日、リッカさんに相談してそのままエリザベスさんに連絡を取ってもらったんです。そうすれば、向こうもちょうどレーティングゲームを風見鶏でも行いたいと言ってたんですよ。そのための教師が必要だったそうで」

 

 

「清隆に感謝するのね。私たちはしようとは思わなかったのよ?」

 

 

その言葉に涙があふれてきました。

 

 

「清隆君、何から何まで本当にありがとうございます」

 

 

清隆君、本当にありがとう。あなたとなら私は……

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソーナが泣き止むまで清隆たちはじっとしていた。

 

 

数分でソーナは泣き止んで元の状態に戻った。

 

 

それからは、普通の雑談をしていた。

 

 

「そう言えば、清隆君は好きな女性のタイプとかあるんですか?」

 

 

ソーナの一言に其処に居た3にんが一気に喋るのを止め、清隆の方に向く。

 

 

「え?俺の好みですか?」

 

 

「はい。それとも好きな女性とかがいるんですか?」

 

 

ソーナの言葉に清隆は首を横に振る。

 

 

「そんな。もしかして、みんなのこと言ってるんなら間違いですよ。たしかに好きですけど、俺はみんなを幸せにする力なんて持ち合わせていませんから」

 

 

ソーナはリッカ達を見る。3人はやれやれとでも言いたいように首をかしげていた。

 

 

「それに、俺はさ。今が好きなんだ。みんなで笑い合って、遊んで、魔法の研究とかをする今がね。でもさ、こんな幸せもいつまで続くかわからないんだよなって思うと少し悲しいのもまた事実かな。みんなもきっと好きな人を見つけて、幸せな家庭を歩んでいくんだ。俺にそれを止める資格なんてないさ」

 

 

その言葉を聞いた時、ソーナは思った。

 

 

(なるほど。風見鶏の皆さんが清隆君に惹かれて行った理由がよくわかりますね)

 

 

「まぁ、俺は今が幸せだからそれでいいかな」

 

 

「フフッ。なら、私がここであなたに告白したらOKを貰えますか?」

 

 

「「「な!?」」」

 

 

そうなの言葉に後ろにいた3人が驚いた。

 

 

「冗談はやめてくださいよ。それに、ソーナさんにも素晴らしい人がきっと現れますよ」

 

 

清隆は満面の笑みでそう答えた。

 

 

ソーナにはその笑顔がとても眩しく、そして苦しくもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃぁ、それぞれの修行内容を言っていくぞ」

 

 

アザゼルの声にリアスとその眷属達は反応する。

 

 

その修行内容がそれぞれに伝えられていく。

 

 

リアスには基礎的な修行と戦略を考えること。

 

 

最初はやや不満だったが、すぐにOKした。王はそれでなければならないことを知っていたからだ。

 

 

次に朱乃だ。

 

 

朱乃の修行は自らの体に流れる堕天使の力を認めることだった。

 

 

憎むべき力を認めることが朱乃の修行だった。

 

 

次に裕斗。

 

 

裕斗自身の力は高いが、禁手の時間が圧倒的に少なかった。

 

 

その時間を増やすことと基礎をもう一度固めることが裕斗の課題だ。

 

 

次にルーツ。

 

 

彼の力は裕斗には及ばないものもナイトとしては十分な力をもっていた。

 

 

そこで、アザゼルが提案したのがイッセーの持っているアスカロンと呼ばれる聖剣を扱うことだった。

 

 

次にギャスパー。

 

 

彼の行う修行は『引きこもり脱出計画』だった。

 

 

その名のとおり、彼は修行の前に引きこもりをどうにかしなければいけなかったのだ。

 

 

次にアーシア。

 

 

彼女の修行は自身の回復範囲を広げることだった。

 

 

彼女自身の回復力はかなり高いものだが、それを飛ばす事ができたら戦闘中に傷ついた仲間を助ける事が出来るようになる。

 

 

次にイッセーだ。

 

 

