「ご主人様!」「主!」「清隆!」「「「「清隆さん!!」」」」「……清隆さん」
愛紗、星、ゼノヴィア、美琴、ティアナ、スバル、アスナ、シノンが一斉に清隆に近づく。
「みんな、助かったよ。ありがとな」
「清隆、あいつは一体何者なんだ?」
「あいつは兵藤だよ。覇龍っていう暴走状態になっているけどな」
耕助の質問に清隆は答える。
そして、清隆の言葉に皆は驚いた。
「ウガァァァァァァァァァ!!!」
その時、突如イッセーの叫び声が聞こえてくる。
皆がその光景を見て驚いた。
皆の攻撃で傷ついた鎧はどんどん元通りになっていっているからだ。
「まぁ、あの化け物は我々全員で相手をしなければ勝機すら出てこないだろうから、清隆は向こうでサラ、葵、黒歌に治療を受けてきてくれ。皆、行くぞ!」
巴の掛け声と共に皆はイッセーに向かって駆け抜ける。
巴、静流、姫乃、耕助、四季、美琴、ゼノヴィア、アスナ、シノン、ティアナ、スバル、愛紗、星がイッセーに向かって攻撃を開始する。
「静流、解放は出来るか!」
「少し時間がかかる……」
巴の声に静流は静かに答える。
「あの化け物と同等の力はおそらく静流の全力でしか戦えない。だから、静流は解放をする準備をしていてくれ!時間稼ぎは我々でこなす!皆、持ちこたえてくれ!」
巴の言葉に皆が一斉に返事をする。
「星!」
「了解した、愛紗!」
「「禁手!!」」
二人はお互いの掛け声と共に禁手を行う。
「『魔龍騎士の武装』!!」「『聖龍騎士の武装』!!」
二人の勢いに押されるように次々と力を開放していく。
「ハァァァァ!!」
「行きますよ、鬼姫!!」
巴は全身に魔力を纏い、姫乃は鬼姫を開放する。
「四季!リンクだ!」
「了解です、マスター!!」
耕助と四季はリンクし、力を増強させる。
「行くぞ!デュランダルクロス!!」
「行くわよ!『電光化』!!」
ゼノヴィアはデュランダルに聖なる力と想いの力を、美琴は電気と光を纏う。
「シノン!援護お願いね!行くよ、アロンダイト!!」
「……うん」
「スバル、あんたは思いっきりやりなさい。背中は必ず守るから!」
「任せるね、ティア!」
アスナは自分の剣を抜刀し、シノンも愛用のヘカートを構える。
それに釣られるかのようにスバルとティアナも攻撃態勢を取る。
「「機術・雷閃!!」」
「デュランダル・バースト!!」
「超電磁光砲!!」
「……撃ち抜く。ショットバレット」
「クロスファイアー!!」
皆が構え終わった瞬間に遠距離攻撃が得意な耕助、四季、ゼノヴィア、美琴、シノン、ティアナが遠距離攻撃を行う。
しかし、イッセーは片手を前に突き出し、その攻撃をすべて受け止める。
「ウガァァァァァァァァァァ!!!」
そして攻撃してきたみんなに魔力弾をぶつける。
その威力に咄嗟に判断できた四季と耕助以外吹き飛ばされる
本能的にか、イッセーは開放の準備をしている静流の下に駆け出そうとする。
「「させん!!」」
しかし、その途中で愛紗、星の二人が立ちふさがる。
「ガァァァァァ!!」
「グハッ」
「愛紗!クフッ!」
愛紗は一発て吹き飛ばされ、星が愛紗を守ろうとするが、星も簡単に吹き飛ばされる。
「俺たちも行くぞ!」
耕助は四季を連れて走る。
「マスター、相手は化け物です。ここは、私に任せてください!」
「了解だ。でも、無理だけはしないでくれよ!」
四季はそう言って、イッセーの懐に潜り込む。
「ウガァァァァ!!」
イッセーは四季に気づき、拳を振り上げる。
「やらせねぇ!フルアクセル!!」
耕助が直ぐに魔法を使う。耕助の言葉の瞬間、四季のスピードが上がり、間一髪というところでよける。
しかし、その拳圧で四季が少しだけ後退させられる。
「グガァァァァァァ!!」
イッセーは狙いを耕助に変える。
「マスター!!」
突然のスピードで耕助も対応ができない。
ガキンッ!
