ハイスクールD×D 桜物語   作:孤高の桜

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姫乃の本気 解き放たれる鬼の力

「チッ!風見鶏の連中がまた来たのかよ」

 

 

「ほぉ、我々は随分な言われようだな。シャルル、ティアナ、スバル無事か?」

 

 

巴は3人に話しかける。

 

 

「私たちはなんとか無事だけど、愛紗と星が……」

 

 

「二人は私たちを庇って」

 

 

「二人の頑張りで、なんとか私たちは無事です」

 

 

3人の言葉を聞いた巴と姫乃はここで何が行われたかすぐに察知した。

 

 

「愛紗と星が二人で挑んで負けたのか?」

 

 

「違うわ。もともと、二人の力はほとんど残ってなかった。それでも、このメンバーだと二人が戦うしかなかったの。ほんとにごめんなさい」

 

 

「シャルルさんが謝る必要なんてないですって」

 

 

姫乃も直ぐにシャルルのフォローに入る。そして、イッセーを睨みつけた。

 

 

「あなたは許しません」

 

 

「許さねぇのは俺たちの方だ!小猫ちゃんを傷つけやがって!それに、姉が悪いのに無理やり二人を引き合わせてよぉ!!」

 

 

イッセーの言葉に風見鶏のみんなは驚いた。

 

 

しかし、イッセーは止まらなかった。

 

 

「お前ら、分かってんのかよ!姉のせいで小猫ちゃんがどれだけ苦しい思いをしていたのかを!あいつが犯罪を起こして、はぐれになんてなるから小猫ちゃんはひとりぼっちになったんだぞ!それなのに、今更帰ってきてごめん?ふざけてんじゃねぇぞ!やっぱり、お前らはおかしいんだよ!桜野郎といい、お前達といい!あいつのせいd「いい加減にしてください!!」何だと!」

 

 

イッセーの言葉を遮るように姫乃が怒鳴った。

 

 

「あなたは知っているんですか!小猫ちゃんの想いを!黒歌の想いを!何も知らないくせに、みんなのことを分かったように言わないでください!あなたたちが何もしないから、2人は傷つけあってたんじゃないですか!!」

 

 

「なら、お前は知っているとでも言うのかよ!!」

 

 

ここまでくれば、もう売り言葉に買い言葉の言い合いだった。

 

 

「少なくとも、あなた達よりかは知ってつもりです!s「姫乃。そろそろやめろ」巴さん、でも!!」

 

 

巴は姫乃を静かに止める。

 

 

「おい、兵藤。お前は触れちゃならないものに触れた。覚悟はできているか?」

 

 

「もともとから覚悟できてんだよ!俺はこのゲームに勝つ!そして、部長の1勝を飾って小猫ちゃんも助ける!」

 

 

巴はイッセーの言葉を聞いて呆れる。

 

 

「違うよ、兵藤。それに、その程度の想いじゃ私たちには勝てない。私の言う覚悟は」

 

 

巴は姫乃を見る。

 

 

「本当の悪夢を見る覚悟さ。姫乃、解呪を許してやる。リッカや清隆には私やシャルルから伝えてやろう。それでいいか、シャルル?」

 

 

「今回は姫乃ちゃんに譲るよ」

 

 

「……分かりました。兵藤さん」

 

 

「何だよ!」

 

 

姫乃はゆっくりと鬼姫を鞘から抜く。

 

 

「今からするのは戦いではありません。ただの虐殺です。だから、私の言えることはひとつだけです」

 

 

すると、突然鬼姫から禍々しい魔力が放たれる。

 

 

「死なないでください。兄さんが悲しむので」

 

 

「シャルル、二人を守るぞ!!」

 

 

「了解!」

 

 

巴とシャルルもティアナとスバルを守るように結界を張る。

 

 

その異様な光景にティアナとスバルも驚きを隠せなかった。

 

 

「い、一体何が起こるんですか!?」

 

 

スバルは巴達に聞いた。

 

 

「姫乃の本気さ。もしかしたら、二度と見ることができないかもしれないぞ。普段は、ツンツンして怒っているようだがあれは素直じゃないだけだ。だから、怒ると言えば怒っているが、怒ってないも同じ。だが、姫乃が本気で怒ったときを判断して、普段はリッカや清隆たちが解呪してもいいかどうかは決めるんだが、今回はイレギュラーで我々がOKしたわけだ」

 

 

「解呪って何ですか?」

 

 

ティアナは聞き慣れない単語である『解呪』という言葉について巴達に尋ねた。

 

 

「解呪とは、姫乃の内にある力を開放することよ。そして、開放する条件は感情が頂点に達することよ。うれしさ、悲しさ、寂しさ、怒りなどが当たるわ。そして、解呪時間は大体10分が限界で好戦的になるけれど、その分強さが水増しされるわ。二人は姫乃ちゃんのカテゴリーを知っているかしら?」

 

 

シャルルが答え、二人に聞いた。

 

 

「3,4ぐらいじゃないですか?」

 

 

ティアナが答え、スバルもそれに頷いた。

 

 

「姫乃ちゃんのカテゴリーは2よ」

 

 

シャルルの言葉に二人は驚きを隠せなかった。

 

 

