愛紗・星side
「おい、愛紗よ。あそこが杉並の言っていた魔方陣ではないか?」
「あぁ、間違いなさそうだな。あそこから違うフィールドに飛んだりすると杉並は予測していたな」
二人の言うとおり、説明には詳しく言っていなかったが、この迷宮はそれぞれのルートに魔方陣がしかれている。
開始前にはその魔方陣には使い魔のみ入れたがすぐに消滅させられてしまったのだ。(消滅と言っても一定時間現れることができなくなるだけであり、死ぬことではない)
そして、魔方陣の大きさは3人程度が限界の大きさしかなかった。
二人は、その魔方陣に入ってその場から姿を消した。
二人が現れたところにはすでに先客が来ていた。
「あらあら、ここに来たのは風見鶏の方々でしたか。はじめまして、私はシトリー眷属の『女王』の椿姫といいます。以後お見知りおきを」
「『戦車』の由良です」
「『騎士』の巡です」
「私は、風見鶏公式新聞部『香車』の愛紗だ」
「同じく『香車』で星と申す」
そして、5人は距離をとる。
そして、それぞれの得物を取り出す。椿姫は長刀を、由良は篭手を、巡は両手に剣を、愛紗は青龍偃月刀を、星は龍牙を。
そして、愛紗は椿姫と。星は由良と巡の相手をする。
星・由良・巡side
「ハイハイ!!」
星の槍が由良を襲う。
しかし、その攻撃を由良は軽々とよける。
「ハァァ!!」
そして、由良も反撃に出て回し蹴りをするが龍牙によって防がれる。
そして、二人の距離が少し開くとその間に巡が割り込んで来る。そして、両手に持っている剣で星を襲う。
「テリャァァ!!」
「クッ!?お主ら、なかなかやるではないか!」
二人相手だというのに星も劣らず戦い続ける。
「あなたもなかなか強いですよ!」
「由良の言うとおりです。私達のコンビネーションについてこれる人間なんてなかなかいませんよ!」
「なかなか言ってくれるな。だが、こちらも遊んでいる時間はそう長くないのだ。決めに行くぞ!」
星は龍牙に魔力を溜める。
「ハイー!ハイハイハイハイハイハイ!!」
星の連撃が巡を襲う。あまりの数のおおさに剣を2本持っているとはいえ、捌ききれず傷が増えていく。
「巡!」
直ぐに由良は星に攻撃を仕掛ける。しかし、星も由良が仕掛けてくるタイミングが分かっていたように下がる。
「本当に、この人強いよ。巡」
「う、うん。さっきの連撃は正直言ってやばかったわね。それにまだ切り札を隠しているっぽいし。こっちも本気で行くよ」
二人の魔力がさらに上がり、二人の目の色が変わる。
「「行きます!!」」
その瞬間、二人が星に向かって駆け出した。
先程より少しは動きが早いが星に対処できないほどのスピードではなかった。
先ほどと同様に巡が両手剣で斬りに来るがそれを捌き、後ろに回り込む。
そして、気絶させようとする。
しかし、星の攻撃を見ることなく、巡は攻撃を受け止める。ちょうど龍牙と巡の持つ剣を間に入れるようにして。
星がその現象に驚いているとさらに由良が追撃をかけようとする。
星は直ぐに二人から離れる。
そして、星は攻撃を仕掛けるが、全然二人にクリーンヒットせずにズルズルと耐久戦になっていく。
「ハァハァハァ」
徐々に星にも疲れが見え始める。
「や、やっと息切れし始めたね。もう少しだよ、巡」
「う、うん」
「私は少し甘かったようだ」
二人の会話に割り込むように星がそう言った。
「お主らは十分に強い。だからこそ、私も本気で行かせてもらう!」
突如、星の魔力が上がったことに二人が驚き、直ぐに攻撃を仕掛けようと駆け抜ける。
星は龍牙を回転させながら、周りに突風を巻き起こす。
「「キャアァァァァァ!!」」
由良と巡はあまりの魔力波にやられ、飛ばされる。