しかし、耕助に迫るイッセーの拳は一つの刃によって防がれる。
「耕助君、下がっていてください!ここは、私たちが止めます!それよりも、四季さんに魔力を」
防いでいたのは、姫乃だった。
「あ、あぁ!」
耕助はすぐに状況を飲み込み、四季の方に走る。
「四季!」
「マスター!」
二人は一気に魔力を高める。二人の魔力が混ざり合う。
「「姫乃ちゃん(さん)、下がれ(がって)」」
そのあまりの魔力に二人もすぐに飛び退く。
「「機術・雷狼牙!!」」
狼の牙のような形をした雷がイッセーを襲う。
しかし、その攻撃すらイッセーには通用しなかった。
攻撃を行なったあと、耕助達は膝まづいてしまう。
一瞬耕助を見るが、直ぐに静流の方に駆ける。
「だから、させません!」
姫乃が直ぐに割り込む。そして、姫乃はイッセーの直線的な攻撃を上手く交わす。
「グガァァァァァァ!!」
イッセーは叫び声と共に魔力弾を放つ。
「今です、巴さん!!」
姫乃は直ぐに退く。すると、地面から巴が姿を現す。
「待っていたよ。兵藤、お前なら姫乃が相手なら、本気の攻撃を放つと思っていた。静流の解放を待つのもひとつの手だが、こっちの方もある意味本命なのでな。自分の攻撃を喰らえ!オーガ・バスター!!」
イッセーの攻撃が巴によって相殺ではなく、巴に引き寄せられていく。そして、それを巴自身の技としてイッセーに放つ。
「やりましたね、巴さん!」
「ハァハァ、まぁ、一気に魔力を持っていかれたがね。どれだけの威力なんだ」
『boost』
二人が安堵の声を上げていると何かの機械じみた音が鳴り響いた。
二人はその音に驚き、イッセーの倒れた方向を見た。
そこには鎧が剥げて元のイッセーの姿があった。
『boost』
鎧ははげているはずなのに二人には分かってしまった。
イッセーは下を向き表情が見えなかった。
『boost』
ゆっくりと、イッセーの篭手からその声が鳴り響く。
『transfar』
その声が聞こえた瞬間、イッセーの姿がその場から消え、二人の目の前に現れる。
「「は、速い!」」
姫乃はすぐに鬼姫を使い、ガードしたが先ほどとは比べ物にならないその力に吹き飛ばされる。
「姫乃!貴様ぁぁ!」
巴は直ぐに状況を判断し、拳をイッセーに向かわせるがイッセーは巴の拳を片手で受け止め、投げ飛ばす。
「グハッ!クッ、化け物か!」
巴が一瞬目を離すと姿はなく、そのまま巴の前に現れる。
直ぐにガードを構えるがその威力にリアスたちの隠れている場所のそばまで吹き飛ばされる。
「巴さん!」
我慢できずに裕斗が駆け出す。
「裕斗!来るな!」
しかし、巴の声がグレモリー眷属に届くことはなかった。
ぞろぞろとリアスたちが姿を現す。
「やめて、イッセー!」
「イッセーさん、私は生きています!」
「イッセー君!目を覚まして!」
「イッセー、目を覚ませ!」
「イッセー君!戻ってくるんだ!」
「イッセー先輩!こっちに戻って来てくださいですぅ!」
皆がイッセーに呼びかける。
『boostboostboostboostboostboostboostboostboostboostboostboostboostboostboostboostboostboostboostboost』
しかし、その声をかき消すかのように。イッセーの叫び声のように赤龍帝の篭手が倍加を始める。
そして、イッセーはゆっくりと顔を上げる。
その瞳には色がなかった
その瞳を見たグレモリー眷属は声を上げることをやめなかった。
しかし、巴は知っていた。この瞳の者に何を言っても他の声は届かないことを。
そう、かつて自分の親友であるリッカが力に囚われたときの瞳と同じ色をしていたからだ。
色の存在しない色。つまり、そこには何もないのだ。
『recovery』
その掛け声と共にイッセーの体に鎧が再び装着され始める。
そして、装着された鎧は先程までの鎧とは全くの別物だった。
「これが、本物の覇龍なのか……」
ヴァーリですら驚きを隠せなかった。
両肩、両膝には龍の模様が入っており、先程までは重量がかなりありそうだったが、むしろ鎧というよりは服に近くなっていた。
「グガァァァァァァァ!!!」
そして、イッセーの顔には龍の形をした仮面が作られていた。
その仮面のせいでイッセーの顔は誰にも見えなかった。
そして、イッセーはゆっくりと手に魔力を溜め、リアスたちに向けて放つ。
その圧倒的な力の前に皆は動くことができなかった。
「伏せろ!馬鹿者ども!」
巴は咄嗟に皆の前に立ち、その攻撃を一人で受け止めた。
「五条院!?」
リアスもその驚きの出来事に思考がついていかなかった。
巴はその場で膝まづいてしまった。
体中から大量の血を吹き出してしまっている。
傷は巴の瞬間回復により回復しているが、いつもよりも回復が遅かった。
「なるほど。龍の攻撃は回復を遅延させる能力も、あるのか……」
巴はゆっくりとイッセーを見る。
(清隆。お前はいつもこんな化け物達と一人で戦っていたのだな。それに比べて私は……。自分の姿がここまで滑稽だと思う日が来るとはな。私はお前に並ぶことができたと思ってしまっていた。だが、全然じゃないか)
巴の瞳から一粒の涙がこぼれ落ちる。
しかし、無常にもイッセーは先ほどと同じように魔力を溜める。
(ここで終わってしまうのか?生きていたくなかった。そんな私に希望をくれたリッカ。生きる意味をくれた清隆に少しでも自分の成長した姿を見て欲しかったな)
そして、イッセーの攻撃が放たれる。
しかし、いつまで経っても攻撃が巴に届くことはなかった。
巴は瞑っていた瞳を瞳をゆっくりとあける。
そこにはいつもと違い黒い髪となり、黒い翼を纏った静流の姿があった。
圧倒的な力の前に次々と撃破される風見鶏の仲間達……
絶望的な状況に姿を現したのはカテゴリー5の一角『中津静流』……
彼女は自らの限界を超え、赤き龍帝に勝負を挑む……
しかし、赤き龍帝の力は常に加速し続け、進化し続ける……
静流は仲間を守るため、人間の枠をはみ出すほどの力を開放する……
そんな彼女の全てを背負い込む姿を自らの家族にかぶって見えた少女もいた……
清隆を全てを受け入れる父と称すなら少女は全てを癒す母と言えるだろう……
次回「限界を超える戦い 想い繋ぐ黒き一閃」
みんなが傷つく姿を見続けるわけにはいかないんだ!力がある私がどうにかしなければいけないんだ!もう、嫌なんだ。目の前で大切な人を失うのだけは……嫌なんだ…