ハイスクールD×D 桜物語   作:孤高の桜

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模擬戦開始 午後の部2

静流と愛紗と星はグニルック場の中央で対峙していた。

 

 

「カテゴリー5が相手とはなかなか手応えがありそうだ」

 

 

「うむ。そのとおりだ。全然油断ならない」

 

 

愛紗の言葉に星も頷いた。

 

 

「大丈夫だ。加減はする」

 

 

静流は二人を抑えるようにそう言った。

 

 

しかし、静流の言葉は逆に2人の逆鱗に触れてしまったようだった。

 

 

二人はすぐにそれぞれの得物を取り出し構える。

 

 

「……ん?」

 

 

静流は二人がなぜ怒っているのか全くわからないが戦闘準備をしていることは理解したので、直ぐにナイフを構えた。

 

 

「行くぞ!ハァァ!!」

 

 

愛紗が駆け出し、静流のいる場所を横に薙ぎ払う。

 

 

しかし、その場に静流の姿は既になく、愛紗の後ろに回っていた。

 

 

「……まだ、遅い」

 

 

愛紗の背中を思いっきり蹴った。

 

 

その隙を突くように星が龍牙で突き刺そうとするがそれもかわされ、龍牙の上に乗っていた。

 

 

「……星も隙を突くのはいい考えだ。相手が自分より強いならば、プライドなどを捨てて勝ちを取りに行くのもいいと思う。でも……まだ弱い」

 

 

静流はそう言った瞬間星の懐まで潜り込み、拳を腹部に送り込む。

 

 

「グフッ!!」

 

 

その一連の動きは本当に1秒単位の世界だった。

 

 

「こ、これがカテゴリー5の魔法使い……」

 

 

愛紗は立ち上がりながら、そう呟いた。

 

 

「……勘違いするな。今の力は低く見積もればカテゴリー3程度。高く見積もってもカテゴリー4程度だ。カテゴリー5の領域には……まだまだ遠い」

 

 

その言葉に愛紗はかなり驚いた。

 

 

後ろにいた星もかなり驚いているようだ。

 

 

「それに二人は灯花に勝てなかった。灯花はカテゴリー4の魔法使いだ。そんな相手に力を見せるこの場でカテゴリー5の力で行ける訳がないだろう?」

 

 

「静流、今の我々は魔法使いのカテゴリーで言えばどのくらいだ?」

 

 

静流の言葉を聞いて愛紗は静流に問いかけた。

 

 

「それは二人合わせてか?それとも個人個人か?」

 

 

「個人個人だ」

 

 

「高く見積もれば、カテゴリー2以上3未満程度だ」

 

 

その言葉に愛紗は悔しそうな顔をする。

 

 

「ハイヤーー!」

 

 

「……ん」

 

 

星が静流の後ろから攻撃を仕掛ける。

 

 

しかし、それも簡単に静流はよける。

 

 

「愛紗、しっかりしろ!」

 

 

「星?」

 

 

「お前は自分の弱さを知り、それを認めたのだろう!!」

 

 

「ッ!?」

 

 

「お前は主に誓ったはずだ!共に強くなることを!決して後ろを振り向かないことを!」

 

 

「私は……」

 

 

愛紗はゆっくりと立ち上がった。

 

 

「強くならなければならない。ありがとう、星」

 

 

愛紗は再び青龍偃月刀を構える。

 

 

「私はあの時、誓ったはずなのにまだ理解できていなかった様だ。だが、もう迷わない!私は、強くなる!もう、二度と目の前で皆が苦しむ姿を見ない為に!」

 

 

すると、愛紗の持っていた青龍偃月刀が淡い光を放つ。

 

 

それに呼応するかのように星の龍牙も光を放ち始める。

 

 

「こ、これは!?」

 

 

「分からん!が、こいつも悔しいようだ。行くぞ、愛紗!」

 

 

星が再び静流の方に駆け出す。

 

 

「龍閃槍!!」

 

 

先程よりも鋭い攻撃が静流を襲った。

 

 

静流はよけれないとすぐに判断するとナイフで防ぐ。

 

 

「……さっきよりも鋭い」

 

 

星の一連の動きが終わり、静流も攻撃に転じようとする。

 

 

「まだだァァァァァァ!」

 

 

星の後ろから愛紗が飛び出し、青龍偃月刀を振りかぶる。

 

 

「鬼神・一閃!」

 

 

愛紗の攻撃をバックステップでよける。そして、地面に当たると砂塵が起こる。

 

 

「ハァァァァ!!」

 

 

さらに愛紗が追撃をかけるべく、駆け出す。

 

 

「さっきよりも強い。でも、まだまだ荒い」

 

 

「ゴフッ!」

 

 

静流は愛紗の懐に入り、腹部に拳を叩き込む。

 

 

「ハイヤァァァァ!!」

 

 

星の攻撃も全てよけ、愛紗の方向に殴り飛ばした。

 

 

「勝者、静流!」

 

 

そのアナウンスと共に静流は愛紗と星に駆け寄った。

 

 

「負けたのか……」

 

 

「まだまだ、先は長いようだな」

 

 

二人は笑っていた。

 

 

「……大丈夫だ。カテゴリーはあくまで基準でしかない。二人はまだまだ成長出来る。その為に此処にいるんだろう?」

 

 

静流の言葉に二人は頷いた。

 

 

「さっきの光。おそらく『禁手』と呼ばれている状況の前触れだと思う」

 

 

『禁手?』

 

 

二人が静流の言葉に言った。

 

 

「あぁ。簡単に言うと強くなれるかもしれない」

 

 