「禁手(バランスブレイク)!!」
その叫びと共に星の体に白い鎧のようなものが現れ、星の体にまとわりつく。
龍牙は槍ではなく、剣の様に柄の部分が短くなる。しかし、刃の部分は龍牙よりも大きく、まるで赤い竜のような姿だった。
「行くぞ、由良、巡。これが、我が龍牙の『禁手』の姿『聖龍騎士の武装』だ。そして、この武器の名前は『龍輝(リュウキ)』という。私の考えが正しければ、おそらくお主らの魔法は視覚などを同調させているのであろう?」
星の言葉に二人に動揺が走る。
星がその一瞬の変化を見逃すことはなかった。
「ほぉ、私の考えは間違っていなかったか。ならば、その対処法も簡単なこと」
星は持っていた龍輝を構える。
「どちらにも見ることができなければいいのだろう?」
そう言い、星の姿が二人の目の前から消える。
二人は迎撃態勢にはいろうとするが、巡が直ぐに跪いてしまう。
よく見ると、星の龍輝の柄の部分が巡の腹部にあたっているのが見えた。
「巡!?ッ!?いつの間に!?」
そして、巡の周りに魔方陣が現れると巡を包み込むように展開され、巡はその空間から姿を消した。
そして、直ぐに由良の目の前に星が現れる。
「これで終わりだ!!」
「グフハッ!?」
由良の腹部に柄をぶつけると、先ほどと同じように由良も跪いてしまう。そして、由良も姿を消す。
「『聖龍騎士の武装』とは私自身の武器に最も適した形である『龍輝』に変化し、私自身の身体能力と瞬発力、防御力を大幅に上げてくれる」
星も付けていた鎧が外れ、龍牙は最初と同じような形に戻る。
「まぁ、長くても数分しか使用することしかできないがな」
星も跪いてしまう。
「少し、張り切りすぎたか。まぁ、まだ戦えるだろうがな。向こうもそろそろ終わりそうだしな」
星は愛紗達の方向を見てそう呟いた。
愛紗・椿姫side
星達が戦っている頃、こちらでも戦いが始まっていた。
二人の武器が中央で交差する。
そして、二人はお互いの距離がほぼ同じな為ほとんど同じ距離で武器をぶつける。
「私は少し風見鶏の『王』である葛木君に感謝しているんですよ」
「何?どういう意味だ?」
椿姫が突如そんな言葉をつぶやいた。しかし二人の手は休めることはない。
「私達には会長を守ることができなかったからです!」
「……」
愛紗は無言で椿姫の言葉を聞いていた。
「しかし、葛木君は助けてくれた。そのことはとても嬉しかった。だからこそ、今回の勝負では私たちは負けられない!葛木君みたいな人ばかりじゃないから!私たちの力を全国の悪魔に見せて、証明するんだ!決して、シトリー眷属は遊びじゃないってことを!」
「そんこと言われなくても分かっている!なら、全力で行くぞ!!」
愛紗は椿姫を長刀ごと弾き飛ばし、大きく振りかぶる。
「ハァァ!!『鬼神・一閃』!!!」
「―――――神器『追憶の鏡』」
愛紗が一閃に入るモーションを入りきった瞬間に椿姫の目の前に鏡のような物が現れる。
愛紗はその鏡を壊す。
その余波で椿姫も吹き飛ばされる。
「―――――ッ!?!?」
しかし、先ほどの割った鏡から波動が生まれて、愛紗を襲う。
愛紗は鮮血を辺り一面に噴出させている。
「グフッ。い、一体何が……?」
「私の神器『追憶の鏡』は破壊されたとき、破壊した相手に倍のダメージを与えます。まぁ、鏡ごと私を吹き飛ばすなんて、思ってもいませんでしたけどね」
椿姫はそう言いながら立ち上がり、落とした長刀を拾い上げる。
「これで、終わりですよ」
椿姫はゆっくりと愛紗に近寄る。
「まだだぁぁ!!」
愛紗は青龍偃月刀を横に振り、椿姫を弾く。
そして、ゆっくりと愛紗は立ち上がる。
「なっ!?今のを食らって立ち上がれるの!?」
愛紗の姿に椿姫が一番驚いていた。