「まぁ、驚くよな。だが事実だ。そして、姫乃が解呪した状態での戦闘力はカテゴリー5相当だとリッカから聞いている。まぁ、姫乃自身がこの力をまだ完璧にコントロール出来るわけではないからな。それにこの力を使うと1週間ほど姫乃の魔力が回復しなくなる諸刃の剣なんだ」

 

 

巴が答える。

 

 

「まぁ、大丈夫だよ。姫乃ちゃんは絶対に私たちを傷つけないから。あ、そろそろ終わりそうよ。気持ち悪くなったら、言ってね。結構魔力の濃度は高いから」

 

 

シャルルはそう言って姫乃の方を向いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姫乃の目は赤く染まり、体から禍々しい魔力を放っている。

 

 

そして持っていた鬼姫の刃は消え、そこは魔力の刃となっていた。

 

 

その異常な光景にイッセーですら驚きを隠せなかった。

 

 

「驚いているようですね。これは、この神器『憑依装着』の禁手『天衣無縫』です。そして、鬼姫の能力も付加させました」

 

 

そう言いながら、姫乃は一歩ずつイッセーにゆっくりと近づいていく。

 

 

「天衣無縫はその形を持たない力。どのような力でも変化でき、対応できる力。今のあなたでは私には勝てません」

 

 

ゆっくりと姫乃は近づいていく。

 

 

イッセーもそのプレッシャーに耐えられなくなり、魔力を増幅させる。

 

 

「そんなの関係ねぇ!!」

 

 

イッセーは駆け出し、姫乃を殴りつけようとする。

 

 

「……遅すぎます」

 

 

一瞬二人が交差する。

 

 

「グ、グアァァァァ!!!」

 

 

イッセーの絶叫が鳴り響く。そう、イッセーの片手が斬られたのだ。姫乃によって。

 

 

「勘違いしないでくださいね。鎧の付け根を狙ったわけではありません」

 

 

空中に飛んでいるイッセーの腕を見る。

 

 

そして、その腕を鎧ごと木っ端微塵に斬り割く。

 

 

イッセーはその姿に恐怖を抱く。

 

 

「その程度の鎧なんて、あってもなくても今の私には関係ありません。でも、まだ血液は致死量に達してませんね。では、もう片方の腕も貰います」

 

 

「ク、クソ!何なんだよそれ!ふざけんなよ!お、俺はウワァァァァ!!」

 

 

イッセーはドラゴンショットを撃ち出す。

 

 

「……無様ですね」

 

 

それを姫乃は斬り割く。

 

 

さらにその後方からイッセーが走ってくる姿が見える。

 

 

「だから、その程度じゃ弱すぎると言ってるんです」

 

 

イッセーは姫乃に触れることなく、もう片方の手を斬り割かれる。

 

 

「二人の想いを踏みにじるあなたを私は決して許さない。でも、情けで少しだけこの力のことを教えてあげます」

 

 

「グ、ガァァ、ガハッ……な、何だ、と……」

 

 

「鬼姫はただの鬼ではありません」

 

 

姫乃の魔力は元に戻り、瞳も元の色に戻る。

 

 

「鬼姫は神と呼ばれる力と同等の力を保持していました。そうですね、『神喰い』とでも言いましょうか。たかが、ドラゴン如きが神に逆らうなど無謀以外の何モノでもないんです。それともう一つだけ」

 

 

姫乃はゆっくりとイッセーの前まで歩いていく。

 

 

「次、黒歌のことを悪く言ってみなさい!あなたの首を落とします!!例え、兄さんやリッカさんが止めようと必ずです!」

 

 

姫乃が言い終わると同時に、その場からイッセーの姿が消える。

 

 

すると緊張の糸が切れたのか、姫乃はその場に跪いた。

 

 

「ハァ、ハァ、ハァ」

 

 

「姫乃、お疲れ」

 

 

巴は姫乃に肩を貸し、シャルルのもとに歩いていった。

 

 

姫乃の解呪した姿をティアナ達は見てしまった。姫乃はどうしたらいいか分からなかった。しかし二人から返ってきた言葉は姫乃の不安を一気に取り除いた。

 

 

「姫乃さん、すごいです!」

 

 

「お、お疲れ様でした、姫乃さん!私も必ずその領域まで行くので待っていてください!」

 

 

スバルとティアナは笑顔で姫乃を迎い入れた。

 

 

二人の笑顔が眩しく見え、姫乃は涙を流した。

 

    




姫乃が鬼の力を開放している頃、違う場所でも戦闘が行われていた……


家族がいなくとも自分たちがいれば小猫を幸せにできると主張するリアスの『女王』姫島朱乃……


家族こそが本当に小猫を幸せにできると主張する清隆の『桂馬』御坂美琴……


雷光と電光がぶつかり合う……


さらに最強の魔法使い『孤高のカトレア』リッカ・グリーンウッドと対戦するのはシトリー眷属『王』ソーナ・シトリー……


圧倒的な力の前にソーナは自らの信念と想いを胸に秘め、リッカに戦いを挑む……


次回「『王』として 譲れぬ不屈の想い」


私は『王』です。たとえどのような無様を晒すことになろうと、投了だけは絶対にしません。私を信じて付いてきてくれた仲間の為にも、これからも私と共に歩いてもらう為にも!


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