黒歌と清隆を睨むように二人が立っていた。
黒歌はどことなくだが怖がっているように見えた。
清隆はすっと黒歌を庇うように一歩前に出る。
「何か用でも?」
「あなた、一体どういうつもり!小猫、早くこっちに来なさい!そいつらは危険すぎる。今、使い魔も飛ばしているから直ぐにお兄様たちもやってくるわ」
黒歌はお兄様という言葉に体をびくっとさせる。
黒歌はリアスの兄が魔王をやっているのを知っているのだろう。黒歌は心配するように清隆と小猫を交互に見た。
小猫も心配そうに清隆を見つめる。
「心配するな。黒歌は必ず守るって言っただろ?」
小猫にのみ聞こえるように呟いた。
「突然、現れてごちゃごちゃうるさいな。話すなら、ルシファーさんが来るのを待つべきじゃないのか?」
小猫は一度清隆を見る。清隆は小猫にしか見えないように小さく頷く。小猫はリアスの方に歩いていく。
「小猫!良かったわ、無事のようね。黒歌、あなただけは絶対に許さない。あなたのせいで小猫はt「それ以上言わないほうがいい」ッ!?」
リアスは清隆の殺気により、一歩下がってしまった。
「黒歌はもう俺達の仲間だ。勝手な考えだけで悪口を言わないでくれ。それに、来たみたいだ。グレモリーさん」
突如そこに強烈なプレッシャーが5人を襲った。
「これはどういうことか説明してもらえるだろうか、清隆君」
サーゼクスが怒気を含ませて清隆に言った。
「どういうこと?ただ、黒歌を風見鶏に誘っただけですが?」
「君は分かっているんだろう?黒歌は『S級はぐれ悪魔』なのだよ。その言葉の意味を理解しているだろう?」
「はい。いわゆる犯罪者ですよね。だから何です?言っときますけど、これは風見鶏のトップであるエリザベスさんやリッカさんが賛成したことです」
その言葉にサーゼクスが驚く。
そして、上空から落ちてくる影が4つあった。
「ふぅ、ギリギリ間に合った?」
「ほぉ、清隆は毎回毎回。少しは自覚したほうがいいんじゃないか?」
「……清隆、間に合った?」
「まぁ、タイミングは悪くなさそうだな」
リッカ、巴、静流、杉並の4人だった。
「遅かったですね。でも、タイミングとしては無茶苦茶いいですよ」
「君たち、本気かい?」
サーゼクスが4人に問うた。それを代表するようにリッカが前に出る。
「本気よ。それにもう手遅れみたいよ?清隆、成功した?」
「はい。黒歌。さっきの手貸してな」
清隆はゆっくりと黒歌の手を取り、サーゼクス達に見えるように構える。
「ルシファー。あの印は風見鶏公式新聞部『銀将』の証よ。これで彼女は風見鶏の一員なわけ。分かった?」
黒歌もハッとする。
「これをしたのはこうなると思ってたからにゃ?」
「まぁ、最悪これでどうにでもなるしな」
清隆が答えた。
「だが、彼女には罪がある。私にはその罪を償わせなければならない」
「なら、この前に貸したリアス・グレモリーとの一戦の貸しを返してもらいましょうか」
リッカの一言にサーゼクスが驚いた。すぐに反論しようとするが、それをリッカが手で静止させる。
「もちろん、これじゃ貸しが釣り合わないことぐらい私にだって分かってるわ。だから、こうしましょ。次のレーティングゲームで私達がリアス・グレモリーとソーナ・シトリーに勝つことが条件。どう?トップになることが条件ならいいはずよ?もちろん負けたときは潔く黒歌を渡すわ。清隆も文句はないわよね?」
リッカのその言葉に清隆は無言で頷く。
「ふむ。なかなか対等な条件かな。だが、罪がなくなるわけじゃない。死罪はどうにかなるかもしれないが罪は償ってもらうよ」
「えぇ。レーティングゲームが終わってそのことが言えたら考えといてあげるわ」
「どういう意味かな?」
「何もないわ。ただ―――――」
リッカは黒歌を一度見る。その瞳は『心配するな』とでも言いたげだった。
「上級悪魔や最上級悪魔に発言権がなくなる可能性があるって言ってるのよ」
その言葉にサーゼクスだけでなくリアスも驚いていた。そして、黒歌を守るように清隆も一歩前に踏み出す。