「私も負けるわけには……いかないんだ!!『禁手(バランス・ブレイク)』!!」
愛紗の青龍偃月刀が輝きだし、その輝きが愛紗を包み込む。
「なっ!?禁手!?」
直ぐに椿姫は愛紗に攻撃を仕掛けようとするが魔力の余波でうまく前へ進めなかった。
そして、光が収まると真っ黒な鎧を身に纏い、黒き剣を構える愛紗の姿が椿姫の目に写った。
「これが、私の青龍偃月刀の禁手、『魔龍騎士の武装』。そして、この武器は『蓮魔(レンマ)』という。椿姫、ここからは手加減できない。覚悟しろ」
そう言った愛紗は椿姫の下に走る。
そして、蓮魔で斬り上げる。
椿姫はそれを持っている長刀で防ぐが、あまりの威力に椿姫は武器を手放してしまう。
「これで、終わりだァァァ!!」
「なら、『追憶の鏡』!!」
蓮魔で斬りかかろうとする愛紗の目の前にもう一度先程の鏡が現れる。
しかし、愛紗は鏡が現れても動きを止めなかった。
「煉獄・一閃!!」
蓮魔に黒い魔力を纏わせ鏡を割り、椿姫を吹き飛ばした。
椿姫に黒い炎が襲った。
「ぐあぁぁぁぁ!!!」
そして、自然に炎が消えるたが、椿姫の目に信じられない光景が写った。
そこには先程と全然変わらない姿の愛紗の姿があった。
「な、何で?『追憶の鏡』は発動したはず……」
「ハァハァ、それは私にもよく分からない。だが、これで……」
愛紗も跪いてしまう。
「愛紗!!」
愛紗の下に星が近づく。
「星か?そうか、そっちは倒したか。なら、私も倒さねば」
愛紗は立ち、椿姫の下に行こうとしたとき、突如3人に地震が襲った。
3人はパニックになる。そして、椿姫の姿がその場から消えた。
ゲームからではなく、椿姫のいた場所が消えたのだ。
「先程の地震がステージの入れ替えというやつか……。クソッ!仕留めそこねた!ッ!?」
そう愛紗が言った瞬間、愛紗の身に纏っていた武装が解除される。
「お互いかなりの力を使ってしまったようだな、愛紗よ」
「あぁ。お互い満足に動けないな。なら次にここに来る敵を待つとするか」
二人は壁にもたれかかり、座り込んだ。
「ハァハァ、命拾いをしました。まさか運良くステージに助けられるなんて」
椿姫は一人で通路を歩いていると、向こうから見知った顔の知り合いが走ってくる。
「椿姫先輩!」
「も、桃か!?」
そう、生徒会2年の花戒桃だった。
「なぜ、お前が?」
「私も少し、偵察してたら先程の地震で帰れなくなったんです。それより、椿姫先輩!?傷大丈夫なんですか!?」
直ぐに桃はかるい治療だけ始めた。
そして、椿姫は先程の戦闘のことを桃に話した。
「それって、相手の防御力が上がってダメージがいかなかったか、もしかしたら『追憶の鏡』が返せないほどの威力だったとか。って後者はありえませんよね」
桃は笑っていたが椿姫には笑えなかった。
前者より後者がありえると思ったからだ。
(もし、『追憶の鏡』で返せないほどの威力だったとしたら……。考えるだけでも、もう一度戦いたいとは思わないな)
愛紗達が戦闘を行う中、ほかの場所でも戦闘が行われる……
対峙するは聖魔剣の担い手と聖剣デュランダルの担い手……
今、己の過去を乗り越えた聖魔を操りし騎士が目覚める……
人形使いと聖剣使い……
圧倒的な聖剣の前に人形使いは限界を超える……
次回「それぞれの戦い 聖魔剣VS聖剣 人形使いVS聖剣使い」
認めてやるよ、お前の力を!だからこそ、今のお前達の出せる最強の力を俺に見せてみろ!俺はそれを打ち砕き、勝つ!!
更新遅れてすみません。いやぁ、二日前ぐらいに書き始めようとしたら妹の風邪が移ってしまって進みませんでした。現在もなんとか書き終えれたんじゃないかと思っています。まぁ、必ず1週間以内には更新しますので。