イッセーには禁手に至るためにドラゴンとの修行だった。

 

 

もちろん命懸けの。

 

 

最後に小猫。

 

 

小猫も朱乃と同様に自らの血を受け入れることだった。

 

 

アザゼルの言葉に小猫は俯いてしまう。

 

 

何も知らないイッセーは「小猫ちゃんならすぐに強くなれるよ」などというが、小猫は直ぐにイッセーを睨みつけた。

 

 

「……先生、相談があるのですが」

 

 

「ん?修行の内容か?」

 

 

「はい。私、風見鶏に行こうと思います」

 

 

小猫の言葉に皆が驚いた。

 

 

「なぜ、風見鶏なんだ?」

 

 

皆の考えを察したのかアザゼルが小猫に聞いた。

 

 

「清隆先輩に誘われました。ゲームが始まるまで、俺たちと修行しないかと。先輩は私が猫又であることを知っていました」

 

 

「それでも、認めるわけにはいかないわ!」

 

 

小猫の言葉を切り捨てるようにリアスは反対する。

 

 

「部長の言うとおりだ。あんなところに行く必要はねぇ!」

 

 

「イッセー先輩は黙っていてください!」

 

 

イッセーもリアスに便乗するように言うが、先程のこともあり小猫は力強くイッセーの言葉を否定する。

 

 

「……私が、清隆先輩のところに通っていたのは私の力のことなんです」

 

 

「小猫ちゃん、いいのかい?」

 

 

「はい。ありがとうございます、裕斗先輩。でも、言っておかなければならないんです」

 

 

裕斗が確認するように言うが、小猫は言うことを決意する。

 

 

「私が力のことで悩んでいることに真っ先に気づいてくれたのは巴さんでした。それから、清隆先輩と出会い、様々なことをしてくれました。少しずつですが、猫又の力も使おうとも考えてました。でも、私には出来なかった。だから、清隆先輩に付いていこうと思いました。先輩は言いました。風見鶏に私の求めている答えがあるかもしれないと。だから、行こうと思います。風見鶏に」

 

 

「で、でも「それぐらいにしとけよ、リアス」ア、アザゼル!」

 

 

小猫を止めようとするリアスをアザゼルが止める。

 

 

「小猫、それはお前の意思と受け取ってもいいんだな?」

 

 

「はい、私はもっと強くなりたい」

 

 

「なら、こっちは俺に任せて、たくさん学ばせてもらってこい!」

 

 

アザゼルは小猫を送り出すように言った。

 

 

「な!?先生な「イッセー君」木場!何でお前は反対しないんだよ!」

 

 

「僕も一応、清隆先輩は信じているからね。それに小猫ちゃんの想いを知らない君や部長がとやかく言うことじゃないよ。もちろん、僕にもね。だから、小猫ちゃん。頑張ってね」

 

 

裕斗はイッセー達を諭すように言い、応援した。

 

 

ギャスパーやルーツ、アーシアや朱乃も思うことがあったのだろう。小猫を応援した。

 

 

反対するのはリアス、イッセーのみとなったため小猫は風見鶏に行くことが決定した。

 

 

その夜、小猫はシェルを使い、初めて自分から清隆に連絡を取った。

 

 

清隆の名前を呼び出すと直ぐに清隆が出た。

 

 

「もしもし、どうしたんだ?」

 

 

「清隆先輩。私、風見鶏に行こうと思います」

 

 

小猫の言葉に向こうで清隆の笑い声が聞こえた。

 

 

「分かったよ。俺やみんなもできる限り小猫のために頑張るからな。じゃぁ、明日の12時前に駅でな」

 

 

清隆はそう言い、シェルを切った。

 

 

「……清隆先輩」

 

 

その名前を呼ぶだけで小猫の顔は熱くなった。

 

 

 




小猫は風見鶏へ修行しに行くことを決意する……


そして、風見鶏に帰り皆に事情を説明し、修行開始を宣言する……


次回「修行開始」


でもよ、それは偽善だぜ?

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