突然の出来事に小猫を含む皆がその光景に驚く。
「なっ!?何が起こっているの!!」
「小猫!!」
清隆が小猫に近づこうとするがなぜか近づくことができなかった。
「……これは?」
小猫が驚いていると小猫の手の上に桜の花びらが集まり出す。
そして、一つの形へと変わり始める。
その形とは銀将と書かれた将棋の駒だった。
しかも、半分だけの……。
黒歌は冥界のとある小さい部屋でエリザベスと共にレーティングゲームを見守っていた。
そして、場面は自分のことを守ろうとしている清隆と自分の妹である小猫の戦いが映し出される。
そして、その戦いにリアスが介入して清隆にピンチが訪れた。
黒歌には見守ることしかできなかった。
そして、清隆を庇うように小猫がリアスの攻撃をもらってしまう。
「白音!!」
「く、黒歌さん!?お、落ち着いて!」
黒歌が興奮してしまうのをエリザベスが静止させる。
「ご、ごめんなさいにゃ」
「大丈夫よ。塔城さんは無事みたいよ」
そして、小猫の周りに桜が集まり出すと黒歌の体に変化が訪れる。
「うッ!い、にゃぁぁ!?」
黒歌が突然左手の甲を抑え叫び出す。
「黒歌さん!?大丈夫ですか!?」
あまりの突然のことにエリザベスも驚いた。
そして、それは1分ほど続く。
痛みが大分引いてきた時、黒歌は自分の変化に気づいた。
「な、ないにゃ!?」
「な、何がないんですか、黒歌さん?」
「清隆に貰った銀将の半分がなくなってるにゃ!?」
そう黒歌が叫んだ瞬間、モニターでは小猫が銀将の半分を持っている姿が映っていた。
「もしかしたら……」
「エリザベスは何か知ってるのかにゃ?}
「可能性の話だけれど、魔法使いの駒はまだ完璧じゃないの。魔法は想いの力で、何が起こるかわからないのよ。それで、もしかしたら塔城さんの想いと黒歌さんの想いに魔法使いの駒が答えたのではないかしら。お互いが共に暮らしたい。同じ人を助けたい。黒歌さんもこれから風見鶏にくるのでしたら覚えておいたほうがいいですよ。魔法は想いの力。想いの力はどの時代でも奇跡を起こしてきたの」
「想いの力は奇跡を起こす……」
黒歌とエリザベスは静かに小猫たちのモニターを見つめた。
「お願い、清隆。白音を助けてあげて。そのためなら、私はどんなことでもするにゃ」
黒歌は祈るようなポーズをとる。
そして、黒歌の体から魔力がどこかへ飛ばされる。
すると、少し疲れたのか黒歌はふらついてしまう。
エリザベスは黒歌をすぐに支えた。
「大丈夫。きっと、あなたの想いは届いています」
「これは……将棋の駒?でも、強い力を感じる」
小猫は自分の持っていた駒に違和感を感じた。
「でも、なんだか暖かい感じがします」
「小猫!!」
清隆はリアスが小猫に近づくのよりも早く小猫に近づいた。
「大丈夫か?」
「私はなんとも。でも、これは一体?」
小猫は半分だけの銀将の駒を清隆に見せる。
「これは、魔法使いの駒!?どうして、これが小猫の手に!?」
「分かりません。でも、何だかとても懐かしくて暖かい感じがするんです」
小猫のその言葉を聞いて清隆にはどういう意味なのかなんとなく分かった。
「なるほどな。多分だけどそれは黒歌の駒の半分だと思う。きっと、俺の桜が小猫と黒歌の想いに呼応して二人の想いをつなげたんだと思う。つまり、それは黒歌の想いじゃないのかな」
「お姉さまの想い……」
そう呟いた瞬間、銀将の駒は小猫の手に吸い込まれる。そこには半分だけ銀と書かれた模様が浮かび上がる。
「小猫!どういうこと!」
リアスの呟きがフィールドに響きわたった。
「すみません、部長。さっきも言ったとおり、先輩を守らせてもらいます。私は部長の眷属です。でも、部長と同じくらいお姉さまが大切なんです。二人を天秤にかけることは間違っているかもしれない。それでも、私はお姉さまを助けたいんです!今まで私がお姉さまを傷つけてしまったから!次は、私が助けるんです!!」
「小猫!あなた分かっているの!私を攻撃するということははぐれになる可能性があるのよ!」
リアスは必死に小猫を説得する。
『ソーナ様の投了を確認しました』
突然、グレイフィアのアナウンスがフィールド内に聞こえた。
それこそが、清隆の待ち望んだアナウンスだった。清隆は後ろにいた3人の方向に振り向く。
すると、3人は同時に頷いた。
「そのとおりだ、小猫。お前がはぐれになったら、グレモリーさんたちが悲しむだろ?」
「で、でも!」
「塔城。葛木兄の言うとおりだ。下がっておれ」
小猫は必死に清隆を助けようとするが、杉並と葵、サラの三人が止める。
「あなた、こんなことしてどうなるか分かっているの!!」
「そんなの興味ないな。でも、この勝負は―――――」
リアスの言葉を清隆は華麗にスルーする。