「よく聞け、グレモリーさん。いや、リアス・グレモリー。俺は、いや俺たちは必ずお前たちを潰す。大王だと魔王になれない?レーティングゲームは上級悪魔達の為にある?最上級悪魔には逆らえない?過去の子孫が最上級悪魔だと家族も最上級悪魔?そんなふざけたルールは俺たちが叩き潰してやる!お前たちのふざけた私利私欲や腐りきっているルールと共にな。魔法は想いの力だ。仲間を守る為になら俺達はどこまでも強くなれる。黒歌、心配すんな。必ず俺達が守るからな。お前を縛り付けている過去の因果は全て俺達が断ち切ってやる!!」
「まぁ、ゲームが終わるまで楽しみにしているといいわ。ちなみに、黒歌にはゲームに参加してもらわないから心配しなくてもいいわよ。それに、そっちにだけルールを教えてもいいわよ?アンフェアな条件でも私たちが負けることはないのだから。なぜなら、今回からは風見鶏も本気のメンバーなのだから。やっと全てが揃ったの」
「ふざけないで!」
リッカの言葉にリアスが怒鳴る。
「お前たちぐらい俺一人で十分だ!今の俺なrッ!?」
イッセーが言い終わる前に静流がイッセーの首元にナイフを添えた。
「風見鶏を舐めないほうがいい。それにお前は禁手に至っているようだが弱い。風見鶏にも禁手に至っている者は居る。それに今、お前を殺すぐらい私には造作もない「それぐらいにしなさい、静流」む……」
静流はナイフを元に戻し、イッセーから離れる。
「まぁ、そんなところよ。一時的に黒歌は預からせてもらうわね。じゃ、そういうことだから。みんな帰るわよ」
リッカの言葉に頷いて、清隆、黒歌、巴、杉並、静流は姿を消した。
「小猫」
「……はい」
「何があったの?」
リアスは少し怒気を含ませ小猫に尋ねた。
「……何も言えません」
しかし、帰ってきたのは否定の一言だった。
「言いなさい!何があったの!これは主の命令よ!」
リアスは小猫の肩を掴み言うが、小猫は何も言わなかった。
「それぐらいにしときなさい、リアス。それに、おそらくだが明日のゲームに勝てばすべてがわかると思うよ」
サーゼクスの言葉にリアスは黙ってしまう。
そして、イッセーはある言葉を思い出していた。
『今のままだと、取り返しのつかないことになるわよ』
というリッカの言葉を……。
時は風見鶏。
「―――――という訳でかなり大変になりそうだけど。これから仲間になる黒歌よ」
「よろしくにゃん」
リッカと清隆が先程、冥界で何があったのかを皆に伝え、黒歌が挨拶をした。
黒歌は自分が猫又であり、悪魔のことを気にしていたが風見鶏の皆はそれを一切気にせずに話したりしてくれていた。
そして、1時間ほど話をしてリッカが一区切りする。
「みんな、いい?明日のレーティングゲームは絶対に負けられないわ。外道なことまではしないけど、絶対に負けないわ!覚悟はできてるわね!」
みんなが一斉に頷いた。
「うぅ……」
その光景を見て黒歌は涙を流している。
「黒歌……」
清隆は黒歌を抱きしめる。
「泣く必要なんてどこにもないぞ。こういう時は、『ありがとう』って言うんだ」
「あ、ありがとうにゃ」
その言葉に皆も覚悟を決める。
「いい、みんな。次の戦いはかなり厳しい戦いになるかもしれない。正直言って命がかかっていると言っても過言じゃないわ。それでも、勝つのよ。みんな生きて、ね。誰も死ぬことなんて許されない。黒歌も助ける。魔法は想いの力よ!」
リッカが最後にその言葉で締めくくった。
そして、翌日になりレーティングゲームの日を迎えた。
遂にレーティングゲーム当日になった……
夢を叶えるために……
レーティングゲームでの1勝をもぎ取るために……
大切な仲間の未来を守るために……
それぞれの思いが交差する戦いが始まる……
次回「ゲーム説明と駒の特性」
このゲームが終わったら、また修行しに行ってもいいですか?
更新遅くなってすみません。
えっと、学校のレポートが突然多くなったり、補修などがかなり入ってきて更新できませんでした。
私自身は11時には基本寝ています。そのため、家に帰ってくるのが8時などになると書く時間なく寝てしまいます。そして、この小説自体もストックを溜めて少し更新を繰り返しています。その為、これからの更新は不定期になると思います(さすがに1週間空けることはないでしょうが)。
個人の用事ばかりで本当にすみません。