その言葉に愛紗と星は嬉しさを隠せなかった。

 

 

そして、三人はフィールドを後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静流達が戻ると同時にスバル、ティアナ、リッカはグニルック場の中央までやってきた。

 

 

「あわわ、リッカさんが相手だよ、ティア」

 

 

「さっきからあんたはそればっかりね。まぁ、誰が相手でも変わらないわ。いつもどおり私たちの力を全て出すだけよ」

 

 

「その通りよ、ティアナ。スバルも少しは覚悟決めなさい」

 

 

リッカは微笑みながら二人に言った。

 

 

「そろそろ、始めるわよ」

 

 

リッカは両手に魔力を集中させる。

 

 

その瞬間、二人に一気に緊張が走った。

 

 

(これが、リッカさんの力の片鱗……)

 

 

(カテゴリー5じゃ、これはただの小手調べにもならない力……)

 

 

スバルとティアナも直ぐに準備をする。

 

 

スバルは両手にグローブを付ける。そして、両手に魔力を溜める。

 

 

ティアナはスバルよりも少し下がり、クロスミラージュを構える。

 

 

「フフッ、二人とも行くわよ!」

 

 

リッカは両手に構えた魔力弾をスバルとティアナに向けて投げた。

 

 

「リボルバーナックル!」

 

 

「リボルバーバレット!」

 

 

スバルは片手に魔力を溜め、地面に叩き伏せる。

 

 

ティアナは確実に魔力弾を打ち抜いた。

 

 

「ふぅん。でも、油断は禁物ね」

 

 

いつの間にかリッカはスバルの近くまで来ていた。

 

 

「い、いつの間に!?」

 

 

「ハァァ!!」

 

 

リッカは手に風系の魔力を溜め、スバルにぶつける。

 

 

スバルはあまりの威力に壁まで吹き飛ばされる。

 

 

「スバル!!」

 

 

「ティアナもスバルの心配をしている暇あるの?」

 

 

リッカはさらに先ほどと同じぐらいの魔力を片手に溜めて、それをティアナに向けて投げる。

 

 

「クロスシュート!!」

 

 

先程よりも多い量の弾丸をティアナがリッカの魔力弾に向けて撃つが全て弾かれる。

 

 

「ディバイン・バスター!!」

 

 

しかし、ティアナの前にさきほど吹き飛ぼされたはずのスバルが現れ、その魔力弾を弾き飛ばした。

 

 

「ス、スバル!?」

 

 

「ごめんね、ティア。私が少し油断しちゃって。でも、もう大丈夫だから」

 

 

スバルはリッカを見る。

 

 

「へぇ、いい眼するじゃない」

 

 

リッカはスバルの姿を見てそう呟いた。

 

 

「スバル……。行くわよ!」

 

 

「うん!!」

 

 

スバルはリッカに向かって駆け出す。

 

 

それと同時にティアナもサイドに走る。

 

 

「やっと、それらしい動きになったわね!」

 

 

リッカは再び魔力弾を浮遊させ、二人に向かわせる。

 

 

しかし、二人とも先ほどとは違い素早くよけた。

 

 

そして、スバルはリッカに近づく。

 

 

「行きます!ハァァ!!」

 

 

スバルはリッカに拳を向けるが、リッカは持っていたロッドでその攻撃を防ぐ。

 

 

「いい威力よ、スバル」

 

 

「それほど、でも!!」

 

 

スバルは直ぐに後退し、ティアナの銃弾の雨がリッカに降り注いだ。

 

 

「すごいじゃない」

 

 

リッカは片手を両手に掲げる。

 

 

すると、シールドが展開されすべての銃弾がはじかれる。

 

 

「ディバイーーーーン」

 

 

リッカの視線の先にスバルが拳に魔力を溜めていた。

 

 

「まさか、あの距離から撃つつもりなの!?」

 

 

「バスターーーーー!!」

 

 

スバルの一撃はリッカを包み込むように放たれる。

 

 

「ハァハァ、ティア。どうだろう……」

 

 

「うん、結構いい感じに出来たと思う。でも……」

 

 

ティアナはリッカの方向を見る。するとそこには無傷のリッカの姿が浮かび上がった。

 

 

「いいコンビネーションね。私にティアナの攻撃を防がせながら、スバルの一撃を当てる。私じゃなかったらかなりのダメージになってたかもしれないわね」

 

 

リッカは砂埃を払う素振りをしながら言った。

 

 

「もう終わりね。私の勝ちよ」

 

 

「なっ!?まだ終わってない!」

 

 

リッカの言葉にティアナが反論する。

 

 

「相方は限界みたいだけど?」

 

 

「え?」

 

 

その言葉にティアナも気がついた。スバルの状態に。

 

 

「……へ?だ、大丈夫だよ!まだまだ平気平気」

 

 

「これはあくまで力を図るための訓練。ここで無茶する必要はないわ。スバルもそろそろ限界みたいだしね」

 

 

「分かりました」

 

 

ティアナは渋々リッカの言うことを聞いた。

 

 

「ティ、ティアナ!?」

 

 

「大丈夫。一緒に強くなるって誓ったじゃない。だから大丈夫よ。ほら、もう寝てなさい。寮までは私がおぶっていってあげるから」

 

 

「ご、ごめんね」

 

 

ティアナの言葉と共にスバルは意識を手放した。

 

 

 




模擬戦が終わり、ついにそれぞれの修行内容が告げられる……


皆はそれぞれの想いを胸に抱き、修行を開始する……


次回「修行内容」


修行内容?フフッ。私たちの修行内容は模擬戦だよ。君たち新人3人と私たち3人の地獄の、ね……
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