そして、清隆の桜の色がピンク色から金色に変わる。
「俺たちの勝ちだ!『金色桜』!!」
清隆は金色桜を身に纏う。
「瀕死状態のあなたに何ができるというの!!」
リアスは先ほどと同等の消滅魔法を清隆に放つが清隆は簡単にその魔法を打ち消した。
「その程度の魔法じゃ、今の俺には効かない」
「ど、どうして!?さっきまでその力は使えなかったはず!」
「金色桜は使えなかったんじゃない。使わなかったんだ。もしここで使ってしまうと、ソーナさんとの戦いに支障がでてしまうから。でも、今はもうその心配はない。なら後は、本気で戦えるということだ。覚悟しろよ、リアス・グレモリー」
清隆はさらに続ける。
「それに、俺は個人的にあんたに言わなくちゃいけないことがある。あんたはソーナさんの友達なんだろ?なら、なんであの時ソーナさんを助けなかったんだよ」
「だから!それは相手が上級悪魔だから仕方がなかったのよ!」
「仕方がない?相手が自分より目上なら友達を助けないのかよ?なら、あの話が終わってなぜ、直ぐにソーナさんのところにいかなかったんだ?」
「そ、それは」
「結局、あんたは自分の身を守りたかっただけなんだ。友達っていうのはな―――――」
清隆はリアスを睨む。
「苦しい時には声をかけ、どんなことがあろうとも背中を押してあげられる関係のことを言うんだ!上っ面だけで友達語んじゃねぇよ!友達が苦しんでるのに!涙を流しているのに!なんであんたが傍観者でいるんだよ!訳がわかんねぇんだよ!上下関係なんて俺にもわかる。それでも!友達が涙を流してる時ぐらい一緒にいてやれよ!なんで、一番付き合いが長いあんたが一緒にいてやらねぇんだ!」
さらに、清隆の魔力が膨れ上がった。
「この感じは……。なるほどな。どうやら、俺の仲間も家族といっしょにいたいらしい」
そして、追い打ちをかけるように清隆の後ろに魔方陣が現れ、風見鶏のメンバーが帰ってくる。
その光景を見てリアスの顔がさらに青ざめる。
「みんなが此処に居るっていう事はこれが今残っている全員って事ね」
「ッ!?そ、そんな嘘よ!だって、朱乃は『雷光の巫女』になったのよ!それにイッセーだって『禁手』にも至った!」
リッカの言葉にリアスも焦りが隠せない。
「女王なら私の友人が相打ち覚悟で倒しましたよ」
「兵藤君も私が倒させていただきました」
アスナと姫乃のその言葉でリアスは跪く。直ぐにアーシアが駆け寄る。
清隆は帰ってきたメンバーを一度見て、再びリアスを見る。
「詰みだぜ、グレモリーさん。いや、あなた達にはチェスの駒でやっているからチェックメイトの方がわかりやすいか?どう足掻こうとこれをひっくり返すのは不可能だぜ?」
「まぁ。ソーナは瀕死の体になりながらも必死で私に食らいついてきたわよ。どれだけの無様な姿を晒そうと。自分が負けることは分かっていたはずなのに。まぁ……」
リッカは一気に魔力を膨れ上げる。
「あなたにそんな覚悟があるわけないか」
リッカが片手に魔力を溜め、その後の最後の一言でレーティングゲームは終了した。
ゲームが終わり、残っている風見鶏のメンバーのみ勝利者インタビューのようなものを受ける。
そして、今回の勝負のことなどを記者たちが詳しく風見鶏のメンバーに聞いてくる。
それを皆は嫌な顔をせず、全てに答えていった。
「では、最後に風見鶏の皆様からテレビの前にいる冥界の悪魔たちに言いたいことなどはありますか?」
「なら、一つだけ言わせてもらいます」
一人の女性記者が言うとそれに清隆が答えた。
「えっと、ここにいる皆様には今から配布する資料を見て欲しい」
杉並と葵とサラの3人が手際よく資料をそれぞれの記者に渡していく。
「そこにはなんと我々風見鶏が調べていたら突然出てきた上級悪魔及び最上級悪魔で下僕を売買してお金を儲けている人物の名前が書かれています」
清隆の言葉に会場内が一気にざわめきたった。
「それに、ここになんと証拠まであります。これを皆様に配ってもいいかなと我々は思っています。もちろん、我々風見鶏の名前を使ってくれても構いません。風見鶏が全面的に情報の提供を行いますので、ほかの悪魔たちの圧力を受けることもないでしょう。みなさんは下僕を売買している上級悪魔や最上級悪魔を許せますか?」
清隆がそう言うと、一気に上級悪魔たちのクレームが響きわたる。
「そうです。そして、皆さんに言いたいこともあります。エリザベスさん!」
清隆がエリザベスを呼ぶ。エリザベスは黒歌を連れてくる。
「皆さん、聞いてください。この子の名前は黒歌といいいます。そしてS級はぐれ悪魔です」
その言葉に先程までしゃべっていた会場が一気に静まり返った。黒歌ですら少し怯えていた。
「皆さん、黒歌は主である上級悪魔を殺してしまいました。しかし、我々が調べたその資料の中に黒歌の元主の名前もありました。そして、調べた結果、黒歌は自分の妹を守る為に主を殺さざるを得なかったことが分かりました」
「ですが、殺す必要はなかったのでは?」
清隆の言葉にひとりの記者が問うた。
「そうかもしれません。ですが、考えていただきたい。上級悪魔が事実を知ればその下僕をどうするか。そして、今の上級悪魔が黒歌を殺そうともしていました。S級はぐれ悪魔にして冥界に近づけないようにしたのがその証拠でもあります。そして、我々風見鶏は黒歌を保護することに決めました。しかし、そこにいる魔王であるルシファーにお聞きしたい。あなたは一体何を見ていたんですか!黒歌がどれだけ苦しい思いをしていたかお分かりですか!そして、尚且つ黒歌をこのまま死罪にでもしますか!ここで答えていただきたい!いや、答えやがれ、サーゼクス・ルシファー!お前のせいで黒歌と小猫がどれだけ苦しい思いをしてきたか!お前の無能さが!悪魔のルールが!自分勝手さが!黒歌達を傷つけたんだ!」
会場で立っていたサーゼクスに怒鳴り散らした。
「その件に関しては本当にすまなかった。そこの資料に書かれている悪魔全員に罪を償わせる。もちろん、黒歌の処分も保留とし、直ぐに無罪に近い処罰の方向にもっていく。そして、二度とこの様な事が起きないように努力する。魔王『サーゼクス・ルシファー』の名にかけて。それじゃいけないだろうか?」
サーゼクスは頭を下げながら清隆達に言った。
「俺の言いたいことはこれだけです。これで、風見鶏の話を終わらせていただきます」
清隆は最後にそう言って、締めくくった。
「やられたな、サーゼクス」
「アザゼルか。まぁ、今回の件に関しては私が全面的に悪いからな」
記者会見が終わり、サーゼクスに話しかけたのは元堕天使の総督のアザゼルだった。
「それにしても、魔王であるお前に無能とかよく言えるよな。肝が座っているのか、よっぽどの馬鹿か。まぁ、前者だろうけどな。それでも、よくこんな詳しい資料を作れたよな、風見鶏は」
「あぁ。正直言って、私ではこれほどの資料を作ることができるかどうかもわからない。それにすべての悪魔たちの証拠である情報まで全てが記載されている。もしかしたら、風見鶏は我々4勢力の中で最も力をもっているのではないのだろうか?」
「そうかもしれないな。それにしても、リアス達は結構つらいだろうな。小猫が敵に回らずに自分たちの仲間でこれからも居てくれることは嬉しいだろがな。でも、ビックリだよな。悪魔の駒を上書きしてくるなんて。これも想いの力って言うわけか」
「そういうことだね」
冥界でのレーティングゲームが終了し、日常が訪れる……
それは、清隆が望んだ何気ない日常だった……
そこには、今までいなかった人物もいて……
冥界に行く以前よりも騒がしく……
そして、暖かな空間があった……
次回「待ち望んだ日常」
こんな毎日がずっと続けばいいのに……
ということで、原作5巻の話はどうでしたか?少し、荒くなってしまった部分もありましたがなんとか終われました。で、これを読んでいる人たちに聞きたいことがあるんですけど。
なんで、この作品読んでるんですか?
あ、いやいや皆さんの思っている意味じゃなくてですね、この作品を「ハイスクールD×D」が好きで読んでいるのか「D.C.Ⅲ」が好きで読んでいるのか少し気になってしまったんです。また、クロスオーバーが好きとか、「Rewrite」や恋姫などが好きというかたもいらっしゃるかもしれません。それで、今、私自身が考えているのが少しオリジナルの章をやってみたいなとか思ってるんです。その理由として、SS小説ってどこまで原作の良さを崩さずに原作を引用しないかが重要だと思うんですよ。それで、流れとしては、少し変えているつもりなのですがやはり引用も多いかなと思うんですね。もちろん、オリジナルの章にも悪魔勢は出そうかと思っているんですけど、そのオリジナルの章を「D.C.Ⅲ」か「Rewrite」の話を中心としていこうかなと思うんです。もし、「ハイスクールD×D」じゃなくちゃいけないとか思っている人がいれば感想ではなくメッセージとして送っていただければ幸いです。感想にかくのは少し恥ずかしいでしょうから。そういう意見が出たからといってこの作品を消すわけではないので安心してください。また、○○○の作品の内容も入れて欲しいや「俺、Rewrite好きなんでD.C.Ⅲ入れずにお願いします」などでも構いません。最悪、「D.C.Ⅲ」と「Rewrite」の内容を混ぜてもいいかなとかも思ってます。一応、6巻は絶対にする予定です。オリジナル章を入れるとしたら7巻との間に入れるか7巻の後に入れるか7巻の内容として混ぜるかのどれかですね。
では、感想、メッセージをお待ちしております。